シラノちゃんは設定年齢11歳   作:しずくまい

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他人から見て玲子さんの汚点となりうることとは何か。
恋愛での失敗、生き恥だと思う何か、様々あると思います。
薬×依存、〇春等、人に知られると恥ずかしい過去、黒歴史もまた汚点となりうる可能性はあります。
真面目で現実主義な彼女にとっての汚点とは……
でっちあげですよ? 多分、本編ではバイクには乗れないでしょうから。


~番外 本編の『玲子さんの汚点』でっちあげ中編~

 山へ向かう道。その人に出会った。 

その人を後ろを追いかける形で走っていた。

 

初めて見た時から何処かで見たような、古い友人のような感じだった。

 

 バイクの乗り方からだろうか? ライン取りも、所作も、誰かを真似するかのように。それでいて何者よりも速く走ろうとする無駄のない動きにも思えた。

 

――誰かに似ていたからだろうか。

 祖母がVサインする姿が浮かぶが、まさかね? と肩を竦めた。

 

 しばらく走ると、その人は減速し出した。

 何か気になったのか、ハンドシグナルを送られる。

先に行けと。

 

 何とも言えない顔になるが、その通りに先を進む。

追い抜く時にその人を見る。やはり女性だと思う。

 

 外側が黒で、内側を暗緑系の色をしたバイク――車体名はわからないが――を横目に走り抜ける。

 

 登りは勢いよく走っても事故ることは少ない。だが下りは気を付けたほうがよさそうなこの道を何度も走った。

自然とグリップを握る手に力が入っていく。カーブが楽しい。

 

 風を切る音が心地いい。自然と口から言葉が溢れる。

 好きな本の一説。

あぁ、今、開放されている気がする。

 

 

 

 前を走る人は何といえばいいのだろう。全身から喜びが溢れているような走りをしていた。

 

 先にいかせ、のんびりいこうかと考えてはいたが、後ろを走りながら、何かよくわからないものを感じていた。

 

 それはバイクの乗り方にも表れているようにも思えた。

 その人は私があったバイク乗りに近しい乗り方をしている。

 

――よく似ているのだ。

 今年になって事故ったと聞いていたが、それ以降、会うことはなかった。

 

 ただこの人は速く走ることが好き、というわけではないらしい。

 時々、自制するかのように定速に戻すが、動きが跳ねているのだ。

 

 実際跳ねているのではないが、心が浮いているかのように感じる。

 

 速度がまた上がる。

 鬱積したものを発散させながら乗る、暴走族や走り屋ではない。

 

 だが、その動きは目を引いた。気になる程に……!

……おいまて、そこは駄目だ! あー、入っていくのか?

あぁ、もう仕方がない……

 

 慌てて後を追いかける。ここは奴らの縄張りでもある。この時間帯だと……

あいつらの餌食にされるのは駄目だ!

 

 

 

……目的地についた。ついたのだがすぐに帰りたくなった。

 自販機の前に数名座っている。改造バイク、暴走族が乗るようなバイクだ。

 

 絡まれたくないなと思いながらも遠くに止める。

 ここから山に入れば目的地はすぐだ。

 

「なんだおまえ」

「え?」

 

 気づいた人たちは眉をしかめたまま近づいてくる。

早速絡まれたのか、ゆっくり近づいてくる。

ガムをくちゃくちゃとさせながら、逃がさないように。横に広がるように。

 

「いかしたバイク転がしやがって、おまえここが誰の縄張りか知ってて止めやがったな?」

「いい度胸だ。ん? こいつ女だぜ?」

「へぇ、ますますもっていい度胸だ気に入っ!?」

 

 言葉は途中で遮られた。

 急加速してきたバイク。タイヤを滑らせくるんとターンしてみせる。

 慌てて暴走族の人たちは後ろへ下がる。

 

「あぶねぇ、何考え、おまえは!?」

 

 シールドを上げる音が聞こえる。

 

「あいつだ、謎の女が出たぞ」

 謎の女?

 

「だとしたら、奴の仲間か」

「ヘッドに報告だ」

 ハンドシグナルで先に行けと合図を送られる。

 慌てて走り出す。エンジン止める前で、ヘルメットを取る前でよかったと思いながら急発進させる。

 

「あ、まて」

 

 後を助けてくれた人も走り出す。すぐに追い抜かれ、先導するように進んでいく。真似るように後を追う。

 

 風とタイヤを擦りつける音、巧みにカーブを曲がる。

下り坂の時に加速すると最悪事故る。特にスピードを出そうとする時は気をつけないと。

 

 後ろでガシャンと音がした気がした。後ろを確認する余裕はない。だがおそらくは……

 

 心の中は逃げないとと先を急ぐ。もっと下調べしておけばよかった。ああいう人が関わって来るとか想定外だったのに。

 

 山を下りるまで一緒に走ったが、Uターンして帰っていく。

 お礼言いそびれたと思いながらも、今日は帰ることにした。暴走族はやっぱり怖い。

 

 

 

 暴走族のヘッドがやってきた時にはもう既に謎の女はいなくなっていた。

 

「沼山ぁ。手紙渡してこいやー」

「またっすか? って今回は普通の詫び状っすね」

「読むな馬鹿野郎! あとおまえらー、追いかけるんじゃねぇ。これ以上、借り作りたかぁねぇんだよ」

 

 ここの下りは速く下りようとすると事故りやすいポイントがいくつかある。

 見事に追いかけた二人がこけ、Uターンしてきた謎の女が助けてくれたのだという。

 ほんの少しのやりとりだったが、彼らにしてはそれだけで十分だった。

 

「あっし、惚れやした」

「あれで喧嘩も強いとききますぜ」

「黙れ、馬鹿者。俺が告るって決めてんだ」

「それなら手紙とか自分で渡せば」

 

 殴られる。沼山は笑う。ああいう女は貴重だが――

……いったいそれを守ったのは何者だったのか?

謎の女に謎エピソードが追加されるのであった。

 




登場人物紹介~
謎の女。
 都まんじゅうのメンバーが一年だった頃に現れた暴走族の中で謎の女として有名になったバイク乗り。

 絡まれることも多かったらしい。挑発に乗らず必ず無言で立ち去る。その堂々と立ち去る姿が珍しく、そして人知れず暴走族の心を掴んでいった。

暴走族のヘッドは直接会い一目惚れ。メッセージを送るが……
都まんじゅうのメンバーの中にこの謎の女がいる!
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