ダンジョンに蟲使いが現れるのは間違っているだろうか。   作:珊瑚宮出身イマジン

14 / 20
改めてトリコのアニメを見直していると、サニーの声優さんの演技が凄すぎて声聞くたびにリアルヘアロック状態になってるので初投稿です。

ちょっと投稿遅れてしまい申し訳ないです。書きたいからというだけで性懲りもなく新シリーズ書き始めたりウマ娘にハマり始めたりであっという間に連休が無くなりそうだったため慌てて徹夜で書き上げました。
ちなみに自分はメジロマックイーンとアグネスタキオン、あとカレンチャンが好きです。(隙自語)

あと、アンケートご協力ありがとうございました!!作者がやりたいようにやっていい、とのことなのでお言葉に甘えて好きにやらせていただこうかと思います!
ただ、適当に入れたら良くないとも思ってるのでそこら辺も上手く折り合いをつけれるように頑張ります!

今回、やっと少し話が動きます。
ではどうぞ。



グルメ12:『地獄から来た魔獣』

「さっさと来な。今日はダンジョンに潜るがてら新技とやらの試運転なんだろ?」

 

「あ、はい!今行きます!」

 

「ったく…」

 

ベルが午前にアフテクと座学を行い、午後にレグリオと……時折アフテクも交えて、トミーロッドの特訓メニューをこなしたり実戦形式の訓練を行ってそろそろ1週間が経とうとしていた。

その間、ベルはダンジョンに潜ることはなかったがその代わりというべきか、自身の能力でありスキルでもあるグルメ細胞の力に向き合い、そして使い方を模索してある程度までの把握をしていた。

ガララワニ戦の際に放ったビートパンチ、その時は状況が状況だったために、無意識に避けていたベルはやむを得ず使っていたのだが、そのことで相談しに行った際トミーロッドからの

 

「使う使わないはお前の勝手だが、体の一部としてその力がある以上、お前は嫌でも向き合わなければならない」

 

という言葉で熟考の後、踏ん切りがついて自らダンジョンに潜るのを中止し、自身の内にいるゼブラに能力やそれを使った技などのことを聞きつつ、それをレグリオに頼み込み実戦形式で特訓に付き合ってもらっていたのだ。

それによって判明した事が少なからずあった。

 

それは、燃費があまり良くないことだ。

ゼブラ曰く、この能力は他のグルメ細胞の力と比べて威力がとても高い方なのだが、それによるカロリー……ベルたちの世界で言うところの体力や精神力のそれに似たものを消費する量もまた他と比べて多い。

つまり、無闇やたらにグルメ細胞の力を使うのはあまり良くないということだ。

これだけならば、この世界における魔法と似たような扱いで対処のしようは幾らでもあるのだが、問題は仮に尽きた場合のことだ。

アフテク曰く、精神力は尽きても気絶するだけで特にこれといった命の危険はないという。

要はダンジョン探索の真っ最中などでは危険だが、ホームなどで試し撃ちなどをし過ぎて気絶したとしても暫く休むか専用のポーションを使えば問題はないということだ。

 

だが、カロリーの場合はそうもいかない。

これもゼブラ曰く、カロリーは精神力とは違い『生きるためのエネルギー』を消費しているため、尽きてある程度時間が経つと死ぬ危険性があるのだ。

そのある程度の時間の間に、何か食べ物を食さないといけないのだとか。

しかも、ゼブラの能力は一度カロリーが尽きると復活するには、とにかくたくさんの食材を食べてカロリーを全回復させないと声を出すことすらもできなくなるのだという。

自身の細胞を進化させるほどのレアな食材であれば話は別らしいが、そんなものは早々見つかることは無いということなので基本は宛にできないのだ。

ベルに発現したスキルの1つ『自食作用』で戦闘時のそういった危機の際に一度だけ全回復させて5分間だけ全開状態で戦わせてくれるというものもあるが、それでもやはり先延ばし…というか何も解決策にはならない。むしろ5分以内に食材を口にしないと本当に死んでしまうから尚更危ないのだ。

なので、これを使うのは余程の時くらいだろう。

よって、長期の戦闘が予想される場合はポーションと同じように予め食料を多数持ち込んで行くしかない。

それ以外の今回のような日帰り探索の時などは、上手く調整してガス欠にならないようにするしかないのだ。

ちなみにこれは余談だが、一週間近くに及ぶ特訓の結果ベルのステイタスは大きな成長を見せていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力:S 900→SS 1093

 

耐久:S 900→SS 1129

 

器用:S 900→SS 1101

 

敏捷:S 900→SS 1231

 

魔力:E 400→E 482

 

 

グルメ細胞:I 狩人:SS 対異常:EX 憤怒:?

 

 

《スキル》

【グルメ細胞の食欲】

・超早熟する。

・食欲が続く限り効果持続&食欲が上がる。

・未知なる食材への好奇心の丈により効果向上。

・身体能力の大幅向上。

・損失した体の各部分の再生可能。

・特定の条件達成時、一度だけオートファジーの発動が可能。

 

 

自食作用(オートファジー)

・グルメ細胞が成長の壁にぶつかった時かつ瀕死時、または極限まで怒った時かつ瀕死時、一度だけ発動可能。

・自身の体中の細胞を食い尽くし、全回復する。

・時間制限は5分。それを超えると、死に至る。

・5分以内にグルメ食材を食すと、限界を超え更に大きな成長を迎える。

 

 

音の悪魔(ボイスデーモン)

・グルメ細胞に宿る。

・音の悪魔の力を行使可能。

・聴覚超向上。

・カロリーを消費して食欲のエネルギー放出可能。

・威嚇行動可能。

・本人の意識とは別に、一定時間潜在意識が悪魔の形で顕現可能。本人のみ抑制可能。

 

 

【英雄決意】

・能動的行動に対するチャージ実行権。

 

 

【美食を追い求めし者(小)】

・グルメ食材と相対した時、全アビリティに小補正。

・好奇心の丈により向上可能。

 

 

《魔法》

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「(そういえばゼブラさん…カロリーの話をした時、なぜか表情を険しくさせてたなぁ…あれは何だったんだろう……聞いても答えてくれなかったし)」

 

と、そんなことを思い出しながらベルはトミーロッドと共にダンジョンに潜っていった。

もう一つ余談だが、ガララワニの出来事の翌日からベルはレグリオに替えの武器として今現在レグリオが使っている双剣にする前に使用していた片手剣を装備している。

こちらは双剣のとは違い特別な何かというわけではないが、使われている素材はほとんど深層のものでとても頑丈だ。

「お前なら、有用な武器で自身が腐るなんてことにはならねぇだろ」という言葉と共に渡されたのだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!」

 

「グ、ギュゥゥゥゥ………」ボトボトッ

 

「…ふぅ……」

 

「へぇ…それなりに様になってきてるじゃないか、その威嚇」

 

「まだまだ、ですよ……これでも、まだほんのちょっとしか、出せてないみたいですし…はぁっ…」

 

「よくわかってるじゃないか。

ま、そんなんで満足されてたら引き千切ってたところだけど」

 

「え゛っっ……冗談はやめてくださいよぉ…」

 

「さぁて、どうかなぁ?フフフ…」

 

そんな雑談を交えながらも、現在トミーロッドとベルは順調にダンジョンの中層……13階層辺りを進んでいた。

その際に遭遇した敵はというと、上層のも含めてガララワニと比べるとベルにとってはもはや敵にもならなかったため、無駄な戦闘は避けるということも兼ねてスキルにあった『威嚇行動』というのを試していた。

ゼブラ曰く、殺気を含ませてオーラを漲らせそれを出す……つまり、目の前の敵に威圧をかけるようにすれば良いということでベルは早速試してみた。

 

すると、先程まで目の前にいたモンスター達がピタッとまるで時が止まったかのように動きを止め、そのままベルを見つつガタガタと震え始めて意識を失い魔石を残して灰となったのだ。

せいぜいモンスターが逃げるくらいかなぁ…と思っていたベルは、予想以上の結果になったことで改めて自身の能力の恐ろしさを味わいつつカロリー消費に慣れないためか少し息を荒げ、トミーロッドはベルのその成長っぷりに少し感嘆の声を漏らしつつ冗談を言いながら、二人は更に潜っていった。

 

❑❑

 

ちなみに……

上層の8階層にて進んでいる途中、キラーアントと呼ばれる蟻のモンスター1匹を遠目で発見した際ベルは変わらず威嚇で無駄な戦闘を避けようとしたが、トミーロッドはそれを制止。

不思議そうにトミーロッドを見るベルを置いて、トミーロッドは完全に気配を消してからキラーアントに接近、その直後にキラーアントを()()()()()()()()()()()

突然のことにあんぐりと口を開けて驚いているベルを他所に、トミーロッドはそのまま掴み続ける。当然のように、キラーアントは固有の性質であるフェロモンを出すことも動くこともままならない。

すると、キラーアントは段々と縮んでいきそのまま一つの()()のようなものになっていったのだ。

 

「……はっ!え、と、トミーロッドさん?あの、何をしたんですか……?」

 

「あん?見りゃわかんだろ、こいつを()()()()()大きさにしてやっただけだ」

 

「いやわかりませんてそんなの…って、え?取り込む?今取り込むって言いました!?」

 

「それ以外に何があるってのさ」

 

「それ以外しか思いつかないと思いますけど!?」

 

当然、そんな光景を見せられて黙っているベルではなかった。

怒涛の勢いでツッコむが、トミーロッドはそれを軽くあしらう。

これ以上は聞いても理解できないだろうしわかりたくない、と第六感的な何かで感じたベルは聞くことを諦めそのままとぼとぼと足を運んだ。

そんなベルのあとをトミーロッドは結晶化したキラーアントを()()()()()()()ゆっくりと付いていったのだった……。

 

 

❐❐

 

 

そうして二人が15階層に入った瞬間、

 

 

ズズズズズッッッ……

 

 

突然、ダンジョン全体が大きく揺れ始めた。

少し経つと止んだが、何かを感じ取ったのかトミーロッドもベルも表情を少し険しくさせていた。

 

「……何か、出たようですね」

 

「この気配は、猛獣かな」

 

「折角ですし、どんな奴なのか探ってみます」

 

そう言ってトミーロッドが少し下がった後に、ベルは片膝を付いて地面に片手を付ける。

そして、目を閉じて意識をその手に集中させながら、掌の部分から超音波を連続で発生させた。

これもゼブラから能力のことを聞いた際にあった技の一つだ。その名も……

 

『エコーロケーション、反響マップ!!』

 

そうして、暫くベルはその姿勢のまま超音波を出し続け下の階層の状況を探っていた。

すると……

 

「これは……牛みたいなモンスター…ミノタウロスかな?が、食べられてる…?

それに、()()()()()()()()()()()()の、これは……猛獣、かな…?そして周りに…多数の、人…!?」

 

「んで、どんな感じだ?」

 

暫く見守っていたトミーロッドがそうベルに問いかける。

少ししてから、ベルは超音波の発生を止めたのか立ち上がり、真剣な表情でトミーロッドに答える。

 

「ここから多分2階層下…17階層の一室に、トミーロッドさんの言う猛獣らしき奴がいます。

そして、それと交戦中の団体がいるようですが、一部が危険な状態なのですぐ行かなきゃ…!!」

 

「……へぇ、やはりか。」

 

言い終えるなり、下へ続く階段へと一直線に駆け抜けていくベルの背中を見ながら、トミーロッドは不気味な笑みを出しベルの後を追うように飛んでいったのだった……。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「はぁ〜〜……まさか撤退する羽目になっちゃうなんてなぁ……」

 

「いつまでそれを言うつもりよ馬鹿ティオナ。気持ちはわかるけど、あの新種のモンスターの腐食液で武器やアイテムの大半が溶けちゃったんだから、しょうがないでしょ。」

 

「それでもだよ〜〜!なーんかこう、ふかんぜんねんしょう?って感じ〜!」

 

「なぜそこで疑問形なのでしょうか…?」

 

「さぁ…?」

 

そんな雑談を交えつつも、現在遠征から帰還中のロキファミリアが17階層を進んでいた。

その理由が先程の会話にあったように、「遠征用にと準備した武器やアイテムの大半が、突如現れた多数の新種のモンスターの攻撃によって溶かされ、遠征を続けることが困難になった」ためであったのだ。

その場所が50階層という深層、それもモンスターが湧かないはずの安全地帯にて起きた出来事のため窮地に立たされていたのだが、この遠征組の中で唯一その腐食液に溶かされず対処できたアイズの活躍によって、なんとか撤退を成功、ギリギリのところで帰路につけたのである。

そうして、一行は17階層までなんとか進めたのだったが……

 

 

ボゴッボゴゴッ

 

 

ダンジョンの嫌がらせとでも言うべきなのか…その途中のとある一室にて、不幸にも牛型のモンスター…ミノタウロスが、ダンジョンの壁から大量に出現したのである。

これに対して、ロキファミリア団長のフィンは主力である自身ら幹部達を温存、そして下の者達の経験を積ませるという目的も兼ねて、ミノタウロス討伐の指揮を次期団長候補であるラウルに一任させていた。

それを受け、ラウルの指揮のもとミノタウロス討伐を行っていたのだが……

 

 

交戦する直前、突如()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「っ!?なんすかこれは…!!」

 

「落ち着けラウル、指揮官の君が慌てちゃいけない」

 

「は、はい!」

 

そう言いラウルに冷静さを取り戻させたフィンだったが、フィンも自身の親指を噛みつつ何かを感じ取ったかのように思索に耽りつつあった。

 

「(親指がこれ以上ない程に疼いている……先程の極彩色のモンスターといい、この嫌な揺れ方といい、一体何が来るつもりなんだ…!?)」

 

そう思い警戒していると、目の前のミノタウロスの一部が逃走を始めた。

上の階層へと続く階段に向けて走り出すミノタウロスを見てまずいとフィンが追撃の指示を出そうとした瞬間、それは現れた。

 

「な、なんだこいつぁ……」

 

「また新種…!?」

 

「あれだけのミノタウロスを、一息で…」

 

「何なんすか……あ、あり得ないっすよ……」

 

「なに、あれ……」

 

「巨大な……蛇?」

 

「馬鹿な…連続して新種だと?」

 

「質の悪い冗談じゃ……」

 

「はは…全くだよ……」

 

一瞬にして、階段のすぐ横の大きな壁に特大サイズの罅が入り、そこから多数の鬣と腕を持つ蛇のように細長い胴体の生き物が飛び出すようにして現れ、その勢いのまま付近にいたミノタウロスを全て一息で丸呑みにしてしまったのである。

そのあまりの光景に、それぞれ別の言葉を吐きつつ驚愕や絶望といった表情に変わる一行達。

 

そうなるのも無理はない。

 

何故なら、その場には……

 

 

 

「ギュオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ギャオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!!!!!!!!」

 

 

 

トリコの世界ですら『地獄から来た魔獣』と恐れられている猛獣デビル大蛇……それの更に強い個体、所謂強化種である

 

 

 

デーモンデビル大蛇が、現れたのだから。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!
よろしければ感想や評価などありましたらよろしくお願いします!

今回も軽く補足しますね。

・ゼブラのカロリーの話
トリコ原作では全く表記されていなかったけど、四獣編でいつの間にかしっかり習得した体になっていたやつです。
ネタバレになるかもなのでこれ以上は言いませんが、こちらのssではゼブラもしっかりあのお寺で修行をしたという設定で通してます。

・トミーロッドの蟲取り込み
原作をどれだけ読んでもトミーロッドが新しい蟲を得る際どうしているのかが全くわからないので、ここは100%オリジナルで書きました。
これちょっと違和感ありすぎじゃない?とかありましたら教えてください。

と、こんな感じですかね…

前書きにも書いたように、新シリーズ出しちゃってそっちも書きたいので投稿ペースは少し落ちると思います。そこはすいません。
でもあれはこのss書く前からずっと候補にあげてて書きたかったやつなんです…!!

次回は今回の続きです。
アイズとベル絡ませてぇなぁとしか考えてません、はい。

それでは。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。