ダンジョンに蟲使いが現れるのは間違っているだろうか。 作:珊瑚宮出身イマジン
前回アイズとベルを絡ませたいなどと書きましたが、色々あってそれは次回になりました。ついでに今回トミーロッド出ません。ゴメンネ…
今回はvsデーモンデビル大蛇戦前半です。
戦闘シーン書くの相変わらず上手くないので、ここおかしいとかあったら教えてください。
ではどうぞ。
ザッ!ギィン!ギィン!ガガガ!!シュッ…ズザザ……
「おっらぁ!!」
「そりゃあ!!あ、あら?」
「ティオナ!後ろよ!」
「えっ?うわわっ!!」
「っ……!あのモンスター、魔石も見当たらないし、攻略法がわからない…!」
「アイズ!」
「まともに攻撃も当てれんぞ…なんとかならんのか、フィン!」
「はぁ…はぁ……なんとかなってたら、とっくに指示は出してるさ…」
既に30分程。アイズやロキファミリアの幹部達とデーモンデビル大蛇は、ほぼ一進一退の攻防を繰り広げていた。
その間これといった突破方法はなく、どちらかと言えばほんの少しずつだが幹部達が押されているという状態だった。
幹部達は上手く連携を取り合い、散らばりながらも的確に敵を惹き付けその隙に首元を狙って武器を振るったり、あえて正面から受けてリヴェリアの合図と共に離れ魔法を喰らわせる、などといった様々な作戦で攻撃を仕掛けていた。
が、それでも決め手に欠けるどころかまともな傷一つ付けれていなかった。
それでも攻撃を絶え間なく続けていた為、ロキファミリア側は疲弊する一方。
元々遠征での緊急事態への対応でそれなりに消耗していたとはいえ、立て続けの戦闘の為確実に限界が近付いていた。
そして、肝心のデーモンデビル大蛇はというと…
「ギュ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!」
まるで何事もなかったかのように、ただ悠然と吠えていた。
疲弊しつつあるとはいえ、相手はオラリオ最強派閥のロキファミリア。
それもLv5やLv6といった幹部陣を全て相手取った上で、この余裕だった。
このロキファミリアの攻撃に対して、デーモンデビル大蛇はただ前脚で素早く薙ぎ払ったり、上半身を少し縮めた後に頭突きをかますかの如く勢い良く正面に突撃、または上体をくねくねと上手く動かして攻撃を躱していただけだった。
そんな消極的とも舐めてかかっているとも取れるようなデーモンデビル大蛇の様子を見て、ふとフィンの頭の中にはある一つの可能性が過った。
「(このモンスター…まさか、全力を出していないのか…!?)」
そう考えた瞬間、ロキファミリアの幹部、アマゾネス姉妹のティオナとティオネと狼人のベート、そしてヒューマンのアイズによる連携攻撃が再度開始された。
まず、ティオナとティオネがデーモンデビル大蛇の前に立ちデーモンデビル大蛇の攻撃を誘う。
案の定、デーモンデビル大蛇は少しニヤッと
それを待っていましたと言わんばかりにティオナとティオネの二人は跳躍してこれを回避。
デーモンデビル大蛇は勢い良く壁に突撃してそのまま頭まで埋まった。
そこに、アマゾネス姉妹が首元近くを狙ってティオナとティオネの2人が肘や拳、足などの身体を使ってそれぞれ叩きつけて固定を。
更にほぼ同時に2人が引き付けている間に、後方に回り込んだベートが得意の足技による渾身の踵落としを決めて下半身を固定させた。
そして通常時と比べて伸びた状態の胴体を、アイズが自身の魔法で風を纏いながら愛用の剣デスペレートを携えて全力で縦に斬り捨てる。
「よしっ!」
「さっすがアイズ!」
「ハッ、やるじゃねぇか!」
決まった!と思い反射的に三者三様の反応を見せる3人。
アイズもこれで決まった……
と、思っていた。
「アイズ!皆!!離れろ!!!」
親指で危険を感じ即座に指示を出すフィンの声も、届かず。
「…っっ!!!!」
「「「アイズ!!?」」」
直後、アイズの剣を持っていた右手に強烈な痺れと痛みが襲いかかった。
あまりの痛さに、思わず手を開いてしまい剣を落としてしまう程だった。
その手を少し覗くと、手全体が痺れて動かしづらくなっているだけでなく掌の部分が真っ赤に腫れ上がっていた。
これは現代で言うところの、鈍器などで鉄などの硬いものを思いっ切り叩くとその分の反動や痺れが手に伝わってくるという現象に似たものだ。
「(手がジンジンして、痛い…けど、確かに斬ったは、ず………!?うそ、そんな……)」
「リヴェリア、念の為魔法で団員たちを守れ」
「!…わかった、だがアイズ達は」
「僕とガレスが行く」
「……頼んだ」
アイズがデーモンデビル大蛇の方に振り返ると、先程の胴体には傷一つ付いていなかった。
正確にはアイズから見て反対側の方にほんの少し小さく付いていたのだが、それはアイズからは見えない。
傷一つ付けれなかったことにアイズが段々と青ざめていく中、デーモンデビル大蛇はのんびりと何事もなかったかのように頭を壁から引っこ抜いた後に、何もなかったはずの胴体から
「「「「「なっ……!?」」」」」
モンスターとして以前に、生物としてあり得ないようなその行動に幹部一同が驚愕する中、デーモンデビル大蛇はまず正面を向いたまま、何かしたのか?と言わんばかりに尻尾から下半身部分を動かし目にも止まらぬ速さで強くダンジョンの天井に連続で叩き付けた。
咄嗟のことで全く動けずにいたベートは、回避することも叶わずもろに直撃。
少ししてから激しく叩きつける音が止み、デーモンデビル大蛇が下半身を天井からゆっくりと剥がすと、そこには多量の血を流しながら天井に貼り付けられたかのようにめり込むベートの姿が。
少ししてからガラッ…という音と共に力なく落下して、そのまま仰向けに倒れた。
「「ベート!!」」
「「「っ……!!」」」
そんな有り様を見せつけられ、思わず声をあげるアマゾネス姉妹。
その隙を見逃さず、デーモンデビル大蛇は増やした腕の内2本でそれぞれ2人を掴んだ。
「なっ!!ぐっ、抜け出せない……」
「なにこれ〜〜!!力強すぎるぅぅ!!」
そう叫びながら2人はデーモンデビル大蛇の手の中で必死に藻掻く。
が、いくら抵抗しようとも抜け出すことは叶わず。
アマゾネスという力のステイタスが高い種族であるにも関わらず余裕の表情で圧倒しているその姿は、まさに化け物。
「はぁ!!!」
「ぬぉぉぉ!!!」
そんな2人を救出するため、ベートのもとに駆けようとしていたフィンとガレスの2人は姉妹を優先。2人を掴んでいたそれぞれの腕を切り落とそうとそれぞれ槍と大戦斧を振るった。が……
ガギィンッ!!
「「なっ…!?」」
別の腕に弾かれる。それどころか、2人の武器に罅が入ってしまう。
先程のアイズの時の胴体は分厚いためまだ硬いことはギリギリ納得していたフィンだったが、まさか多数あるとはいえ細い腕までもが硬いとは予想外だった。
一体なぜ…と思ったが、その答えはデーモンデビル大蛇からの攻撃を受ける直前にあった。
「(そうか、伸縮性のある腕や胴体をギリギリまで縮めて硬くしていたのか…!)」
そう推測したフィンが息づく暇もなく、デーモンデビル大蛇は武器を弾いた腕とは別の腕を限界まで縮めた後に勢い良く発射し、自身の腕ごとフィンとガレスを横壁に叩き付ける。
「「がはっ…!!」」
「「「フィン!!ガレス!!」」」
「……!!てめぇ!!」
「こん、のやろーーー!!」
ミシミシ…という体内からの悲鳴音と共に吐血してしまうフィンとガレス。
2人ともLv6の耐久力の為か致命的なダメージにはならなかったが、暫くまともな戦闘行動ができない程には消耗してしまった。
そして、未だに掴んだ手の中で鬼のような形相で必死に藻掻いているアマゾネスの姉妹2人をポイッと空中に放り投げ、それをまるでラケットでテニスボールを撃つようにデーモンデビル大蛇が1本の腕で勢い良く叩いた。
「「ガッッ……」」
「ティオナ!ティオネ!!」
たったそれだけのことでも、2人には十分過ぎるほどのダメージだった。
2人は吐血し、動けなくなった。
そうして次の狙いをリヴェリアとその他の団員達に付け、突如デーモンデビル大蛇は先程までずっと大きく開いていた口元を閉じた。
「何をする気だ…!?」
フィンの指示通り団員達に貼るための防護魔法の詠唱を終えタイミングを見計らっていたリヴェリアだが、デーモンデビル大蛇の突然の奇行に警戒の度合いを上げつつそう呟く。
何が起きるのかはわからないが、とてつもなく嫌な予感はする。そんな感じだった。
何をしでかすのか全くの未知数のためおちおちやられた幹部達の救助にも向かえず、むしろリヴェリアの後ろから動かしてしまうと守り切れない、という状態だ。
当たってほしくはないが…というリヴェリアの心の声と共に感じた嫌な予感は、不幸にも当たってしまう。
「ギュブギュブギュブ……ゲェェェ!!!!」
デーモンデビル大蛇の閉じていた口の隙間から、黄緑色でブクブクと泡立っている液体が漏れ始めたのだ。
あれを吐き出すつもりか!?と察したリヴェリアは杖を構える。
その予想も当たってしまい、少しした後にデーモンデビル大蛇はリヴェリアだけでなく後ろの団員達全員に被せるかのように大量の黄緑の液体を吐き出した。
「ヴィア・シルヘイム!」
それに対し、リヴェリアは詠唱を終え用意していた防護魔法で自身の後方にいる団員全員を囲うようにドーム状の結界を張る。
結界のが一歩早かったためか、なんとか液体がかからずに済む。
が、少しすると結界の各所からジュゥゥゥ…という音が鳴り、小さくだが綻びが出始める。
「何!?結界を溶かすだと…溶解性の毒というやつか……ぐっ!?」
そう呟き、慌てて結界の修復のために更に自身の魔力を注ぎ込む。
だが、そうしている間ずっと待っているほどデーモンデビル大蛇はお利口ではないし馬鹿でもない。
結界の維持でリヴェリアが集中している間、デーモンデビル大蛇は結界の位置まで移動。直後、2本の腕を使い結界ごと弾き飛ばした。
いつもならば避けるなり防護魔法を上手く使いなんとか受け止めるなどのことをしていたリヴェリアだが、現在結界の維持で手が離せなかっため扱うどころか回避することができなかったのだ。
そうして、結界や他の団員共々リヴェリアは壁側に弾き飛ばされる。
結界は物理攻撃にもしっかり対応するのだが、かなり強力ではあるがデーモンデビル大蛇の攻撃が手加減されているためか結界に罅が入れど砕けることはなかった。
だがここだけでなく、元々遠征で魔法をそれなりに使用していたためリヴェリアはこのタイミングで精神疲弊を起こしてしまい、結界魔法への物理攻撃による衝撃なども相まって倒れてしまう。
その際に結界が解けてしまったが、不幸中の幸いというべきか結界に張り付いていた毒は先程の弾き飛ばしでついでになくなったため、結界が解けても団員達にかかることはなかった。
が、リヴェリア達と比べレベルが極端に低いためか皆弾き飛ばしの影響で気絶してしまった。
そうして周りにいた大多数を軒並み吹き飛ばした後、振り返り上層へと動き始めようとしたデーモンデビル大蛇だが、ここで足を止める。
直後、デーモンデビル大蛇の周りを多数の風が舞った。
アイズの唯一使える魔法【エアリエル】によるものだ。
それと同時に剣による無数の斬撃の音……ではなく、金属と金属がぶつかり合うような音がした。
暫くそんな音が響き続けるが、デーモンデビル大蛇は平然としていた。
それどころか、最初の時と同じく特に疲れた様子もない余裕ある姿を見せていた。
「ロ゙ロ゙ロ゙ロ゙……ギュ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」
やがて鬱陶しく感じたのか、突如デーモンデビル大蛇は現在いる17階層全体に響かせるかのように爆音のそれにも近い鳴き声をあげた。
ここまででも既に何回か鳴いてはいたが、それは全てそこまで大きいわけではない。つまり様子見程度のものだった。
「くっ……!?耳が……鼓膜が、破れそう……」
そんな鳴き声を移動しているとはいえ至近距離で聞かされたアイズは、思わず移動を止めて両手で耳を塞いでしまう。
そしてそこを狙いデーモンデビル大蛇が即座に鳴くのを止め、またもアイズを自身の腕で掴み壁まで押し込んだ。
「!しまっ(ドゴッ!!)かはっ……!!」
両手で耳を塞いだままでまともな回避が一歩遅れたアイズに、容赦なく直撃した。
そのまま壁に押し込まれ、元々被弾をあまり想定していない軽装備なのも相まって大ダメージを受けてしまう。
そんなアイズのもとに、腕でしっかり固定しつつもゆっくりと近づくデーモンデビル大蛇。
自然と口角が上がっているように見えるのは、気のせいではないだろう。完全に勝ちを確信している様子だった。
そうして近づき、少し頭を伸ばせばすぐ届くだろうその位置で止まったかと思えば、再度口を閉じて黄緑の溶解液を吐き出す準備に入っていた。
腕を緩める気配がまるでないことから、自身の腕ごとアイズを溶かそうという魂胆が見える。
「(ごめん、みんな……私、ここまでみたい…)」
先程のアマゾネス姉妹と違いあまり力がないアイズは藻掻こうとするもまともに動かせないことで諦めに入ったのか、心の中で今は倒れている仲間達に謝り出した。
抵抗をしなくなったためか、デーモンデビル大蛇の手の中で視界が段々暗くなっていく。
そして、それと同時に心の奥底の本音が漏れ出す。
「……たす、けて…」
絞り出すように弱々しく放たれた一言。
悲しくも、誰にも届くことはない。
………はずだった。
ドゴンッッッッ!!!!!
「グギャオオオアアアア!!?!??!」
「……え?」
突然の浮遊感。
手を離してしまい、更に強く吹き飛ばされ壁に勢い良く衝突するデーモンデビル大蛇。
目の前を駆け出す赤黒い稲妻のようなエネルギーの塊が。
その中に、まるで素手で殴り飛ばしたかのように片腕を思いっきり振るったような構えをしている人が。
かと思えば、直後にまるで何かに抱き上げられたかのように自身に感じる誰かの手の感触。
先程までの真っ暗な景色から一変、アイズの目の前には白髪で紅い瞳の少年が先程の赤黒いそれを纏いながらアイズを抱き抱えていた。所謂お姫様抱っこである。
何か反応をする前の一瞬の内にそれなりの距離を移動したかと思えば、その白髪の少年はアイズをそっと丁寧に降ろす。
「ふぅ……よし、もう大丈夫ですよ。」
「あ、えっと…」
「あいつは僕が引き受けますので、貴女はここにいてください。」
「ゼブラさん。力、使いますね…」
「スゥゥ…はぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!」
「っっ……!?!??!」
そう言い切った瞬間、少年は一つ息を整えると同時に先程のエネルギーの塊とは別のオーラのようなそれを纏い始める。
それと同時に、その少年の背後から圧倒的な威圧感が放たれると共に、まるで全身の血管が浮き上がった海坊主かのような人型のそれが見えた。
それを見たアイズは気絶することは辛うじてなかったが、化け物と呼ぶにはあまりに言葉が足りないようなそれを連れて少年はデーモンデビル大蛇の前に立つ。
「さぁ、僕の栄養になってもらいましょうか……!!」
如何でしたでしょうか。宜しければ感想や評価などよろしくお願いします!_|\○_
今回は補足要らなそうなのでなしです。
最初はベルくんの戦闘シーンも入れるのを想定してたんですが、あんま長いと読みづらいかなー?という考えが頭を過ぎったので分けることにしました。
次回もこれの続きです。多分文字数少なくなります。
それでは。