ダンジョンに蟲使いが現れるのは間違っているだろうか。   作:タロス(元通りすがりの電王好き)

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真面目な宝じょ……投稿者「活動報告で伝えていたとはいえ、前回の投稿から2ヶ月程空いたようだな。これだけ投稿が空いたら誰だって書く時の感覚は鈍るだろう、僕だって実際同じだからな。
……このおよそ2ヶ月間、本当に大変だった。リアルのことに追われたり濃厚接触者判定を受けて自宅待機を受けてその際の予定変更での連絡などに追われたりウマ娘やFGO、ダンメモなどのイベント周回をこなしたり…な。」

サボりたいパラ……投稿者「何が言いてぇんだよ!そんな話をすれば俺がリアルの疲れやゲームや鬱を癒すことより書く事に専念するとでも思ってんのか!」

真面目「別にお前の心配はしてないよ。僕が心配してるのはこのシリーズを待っている読者様だ。(実際はわからないが)こんなに長く待たせてしまったことでの辛い思い、これ以上読者様にさせたくない。そのためにも、お前とここで決着を付ける。」

※真面目な投稿者、フルボッコなう……

サボり「まだ終わりじゃない、次こそウマ娘やFGOをする時間…もとい、体を癒す時間を設ける!(シュンッ)」

真面目「(ガシッ)次 な ん て な い 。 敗者に相応しいエンディングを見せてやる……」


(事前に伝えていたとはいえ投稿が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。ではどうぞ。)


グルメ14:対決!デーモンデビル大蛇【後編】

「にしてもあの新入り、やっぱ何度見てもスキルがおかしすぎるわ」

 

「なんだレグリオ、藪から棒に」

 

ロキファミリアがデーモンデビル大蛇と戦闘を繰り広げていた頃、ヴァーリファミリアの本拠地「法廷の館」にてレグリオとアフテクは並ぶようにソファーに座りそれぞれ書類仕事をしながら話していた。

目線を合わせてはいないが、2人は至って真面目に仕事に打ち込んでいる様子だ。

 

「ほら、俺ここ1週間ほどあいつと訓練してただろ?」

 

「まあ、そうだな。私も時々参加させてもらったことだしな」

 

「んで、先週に1度見た上で改めて新入りのスキルの効果を間近で何度も見たんだけどよ、ありゃやべぇわ。

とてもレベル1が持っていい出力をしてねぇ」

 

「それに関しては私も同感だ。

だが、なぜ今それを?」

 

「……俺達や師匠を始め、多数のレベルが高い冒険者たちの強力なスキルや魔法にデメリットもあるのはわかるだろ?

あれは効果が強力であればあるほど、それに比例してデメリットもでかい場合が多い。

…あの新入りのは、それが特にでけえと思うんだ」

 

「…あの項目内にある、カロリーと言うやつか?」

 

「そうだな。それと「スキルの能力そのものもね!」うおっ!…ってなんだ、ヴァーリか」

 

 

段々と真剣な表情に変わりながら話す2人のもとに、ヴァーリファミリアの主神ヴァーリが会話に割って入るように現れた。

 

 

「やっほー。会話が聞こえたからつい、ね」

 

「…はぁ。それで?そのものも、というのはどういう事だ」

 

「文字通りだよ。2人もわかってるとは思うけど、あの能力はとてもなんて言葉じゃ済まないほど強力だ。

最初スキル項目で見た時は半信半疑みたいなものだったけど、トミーロッドくんの話と実際の訓練の様子を見て、今私の中で確信に変わりつつある。」

 

「……あれは危険だ。ベルくんの身に余る、という意味でね。」

 

「「……。」」

 

「けど、私が言う前にあの子は感づいていたのかな…訓練の途中から出力を抑えて使用し始めたみたい。」

 

「それでか、その日以降からスキルの力あまり使わなかったのは…」

 

「ふむ、なるほど…薄々察してはいたが、それなら合点がいくな」

 

「…私はダンジョンまで様子を見守ることはできない。だって、神だからね…。」

 

「だから2人に頼むよ、ベルくんのことを。」

 

「言われなくとも、そのつもりだぜ」

 

「まあ、ここまで面倒を見たことだしな。同じ家族でもあるし今更何も問題はない。」

 

「! ありがとう…。

あとこれもわかってるとは思うけど、あの力を他の人に見られたら色々と不味い。だからなるべく隠すようにしてほしいんだけど…それも頼めるかい?」

 

「…なるほど、わかった。請け負おう。」

 

「あー…てことは、あれ教えちまったのは不味かったかなぁ…」

 

「ん?あれ?あれとはなんだレグリオ、何かしたのか?」

 

「あー…あいつのスキルって要は音での攻撃だろ?だから…義姉さんと似てると思って、つい……」

 

「…!おいまて、まさかとは思うが……」

 

「………やっちまったぜ☆」

 

「はぁぁぁぁ……馬鹿者。素直に喜べんぞ……」

 

「…えっと……とりあえず、誰かが見てないかベルくんが使ってないことを祈るしかないね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、僕の栄養になってもらいましょうか…!!」

 

ギュォォォォォァァァァァァァ!!!!!!

 

ベルはそう言いながら、前方にいるデーモンデビル大蛇に向かって威嚇行動を取りながらゆっくりと前進していく。

それに対してデーモンデビル大蛇は、先程の殴られによるダメージなぞないとでも言うかのように変わらず吼える。

 

 

そうして、両者が対峙する。

 

 

一方は不気味な笑みを。一方も同じく不気味ながらも、どこか楽し気な笑みを浮かべていた。

 

そのまま少しの間お互いは全く動かなかったが、どこからか鳴った石の落ちる音を皮切りに、両者は激突した。

 

先に仕掛けたのはデーモンデビル大蛇。

先程までのロキファミリアにした様に、素早く一本の腕を伸ばして掴もうとした。

 

ジェットボイス

 

一瞬の内に両足首に赤黒いエネルギーを纏わせたベルは、それを素早く横に一瞬で移動することで回避。そのまま大きく弧を描くように迂回しながらデーモンデビル大蛇に近づく。

それに対し、デーモンデビル大蛇はベルを狙って多数の腕を伸ばしていく。

が、どれも当たることはなくベルはデーモンデビル大蛇の目の前に着く。

そして、そのまま更にダンッ!と強く地を蹴り、デーモンデビル大蛇の首元を狙ってすれ違い様に片手剣を振るった。

 

 

ギィンッ!ピキッ…

 

 

しかし響くのは、まるで金属同士がぶつかり合うような鈍い音と。

そして、何かの欠けたような音だけだった。

 

「やっぱり、硬いですね…」

 

デーモンデビル大蛇から距離を取りつつ、ベルはそう呟く。

手元の片手剣を見ると、先端付近の刃が欠けてしまっていた。

その一方でデーモンデビル大蛇の方を見れば、先程斬った部分には傷一つ付いていなかった。

それどころか、なんともないように平然と佇んでいた。

 

「む…これは、もうちょっと使わないといけないようですね…」

 

『おい小僧。てめぇのその武器じゃ一生かけようが攻撃は届かねぇぞ、わかってんのか』

 

『えぇ、たった今それを実感しましたよ…なので、出力上げさせてもらいますね』

 

『フン、好きにしやがれ。ってか、訓練中もそうだがいちいち俺に許可取る必要ねぇだろ』

 

『それは……なんというか、必要かと思っただけで…』

 

『あぁ?訳のわからねぇことを言ってんじゃねえ。それよりも来るぞ』

 

『…!』

 

無意識に悪魔の能力の使用を抑えつつあった自分に言い聞かせるように、ベルはそう呟く。

そして少々ゼブラとの会話の後に腕を構えているデーモンデビル大蛇に向き合い、ベルは覚悟を決める。

 

特殊付与(エンチャント)・サウンドアーマー」

 

そう言った途端、ベルの手に持っていた武器の片手剣に赤黒いエネルギーが付与された。

その直後、再度デーモンデビル大蛇がベルに向けて伸ばした腕を右足を軸とした軽いステップで軽く躱し、その伸び切った腕を先程の片手剣で素早く両断する。

すると、先程まで弾かれていたデーモンデビル大蛇の硬い皮膚をあっさりと貫通し、ざくりと気持ちのいい音で綺麗に切断できた。

 

ギュェェェァァァァァ!!?!?

 

先程までアイズの剣撃をも余裕で弾いていたのもあって、まさか斬られるとは微塵も思わず油断していたデーモンデビル大蛇は悶絶。

斬られた腕がビタンビタンッと跳ねている中、デーモンデビル大蛇は痛みを紛らわせるためかのように叫び続けながらその場を動き回っていた。

 

『チッ、うっせぇ奴だ……おい小僧、こいつのウィークポイントはわかるな?』

 

『ええ。まだ大雑把にでしかわかりませんが…顔の上部分ですね?』

 

『そうだ。今はまだそれでいいが、すぐにでも正確なポイントまで絞れるようになれ。でねぇと殺すからな!』

 

『わかってますから、今そんな物騒なこと言わないでくださいよ…ゼブラさんが言うと洒落にならないんですよ。』

 

『…ケッ』

 

そう言った後、ベルはデーモンデビル大蛇に再度向かい合う。

デーモンデビル大蛇は、痛みがようやく和らいだのか荒い呼吸をしながらもベルを見据えている。

その表情は、誰が見ても怒り有頂天といったものだ。

 

「(ウィークポイントはあの目の下辺り…この位置からだと捉えられないけど、ちょっと飛べばこれが使えるかな。)」

 

一方でベルがデーモンデビル大蛇のウィークポイントへの攻撃手段を考えていると、突如デーモンデビル大蛇が襲いかかる。

今度は先程までとは違い、本気といった様子での攻撃だ。

腕を振り回しつつ、今度は髪一本一本から毒液を吐き出していく。

それをベルはジェットボイスの力で素早く動き回ることで難なく回避し、そのまま後ろへと下がった後にデーモンデビル大蛇に向けて大きく飛び上がる。

 

「(よし、ここだ!)ボイスミサイル!!

 

飛び上がった後ベルが右手を開いてデーモンデビル大蛇に向けてそう叫んだ瞬間、ベルの右手から赤黒いエネルギーの砲撃が放出された。

デーモンデビル大蛇はそれを払い除けようと腕を大きく振るったが、その腕ごと吹き飛ばされベルがウィークポイントと定めた部分に当たる。

 

ギュェェェェァァァァァァァ!!?!?!!??!!

 

それなりに警戒したにも関わらず、今度は腕どころか自身の弱点とも言える第二の目のような役割の部分を攻撃されたため、大ダメージと共に大きく怯んだ。

 

「よし、これなら!」

 

そう呟き怯んでいるデーモンデビル大蛇に向かっていくベル。

だが…

 

ギュァァァァァ!!!!!!!

 

「なっ!?っぐ!!」

 

怯んでいたと思われたデーモンデビル大蛇は実は怯んでおらず、あえて怯んだように見せることでベルが再度突っ込んでくるのを待っていたのだった。

確かに捉えたと思っていたベルは想定外の事態に動きを止めてしまい、その一瞬の隙を突かれベルはデーモンデビル大蛇の腕に捕まってしまった。

 

「(そんな!確かにウィークポイントは狙ったはず……!!?)」

 

捕まりながらもそう思い、ベルは改めてウィークポイントを探る。すると、

 

「(なっ…!さっきのとは別のウィークポイントが出ている!?)」

 

先程まで出ていた部分とは別で、今度は目と顎の下部分に新たに多数のウィークポイントが発生していたのだ。

 

「(あんなにたくさんのウィークポイントを見落としていたなんて…!でもあの位置は狙いづらい、ならレグリオさんから教わったあれを……いや、今はそれよりもここから抜け出さなきゃ!)」

 

そうこう考えていたベルはすぐさま思考を切り替え、なんとか抜け出そうとする。

だがいかに前回のガララワニの時と比べ大幅に強化されたとはいえ、ベルはまだレベル1。抜け出すのは困難だった。

そうこうしている内に、デーモンデビル大蛇は毒を吐き出す態勢に入り始めたのかまたもや口を閉じて毒を生成しだす。

 

ギュブッギュブブ…

 

「!!スゥゥゥゥ……

サウンド・バズーカぁぁぁ!!!

 

それを見たベルは本能的に危険を察知。

瞬時に範囲攻撃を行い、それに怯んだ隙に離脱に成功した。

 

「はぁ…はぁ…危なかった……」

 

しかし、その範囲攻撃のカロリー消費は激しくベルは先程までの余裕がなくなりつつあった。

デーモンデビル大蛇から距離を取り、膝に手を付き肩で息を切っている。

 

「トミーロッドさんにも言われたしもうちょっと余裕を持って勝ちたかったけど、仕方ない…出し惜しみはなしでいかなきゃ…!!」

 

そう言いながら、デーモンデビル大蛇を見据えるベル。

音の怯みから復活し、先程以上に憤怒の形相で今にも食い殺さんとベルを見据えるデーモンデビル大蛇がいた。

 

両者は再度対峙するが、今度はベルが先に仕掛けた。

一直線にデーモンデビル大蛇へ向けて駆けていくベルを見て、デーモンデビル大蛇は髪から毒を吐き出しながら再度捕らえようと多数の腕を伸ばしていく。

 

「ふっ!はっ!」

 

それをベルは上手く左右にステップして躱しつつデーモンデビル大蛇の伸ばした腕に乗り、デーモンデビル大蛇の真正面を向かうように大きく飛び上がる。

 

「(ここで、レグリオさんから教わった()()を…!!)福音!!

 

飛び上がった直後にベルがそう叫ぶと、ゴーン、ゴーン…と鐘のような音が響き、その音が赤黒く内部でバチバチと稲妻が小さく走っている霧のようなものとなってベルの身体から部屋全体に飛び出し、ベルが狙っていたウィークポイントに限らずデーモンデビル大蛇の全身に大ダメージを与えた。

更に間髪入れずにベルは右手に白い光と先程の赤黒い霧を集中させる。

それに合わせて、先程のとは別の鐘の音が部屋中に響き渡る。

 

「これで…! ボイスミサイルゥゥゥゥ!!!

 

その言葉を皮切りに、ベルの突き出した右掌から特大サイズの白と赤黒が混じったエネルギーが放出される。

その攻撃を、デーモンデビル大蛇は抵抗する間もなくもろに直撃し、攻撃が終わった後に全身が黒焦げ状態になって倒れ沈黙した。

こうして、デーモンデビル大蛇とベルの戦闘はベルの勝利によって幕を閉じた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

デーモンデビル大蛇の沈黙を確認してから着地したベルは、そのままゆっくりと大の字に倒れ肩で息を切っている。

ただ、その表情はどこか晴れやかなものだった。

 

 

 

「………」

 

部屋の端の方で壁に背中をつけていたアイズは、その戦闘の一部始終を見つつただただ呆然としていた。

そうして、デーモンデビル大蛇が沈黙しベルが意識を失ったのか息切れが聞こえなくなったところでハッと我に返り、ベルのもとへ手元に残っていたポーションを渡しに行こうとした瞬間、何かの羽音が部屋に響き始めた。

 

「おーおー、派手にやったねぇベル。また倒れているのは如何かと思うけど、しっかり仕留めれたみたいだしそこは評価してやろうか」

 

直後にそんな声が聞こえる。瞬時に声のする方へ振り向くと、そこには両手で沢山の食材を抱えながら背中の昆虫のような羽で飛んでいる人物…トミーロッドとその後ろで共に飛んでいる巨大な数匹の蟲達の姿があった。

トミーロッドは倒れているベルの近くで着地し、蟲達に指示をした後に食材を片手で抱えもう片方の手でベルを担ぎ、そのまま飛び始める。

一方で蟲達は先程のデーモンデビル大蛇のもとまで飛び、一匹一匹がそれぞれデーモンデビル大蛇の体の一部を持ち上げて運ぼうとしていた。

そんな様子に呆気にとられていたアイズだが、去ろうとしていることに気づき慌てて気を取り戻した後にトミーロッドに話しかけた。

 

「…待って!」

 

「んー?なーんだ、雑魚共が揃って無様に倒れてるのかと思ったら、一人だけ意識があるじゃないか。言っとくけど、どんな質問であれ答えるつもりはないよ。」

 

「貴方は、誰?」

 

「…こいつ、人の話聞く気ないのか?ボクは答える気はないと言ったはずだけどね」

 

「……答えて、ください。」

 

「雑魚に答えることなんて何もない。ボクのことより、そこの後ろにいるゴミ共の方を心配したほうがいいと思うけど?」

 

「!!」

 

そう言ってトミーロッドがアイズの後方に指を指す。

その方向にアイズが振り向くと、プルプルと震えながらだが起き上がろうとしているロキファミリアの幹部達がいた。

アイズは質問の事を置き、慌てて幹部のもとへと向かう。

その間にトミーロッドは一瞬のうちにベルと食材を抱えて、蟲達はデーモンデビル大蛇を抱えて飛び上がり、地上へと戻っていったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へぇ、あの子供みたいにちっちゃい奴、中々やるじゃん。

あの力見てるとなんだか他人事のように思えないし、何か依頼でもしてみようかねぇ。

師匠の話通りなら、あれは間違いなく…

ってあー……まぁた喋りすぎちった、師匠からよく言われてたことなのになぁ。

さーて、素材集め素材集め…っと。」




本当に久々に書いたので、色々と酷いことになっているかもしれません。それでも宜しければ感想や評価などよろしくお願いします!_|\○_

今回も補足はなしです。わからない部分などがありましたら是非教えてください!できる限りお答えします。

本当はもうちょっと長くする予定でしたが、これ以上投稿が先延ばしにされるのはまずいと判断したので早めに切り上げました。次回にその部分も書きます。

それと、戻って早々あれですが1話だけpixivで書きたいものがあるのでそれを終えたらまたこちらに戻ります。それでは。

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