ソードアート・オンライン ラフコフ完全勝利チャートRTA 2年8ヶ月10日11時間45分14秒(WR)   作:TE勢残党

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やっと74層が終わるので初投稿です。


22/n 74層途中から終了まで②

 MTD大粛清RTA、続きです。

 

 前回は攻略組のケツを叩いて74層に引っ張り上げた所まででした。詳しい所は前話までを参照してください(ダイマ)。

 

 さて現在。最前線は第74層、ゲーム開始から1年4ヶ月あまりが経過しております。

 

 因みに60層から74層までで、攻略組1軍クラスの死者は2名でした。大体試走でも1~3人くらいは死にますね。まぁ道中の事故なんかではシステムにうっすら守護られているネームド級連中は死にませんので、これは無視して構いません。

 

 同時にMTDから1人、血盟騎士団(KoB)から2人、聖龍連合(DDA)から4人が脱落。一部はラフコフに吸収されてますね。どうやらPoHニキが良い仕事をしてくれているようです。ナカナカヤルジャナイ!(ク☆)

 

 そろそろ、95層で来る戦争を見据えて戦力の調整を始める時期ですからね。攻略組があまりにも大正義すぎると効率的な皆殺しに支障が出ます。だから、PoHニキの聖龍連合切り崩しを黙認する必要があったんですね(メガトン攻略組)。

 

 特にシトリー姉貴でしたっけ、聖龍連合の副隊長クラス(戦力的にはディアベルはん一歩手前相当)が向こうに落ちたらしいのがうま味ですね。

 

 PoHニキとはアルゴにバレない範囲で連絡を取り合ってるんですが、彼女は攻略組構成員としては最後発の人でした。昔やった犯罪傾向プレイヤーのあぶり出しの時(9/nほんへ参照)はまだ低層でほのぼの傭兵稼業だったらしく調査にひっかからなかったみたいですね。

 

 ピトフーイと言いシトリーと言い、あの時の調査をすり抜けてから頭角を現す奴多い……多くない? とお思いの兄貴たちもいらっしゃるでしょうが、あれはあくまでその時点で見込みありそうなのが居たら引き込もうというものですから、今回のように後から出て来る強キャラは対象外です。

 

 さて彼女、どっかで灰色の悪魔とか呼ばれてそうなビジュアルと能力ですが、表情に出ないだけで結構な愉快犯気質で「どうせなら面白い方がよくね?」みたいな個人主義的と言うか、自分勝手な所があるようです。まぁRTA走者が言えたことじゃありませんけどね!

 

 その上で必要とあらば何でもやるし善悪に頓着がないようで、最近まで普通に攻略組でいられたのも、ラフコフに引き抜かれたのもその関係みたいですね。まるでプレイヤーキャラみたいだぁ(直喩)。

 

 しかもPoHに忠義を向けてる訳でもなくあくまで雇われ幹部の地位に徹してると聞いてます。大体この位の時期にラフコフが外部(主に攻略組)から教官役を引っ張ってきて教練始めるのは想定通りなんですが、また随分と愉快なのを引っ張ってきましたねクォレハ……。

 

 まあ出てきたからには使い道を考えましょう。今回のシトリー姉貴は前述した通り攻略組に入ったのは最後発に近い(しかも野良パーティーを渡り歩いてたソロ出身)ので、その辺をうまい事使えば面白いことになりそうです。詳しくはまたその時に説明しますね。

 

 そうこうしてるうちに攻略組は74層迷宮区の半ばに差し掛かろうとしています。無理に攻略を推し進めたことにより三大ギルドはそれなりに疲弊していますが、これは所謂コラテラルダメージ、チャートのための致し方ない犠牲という奴です。

 

 往年のめいさくで例えるとすると「無理をさせ過ぎたかな? 攻略組はすっごく疲れてるみたい。休ませてあげようよ……」って感じですね。つまり寿命減少を考えなければまだ舞えるってことです。こんなんじゃ満足できねえぜ?

 

 そもそも原作だと2つ(聖龍連合と血盟騎士団)だった攻略大手が1個増えてますからね。かなり攻略組が強化されていますので、多少無茶したくらいじゃ攻略の楽さは揺らぎません。

 

 という訳で、ここまではあくまで前菜。そろそろ本題の無茶に入りましょう。

 

 この74層、そして次の75層は原作イベントのオンパレードです。

 

 原作8話「黒と白の剣舞」はラグーラビットの肉をこちらで確保し、リズベットに料理してもらうことで完了済み。

 

 そろそろ定例でやってる合同攻略会議の段取り決めるかなと言ったところですが、実際には次節「青眼の悪魔」が始まってると見るべきですね。

 

 死んでもらったら地味に困るので、コーバッツ兄貴達のことはきちんと守りつつ……このタイミングで一気に仕掛けます。

 

 前回21/nの後半にて、次回への引きがどうなっていたか覚えておいででしょうか。

 

 そう、旧ALSの残党たちが1層で悪さをしている、と言う話でしたよね。天から降って来る予算・雑な会計管理・ロクに行われない監査などなど。これ以上なく腐敗しやすい環境を整え、そして実際に恐ろしいスピードで彼らは駄目になっていきました。

 

 今の1層は治安の悪さを理由に事実上立ち入り禁止となっていますが、「自己責任で"観光"へ行く分には止めない」というスタンスが取られています。いやー何で皆そんな所行きたがるんだろうなー、私わかんないなー(棒)。

 

 とは言え、そういうのとは無縁のキリトやアスナを一層から遠ざけるだけの効果は十分に発揮してくれていますので、お為ごかしの立ち入り禁止も効果ありますあります。建前は真面目なヤツを損させるためにあるんだってそれ一番言われてるから。

 

 ああ因みに、25層でのキバオウ派の壊滅を防げば、よしんば防げなくてもその後装備や人員を支援して真面目に再戦力化に尽力すれば、彼らを攻略組の戦力としてクリアまで使い倒すことは十分可能です。もし彼らを味方につけたいプレイヤー兄貴がいましたら参考にして、どうぞ。

 

 でも(ワザと腐敗させたので)そうはならなかった、ならなかったんだよ。だからこの話はこれでおしまいなんだ。

 

 そんな一層の腐敗は、ALSの残党、ひいては我らがMTDの一端が起こしたこと。実際これまで、黙殺していただけでお隣のDDAから苦言を呈されたり下層から陳情が届いたりは結構してました。

 

 前者は「摘発した風俗街の顧客名簿晒すぞ(意訳)」って言ったらアッサリ引き下がりましたし、後者は所詮引きこもり連中ですから「嫌なら2層行けばいいのにフレンジーボアとすら戦おうとしないのは努力不足ですよね?」で完封してましたんで画面内には出て来てませんでしたがね。

 

 先んじて「まだ1層にとどまってるような連中は再三の支援提供にも関わらずレベリング=努力をしなかった救うに値しない者達である」という印象操作を行ってますので、民衆が何を言おうと体制が傾くことはありません。今はね。

 

 そんな訳で1層始まりの街とそこにいる2000人弱の引きこもり共を生贄に捧げて地獄を作り出しておいた訳ですが、ここでそれをひっくり返します。

 

 まずはラフコフに連絡。()()()()()()()()()()()()します。

 

 と言っても、もちろん直接殺してもらおうってんじゃありません。残念だったな、トリックだよ。

 

 正確な依頼内容はこうです。

 

 

「キバオウを唆してカラード暗殺を決行させるように仕向けろ」

 

 

 原作でもこの後最前線75層時に発生する「シンカー暗殺未遂」を先取りして起こします。

 

 これもまた大イベントの一角ですので、形はともかくここまでキバオウとシンカーが両方存命かつMTDまたはアインクラッド解放軍が存続していれば放っておいても発生します。そこに手を加えて、早期発生+矛先を私に変更させます。

 

 まず、私が粛清を匂わせることでキバオウを焦らせます。そこにすかさずラフコフの面々がフォローを入れ、彼の思考を過激な方向へ誘導する訳です。

 

 元々今のキバオウはラフコフとズブズブですからね。"備品"のロザリアやらモブ子やらで派手に遊んでるのはこっちまで筒抜けですし、その辺の心当たりのあるキバオウはどんどん焦って勝手に転んでくれます。

 

 この時大事なのは第一に展開の速さ。第二に相手を冷静にさせないことです。

 

 ちょっと考えればカラードの耐久性を相手に暗殺なんざほぼ通用しないと分かりますが、逆に言えば「ちょっと考える」余裕を奪ってしまえばどのようにでも転がせるって寸法です。元々、シンカー暗殺なんて無理筋を成功一歩手前まで持ち込む程度には悪運と悪知恵に優れた人材ですし、存分に踊ってもらいましょう。

 

 しかしキバオウの手駒は自分と同じく下層でぬくぬくと甘い汁を啜ってきた連中ばかり。いざと言う時頼れる手勢を持たない彼は(まあそういう有能な連中は全部こっちで引き抜いたからなんですけど)、限界まで追い込まれてから話を持ち掛けたラフコフの甘言に易々と縋って「カラード暗殺」を彼らに依頼してしまう訳ですね。

 

 まあそう仕向けたの私なので、当然依頼状況は逐一こっちに転送されて来てるんですけどね、初見さん。

 

 ここまで来たら事前準備は完了です。次は実戦段階ですね。

 

 暗殺決行日時は既にラフコフ側と取り決めが行われています。74層の攻略会議が行われる直前、行き道で一人になった所を狙われる手筈です。

 

 ここ何層かは副官も連れずに単独で会議に出てるのは周知ですから、そこで会議に出るため圏外を通るのが分かっているここが絶好のタイミングとなります。

 

 結論から言うと、勿論この襲撃は失敗します。

 

 正確には、ラフコフによる襲撃そのものは成功します。そこに居るのは私ではなくシンカー兄貴ですがね。

 

 別に、ここ何層かはシンカーがいなかったと言っても今回も居ないとは限りませんし、たまたま私が席を外していたタイミングで襲われることもあり得ない話じゃありませんよね?

 

 偽りの依頼失礼しました。貴方(シンカー)にはここで果てて頂きます。理由はお分かりですね?

 

 ここまで彼を生かしておいたのは、表向き穏当な統治を演出するため、私の動きを目立たないようにするため、神輿としては一番軽くて思い通りに動かせるから等の理由がありました。

 

 しかしここからは多少強引にでも攻略組そのものをかじ取りする必要が出てきますので、彼の存在はもはや邪魔になります。今まで隠れ蓑として便利に使ってきましたが、最後まで精々役に立っていただきましょう。

 

 さあ、ここまで来たら後は楽しい後処理のお時間です。

 

 まず、可及的速やかに()()()()()()の事実を全体に知らせます。この公表の場に攻略会議を用いましょう。3大ギルド全ての代表が揃っていますからね。就任演説にはピッタリです。

 

 シンカー兄貴の死亡は部下を生命の碑に向かわせて確認。それをもってカラードが繰り上がりでトップに立ちます。

 

 この時点ではあくまで暫定、という立ち位置を崩さないようにしましょう。こちらには「被害者」という大義名分があるとはいえ、あんまり我が物顔し過ぎると疑われます。

 

 ラフコフは既に尻尾切りを済ませていますので、"下手人"であるオレンジプレイヤーに"自供"してもらって、黒幕がキバオウであることを全体に知らしめます。

 

 キバオウが冷静さを取り戻して反論されると面倒なので、ここまでを暗殺失敗がキバオウの耳に入る前に終わらせるのが理想ですね。今回は成功しました(無敗)。

 

 この時点で攻略会議どころではなくなりますので、そのまま第一層の惨状を暴露。思い出したように陳情も読み上げるとさらに倍率ドンですね。

 

 さて。政変によってトップに立った時まずすること。皆は分かるかな?

 

 

 ――そうだね、粛清だね!

 

 

 MTDの場合、身内を粛清するとなった時障害となるのはアルゴとユリエールです。ギルド内でも特に正義感が強く情にもろい彼女等は、どうしても最後の最後まで踏ん切りをつけられません。強引に話を進めれば好感度の低下は免れないでしょう。

 

 ところがぎっちょん、今回はカラードが殺されかけてるということでアルゴの説得は容易、シンカーが死んでるため彼に心を惹かれつつあったユリエールも激おこぷんぷん丸(死語)。内部の意思統一が簡単に出来るって寸法です。

 

 見ろよこの無残な(アルゴの)姿をよ、心が割れてんだよなぁお前のせいでよお()。本人の情報網で暗殺情報を仕入れて、攻略会議での演説中に乱入してきて号泣ですよ号泣。今も縋りついたまま剥がれてくれませんし。アルゴはかわいいですね。

 

 お陰様で随分同情が買えましたよ。世論を味方につけるとは……アルゴ、恐ろしい子……!

 

 そんなわけで大手を振ってキバオウを拘束、処刑します。何やら喚いてきますがここまでお膳立てしてしまえば何を言おうと極悪人の言い逃れ。これまで散々いい目見せてやったんだから大人しく死んで、どうぞ。

 

 公衆の面前に示しを付けなければなりませんので、キバオウの処刑は始まりの街の転移門広場で行うことになりますね。キバオウとALSが全部悪い、MTDは悪くないというポーズが必要ですので。

 

 と言っても圏内で人を殺す手段は限られていますので、狭い囲いの中で完全決着デュエルをすることになります。処刑人は私が担当。これが記念すべき本走初の殺人となります。

 

 大分過激な方法なのでお通夜みたいな空気だと思うでしょう? 始まりの街の引きこもり連中が大挙して押し寄せて、もう大歓声ですよ。いやーどれだけ圧政を敷いてたんだろうなー、私わかんないなー(棒)。

 

 さて、キバオウ以外の連中は一々殺すまでもありません。ギルドからの除名処分が精々ですね。なんかキバオウ殺すなら自分もやれって言い出しそうな忠義の士が居ましたけど、下手に美談とか作られると厄介なので引き抜き失敗の段階で消しておきました。

 

 これで旧ALS残党は全員MTDからパージできました。後は管理不行き届きを認めて謝罪しつつ、正式にMTDのトップに就任して工事完了です……。

 

 とは言え身内から殺人者を出したのは大スキャンダル、暫くは活動を限定することを余儀なくされます。

 

 ただし、粛清した連中は皆下層で燻ってた奴等ですから、このドサクサに紛れて下層支援を完全停止することで十分お釣りが来ます。何ならお荷物がゴッソリいなくなって劇的に経営の合理化が可能ですね。

 

 ついでに言えば、どうせこの後75層はクォーターポイントで我々も参加せざるを得ず、さらにその後"汝カヤバーン"が待ってますから活動自粛なんざ言ってられなくなります。

 

 つまりこのタイミングで事を起こせば、実質的にスキャンダルのデメリットである評判の悪化と行動制限をほぼ全て踏み倒せるんですね。

 

 そして「こんな事してたら74層の攻略が遅れるんじゃないの?」と思った鋭い兄貴たち、今話中ほどのお話を思い出してみてください。

 

「大イベント」です。「青眼の悪魔」はこの状況でも原作の修正力によって十分に発生し、事実上キリト1人で74層ボスは倒されてしまうんです。

 

 攻略会議のタイミングで粛清を始めれば、大体完了する頃に二刀流剣士の大暴れがアインクラッドを騒がせてくれます。立て続けにヒースクリフとの一騎打ちが発生しますので、もうこの段階でスキャンダルも薄れてますね。

 

 という訳で、ほぼタイムロスなしに攻略を進めつつ、ギルドをスリム化してリソース分配を健全化、ギルド全権の確保、邪魔なキバオウとシンカーの排除を済ませることができます。これで75層を迎える準備は整ったと言えるでしょう。

 

 注意点として、攻略会議+キリト無双+暗殺未遂でアルゴを一時的にキャパオーバーさせることで、こちらに余計な詮索をさせないようにするのを忘れないようにしてください。

 

 ここまで来ても彼女の情報力はアインクラッド最強ですので、情報の飽和攻撃で麻痺させとかないと証拠揃えられて検挙されます(無敗)。

 

 後は原作最終層、75層を待つばかりですね。ああちなみに、MTDは1層の引きこもり共の感情に配慮して彼らをギルドから脱退させたということになってますが、連中別に解放されたりはしません。

 

 我々が一応やってた食料配給もなくなり、MTDを追い出されたALS残党はその大半がラフコフに吸収され、彼らが始まりの街を支配するようになります。

 

 何を隠そう、ラフコフの皆さんに今回の茶番に参加してもらった見返りは「始まりの街の統治権」ですからね。後はPoHニキが良い感じに憎悪を煽ってくれることでしょう。

 

 と言ったところで今回はここまで。次回はシトリー姉貴で遊びつつ、75層のイベントラッシュを乗り越えていきましょう。それでは。




バルバトスは第8柱、シトリーは第12柱、ベレトは第13柱。

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