黒薔薇の華が咲く頃に   作:水蓮(歌い手)

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花の呼吸

闇時とカナヲが鬼殺隊を志望して今日で丁度1ヶ月。

すっかり傷も癒えた闇時とカナヲはカナエに連れられ、蝶屋敷に併設してあった訓練所に来ていた。

 

そう、とうとう今日から二人の鍛錬が始まるのだ。

二人とも不安と期待が半々という様子で訓練所にやって来た。

 

「来たわね。それじゃあ私が教える花の呼吸を今から見せるわ。」

 

訓練所にやって来た二人を見かねたカナエが声をかける。

見取り稽古という事だろうか。カナエの手にはしっかり木刀が握られている。

 

「それじゃあ、絶対に目を離さないでね。」

 

「「はい!」」

 

カナエの言葉に二人が勢いよく返事をする。

それをカナエが笑顔で聞くと、刀を構えた。

 

フゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

独特の呼吸音が訓練所に響く。

そしてその僅か2秒後には一歩深く踏み込み、闇時が見えない速度で刀を降るっていた。

 

花の呼吸 弐ノ型 御影梅

 

桃色の鋭い斬撃が、天蓋のようにカナエの周りを包む。

そして次は、一歩を強く踏み、跳び上がった。

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

空中で体を少し捻り、その促進力を利用して前に進みながら大きく刀を振る。

まるで帯のような一筋の長居斬撃。一見簡単に避けられるかのように見えて、闇時にはどう頑張っても避けられる未来が見えなかった。

 

今度は空中から着地すると、一歩浅く踏み出す。

 

花の呼吸 伍の型 徒の芍薬

 

腕を振れるだけ最大限振り、綺麗な九連撃を繰り出す。

斬撃が散らからず一つに纏まって、その点において最大限の威力を引き出す、正に攻撃用の技だろう。

次は一歩足を引き、体を捻りながら飛ぶ。

 

花の呼吸 陸ノ型 渦桃

 

美しい円を幾度も重ねた流麗な斬撃を繰り出す。

自分の周囲を囲う渦。まるで竜巻のような荒々しさも兼ね備えている花吹雪のような斬撃だ。

 

「と、まぁこんな感じかしらね。」

 

「「...」」

 

技を出し終えたカナエが床に足を付き、一つ息を吐く。

その表情には若干の疲れも見えるため、呼吸はどうやらかなり体力を消耗するらしい。

 

カナエの流麗な呼吸を見て、二人は声が出なかった。

これほどまでに呼吸が凄いものか、これほどまでに鬼を殺す技術は美しいのか。今初めて知ったことだらけだったからだ。

 

「とりあえず、二人にはこの呼吸の元になる『全集中の呼吸』を出来るようになってもらうわ。」

 

「『全集中の呼吸』...?」

 

「そう、全集中の呼吸っていうのは...所謂基礎中の基礎ね。身体能力の向上とか、極めれば止血まで出来ちゃうわ!」

 

闇時の質問にカナエが丁寧に答える。それを聞いて闇時はなるほどという表情をした。

 

「ようするに、それが出来ないと鬼と戦えないっていうことか。」

 

「そう、そういうことね。」

 

闇時の説明に今までピンと来ていなかったカナヲがようやく分かったような顔になった。

 

「私の『花の呼吸』は全集中を使えることが前提条件なの。基礎と技術って感じかしらね。」

 

基礎と技術。基礎は必要最低限のことだが、それだけでは一定以上上に進めない。技術はそれを磨くことで更に上へと昇華できるが、基礎が無ければ基礎以下になってしまう。

 

正にこの関係が全集中の呼吸とその他の呼吸なのだろう。

なによりも全集中の呼吸の得とくが闇時の最重要事項になった。

 

「これも身に付けるために辛い鍛錬をしてもらうけど、覚悟はいいわね?」

 

「うん、簡単に強くなれると思ってないから。」

 

「私も。」

 

カナエの問いに二人が各々返す。

どうやらその回答はカナエにとって当たりのようだった。

 

「毎日鍛錬することで前の自分よりは確実に強くなれるわ。今日から頑張っていこうね。」

 

「「はい!」」

 

二人がその言葉に勢いよく返事をする。

だが、この時はまだ知らなかった。この鍛錬が文字通り、本当に地獄の訓練だということを。




以上で今週の更新は多分終わりだと思います。
話的に余り進まなかった気がする...
アドバイス等あれば是非お願いいたします。

ヒロインは誰が良いですか?

  • カナエ(カナエ生存ルート)
  • しのぶ
  • 堕姫
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