虹の袂   作:M-SYA

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現在のスクスタのイベントで私の推しであるしずくちゃんがURなんですが可愛すぎませんか。
貴女からチョコを貰いたいです。

……はい、今日も私は元気でございます。




追憶にふける

【しずく視点】

 

 私はカフェレインボーで輝弥君と慎君からスクールアイドルの事についてせがまれ、スクールアイドル同好会が発足した時について話すことにしました。

 

 時は今から少し遡ります。

 

 

(入学式当日)

 

「私ってば……。なんであんな人目の付くところで練習をしていたんだろう……」

 

 私は屋上のベンチで顔を赤く染めながら座り込んでいました。

 原因は至極単純なことです。

 

 

 私は入学式があった日の放課後、大好きな演劇をやりたくて演劇部の練習を見学していました。

 

 そして、そこでの練習を見て胸が熱くなっていくのを感じて、私は自分を抑えきれなくなっていました。

 

 一年生の教室が並んでる階は足音一つ聞こえない程に静かで殺風景が広がっていましたが、その分私には好都合でした。

 ここなら誰にも見られることなく私の好きなことをやれると思ったからです。

 

 周囲に人がいないことを確認し、鞄を近くに置いて目を閉じ私は舞台の情景を思い描きました。

 

 演劇の練習をしている時、私はすごく楽しかったんです。

 周りの声がただの雑音としてかき消されるほどに私は夢中になっていました。

 

 そう、周りの声が聞こえて来たので、私の楽しかった時間も束の間の事でした。

 何やら踵を返す音が聞こえたので思わず声を出していました。

 

「……っ!? 誰かいるんですか!?」

 

 人の気配がしたので呼び止めたら二人の男の子が私の前に現れました。

 

 ミディアムな紺色の髪が線のように整えられて薄紫の瞳が柔らかな印象を与える人。

 同じミディアムだが黒色の髪と赤色の瞳が血気盛んな印象を与える人。

 

 どちらも端正な顔立ちで普通の女の子ならば好きになるのは時間の問題でしょう。

 ですが、今の私にはそんな悠長なことを考えている場合ではありませんでした。

 

 二人が少し居心地が悪そうな表情をしています。

 それはもっともなことでしょう。

 

 帰ろうとしたら知らない女が踊り場で劇をしていたのですから。

 

 

 それから二人とお話をして紺髪の方が輝弥君、黒髪の方が慎君と知り入学初日からお知り合いになることができました。

 

 慎君はすごく気さくで、すぐに私の事を友人と接するかのように扱ってくれました。

 

 一方、輝弥君は恥ずかしがり屋さんなのかまだ距離があるように感じました。

 でも、慎君にからかわれて顔を赤くする輝弥君はなんだか弟みたいにかわいかったです。

 そんな私には弟はいませんがね。

 

 

「はぅ……恥ずかしい……」

 

 演劇の練習に白熱していたがあまり輝弥君たちに醜態を晒してしまい、ベンチの上で横になりながら蹲る私。

 

 もうあの二人と会うのは私の中で軽くトラウマレベルになっている。

 良い人たちなのは分かったけれども、あんな出会い方をしたせいで暫く立ち直れそうにない。

 

「……でも、私の事を変な女と思わずにむしろ応援してくれてるように見えたのは……私の気のせいなのかな……?」

 

 あの時の輝弥君は異端児を見る目ではなく夢を語る人に向ける温かい目だった。

 そうやって見てくれる人もここにはいるんだ。

 

 ここでの出会いをそう簡単に捨てていいものじゃないのではないかと私は考え始める。

 

「……うん、いつまでもへこたれてちゃいけないよね」

 

 そう自分に言い聞かせながら身体を起き上がらせ、ベンチに腰を掛ける。

 

「やっと見つけましたぁ♪」

 

 気を取り直そうとしていた時、一人の女の子が私に声を掛けてきた。

 ベージュ髪のセミショートなその子は手を合わせながら私に近づいてくる。

 

「あの……何か御用でしょうか……?」

 

「御用も何もありません! あなた、先ほど廊下の踊り場で演劇の練習をしていましたよね?」

 

「ど、どうしてそれを……!?」

 

 いきなり目の前の少女に思い出したくないことを掘り返され一気に顔が赤く染まる。

 

「あんな目立つところで大声で練習していたら誰でも気になります!」

 

 正論を言われてしまい私は思わず黙ってしまいました。

 でもこの少女は口数が減ることはありません。

 

「でも、かすみんはそんな貴女の事を馬鹿にするつもりで来たわけではないことだけは先に言っておきます」

 

「えっ……?」

 

 私は少女の言うことについていけず頭が混乱してきました。

 そんな私を気に留めることなく少女は話しかけてきました。

 

「私、かすみんこと中須かすみと言います♪ 貴女は?」

 

「あっ、桜坂……しずくです」

 

「なら、桜坂しずくさん! かすみんと一緒にスクールアイドル、始めてみませんか!?」

 

「え、えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 中須かすみさんはいきなり私をスクールアイドルとして勧誘してきたのです。

 

 

 話を聞くとスクールアイドル同好会は今までこの学校になかったこともあり、かすみさんを始めとしたメンバーが集まり立ち上げる事となったんですが、同好会を新規に立ち上げるためには5人以上の参加が不可欠なため、メンバー探しをしていた時に私の事が目に留まり、誘ってくれたとのことでした。

 

 将来女優を目指すために演劇部での活動を心に決めていましたが、スクールアイドルの事を語っているかすみさんを見て、私の知らない世界に対して興味が湧いたのです。

 

 演劇は元々決まっている役を忠実に再現するのが基本ですが、スクールアイドルはその真逆と言っていいでしょう。

 何の役柄もないままステージに立ち、思い思いのやり方でお客さんに見てもらう。

 

 演劇しか知らない私でしたがこの世界での経験はこれからの私にとって有益になるのではないか。

 そう確信があったのです。

 

 かすみさんの熱意と私の中の挑戦心が新しい世界の扉を開いたのでした。

 ……もちろん演劇部も掛け持ちということで納得していただきましたがね。

 

 

「桜坂しずくです! この度スクールアイドル同好会に入部させていただく次第となりました! 演劇部との掛け持ちということにはなるんですが……決してそれを理由に半端なものを見せないようにしますので、どうぞよろしくお願いいたします!」

 

 早速、次の日から同好会のメンバー全員と顔合わせをすることになりました。

 

 私以外の皆さんはアイドルみたいにすごく可愛らしくて、正直私にも同じようにできるのか不安ではありましたが自分で選んだ道なのだから負けたくない気持ちで自分を奮い立たせていました。

 

「こちらこそよろしくお願いしますね。しずくさん! 演劇部との兼部ということですのでかなりしずくさんの負担は大きいものになると思いますが、私たちも全力で貴女の事を支えますので無理はなさらないで下さいね!」

 

 メンバーの一人である優木せつ菜さんはそう言って、私に手を差し出した。

 私はスクールアイドル初心者ですがこんな私を受け入れてくれる同好会に胸が熱くなるのを感じました。

 

「……はいっ!」

 

 せつ菜さんが屈託のない笑顔で話してくれたので、私も負けじと笑顔で握手に応じる。

 

「じゃあ、これでメンバーは5人になったからスクールアイドル同好会としてちゃんと申請出来るんだね!」

 

「うんうん、入学初日からかすみちゃんグッジョブだよ~」

 

「えへへ~もっと褒めてくれてもいいんですよ~彼方せんぱ~い♪」

 

 エマさんは同好会として正式に活動が出来る喜びを溢れさせ、彼方さんは同好会への勧誘を成功させたかすみさんの頭を撫で、かすみさんはそれに対し満更でもない表情を浮かべながら彼方さんに頭を預けていた。

 

「そうですね! これからはスクールアイドルとしてライブできるようになるまで沢山練習をやりますので、皆さん頑張って付いてきてくださいね!」

 

「「「「おぉ──ー!!」」」」

 

 せつ菜さんの鼓舞により私たちの意欲はさらに高まるのでした。

 

 

 スクールアイドルの練習は私にとって新鮮な内容ばかりでした。

 歌、ダンスの練習、スクールアイドルについての勉強。

 

 歌やダンスは演劇の練習でもやってたから自信はあったのですが、スクールアイドルのそれとは全然違うことを痛感しました。

 

 演劇は主役や脇役を問わずその役を完璧に演じるために仕草や表情を追求しますが、スクールアイドルはステージに立つみんなが主役です。

 主役としてお客さんに見てもらうために、私の強みが何か、どういった仕草が私として成り立つのか、それを考えることが演劇とは全く違います。

 

「しず子、それよりかはこっちの方がいいんじゃない?」

 

 かすみさんは私をしず子とあだ名をつけて呼んでくれる程に仲良くしてくれています。

 そして今日もかすみさんにステージの上で映えるポーズや動きを指導してもらっています。

 

「そっか……。確かにそのやり方もありだね。ありがとうかすみさん」

 

「それほどでもないよ〜! かすみんの方がスクールアイドルについては詳しいんだからしず子がかすみんに並べるように指導するのも先輩として当然だからね♪」

 

 かすみさんは誇らしげに胸を張る。

 実際かすみさんの方がスクールアイドルについては先輩だから教えてもらえることは素直にありがたい。

 

 しかも同級生なのもあって相談しやすいのも私としては嬉しい。

 

 彼方さんは指導中にふと寝ちゃうし、エマさんは相談してると温かなオーラに飲まれ話が脱線して本来の目的を忘れてしまう。

 せつ菜さんもかすみさんと同じように相談したら親身になって聞いてくれるが、かなり忙しそうにしているので声をかけづらいのです。

 

 そんなこんなで私はスクールアイドルをやる上でかなり成長しているのではないかと思ってきました。

 グループとして皆さんとの連携も上手くいっているように感じます。

 

 

「最近、しずくちゃんすごく伸びてるよね〜♪」

 

「エマちゃんも思う〜? 彼方ちゃんも同じことを感じてるよ〜。周りを良く観てくれてるからすごく動きやすいよ〜♪」

 

「ほ、本当ですか? エマさん、彼方さん」

 

 とある日、練習が一通り終わり休憩しているとエマさん達が私のことを称賛してくれました。

 私としては皆さんに迷惑をかけまいと必死にやっているだけなのですが、他の人から見たらどうやら良く見えてるみたいです。

 

「まぁかすみんにはまだ及ばないですけど、確かに魅せ方がわかってきてる感じがしますぅ」

 

 かすみさんも自分の方が上と言いながらも褒めてくれます。

 

「そんな、私は皆さんに必死に食らい付いているだけなのでまだまだです。それに自分の強みというものを自分で掴めなくてはいけませんから」

 

「う〜ん、真面目だね〜。でもそれもしずくちゃんらしくて良いと思うよ」

 

 四人で駄弁っているとせつ菜さんが屋上に戻って来ました。

 なんだか目がキラキラと輝いています。

 

「皆さん、ここにいたんですね!」

 

「せつ菜先輩どうしたんですか? すごく嬉しそうですけど?」

 

「それはそうです! 今日は皆さんにビッグニュースを伝えるために探していたんですから!」

 

「ビッグニュース?」

 

 エマさんは何のことやらといった表情で首をかしげる。

 

「ふっふっふ。聞いてください! なんとこのスクールアイドル同好会で……ライブをやる事になりました!!」

 

「「「「えぇ────ー!?」」」」

 

 突然の発表に私たちは驚きを隠せませんでした。

 ここから同好会崩壊の一途を辿るとはつゆも知らず。

 

 




輝弥君の容姿がここでちゃんと判明しました。
しずくちゃん目線から書く視点はすごく楽しいですね!

そして昨日は果南さんの誕生日でしたね!
サンシャインでは果南さんが推しである私としてはおめでたい日でした!
誕生日おめでとう果南さん!!

それでは次回もお楽しみに!
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