更新頻度が遅くなってしまい申し訳ございません。
上記件については活動報告に記載させて頂いておりますので、本内容を読了後にでもまた一読頂けると幸いです。
それでは本編をどうぞ!
新たに入部した愛さん、璃奈さん、慎も加えて、スクールアイドル同好会はより賑やかになるのだった。
「そういえば、スクールアイドル同好会に入部することにはなったけど、スクールアイドルって何をするところなの?」
部室内の大机を囲むように座りながら、愛さんはそう問いかけるのだった。
愛さんの質問にせつ菜さんが代表して答える。
「そこに関してこれから考える所だったんです」
「えっ? どういうこと?」
「スクールアイドル同好会を再始動するにあたり、改めて活動の方針を決めようと思いまして」
前回のようにみんなのやりたいことがバラバラになってはまた同好会内で対立が起きかねないという事で皆のやりたい事を聞いた上でどのように進めていくかを決めていくことにしたのだ。
「まず何をやりたいか皆さんで意見を出し合いたいと思います」
せつ菜さんはそう言いながらホワイトボードを用意する。
「はいはい! スクールアイドルを目指す者としては誰もが憧れるもの、すなわちライブをやりたいです!!」
最初に声を上げたのはかすみだった。
かすみはボードの下にあったマーカーを手に取り、ボードに大きく「ライブをやりたい!!」と書くのだった。
「ボードに書く内容、もう少しマシなのはなかったのかよ……?」
「うるさい! 慎のすけのくせに!」
「うるせぇ! かすかす!」
「はいはい、そこまで。だけど、スクールアイドルですからやっぱり目指すのはそこになりますよね?」
慎とかすみの言い争いを軽くいなしてしずくさんは話題を元に戻す。
「結局、ライブはまだやれてないもんね〜」
「こうして人も増えたからもっと賑やかなライブにできるんじゃないかな?」
彼方さんとエマさんはまだライブをやってないこともあって随分と気持ちが昂っているように感じる。
「皆さん、それぞれがやりたい事を考えていると思いますので意見を出し合っていきましょう」
「はいはい! かすみんはとびきり可愛いのが良いです!」
「私はみんなで輪になって踊ったり歌いたいなぁー!」
「ライブの幕間でショートドラマを交えてみるのはどうでしょうか?」
「休憩と称してお昼寝タイムとかもいいんじゃない~?」
せつ菜さんの次のライブに対する提案がかすみを皮切りに他のメンバーも次々と意見を出していく。
けれども全員の意見は誰一人として被っていない。
「みんなバラバラだね……」
「そうだね。慎くんはどんなライブにしたいか決めてるの?」
歩夢さんからの質問に慎は頭を悩ませる。
「うーん……まだこれと言ってコンセプトは決まってないですね……強いて言えば……みんなが熱くなるようなライブがしたい……とかですかね……」
「熱いライブ! いいですねぇー! 私も慎さんと同じように見てくれてる人たちを熱くさせるライブがしたいです! 大好きを精一杯表現できるように火薬を大量に投入して気持ちを上げていきたいです!」
「さ、流石にそこまでの演出は難しいんじゃないんですか!?」
「輝弥さん! 最初から無理と言っていては何もできませんよ!! こういう事はチャレンジあるのみです!」
せつ菜さんのライブ演出に思わず反論してしまったが、せつ菜さんは俺を指差しながら自分の意見を貫いていく。
今の彼女を見ると、本当にあの生徒会長なのかと疑いたくなってしまう。
全校朝礼等で全校生徒の前で堂々と演説している人が今や目の前で次のライブに向けて子供のようなはしゃぎっぷりを見せつつ考えているのだ。
暫くの間、俺は彼女たちを同一人物として見ることは出来ないだろう。
「火薬を投入って……そういうのじゃなくて私はもっと可愛いのがいいな」
せつ菜さんに圧倒されている俺を尻目に歩夢さんも自分の意見を述べる。
歩夢さんの事はまだこれと言った特徴を掴めているわけではないが、女の子らしいというのが俺の中の第一心象だ。
各々が自分のやりたい事で議論してあっている中、璃奈さんと愛さんはただただそれを呆然と眺めているのみだった。
「……すごい白熱してる」
「みんな、やりたい事がバラバラだけど随分とやる気だね?」
愛さんがそうぼやいた時、全員が愛さんに目を向ける。
「……ん? あたし何か変な事言った?」
「あっ、いえ……」
かすみは以前の衝突の件もあり愛さんの発言で少し言葉が詰まる。
「あははっ、そういえば二人はどうかな?」
そんなかすみを見て、侑さんが作り笑いをして助け舟を出す。
突然質問を振られた愛さん達は少し考え込む所作をする。
「うーん、なんだろうねぇ……とにかく楽しいのがいいな! みんなで楽しく盛り上がる、それがあたしは一番やりたい事かな!」
愛さんの目指すスクールアイドル像、それもまた他のメンバー達とは違う方向性だった。
ここまでみんなの方向性がバラバラだとグループとしてのコンセプトがまとめづらい。
「確かに、楽しいっていうのも大事だと思うな!」
「僕もそれはありだと思います。見てくれる人が楽しんでくれないと折角来てくれたのに少し勿体ない気持ちにさせちゃうでしょうし」
「そうですね。今はまだ見てくれる人は少ないと思いますが、いつか多くの人の前でライブが出来るようにしたいですね」
愛さんの意見について俺と歩夢さんが賛成する。
そして、せつ菜さんが全員の意見を聞いた上でひとまずの総まとめをする。
現時点はグループの方向性を考えるためにみんなの意見を集約したのみなので、それを考慮した上でどう進めていくのかはまた後日という事だ。
せつ菜さんはかすみへ次に進めるように目線で促す。
「ごほん。ではライブの事は追々考えるとして。最初にやることは……!」
「あっ、すみません。一つだけ良いですか?」
かすみが進行を続けようとした時、俺は挙手をして発言させてもらうように許可を貰う。
「むっ、話の腰を折るのは感心しないけど……まあいいでしょう。かぐ男くん、どうぞ」
「ありがとう」
発言の許可を貰えたことに感謝しつつ、一旦咳払いする。
「スクールアイドル同好会の楽曲についてなんですが、僕に作曲させてもらえませんか?」
「作曲を……ですか?」
「はい、僕は自分のピアノを使って沢山の人を笑顔にしたいなと思ってます。その一環として、是非皆さんの曲を作らせてもらいたいです」
「輝弥くん、ピアノ弾けるの!?」
しずくさんに対してピアノを弾けるという事を公表していなかったから、彼女からの驚きの声が大きかった。
「輝弥、ピアノは凄く上手いんですよ! 初めて聞いた時、鳥肌が凄く立ったのを感じましたから!」
「そうですね、あの時はゲームBGMを弾いていましたし」
慎は自分の事じゃないにも関わらず誇らしげに自慢をする。
それに被せるようにせつ菜さんもフォローしてくれるが一つ気になる箇所があった。
「……あれっ? 僕、せつ菜さんにあの時弾いてた曲はゲームBGMって事、教えましたっけ?」
「へぁっ!? いや……その……慎さんが感動していた所を偶然聞いたんですよ!! ほら、慎さんも凄く称賛の声を上げてたじゃないですか! それが廊下に漏れてたんです!」
俺からの指摘にせつ菜さんは頓狂な声を出して目線を泳がせていたが少しずつ記憶を思い出していくように言葉を連ねる。
「あぁ~、確かにその時は初めて聞いた後だったからだいぶ感動してましたね」
「そうですよね! ……よかった……」
慎から発言を肯定されたのを確認してせつ菜さんは胸をなでおろす。
最後に何か呟いたようだったがそこまでは聞き取れなかった。
「確かに輝弥くんのピアノは一度聞いたことがあるけど、その時はせつ菜ちゃんのCHASEを弾いてて凄く上手だったね」
「か、輝弥さんのピアノは卓越していると思います。以前の同好会では私が作曲用のソフトを使って作っておりましたが、やはり私好みのフレーズになってしまうのが問題でしたので是非とも輝弥さんにお任せしたいです」
侑さんとせつ菜さんからの称賛の声に俺は少し恥ずかしくなってくる。
「そういった形で皆さんどうでしょうか?」
「私は賛成だな!」
「愛さんもかぐやんに任せる形で賛成!」
せつ菜さんがメンバー全員に問いかけ、歩夢さんと愛さんの発言を皮切りに全員が賛同の意を込めて頷きで返答する。
「皆さん、ありがとうございます」
曲作りの中で双璧を成す作詞と作曲。
その内の一つが俺の担当として皆からのお墨付きをもらった所でもう一つの方へ話題は変わるのだった。
「じゃあ、作曲は任せるとしても作詞の方は彼方ちゃん達でやるべきじゃない~?」
「そうだね。全部を輝弥くんに任せちゃうのはちょっとかわいそうだし作詞と一緒に曲のイメージとかも併せて私達から意見を出させてもらうっていうのはどうかな?」
彼方さんが作詞のやり方について提案をして、エマさんがそれに賛同してくれる。
作詞をしてもらえるというのは非常にありがたいことだが、曲のイメージまで貰うというのはやってもらい過ぎではないだろうか。
「曲のイメージについてはいいですよ? 作曲担当であるからには僕がまず形を作るべきだと思うので」
「それだとせつ菜先輩の時と同じようにかぐ男好みの曲になっちゃわない?」
「それは……」
かすみからの正論に俺は反論の言葉が見つからなかった。
「人数が多い方が曲の方向性も掴みやすいだろうし、輝弥は作曲の面でまずはやる形でいいんじゃないのか?」
「うん、輝弥くんの負担を減らすっていう点も含めてそれが良いと思うな。みんなで曲のイメージを纏めて、それを輝弥くんに渡すって事でひとまずは決め打ちにしようよ」
慎と侑さんもかすみ達派の意見であり、完全に四面楚歌と化していたので俺がとやかく言って覆りそうな状況ではないと察して、俺は苦笑いを溢した。
「……分かりました。作曲担当として少し腑に落ちない所ではありますけど、皆さんの意見に従います」
「輝弥さん、何事も一人でやろうとしてくれるのはありがたいですが部長としてそれを認可は出来ません。ここには私たちもいるんです。皆さんで一つの物を作っていくのが何物に代えがたい宝物になるんです。ですから、その宝物の制作に私たちも携わらせてください」
「せつ菜さん……」
俺はせつ菜さんの言葉を聞いたのち、全員の顔を見渡す。
誰一人として嫌な顔をせずむしろ任せてくれと言わんばかりに清々しいほどの笑顔が溢れていた。
「分かりました。出しゃばった意見をすみません。ありがとうございます」
「……それでは同好会の曲作りについての方向性もひとまず区切りがついた所で話を戻します!」
話の腰を折られたかすみは空気を変えようと再び咳払いをする。
「ごっほん! それではもう一度、今後ライブをやっていくにあたってまずやること……それはずばり! 特訓です!!」
かすみはきっぱりと人差し指を突き出しながら堂々と言い放つ。
「どんなパフォーマンスをしようにも、どんな歌を歌おうにもしっかりと特訓しない事には何も始まりません!!」
「特訓かぁ~……そうだよねぇ~」
「演劇もそうですが、何事も基礎がしっかりしていないと本番では上手くいきませんからね」
「皆さん、練習したい事も各々あると思いますのでそれぞれのチームに分かれて練習する形にしていきましょう」
「そうですね。子集団で分けていけばメンバー同士のコミュニケーションも取れますし、一人一人の特徴を重点的に見ることが出来ますから僕は良いと思います」
特訓のやり方についても自主性を重んじる校風に沿うように各個人のスタイルに合わせて練習を図ることに決めた。
「あっ、はいはい! あたし達、スクールアイドルの事って初めてだから全部の練習に参加していいかな!?」
「俺も一緒にやりたいです! どういうことをやるのか分からないので、是非勉強させてもらいたいです!」
愛さんが璃奈さんと一緒に全部の練習の参加へ志願した。
璃奈さんは愛さんの発言に呼応するように頷き、慎もそれに乗じて声を上げる。
愛さんは自分の発言に乗ってくれる人が居てくれたことに嬉しさを感じ、慎へにっこりと笑顔を向ける。
「おぉ? シンシンもやる気だね! 一緒にがんばろ!」
「は、はい!」
「……慎くん、顔が赤くなってる気がする」
「璃奈さん、きっと照れてるんだよ……」
「そこうるせえぞ!!」
いつにも増して気合が入っている慎を横目に璃奈さんと俺がひそひそ話を展開していたがどうやら地獄耳の彼には聞き取られてしまったようだ。
「ふふっ、良いですよ! 皆さんでこのスクールアイドル同好会をより良いものに作り上げていきましょう!」
せつ菜さんの掛け声を中心に全員の歓声が部室内に響き渡る。
いよいよ、新生スクールアイドル同好会の活動が、発足後初めての練習が、幕を開けるのだった。
読んで頂きありがとうございました!
スクールアイドル同好会の方向性について新メンバーも加わった中で改めて再認識する会となりました!
今後の動きを楽しみにしていてください!
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次回もお楽しみに!