エマちゃんのお声はいつ聞いても最高に癒される…!
いつも心がぽかぽかに温かくなるよ!
そんなエマちゃんの特別編です!
今回もエマちゃんとお付き合いしている設定です。
「「「「エマさん、誕生日おめでとう!!!」」」」
「みんな~、ありがとう! すごく嬉しいよ♪」
今日はエマさんの誕生日。
部室では誕生日をお祝いするために様々な準備がなされていた。
歩夢さんと彼方さんが誕生日パーティのためにケーキやマカロンなどスイーツを沢山作ってくれた。
せつ菜さんも率先して手伝おうとしていたが璃奈に必死に抵抗されてた。
他のメンバーはジュースやお菓子を用意したり、ドアの前や壁に輪飾りを用意したりと部室の飾りつけを行っていた。
おかげで部室内がすごく華やかになって素敵な誕生日パーティを開催できた。
ちなみに俺はというとエマさんのお迎えに上がっていた。
俺も手伝おうとしたが、果林さんから
「彼氏としてしっかりとエスコートしてこなきゃだめよ?」
と半ば強制的に迎えに行かされた。
まあ、そんなことを言われずとも迎えには行ってたんだけど。
エマさんを目隠ししながら部室に入れ、目を開けさせた瞬間に全員でクラッカーを放った時のエマさんのきょとんとした顔は忘れられない。
時が止まったように感じたがそれも一瞬の事で、すぐに気を取り戻し、
「インクレディブル~!!」
と拍手しながら感動していた。
こうやっていつも純粋かつ無邪気に笑うエマさんが俺は好きだ。
この人は姉さんとは違った温かさを持ち合わせており恋愛感情など抱いていなかったのだが、ある日に突然エマさんから告白された時は本当に驚いた。
いつも俺の事をかーくんと呼んでくれてお互いに不安や悩みを相談し合って、そんな日々がエマさんにとってはすごく楽しくて嬉しかったそうだ。
最初は俺の事を弟みたいに見ていたそうだが、どんな時でも話を聞いてくれる俺を弟ではなく一人の男の子として頼ってしまっていると顔を赤くしながら言ってくれた時は俺も恥ずかしくてその場から逃げ出したくなるくらいだった。
今では仲睦まじい様子を全面に出しているので、周りの人間はその甘さっぷりに悶絶していた。
果林さんもそのやり取りにはいつも呆れたような態度を見せているが、当の本人としてはエマさんに想い人ができ、且つ幸せそうに過ごす姿を見て安心していた。
いつもの如く机を円形に囲みパーティは始まった。
彼方さんと歩夢さんが腕によりを掛けて作ったスイーツにみんなメロメロだった。
侑さんはあまりの美味しさに彼方さんにお嫁に来てほしいと言ったくらいだ。
そのあと歩夢さんから冷たい目でお咎めされていたが。
「はい、エマさん。あーん」
「あ~む♪ う~~ん、ボーノだよ~♪」
俺とエマさんは隣同士で座って、目の前のスイーツを手に取り食べさせあいっこをしていた。
俺はフォークでケーキを掬い、エマさんの大きな口の中に放り込む。
エマさんは満足気にスイーツを咀嚼し顔を左右に揺らしながら感想を述べる。
「はい、かーくん。次は私からだよ? あーん♪」
「あーむ。……美味しい」
エマさんの手からマカロンが運ばれ、そのまま口の中へ吸い込まれる。
マカロンの食感が中々に癖になるのでこれは病みつきになる。
「エマさんと輝弥君にそう言ってもらえて光栄だよ~♪」
「二人に喜んでもらいたくて頑張って作ったんだ♪」
彼方さんと歩夢さんは美味しいことを褒めてもらえて嬉しそうだった。
ただ一つだけ疑問があるとすれば。
「なんで俺にもなんです?」
今日はエマさんの誕生日だからエマさんが喜んでくれればそれでいいと思っていたのだが。
「えぇ、かぐ男分からないの~? そんなんじゃエマ先輩が逃げていっちゃうよ~?」
かすみが随分と偉そうな態度で俺に圧を掛けてくる。
少しムカついたから両頬を引っ張ることにする。
「……うるさい」
「うぅ~いひゃいよ~……」
「あぁ! かーくんだめだよ! かすみちゃんの可愛いほっぺが赤くなっちゃう!」
かすみで遊んでいるとエマさんに待ったをかけられた。
エマさんのお願いとなれば仕方ないので俺は手を放す。
「そんな生意気な態度じゃ、輝弥にやられるのも仕方ないな」
「うるさいな慎のすけ! どうせ慎のすけもわからなかったんでしょ! 慎のすけに女心が分かるはずないんだから!」
「慎のすけ言うんじゃねえよかすかす! 別に知らずとも損はないんだからいいだろ!」
「ほらほら、かすみさんどうどう」
「慎くんもよしよし」
慎とかすみはいつもの如く喧嘩を始めていく。
そして流れるようにしずくと璃奈も二人を宥める。
「もうお二人とも、せっかくの誕生日パーティなんですから、今日は喧嘩は無しですよ?」
「ごめんなさ~い」
「すみませんでした」
せつ菜さんに軽く怒られ落ち込む二人。
本当にこの二人は動きが綺麗にマッチングしているので見ていて飽きない。
「まあまあせつ菜ちゃん。そこまでにしておこ? 誕生日パーティを台無しにしちゃうのはせつ菜ちゃんもいやでしょ?」
「……エマさんがそう言うのであればここまでにしておきます」
「それよりかぐやん、さっきの事だけど、あたしらはエマっちとかぐやんの笑顔が好きだからエマっちだけじゃなくかぐやんにも喜んでもらいたかったの!」
「うん、二人のやり取りを見てると安心する。璃奈ちゃんボード「ぽわわ~ん」」
愛さんがさっきの歩夢さんの発言に補足を入れてくれる。
璃奈もそれに合わせフォローを被せてくる。
「べ、別に、俺はそういうつもりじゃ……!」
俺は恥ずかしくなり思わず反論したがその言葉をエマさんは聞き逃さなかった。
「えっ……? かーくん私とのお話楽しくない……?」
「へっ!? いやいやそんなことは一言も……!」
エマさんは仕方なくお話してくれているんだと錯覚し上目遣いで目を潤ませてくる。
俺は唐突な誤解に驚きを隠せない。
「……これは素直に想いを吐いた方がいいんじゃない?」
「……さいですか……」
果林さんは耳元で俺に呟く。
エマさん以外のみんなもわくわくしながら俺の言葉を心待ちにしている様子だ。
すぐにでも逃げ出しそうと試みたがエマさんがそうはさせない。
「かーくん!!!」
普段のエマさんからは想像できない速さで俺をハグという名の確保をした。
「かーくん……」
今にも泣きそうなくらいの声と表情でかましてくるエマさん。
もう俺には逃げ道はないようだ。というか用意すらされていなかった。
「えぇっと……エマさんと話すのは……好きです……。大事な話でも他愛無い話でもしっかりと聞いてくれて……。エマさんがいてくれたからこそ……俺はここで頑張ってやれてます……。……いつもありがとう……。そして……誕生日おめでとうございます……」
俺はあまりの恥ずかしさに完熟したリンゴのように顔が真っ赤になっていく。
それに呼応するかのようにエマさんの顔も真っ赤になっていく。
「……え、えっへへ~……。そ、そういってもらえて、嬉しいよ~……」
エマさんは照れながらもハグをやめない。
俺はこのままの体勢が耐えられず早く終わってほしいなと切に願う。
そんな俺たちを見てそこにいる全員が思ったこと。
(あっま…………)
こんな誕生日パーティも……あり?
エマちゃんの癒しパワーは素晴らしい。
是非とも直に浴びに行きたい。
改めて誕生日おめでとう!