素顔が公開された時のインパクトは今でも記憶に新しいです。
表情に乏しいけども頑張り屋さんな璃奈ちゃんとの特別編です!
今回は輝弥くんとお付き合いしている設定でお楽しみ下さい!
それではどうぞ!
「璃奈ー? いるかー?」
とある日、俺は授業が終わったと同時に本日、部室で開催されるイベントの主役である璃奈を迎えに上がっていた。
「あっ、輝弥くん。どうしたの?」
璃奈はどうして俺が来たのかまだ状況が分かっていない様子だ。
それもそうだろう。
彼女にとって今日はいつもと変わらないありふれた一日だからだ。
「こっちもホームルームが早く終わったからさ、折角だし璃奈と一緒に部室行きたいなって思って」
「そっか。慎くんは一緒じゃないの?」
璃奈はいつもなら俺と一緒にいるはずの慎の姿が見えなかったため周囲を見渡しながら質問した。
「あいつは、先に行ってるから早く姫様を迎えに行ってこいって茶化してきたよ」
俺は苦笑交じりにそう答える。
だが、慎はただ茶々を入れたかったわけではなく、先に行って部室での準備を進めてもらってるからそう言っているだけだ。
璃奈はそんな慎の発言に少し不貞腐れている様子。
「別に私、姫様って呼ばれるほど綺麗じゃない……」
璃奈は姫様と呼ばれたことが不服なようだ。
茶化されてるとは言えども、自分はそんな大層な人間ではないとして卑下してしまっているようだ。
「慎はただ俺達をからかいたかっただけだよ。それに璃奈は姫様って呼べるくらいに……可愛いと思うけど……」
慎の発言を気に留めないようにフォローするが、その後の言葉のチョイスを誤って墓穴を掘ってしまった。
こういった言葉は小っ恥ずかしいからあまり人前では言わないようにしていたのだが、璃奈のクラスメイト達がいる中でつい口走ってしまった。
「そ、そっか……」
璃奈も顔を背けているが、少し顔が赤い。
周囲は恥ずかしがっている俺達を微笑ましい目で眺めている。
なんだかこのまま部室へ行かずに帰りたい気分だった。
「こ、ここで時間を潰してもあれだし、もう行こっか」
「う、うん。璃奈ちゃんボード、おー」
帰りたいとは思ったが流石に有言実行したら総スカンをくらってしまうため、気持ちを切り替えて部室へ向かおうとする。
璃奈も恥ずかしさを誤魔化す為か、以前に発案した璃奈ちゃんボードを用いて空気を変え、この場を後にしたのだった。
璃奈のクラスから移動して、周囲に人が見えなくなってきた関係もあり俺達は手を繋ぎながら部室へ向かっていた。
「全く、あとで慎はお仕置きだな?」
「もちろん」
俺が口に出さなければよかった話なのだが、先ほどのやり取りは慎のせいにすることで二人の中で決意が固まっていた。
「そういえば、璃奈は明日は何か予定でもある?」
俺は唐突に話題を切り替え、明日の都合について口にする。
璃奈は顔を軽く上にあげて考える素振りを見せる。
「いや、特に決まってない。両親は変わらずお仕事でいないから一人かな」
璃奈は少し寂しそうにそう答える。
だが、俺としては好都合だった。
「そっか、ならよかった」
「え?」
予定が空いていることに安堵した俺だが、璃奈は少し驚いていた。
「明日、一緒に出掛けない? 明日は璃奈の誕生日で璃奈にとっての大切な日だから一緒に居たいなって思って」
今日、これからみんなとやるのも誕生日パーティだったのだが、本命は明日なのだ。
何故今日やるのかと言っても、全員が都合を付けやすいことに加えて、付き合っている俺達で当日はゆっくり楽しんでほしいというメンバーなりの配慮だろう。
「……うん、行きたい。何しに行くのか決まってるの?」
「うん、二人でゲームセンターやカラオケに遊びに行きたい」
今まで二人きりでやっていた事としてどちらかの家に遊びに行き、ゲームをしたりアニメを一緒に鑑賞したりピアノを聴かせたりとまったりとした時間を過ごすことが多かったが、今回は思い切って外で遊びたくなった。
璃奈は元気がある頷きを見せて、すぐに了承の意を示した。
「楽しそう。私も凄く楽しみ」
「璃奈がそう言ってくれてよかった。なら明日は迎えに行くね?」
「うん。待ってるね」
大方予定通りではあるが、約束を交わして安心したと同時に部室へと到着した。
「じゃあ、まずは今日のパーティーを思い切り楽しもうか」
「うん……!」
二人が部室へ入った時には盛大にクラッカーが鳴り響き、同好会メンバー全員による祝福の言葉が一斉に璃奈へ掛けられるのだった。
部室へ到着するのが予定より遅かったことでメンバー総出で揶揄われた事。
そして、慎のせいで一瞬居心地が悪くなったとして璃奈と一緒に仕返しをしたのはまた別の話である。
「さてと、お呼びしますか」
部室での誕生日パーティ前日祭から翌日。
俺は璃奈の家に来ていた。
家と言っても戸建てやアパートというわけではなく、セキュリティが完備されているマンションだ。
相変わらず璃奈の家はうちとは規模が違い過ぎてため息が出る。
だが、それで時間を潰すわけにもいかないので、璃奈の家のインターホンを鳴らす。
「輝弥くん、ちょっと待ってて。すぐに行くから」
機械越しに聞こえてくる璃奈の声。
楽しみにしていたのか軽く声が上ずっているようにも感じる。
「いいよ。そんなに急がなくていいから」
俺が話しかけた後にインターホンが切られる音がした。
急がなくていいと言ったが、相手からしたら待たせているという事実だけで余計に慌ててしまうので結局この言葉は水泡に帰すだろう。
インターホンが切られてから数分経っただろうか。
璃奈が家の中から少し慌てた様子で出てくる。
「おはよう、輝弥くん。待たせちゃってごめん」
「おはよう、璃奈。だから俺はそんなに慌てなくていいって言ったのに」
璃奈の様子を見て俺はつい口元が緩んでしまう。
「だって折角のお出かけだしここまで来てもらってるのにずっと待っててもらうのは嫌だったから……」
璃奈は自分の誕生日だからと自分だけが楽をしてしまうのを不服に思っているようだ。
「誕生日くらいはそこまで意地張らなくていいよ。っていうか、こういう日でもしっかりされちゃうと俺のメンツが保てなくなっちゃうから……」
真面目な璃奈だからこそこういう姿も彼女らしくて好きなのだが、今日は祝いの日に加えて一応彼氏であるからこそしっかりと璃奈の事をエスコートしていきたい。
それで俺の出番が無くなってしまったらそれこそ自分に自信を無くしてしまう。
「そんな事よりも……璃奈、誕生日おめでとう。今日は素敵な一日にしようね」
「……うん! ありがとう。私も今日は輝弥くんといっぱい楽しい思い出を作りたい」
お出かけに行く前に璃奈への祝辞を述べ、改めて目的の場所へと出発するのだった。
「今日はゲームセンターで何かやるの?」
「これをってやつはあまり決めてないんだけど、俺クレーンゲームをあまりやったことが無かったからそれをやりたいなって思って」
ゲームセンターに到着し、何をして遊ぶのか璃奈が聞いてきた。
俺はアニメ関係のグッズがプライズとしてゲームセンターに置いてあるという話を聞きつけ、是非璃奈と一緒にやってみたいと思ったのだ。
「なるほど。なら私に任せて。クレーンゲームは大の得意。輝弥くんとお揃いをゲットしたい。璃奈ちゃんボード、むん」
璃奈がいつものボードを交えた決意表明を行い、やる気に満ち溢れていた。
クレーンゲーム一帯を見渡してフィギュア関係やお菓子のプライズを眺める中、俺達はとある景品に視線が行った。
「あっ、これってあのアニメのキャラクターだよね!?」
「うん。しかも寝そべっているタイプのぬいぐるみは珍しい……!」
そこには床に寝そべる形でぬいぐるみが置かれていた。
推しのぬいぐるみが用意されていたので、俺は釘付けになっていた。
「凄く可愛い……。このファントムのぬいぐるみ、欲しいな……」
「このクレーンゲーム、二つのアームで手前に落とすタイプだから、コツを掴めばあまり苦戦することはない」
璃奈は筐体の設定を確認して、取りやすいかどうかを判断する。
このタイプは璃奈にとってはおすすめの筐体のようだ。
「なら俺でも取れるかな?」
「大丈夫。私も協力するから一緒に取ろっ?」
璃奈の心強い言葉もあり、推しを迎えるべく二人の戦いが始まった。
ゲームを始める前にどこから狙えばいいか璃奈がレクチャーしてくれる。
「まず最初は奥にある足を片側のアームで狙って」
「顔を掴んでアームから落ちた勢いで前に持ってくるのは駄目なの?」
「それも狙えなくはないけど、お店の設定によってはそれを出来にくいくらいにアームの強さが変えられてることがあるの」
璃奈がその店のスタッフなのかと思わせるくらいに饒舌に攻略法を教えてくれる。
こういうゲームは初めてやるから、いきなりドツボにハマるのは避けたいのでこういったアドバイスは非常に助かる。
「今回のような寝そべっているタイプのぬいぐるみって重心が顔の方にあるの。だから下半身の方を狙っていけば身体を横を向いて次に狙いを定めるのも容易になるの」
璃奈は手でジェスチャーも交えながら、どうしてそこを狙うのかを理論的に教えてくれる。
「なるほど……。重心が無い所を狙えばぬいぐるみの方向も変えやすいって事だね。でも、そこからはどうするの?」
「それはまた後で説明するね。今はまずこのぬいぐるみを横向きに変えよう」
璃奈の指示の元、いよいよアームを動かす。
アームが右へ動くボタンを押して、それに連動してアームもゆっくり動いていく。
「……ストップ!」
璃奈の掛け声とほぼ同時と言えるタイミングで俺もボタンから手を離す。
「うん。狙いは良い。次は奥行きだけど、ここは腰辺りを狙うようにして。腰の方が足を狙うよりも大きく身体の向きを変えられるから」
「分かった」
璃奈の指示に合わせ、奥にアームを動かしていく。
そして、腰辺りに狙いが行ったと思いボタンを離す。
「これでどうだ……?」
「狙いは良い。かなり動くと思う」
どういった挙動になるのか掴めぬままアームがぬいぐるみの元へと降りていく。
そして、狙い通りアームが腰を掴みぬいぐるみは引き寄せられるように身体の向きを変える。
アームが上に戻った時には更にぬいぐるみの向きが変わり、通常の置き位置から四十五度以上は横に向いていた。
「完璧。輝弥くん、初めてにしては凄く上手」
「ほんと? 璃奈のアドバイスのお陰もあるけど、これをもう一回やればいいのかな?」
「うん。ぬいぐるみが真横を向くまで下半身の方を狙っていけばいいよ」
それからも璃奈の的確な指示の元、クレーンゲームに熱中していた。
「だいぶ良いところまで持ってこれたか……?」
「うん。初めてでここまで行けてるのは凄い。やっぱり輝弥くんはセンスがある」
少ないクレジット数でぬいぐるみを璃奈が狙っていた真横へと向けられていた。
璃奈もうんうんと頷きながら俺のポテンシャルの高さを評価してくれる。
「それでも、何とか璃奈の指示についていくので必死なんだけどね……」
「いや、輝弥くんは良いところまで持っていく最中でも決して油断はしてない。こういうのは一瞬の油断が命取りになるから、私の指示無しでアームを目的の位置まで持って行けてることは誇っていいこと」
俺は自分の成果と感じられず謙遜してしまうが、璃奈はそんな事ないと首を強く横に振り俺に自信を持たせてくれる。
今までは璃奈に対してはこちらが後押しすることが多かったが、ついに璃奈に背中を押される日が来るとは思いもしなかった。
「なら、素直に受け取るね。ありがと」
「うん。だけど、まだやることは残ってる。最後の大詰めだから頑張ろう」
俺の感謝の言葉に璃奈が一瞬笑ったように見えたが、すぐに筐体へ向き直り作戦を練っていた。
そう、まだ俺達は目的のぬいぐるみを取る途中なのだ。
ここで慢心したら全てが水の泡なのでより一層気を引き締める。
「ここからはどうやって狙っていけばいいの?」
「身体は、今右側に向いているから左手と左足を狙っていけば手前に転がるように動いてくれるはずだから、きっと行ける」
璃奈は再度手でジェスチャーしながら教えてくれる。
確かに寝返りを打つように回転させれば取るのはそう難くないように見える。
「あとは、そこを上手く狙えるかどうかか……」
「うん。そこは輝弥くんの度胸との戦い。むん」
俺は深呼吸をして兜の緒を締め直す。
璃奈も熱くなっているのだろうか、ボード無しで感情を表現していた。
表情に変化はないが、少し眉間に力が入っているように感じる。
中々見れない貴重な体験を出来たので、その分だけこの一手に集中する。
意を決して進行ボタンを押す。
アームは今までと変わらない速度で動いているが、緊張からか今回ばかりは早く動いているように見える。
アームがぬいぐるみの中心に来た辺りでボタンを離す。
「よし、ここまでは順調……」
「…………」
俺は気を落ち着けるために呟いているが、ついに璃奈は言葉すら発することなくただ筐体を見つめるのみだった。
覚悟を決めて奥へ進むボタンを押す。
だが、それと同時に俺はとある秘策を実践していた。
「……ん…………ん…………ん」
俺は一定の間隔を刻みながらボタンを離すタイミングを計っていた。
そして、自分の中でタイミングが決まり、それに合わせボタンを離す。
「……どうだ!?」
アームが開き、ぬいぐるみの元へと降りていく。
横移動に関しては問題はなくぬいぐるみの中心に来ていた。
ここから大事なのは奥行きなのだ。
アームがぬいぐるみまで到着し掴もうとする。
アームは当初狙っていた通り左手と左足を掴んでいた。
そして、ぬいぐるみを掴んだ状態でアームが上昇する。
ぬいぐるみは理想通りである寝返りを打つ動作をしながら手前に転がり、そのまま出口へと転がり落ちていった。
「……行けた……!!」
筐体から祝福のメロディーと機械音が流れるが、無事にぬいぐるみをお迎えできたことに浮かれてその音声は右から左へと受け流されていった。
「うん……! 輝弥くん、凄い……!」
「取れたよぉぉ……! 璃奈、これって夢じゃないよね?」
「抓ってみようか?」
「そ、そう言いながら抓るのか……!」
璃奈に現実であることを証明してもらうために頬を抓ってもらったが、痛みを感じるので紛れもない事実だと認識したのは容易い事だった。
「マジか……お、推しが目の前で寝そべってる……」
「輝弥くん、嬉しさで言葉がおかしくなってる」
アニメで見ていた推しがぬいぐるみではあるけれども、こうして手元にいるのは不思議に思いつつも嬉しさが込み上げてくるものだ。
「それくらい良かったってことだよ。璃奈、本当にありがとう。これも璃奈のお陰だよ」
「んーん。これも輝弥くんの実力。最後は自分の力で掴み取ったんだから」
璃奈は大きい音を立てずに小さな拍手で祝福してくれる。
「だけど、これじゃあ俺がお祝いしてもらってるみたいで立場が逆だね」
「いや、私もこれお迎えする。ファントム君と仲が良いダイス君を狙ってお揃いにしたい」
璃奈は俺が迎えたキャラクターとのコンビで人気が高い子を狙い、お金を投入する。
璃奈がクレーンゲームに没頭している中で俺はとあることに気付いた。
(……そう言えば、璃奈とのお揃いって……これが初めて……?)
今までは璃奈と趣味が一致していたことが多かったけど、ファッションなり小物関係なりでペアにしたことがなかった。
璃奈もそれを密かに気にしており、今まで以上に気合が入っているのかもしれない。
そう考えると璃奈に対して今まで彼氏として何もしてあげられてなかったと自責の念に駆られた。
「お待たせ。この筐体、凄くやりやすかった。今までで最高記録。ブイ」
俺は心の中で悔やんでいると璃奈が顔を覗かせてきた。
その手元には目当てだったぬいぐるみが優しく抱えられていた。
「璃奈、俺達って今までお揃いしたことなかったよね……?」
「……うん」
俺の質問に璃奈は迷うことなく答える。
その素振りに璃奈も気にしていたんだと思い知らされてしまう。
「……ごめんね。今まで璃奈に対して何も彼氏らしいことをしてあげられてなかった。璃奈と一緒に居れるだけで満足してて璃奈の気持ちをちゃんと考えてあげられてなかった」
俺はぬいぐるみを握る力が強くなっていくのを実感しつつ、謝罪の言葉を述べる。
落ち込んでいる俺を見て、璃奈は手に持っているぬいぐるみを俺の額に軽くぶつけてきた。
「えい」
「ん……。やっぱり怒ってるよね……?」
「うん。怒ってる」
俺の言葉に一切の躊躇いもなく即答した璃奈に俺は萎縮してしまう。
表情が無いからこそ、余計に圧力を感じてしまい胸が痛くなってくる。
「……そうだよね……」
「……輝弥くんにじゃなくて、自分に怒ってるの」
「え?」
璃奈から意外な回答が返ってきてつい聞き返してしまう。
璃奈の方もぬいぐるみを握っている手が震えていた。
「こういった事は彼氏だからって理由だけで輝弥くんが抱える問題じゃない。そういった事は私も提案しないといけなかった。なのに、私も輝弥くんと一緒に居る時間がただただ幸せでずっとそれに甘えてた」
言葉を紡いでいく度に顔が下がっていく璃奈だったが、璃奈の中で一つ決心がついたのか吹っ切れた表情でこちらを見つめた。
「今までお揃いにしたことが無かったのも、輝弥くんなら気付いてくれるだろうって思って言わなかっただけ。こういった事はしっかりと言葉にしないと輝弥くんには私の気持ちは伝わらないし、輝弥くんも余計に不安が募っちゃう」
璃奈は俺の手を握り自分の想いを伝えてくる。
「私は表情を出すのが苦手だからこそ、しっかりと言葉で伝えなくちゃいけなかった。だからこれは私も責任があるから輝弥くんはそんなに自分を責めないであげて?」
璃奈からの優しい言葉に冷え切っていた胸が温かくなる。
自分がしっかりしないといけないと気張っていたのが少し馬鹿らしく思えてくる。
彼氏だからこそリードしなくてはいけないと考えているのは俺のエゴだったようだ。
その認識を改めた時には璃奈を無意識に抱きしめていた。
「……ん。輝弥くん?」
「……ありがと。やっぱり俺、璃奈がいないとダメかもしれない。自分の価値観でモノを語り過ぎちゃってるから……」
「苦手な所は他の誰かが補ってあげればいい。輝弥くんが苦手としていることは私が助ける。だから、輝弥くんは私の駄目な所を助けてほしいな」
璃奈はそう言いながら、抱き締め返してくれる。
小さい身体ながらも優しい温もりを感じるそれに、俺は安心感を抱いた。
「うん。こんな俺だけど、これからもよろしくね?」
「こちらこそ、こんな私だけどこれからもよろしく」
二人でぬいぐるみ同士を握手させるように手を合わせる。
「よし、ならこのまま遊んでいこっ! まだまだ遊びは終わらないからな!」
「うん! 全力で付いていくから」
俺の煽りに璃奈は手を胸の前でぐっと構えながら答える。
そして、彼女の手を引きながらゲームセンターの中を巡り、二人だけのデートを楽しむのだった。
読んで頂きありがとうございました!
我ながら良い話が書けたと自負しております。
璃奈ちゃんはゲーマーなのでクレーンゲームも強いのかな〜と思い、こういった構成にしました。
気に入って下さる方がいたら嬉しい限りです!
それでは次回も楽しみに!