時に宙歴124年宇宙《ソラ》が燃えていた、宙歴109年に開戦した民主共和主義を掲げる惑星諸連合同盟連合(同盟)と帝政を主体とする勢力の統一勢力である帝政連邦(帝国)の戦争は今だ終わらず、年々勢いが増してきた。
此処帝国領エウリア星系帝国と同盟の境界線上にありつつも辺境であるために戦火は今だ届いていなかった、そうこの日までは
4月15日7時12分敵艦隊来襲の報を伝えたのは星系最外縁の警備衛星のレーダーからのアラートだった
「敵艦隊見ユ、敵艦数ハ160隻」
この報は星系守備隊司令部や駐留する帝国第17艦隊司令部に届けられすぐに戦闘体制がとられた
7時35分第17艦隊全艦出撃体制を取ったこの艦隊は戦艦ワルチャーを旗艦に戦艦15空母5巡洋艦20駆逐艦40隻で編成されていた
艦隊司令のアルバス中将は星系守備は厳しいと踏んだこれは星系守備隊司令の八代大将のほぼ同じ考えであったこの将軍は酒を呑んで酔っているときは攻勢に出たがるがアルコールが抜けていると守勢に回る風変わりな指揮官であった「この戦力差では防衛は可能であっても臣民に被害が出かねない」そう考えた八代大将は臣民脱出のためにたまたま星系守備隊に物資を運んできた第23輸送艦隊司令部に臣民収容を要請、星系内の民間船舶までも動員し脱出計画を作成。8時2分に計画が完成同時に第17艦隊司令部に護衛艦艇の派遣を依頼するも戦線維持に支障が生じるとし拒否された。
艦隊司令のアルバス中将も臣民のことを考えると艦艇を派遣したかったが彼我の戦力差は1対2現状でも厳しいのにさらに戦力を割くわけにいかなかった
とは言え臣民約250万人軍人軍属合わせ約100万人の輸送手配は完了し後は臣民を割り当てた船舶に乗せるだけであったしかしここで悲報が届く全臣民の登場には最低でも6時間はかかるとのことさらに敵艦隊は5時間で到達すると想定された
司令部で八代大将は吠えた
「一分足りと時間を無駄にするな臣民の輸送船搭乗を急がせろ、地上要員も速やかに乗船惑星を放棄する、基地航空隊は全機出撃、出撃後地上飛行場は放棄する。発進した機は攻撃後第17艦隊の空母に降りろ、それと全宙雷艇隊砲艇隊は基地放棄後基地要員を収容させろ」こう吠えると星系行政府に待避命令を出した
ところ代わり侵攻中の同盟艦隊では旗艦メイドリス艦橋で司令官ダルマン中将が命令を下した「全艦前進、ここ星系を制圧する」この命令を受け8時38分前衛艦隊30隻が前進帝国艦隊を捜索撃滅を狙う
この時同盟艦隊はミスを犯した、帝国艦隊は今だ自分達の存在に気づいてはいないと思っていたのだ、その慢心は自らの犠牲で払った9時45分同盟前衛艦隊旗艦アドリメイズ艦橋要員が襲来するエネルギー波を捉えた「敵弾来ます」この一言は前衛艦隊司令部を混乱させた
この攻撃は帝国戦艦ワルチャー以下15隻の斉射と惑星防衛用の浮遊砲台によるものだった同盟前衛艦隊は防御スクリーンを張ることすら出来ずに9時50分に戦列が崩壊した
10時丁度この報告を聞いたダルマン中将は悩んだ、(何故ここまで速く帝国艦隊が動いている、此処にそれほどの艦隊が停泊しているとは聞いていないが)
これは同盟情報部の失敗であった情報部は帝国第17艦隊が出撃した後の星系調査のみを行い当時展開していたパトロール艦隊を駐留艦隊と誤認したのだ
ダルマン中将は決断したそれは帝国軍の脱出計画に光が指したときでもあった
「作戦に不備を認める、増援艦隊が到着するまで現状宙域に待機する」
だが11時15分そんな同盟艦隊に悲報が届く、増援艦隊が敵航宙機部隊の攻撃を受けたのだ
時は遡り9時53分索敵衛星が新たな敵艦隊を捉えたのだこれは同盟のガルドバス少将配下の艦隊40隻であった。これを聞いた八代大将は第17艦隊旗艦ワルチャー座乗のアルバス中将に基地航宙機隊と艦隊航宙機隊による共同航宙攻撃を打診したのだ、これを承諾した中将は艦隊防空隊以外のすべての機体を発進させた
11時丁度攻撃隊は敵艦隊左側より一気に仕掛けた
まず仕掛けたのは基地航宙隊の攻撃機であった半数の機には光線撹乱粒子が詰め込まれた大型ミサイルを搭載しており迎撃兵装が光学兵器主体である同盟艦隊は満足な対空射撃を敢行できなかった、しかし艦載機による防空は行われたが空母1隻の戦闘機では大挙して押し寄せる帝国軍機を迎撃しきれなかった
増援艦隊の被害は甚大であった11時25分に届いた被害報告はダルマン中将は悩ませた(既に戦力の2割りを失ったどうするべきだ)
彼は決断する
「残存艦隊の収容を急がせろ。艦列を再編然るのち前進する」
再編が終わったのは12時52分のことだった
帝国軍では深刻な問題が発生した、「時間が足りんか、」それは臣民の搭乗は終了したが兵員の収容が終わっていなかった。当初の予定では14時過ぎに終わる予定であったが兵員の分散が激しかったため15時過ぎになるとのことであった
時間稼ぎが必要だな
八代大将は飛行場がいまだに使えるかどうかを確認すると指示を出した「宙雷艇隊に伝えろ」「全艇突撃セヨ本作戦ノ勝敗ハ貴隊二委レナレタ」
「攻撃機に光線撹乱粒子ミサイルを積ませ宙雷艇隊の突撃を援護させる」
13時2分同盟艦隊にレーダー画面に大規模な敵航宙隊と小型艇部隊が写った
いまだに戦列を整えている最中の攻撃であったが同盟艦隊は近接火器による迎撃を始めようとしていた、しかしレーダー観測員が敵機から発射されたミサイルが爆発したことを確認すると艦隊は敵が光線撹乱粒子を散布したことに気づく
急いで迎撃機をあげろ、迎撃ミサイル用意艦隊各艦内で怒号が飛び交う
宙雷艇隊旗艇宙雷49号艇内で指揮官中村中佐が叫ぶ「突撃だ殴り込みだ討ち入りだ、敵の首を我重魚雷の切っ先にぶら下げてやれ」
1艇当たり2本全艇あわせて72本の重魚雷が同盟艦隊に襲い掛かった
同盟艦隊の混乱は必然だった「敵は狂ってるのかこんな隠れる場の無い宙域で突撃など」
確かに通常であればこの攻撃は無謀だ「火器管制レーダーダウン」艦橋で管制官が叫んだこの事態は1艦だけではなかった複数艦にて同じ事態が発生していたのだった
理由は攻撃隊の放ったミサイルであったほんの数発だか
レーダー撹乱粒子が入っていたのだ
「これでは対処できん、各艦回避に専念」
戦艦バハーリン艦橋で次席指揮官のエルマン少将が叫ぶ
そんな中観測員が報告する「直撃来ます」
戦艦メイドリス艦橋でダルマン中将は聞いた「バハーリンが沈みエルマン少将も戦死だと」
観測員が報告する「敵部隊後退します」
「全艦追撃は不要人員の救助を優先せよ」
14時28分同盟艦隊が停止していると聞いた八代大将は同盟艦隊の正確な隻数を確認させた「戦闘可能艦は100隻ほどか、アルバス中将に艦隊決戦は可能か聞いてくれ」
アルバス中将は艦隊決戦が可能かと問われると可能であると答え決戦の許可を求めた
15時13分最後の人員撤退船団が出港同時刻宇宙港飛行場施設行政施設を爆破惑星は完全に放棄された
16時丁度帝国同盟両艦隊はついに砲火を交える戦力は帝国80隻にたいして同盟116隻数においては同盟が優勢であるが元からダルマン配下の艦隊にガルドバス少将の艦隊が混じっているため連携が上手く取れない帝国は数に劣勢であるが指揮系統はアルバス中将の元に統一されていた
部隊配置は帝国左翼バルトマン少将中央本隊アルバス中将右翼カトリーネン少将
同盟右翼ガルドバス少将中央本隊ダルマン中将左翼ゾルザー少将中央後方アーリンゲン准将であった
会戦の初期はごく一般的な正面からの撃ち合いであった双方敵が何かを仕掛けてくると思いそれに対応する気でいたのだ戦局が動くのは16時42分同盟右翼のガルドバス少将配下の艦隊が突出を始めた事であったこれにたいして帝国はこれに対応していてカトリーネン少将が指揮する艦隊は後退し惑星防衛用の浮遊砲台の射線と自艦隊とのクロスファイアーポイントにガルドバス艦隊を誘い込み見事撃滅ガルドバス少将を戦死させガルドバス艦隊を救助に来た同盟アーリンゲン准将をも討ち取った
17時35分この悲報を聞いたダルマン中将は今しがた来たもう一つの報と共に悩んだもう一つの報はゲルデス大将の艦隊200隻が3時間後に到着するというものだった
悩んでいる間に更なる悲報がダルマン中将を襲う左翼ゾルザー隊被害甚大敵中央前進してきます
ダルマン中将は決断した「全艦後退しゲルデス艦隊の来援まで持ちこたえる」
17時59分同盟艦隊は混乱しながら後退したこの混乱の中ゾルザー少将が戦死左翼次席指揮官のバートン准将の意識不明の重症をおった
18時45分帝国艦隊は追撃を打ちきり帝国領の他の星系に進路を向けたこれはエウリア星系の戦いが終わった証拠であった
後世において戦史研究家はこの戦いの勝者はどちらであるかは謎であるという同盟は星系を制圧したが帝国艦隊の撃滅は出来ず宇宙港や飛行場等の施設を爆破され以後の拠点作りに苦労することとなる
帝国は同盟艦隊の撃滅臣民の脱出に成功するも星系を奪われることとなった
失われた艦艇航宙機数で見れば帝国35隻7艇79機(帰還後破棄も含む)同盟142隻172機(帰還後破棄も含む)と圧倒的に同盟の被害は甚大であった
総括としては同盟の戦術的敗北帝国の戦略的敗北とされているが星系占領後に同盟の補給船団が帝国高速襲撃部隊の攻撃を受け何度も壊滅するなど同盟船舶事情に大きな痛手となったのはいうまでもない
いやはや文章を作るのは難しいですね