宇宙戦争記   作:阿鬼羅

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同盟議会の一幕

宙歴125年4月1日10時丁度

同盟首都星グリーンホース政府官庁舎群中央広場

ここではこの日反戦のデモ集会が行われており数千人の市民が集まっていた

「戦争反対」

「帝国との和平を」

「減税を」

「福祉制度復活させろ」

「もう戦争はこりごりだ」

 

同地点最高評議会ビル財務大臣オフィス

「また反戦デモか」

「仕方ありません何せ同盟軍は連敗完敗してますから」

「先の1戦でカイザーの首を獲れれば良かったのだがな、まったく軍の無能者共め、予算ばかり要求してこちらの期待に答えやがらん」

「大臣さすがにそれは言い過ぎでは」

「言い過ぎなものか、なんだこの軍の体たらくは、あいつらマトモに船団護衛すらできんのかそのせいで何千隻という優良船舶を失っているのだぞ、それどころか成果も出さんくせに金を出せと言いやがる」

「大臣確かにそうですが」

「遺族年金の方も年々増加しているんだぞ3年3年でいいんだ3年和平を結べれば少しは回復できるはずなのだぞ何故反対するのだ」

カチャン

「どうした」

「大臣、ウルバス外務大臣がお越しです」

「そうか、すまんコーヒーを持ってきてくれ」

「はい」

「よう、こんな時間にすまんな」

「いや構わんよ、でどうした」

「ああ、次の議会で通したい案があってな賛成してほしいんだ」

「なんだ」

「捕虜交換だ」

「なるほどな、支持率か」

「ああそうだ、そっちも居候の捕虜より勤勉な納税者の方がよかろう」

「まあな、軍も反対せんだろ兵員を1から教育するより捕虜が復帰する方が早いからな」

「いいだろう、次の議会で議題に上げよう」

「なあもう一人巻き込めんか」

「外務大臣の君と財務大臣の俺の二人だけじゃ厳しいか」

「ああ軍部の声がな、どうにも議会でも主戦派が多くてな」

「議長は日和見しているからな、何であれが議長なんだ」

「なり手がいなかったからだろう君も覚えているだろうあの時期は丁度大敗北した時期で下手をすれば政治家生命を喪いかねん状況だったからな」

「覚えているよあのアラスの悲劇か」

「宇宙艦隊司令部と外周艦隊9個とその後の反撃で多数の星域星系警備隊が消えたある悲劇の時期だ」

「亡き先帝バルストロン2世の親征の時だったなあれから12年か、現帝つかさ1世も相当なやり手だなポト星域会戦の被害は聞いているな」

「聞いているよ被害は1200隻程だったな被害だけならアラスの悲劇を越えたな」

「それだけではないアラスの悲劇はこちら側が仕掛けた言わば侵攻作戦だ敵が優位なのもわかるが今回の一件はどうだポト星域と言えば我が国の大規模拠点だぞ、敵の倍近い兵力を動員しておきながら何というザマだ、全く遺族年金の計算をする身になってくれというものだ」

「だからこその捕虜交換だらうもしかしたら死んだはずの人間が生きているやも知れん、そうすれば払う金を払わなくなるだろ」

「それはそうだがな」

「まあ仲間に入れるとして誰を入れるかだ」

「運輸大臣のドールトン大臣はどうだ」

「ドールトン大臣かそれなら資源大臣のペールストも引き込みたいな、人的資源の減少にアイツは頭を悩ませているからな」

「4人いればどうにかなるな」

「じゃあ私が手を回しておくばれぬように予算の事でと言えば怪しまれんからな」

「頼む」

「任せろ」

 

4月7日9時グリーンホース最高評議会ビル評議会室

「やはり支持率の低下はどうにかしなければならない」

「それに対して軍の大規模攻勢をもって支持上昇を狙いたいと思います」

「先の敗戦を忘れたのか守勢に回りながら大敗北ではないか、それに出兵と言うがその予算はどこから出すのかね臨時予算は組めんぞ」

「資源大臣の私から言わせていただこう、このままだと人的資源が尽きることとなります早急に対処したいので軍事費を削っていただきたい」

「その様なことを軍務大臣として許可できない」

「諸君静粛に、ウルバス外務大臣からこの現状を打破できるかもしれない案が上がってきているウルバス外務大臣説明を」

「はい議長、人材と税収の観点から捕虜交換を提案します」

「捕虜交換か確かに名案かもしれんが」

「資源大臣として条件付きで賛成させていただこうどれくらいの捕虜が帰ってくるかは知らんが帰ってきた兵の分だけ軍から除隊者を出すという条件でだ」

「財務大臣として賛成させていただく、居候の捕虜より勤勉な納税者の方が嬉しいからね」

「捕虜かどのくらいいるのかね国内に」

「手元の資料では約150万人程度となっております」

「そんなにいるのかね、いや思えば開戦以降一度も交換してないからこのくらいいるか」

「少ない気がするが」

「まあ最近負けているからだろう」

「宇宙では人は簡単に死ぬからな、艦が被弾すれば吸い出されてそのまま御陀仏という事もある」

「採決をとろうと思う反対の方は手をあげてくれ」

「議長全員賛成のようです」

「外務大臣帝国に捕虜交換を打診してくれ」

「了解しました」

 

4月14日9時最高評議会ビル評議会室

「で、帝国は何と言ってきているのかね、外務大臣」

「交換に同意しています、実施は7月の末から8月初頭に掛けてで調整したいとの事です」

「軍務大臣捕虜の正確な人数はどうなっているかね」

「正確な人数は172万飛んで127名です」

「外務大臣帝国にいる我が国の捕虜は何人なのかね」

「帝国が言うには248万147名です」

「そんなに居るのかね」

「エド・アラメイスやポト・ランデンの地上戦で捕虜になった基地要員が多いらしい」

「そうかエド・アラメイスは大規模な工廠と物資の集積地だったからなそれの管理要員か、で交換は全員か」

「時間の制約もあるまず50万人をとのことだ」

「たったのかね」

「双方初の試みだ、それにまずはと言っただろうそれ以降同数ずつ交換することになっている」

「それでは70万人程は帝国に残ることになるぞどうにかならんのか」

「政府の公式謝罪だ」

「公式謝罪?」

「知っての通りこの戦争はこちら側から仕掛けた、それも宣戦布告文書を相手に渡す前になそれについての公式謝罪を帝国は要求している、そうすれば捕虜を全員返すと」

「公式謝罪かだがそんなことをすればどうなる」

「帝国主義者に頭など下げれば支持率が下がるぞ」

「金で解決できないかね、国内向けでは帰ってくる人数が多いからと言えるし帝国側だと賠償金だと言えるのではないかね」

「その条件で頼めるかね外務大臣」

「最善を尽くします」

 

4月21日9時最高評議会ビル評議会室

「帝国側は何と言ってきているのかね」

「足りぬ分は1人辺り100万ローゼルの支払いを要求しています」

「100万ローゼルだとそんな金額を払えというのか」 「7000億ローゼルか、此れだけの金額を払えというのか帝国は」

「財務大臣払えるかねこの金額を」

「不可能です、各省の予備費だけではどうやっても380億ローゼルに準ずるメーレスしか出せません」

「つまりつまり62万人は帰れないのか」

「そうなるな、減額を要求できないかね」

「外務大臣として出来る限りの減額をしています」

「臨時国債を刷るわけにはいかんのかね?」

「財務大臣として言わせてもらうそんなことをすれば経済が崩壊する」

「では増税してはどうでしょう」

「上がる支持率が逆に下がるぞ、そんなことをすれば捕虜帰還を望まぬ人と望む人で内戦になりかねん」

「ではどうする」

「限定的交換で済ませよう、50万人まずこれだけ交換して残りは今後行うと言えばいい」

「それしかあるまい」

「それでよろしいでしょうか議長」

「構わん、それでいこう」

 

宙歴125年4月21日同盟最高評議会は限定的捕虜交換を決定帝国との協議の結果7月27日に中立国であるメラウスニア連邦ベガ星系本星にて双方50万人ずつの捕虜交換をする事が決まったまたそれと同時に7月31日までの帰還を休戦期間とする事を決したのであった。

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