宙歴124年8月13日10時23分
エウリア星系同盟軍エウリア方面軍司令部
「司令またやられました」
「またかね参謀長」
「はい第31輸送船団は帝国艦隊の攻撃によってその8割強を失っております」
「参謀長、帝国艦隊要撃に出た艦隊はどうしてのかね?」
「別の帝国艦隊と交戦しております」
「別の艦隊か、帝国のクソヤローが1方面にどれだけの艦隊をおいてやがる」
コンコン
「入れ」
ガチャン
「失礼します、総司令部より電文です」
「総司令部からだと間違いないのか」
「間違いありません」
「司令」
「また総司令部からお叱りの電文かね、此処に置いていきたまえ」
「失礼します」
ガチャン
「参謀長読んでくれ」
「ハッ」
[発総司令部宛エウリア方面軍司令部、
昨今の船舶被害を鑑みエウリア方面軍に帝国艦隊及び其の根拠地の破壊任務を命ずる]
「以上であります」
「根拠地破壊か、参謀長今どれだけの艦が動けるかね?」
「帰投中の艦隊もありますので」
「ある程度曖昧でよい」
「了解しました、概ねですが350隻ほどかと」
「参謀長、出撃中の艦は確か120隻だったな」
「はい、それに船団の生き残りが入ります」
「損傷艦もあるだろうしここを空にはできん、350隻が最大かね」
「そうだと思います、しかし帰投中の艦数が不明ですので」
「今は彼らからの報告待ちか」
「そうなります」
「参謀長、報告が入り次第作戦会議を行う」
「了解しました」
11時51分エウリア方面軍司令部作戦室
「これより会議を始める、参謀長現在の状況を」
「現在の艦数ですが戦闘可能艦は船団の生き残りを含め396隻となります、無論ここの守備艦隊を除いた数となりますが、これが増えることはないでしょう」
「396隻か、これで帝国艦隊の撃破及び根拠地の破壊は可能かね?」
「その点については作戦参謀のエルスト大佐から提案があります」
「提案か、まあ聞こう」
「作戦としてなのですが何も艦隊の撃破と根拠地破壊の両方をやる必要はないかと。」
「なに、だが命令は両方だが」
「根拠地の無い艦隊は脅威ではありません」
「エルスト大佐の言うことにも一利ある、が帝国の根拠地にどれだけの守備隊が居るかわからん、下手を打てばエウリア失陥すらありえる」
会議は数時間に及んだが全く進まず各々意見を言い合い他者の意見に文句をつけるだけであった、しかし後方支援参謀の一言に会議室に怒号が飛びかった
「備蓄してある物資はあと2ヶ月分です。これは艦隊の出撃を計算に入れていません艦隊の出撃を考慮すると約3週間となります。」
この一言を聞き司令官アウストリア大将は言った
「やるしかあるまい、このまま立ち枯れる訳にもいかん、全力出撃を行って敵艦隊を撃滅し補給線を確保する」
同日16時13分同盟エウリア方面軍司令部は八代上級大将率いる帝国エウリア方面艦隊の撃滅を目的として出撃体制を取った
ところ代わり帝国領アムルタート星系帝国軍エウリア方面艦隊司令部
「さてそろそろ穴蔵にこもった連中が腹を空かせて出てくるだろう」
「そうでしょうな八代上級大将」
「参謀長現在の艦隊はどのくらいかね?」
「出撃可能な艦隊ですが第16、第17、第18の三個艦隊と二個独立艦隊それに閣下の直属艦隊であります」
「合わせれば400ほどか」
「そうなります」
「では出撃しようかね」
8月14日9時丁度
八代上級大将を司令官としたエウリア方面艦隊400隻がアムルタート星系から出撃戦艦アルトリンゼン総旗艦に威風堂々とした出撃であった。
艦隊は8月18日エル・ロサイスで駐留艦隊からの情報を得た後20日同盟艦隊を求め偵察機を発進させた
同盟艦隊は8月18日に帝国軍動くの報を受け直ちにアウストリア大将が指揮する艦隊406隻が出撃この中には壊滅した輸送船団の残存護衛艦艇も混じっていた。
そして8月22日11時31分にエル・マインツァー星系沖にて双方は合間見えた同盟アウストリア大将座乗艦戦艦パトローン旗艦に戦闘艦396隻に特殊徴用艦10隻帝国八代上級大将座乗艦戦艦アルトリンゼン旗艦に戦闘艦400隻
会戦の始まりは同盟艦隊から発進した航宙機とそれを迎撃に出た帝国航宙機の戦いであった
空戦は質の高い部隊で編成された帝国空戦隊の圧勝であるかに思われたしかし帝国空戦隊指揮官機のレーダーには想定以上の同盟軍機の反応があった
「全機に次ぐお客さんは想定より多い気張ってくぞ」
「「「了解」」」
「帝国軍めあまりの多さに戸惑っているな、各機掛かれ」
「「「了解」」」
ババババン
ドカン
ババババン
ババババン
シューウ
「助けてくれ敵機に追われてる」
「今助ける待っててくれ」
ババババン
ババババン
空戦は双方の意地のぶつけ合いであった
数においては同盟軍戦爆連合1700機帝国軍戦爆連合1200機であったが士気と練度にものをいわせた帝国軍に軍配があがった
双方数百機の機体を失うも制空権は帝国側に渡った
「各機仕掛けるぞ」
帝国軍エルマン少佐は叫ぶ
まさか勝てると思われていた制空権争いに負けるとは思わず同盟艦隊は防空陣形を組むことも出来ずに帝国航宙機部隊の攻撃を受けた
「いかん対空戦闘用意敵機を近づけるな」
「艦列を広くするんだ、被弾した艦にぶつかるなよ」
「戦艦マレーネ撃沈戦艦アイネロード通信途絶」
「怯むな敵機を一機でも落とすのだ」
「慌てるな慌てればそれだけ被害が増えるぞ」
「敵機引き上げていきます」
「司令部より全艦に通達艦列を整え砲撃戦用意」
13時49分
双方の射程に捉えた
艦隊配置
同盟左翼フリースト中将中央本隊アウストリア大将右翼ガリオス中将中央後方レーガン少将ペルー少将ジャクソン准将
帝国左翼マイヤー中将中央アルバス中将右翼太田中将中央後方八代上級大将及び第2高速襲撃艦隊、第7高速襲撃艦隊
「「全砲門撃て」」
ドドドドドヒューン
ドドドドドヒューン
13時52分
同盟左翼旗艦戦艦アルマレア艦橋
「戦艦ローニ撃沈戦艦アスラード戦列を離脱」
「巡洋艦ベニー撃沈巡洋艦ランテリス通信途絶」
「提督このままでは戦列を維持できません」
「左翼艦隊全艦副砲分のエネルギーは全て防御スクリーンに回すんだ、持ちこたえるのだ」
帝国右翼旗艦戦艦ハルラード艦橋
「同盟めなかなか楽しませてくれるじゃないか」
「敵は防御スクリーンの出力をあげ守りに徹しているようですいかがなさいますか?」
「決まっている一点集中射撃だ敵の一番厚いところを狙え」
「了解です提督」
「狙点固定よし」
「全艦主砲三斉射、撃て」
同盟左翼旗艦戦艦アルマレア艦橋
「敵の砲火が一点に集中しています」
「このままでは艦列が持たんか本隊に救援を要請しろ」
同盟軍総旗艦戦闘パトローン艦橋
「提督左翼艦隊から救援要請が」
「仕方あるまいレーガン少将の隊を左翼に回せ」
同盟左翼旗艦戦艦アルマレア艦橋
「提督レーガン少将の隊が増援としてくるようです」
「そうか、レーガン隊には最左翼に展開するように伝えてくれ」
「了解」
「レーガン隊戦列に参加」
「帝国軍の攻勢が弱まっています」
「よしそのまま押し返せ、レーガン艦隊には敵の側面を突くように伝えてくれ」
14時35分
同盟レーガン艦隊は帝国軍右翼側面を突くように動き始めた
レーガン艦隊旗艦戦艦ポートピア艦橋
「よしこのまま敵の側面を突くぞ」
「エネルギー波接近、これは、本艦隊側面に新手の帝国軍です」
「なに、そんな馬鹿な」
「直撃来ます」
14時51分
同盟左翼旗艦アルマレア艦橋
「新手の敵だと、レーガン艦隊の状況は?」
「旗艦戦艦ポートピアが轟沈、レーガン少将は戦死されたと、指揮は副司令官のマーク准将がとっています」
「レーガン艦隊後退します」
「しかたあるまい、後退して本隊と歩調を合わせる」
「了解」
15時18分
帝国左翼第16艦隊旗艦戦艦ビルストマン艦橋
「戦艦オルバート戦列を離脱巡洋艦マールト撃沈」
「マイヤー提督敵の攻勢が激しくなっておりますいかがいたしますか?」
「若干後退して敵を前に引きずり出そう、そうすれば戦列に隙ができよう」
「了解しました」
「それと総司令部に一応増援を要請してくれ」
「了解」
15時21分
帝国軍総旗艦アルトリンゼン艦橋
「左翼から援軍要請か、いいだろう本隊から永江少将の隊を回せ」
「よろしいのですか、既にシェア少将の隊を右翼に回しております、これでは本隊が手薄になりますが、ザウト少将第4独立艦隊の方がよいのではありませんか?」
「いやこれでいい永江のやつならすぐにワシのやりたいことがわかるはずだ」
「ならいいのですが」
15時34分
同盟本隊戦艦パトローン艦橋
「攻撃の手を緩めるな一気に押し出すのだ」
「戦艦ウルクハウゼン轟沈巡洋艦レルト航行不能駆逐艦ハルマンⅤ、ポストラⅠ轟沈レルスⅢゼレルⅡ撃沈されました」
「提督被害が増加しつつあります、戦線が崩壊しかねませんぞ」
「だが今攻めかからねば補給が切れかねんぞ」
「右翼ガリオス中将から援軍要請が来ております、側面を敵の小艦隊に突かれ戦列が崩れかけていると」
「なに予備の艦隊で残っておるのは誰の隊か?」
「提督ジャクソン准将の隊だけです」
「しかたあるまい、本隊から20隻を引き抜き右翼に回せ」
「ですが、それでは中央が薄くなりますぞ」
「右翼を崩壊させるわけにはいかんのだよ」
「了解しました」
15時59不能
同盟右翼旗艦戦艦ヤークロンド艦橋
「提督本隊からの増援です」
「これで一息つけるな」
「敵を押し返しますか?」
「いややめておこうその余力はない」
16時13分
戦況は膠着状態となった。17時31分に両軍が一度距離をとるまで動かなかった
同盟旗艦パトロール艦橋
「どのくらいの被害が出たのかね?」
「撃沈されたのは81隻です航空攻撃の被害も含めますと106隻が撃沈されておりますさらに100隻近い損傷艦もあります」
「既に半数が戦力外か、再編は可能かね?」
「厳しいかと、なにせ予備の艦隊は既におりませんので」
「引くべきかね?」
「それは、帝国艦隊にも相当な被害を与えております、目的は達したかと」
「後は引きかただな」
「そうかと」
帝国旗艦アルトリンゼン艦橋
「どのくらい沈んだのかね?」
「76隻が撃沈されておりますが損傷艦も多くなっております」
「合計でどのくらいかね?」
「損傷艦合わせて143隻となります」
「ふむ、どうするべきかね、」
「既に同盟艦隊は半数を損傷もしくは失っております、迎撃は成功したものと思いますが」
「これ以上の交戦は無駄かね?」
「そうとはもうしません」
「まあよい、酔いも覚めてきた頃だ、取り敢えず兵たちに休息をとらせよ」
「了解しました」
戦局が動いたのは18時19分
同盟艦隊の中のジャクソン准将の隊と本隊の一部合計で30隻ほどであった、双方に共通する点は船団護衛隊の生き残りであることであった
ジャクソン准将は敵艦隊の中に船団襲撃を繰り返している艦隊がいることを確認すると指揮下にある艦隊と護衛隊の生き残りにこの事を告げ、司令部に攻撃許可を求めていた、しかし司令部は≪これ以上の戦闘は無意味であるために上申を拒否する≫と回答したジャクソン准将自体も勝てぬとわかっていたが部下の一部が仇討ちを目的に前進ジャクソン准将は止めることも出来ずに帝国艦隊に攻撃を開始してしまった
この攻撃を受けたのはアルトマン少将指揮下の帝国第2高速襲撃艦隊であったこの隊は生存者救助のため同盟艦隊にもっとも近い隊であった
戦艦バルバロッサ艦橋
「敵艦隊接近攻撃をしてきています」
「全艦後退、戦列を乱すなそれと本隊に救援要請」
「了解」
「全艦防御スクリーン出力最大、主砲以外の火器系統のエネルギーはエンジンとスクリーンに回せ」
「了解」
同盟嚮導型巡洋艦アリスト艦橋
「突撃だあいつらを皆殺しだ、」
「艦長戦艦メリスのジャクソン准将からです」
≪後退しろ、本隊の支援がなければ無駄死にだぞ≫
「今押しているのです、すぐに本隊が援軍としてくるでしょう」
戦艦メリス艦橋
「提督、」
「引くぞ、指示に従わん艦は置いていく」
「ですが!」
「下手に戦闘を再開させるわけにはいかん」
「了解」
嚮導型巡洋艦アリスト艦橋
「メリス以下7隻が後退します」
「臆病者どもが、かまわん突撃」
18時25分
帝国戦艦バルバロッサ艦橋
「敵艦隊の一部が後退します」
「なるほど、これは一部の暴走か、なら全面戦闘になることはないな、全艦統制射撃三斉射用意」
「了解」
「撃て」
ドドドドドヒューン
ドドドドドヒューン
ドドドドドヒューン
同盟嚮導巡洋艦アリスト艦橋
「敵艦隊急速接近中」
「なに?」
「エネルギー波接近」
「回避だ回避」
「だめです」
ドカン
18時30分
同盟旗艦戦艦パトロール艦橋
「嚮導巡洋艦アリスト轟沈」
「バカタレどもが」
「ジャクソン准将は無事かね?」
「はい、無事に戻ってきています」
「決まりだな、全艦撤退、これ以上の犠牲はエウリア失陥に繋がりかねん」
「了解」
「さて、何隻の艦が無事に帰れるのだろうか」
18時43分
帝国旗艦戦艦アルトリンゼン艦橋
「同盟艦隊後退します」
「ふむ追撃するべきかね参謀長」
「追撃ですか?」
「可能だろう?」
「それは可能ですが、補給を考えますと、いささか不安かと」
「なに、全艦で追うわけではないし、適度な場所で切り上げるさ、第17艦隊の被害は他の艦隊より少ないはずだな?」
「はい、間違いありません」
「よろしい、第17艦隊と第7高速襲撃艦隊を追撃に出せ」
帝国第17艦隊旗艦戦艦ワルチャー艦橋
「追撃か、よし艦隊全艦前進敵艦隊のケツを蹴りあげてやれ」
「「「了解」」」
19時2分
同盟艦隊最後尾部隊戦艦メリス艦橋
「ジャクソン准将敵艦隊接近」
「くそ、総旗艦に報告、防御スクリーンの出力最大にしろ、それと前部主砲と副砲のエネルギーはエンジンとスクリーンに回せるようにしたくしておけ、どうせ使わんだろう」
「了解」
同盟旗艦戦艦パトローン艦橋
「やはり無傷では帰れんか、全艦最大船速、後部主砲と防御スクリーン以外のエネルギーは全てエンジンに回せ」
「そんな事をしてはエンジンが持たぬかと」
「かまわん、ここで沈むよりましだ」
「戦艦マイゼル轟沈、イストル少将戦死」
「戦艦ヤルス轟沈、巡洋艦タイゼル沈みます」
「全艦最大船速だ急げ」
20時51分帝国追撃艦隊は追撃を打ちきり、本隊と合流するため後退した。この時エウリア星系に攻勢を仕掛けるべきであったかは後世の歴史家でも意見が分かれるところであった。同盟損害は相当なものであり艦隊406隻中撃沈162隻損傷131隻と多数の将官を失うこととなったこの結果同盟はエウリア方面に援軍を送ることとなるがそれは他の戦線の部隊の現象をおこし翌宙歴125年1月に帝国軍のポト・ランデン星系進行を呼ぶこととなる
また帝国の損害については撃沈92隻損傷101隻(大半は中破以下の損傷)と比較的軽微であり将官の戦死はなかった