宇宙戦争記   作:阿鬼羅

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ポト・ランデンの陸戦アストラベル地峡の死戦

宙歴125年2月先月に行われたカイザーつかさの親征によりポト星域ポト・ランデン星系は孤立していた本星の主だった防御施設は破壊され防衛線は防衛司令部のあるパテメス地方ポートセレナシティーに近づきつつあった

 

宙歴125年2月7日ポト・ランデン星系本星アゲラメル地方同盟軍防衛司令部

「で前線部隊は何と言ってきている」

「帝国軍接近とのこと」

「敵の数はどの程度かね」

「歩兵約3個連隊に戦車が連隊規模でありますそれと大規模な砲撃が行われているとの事です」

「標準的な帝国歩兵師団か防衛は厳しいか」

「そうかと思われます、何せ対戦車兵装が不足しておりますので」

「どのくらい配備してあるかなそれと防衛隊の兵力はどうなっておる」

「補給を受けておりますが75㎜対戦車砲が20門と対物ライフルが100丁それに対戦車ミサイル発射機が4基ミサイル18発であります」

「それと野砲が8門迫撃砲が幾分か」

「兵力は5841名で2本の街道防衛箇所3ヶ所にそれぞれ1000名ずつ歩兵程度の踏破が可能である10ヶ所の畦道に200名ずつ残りは防衛隊本部であります、それと装甲車を主体とした軽装警備隊が合流しております」

「それだけか、それだけであの距離を守るのかあの地が狭く守りに適しているとはいえアストラベル地峡の防衛陣を横幅55km縦深30kmだぞ増援を出せるかね」

「残念ながら余剰な部隊は司令部の警備隊と警察の特殊部隊を徴用した臨時戦闘隊や現地民を徴用した民兵合わせて3000名程度しか居りません」

「なんだと、たったそれだけしか余剰部隊がおらんのか」

「はい」

「なんということだこれで前線を維持しろと言うのか」

「そうなります」

「閣下しかし防衛距離が長いといえ実際は2ヶ所の街道ですのでどうにかなるかと」

「しかしな、浸透戦術でも取られればどうする少数でも補給線や後方拠点をやられればどうなるかわかるだろう。防衛隊司令部は何といっているのか」

「現有戦力をもって臨機応変に防衛せよと」

「臨機応変にだと1兵も寄越さずにかね」

「そうなります」

「冗談ではない、本部に対戦車自走砲でも装甲車でも何でもいいから戦闘車輌を回すように伝えろ、でなければ突破されるぞ」

「了解しました」

(持ちこたえてくれよ)

 

アストラベル地峡第1街道同盟第1塹壕

「砲撃は終わったみたいだな、おい、全員生きてるか」

「生きてますよ隊長」

「死に損ねたみたいです隊長」

「頭痛いですが他は無事です」

「メットがへこんだ以外被害無し」

「砂が口に入った以外異常無いです」

「他の連中も全員無事です隊長」

「そいつはよかった、さて戦闘準備だ敵は近いぞ」

「「「了解」」」

「少佐連隊本部からです、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に防衛せよ」

「なんだその命令は、行き当たりばったりじゃないのかな」

「とりあえずうちの塹壕以外もその命令みたいです」

「まあいい、対物ライフルは無事だろうな」

「大丈夫です」

「野戦電話は繋がるか」

「雑音が混じりますがなんとか」

「観測、敵は見えたか」

「まだです、いや、土煙を確認、敵戦車です数約20」

「冗談だろ、ここに満足な対戦車兵装なんて無いぞ」

「落とし穴があったな、それに落ちることを祈ろう」

「第3と第8塹壕に対戦車砲が置いてあるはずだ、そこからの支援を期待しよう」

この時第1街道に攻撃を仕掛けたのは帝国第2師団第5歩兵連隊第1第2大隊と師団付属戦車連隊の内2個中隊であった

「戦車の周辺に敵歩兵多数」

「連隊本部から現状を知らせよと」

「我敵ト接触セリコレヨリ戦闘ヲ開始スル、と伝えろ」

「了解」

「さてとやるとするかな」

ドカン

「対戦車砲かどこ狙ってやがる」

「ぼやくな軍曹」

「ですが隊長、50m位横に当たってますよ」

「対戦車砲のクソヤローが」

「隊長最近口悪くなってませんか、配属当初は穏やかで軍人かどうか疑うくらい口がよかったのに」

「あんなん士官学校の時の癖だ教官受けが良かったんだ、これが本来の俺だ、引いたか軍曹」

「いえ、頼もしいです隊長」

「その方が俺達の隊長らしいですよ」

ドカン

「またはずしやがった、どんな腕してやがる」

「はぁ、対戦車手榴弾はあるだろうな」

「ありますぜ、なんなら火炎瓶も」

「前者はいいが後者は要らんな、そんなもんが効くとは思えんしな」

「場所によっては効くんじゃないですかね、でその後スコップで出てきた乗員をやれば」

「まあやりようかね」

ドカン

「マジで砲手変えやがれ」

カコン

「今度は当たったな」

「弾かれてますがね」

「伏せろ」

ドカン

「全員無事か」

「全員生きてます」

「来やがったぞ撃て」

タタタンタタタンタタタン

パーンパーン

「カイザーのクソヤローが一体此処にどんだけ兵を回しやがった」

「このままじゃ持ちませんよ」

「泣き言を言うんじゃない、此処を通すと連隊本部守備部隊以外居らんのだぞ」

「ですが隊長」

ドカン

「第2塹壕が殺られました」

「クソッタレが」

「対戦車擲弾投射基用意、しゃあないがやるぞ」

「了解」

「距離200照準よし」

「撃て」

シュポ

ドカン

「命中、敵戦車1撃破です」

「よくやったぞ伍長」

「ザマァ見やがれてんだ」

ドカン

「第1対戦車障害物が破壊されました」

「やはり丸太では耐久性に問題が」

「言っている場合かもう1台敵車を叩くぞ擲弾投射用意」

シュポ

ドカン

「外したか、よく狙えよ」

「了解」

「距離350照準よし」

「撃て」

シュポ

ドカン

「命中、敵戦車撃破です」

「隊長アレを、敵の新手です」

「冗談だろ、数は」

「戦車装甲車など約60それに歩兵です」

これは第3機甲旅団の前衛部隊であったさらなる悲報がもたらされた第2街道が敵の猛攻により戦線が崩壊したと言う報告であった第2街道は第1街道より長く二重の防衛線が作られておりその外側が突破されたのだった

「ちくしょーが、擲弾だ擲弾用意1台でも多くみちずづれにしてやる」

「了解、擲弾投射用意」

「距離320照準よし」

「撃て」

シュポ

ドカン

「命中なれど撃破ならず」

「次だ、よく狙え」

「距離280照準よし」

「撃て」

シュポ

ドカン

「撃破です」

「敵歩兵来ます」

「撃て近づけるな」

タタタンタタタン

タタタンタタタン

「ぐはぁ」

「1名負傷」

「衛生兵」

「砲兵隊の連中は何をしてやがる」

「砲兵隊砲撃支援を要請しますか」

「そうだな」

「砲兵隊応答しません」

「どうなってやがる」

「まさかやられたのか」

「狼狽えるな、もう一度砲兵隊を呼び出せ、野戦電話の調子が悪いかもしれんのだ」

「了解」

「砲兵隊応答せよ、砲兵隊応答せよ」

≪こちら砲兵隊どうぞ≫

「敵砲兵に対して砲撃を要請する」

≪こちら砲兵隊我すでに弾薬無し≫

「何だって」

「砲兵隊が役に立たんのなら自力でやるしかねーな」

「まさか砲兵陣地まで突撃ですか」

「塹壕でた瞬間蜂の巣だろそれじゃ」

「ではどうするんですか」

「決まってる、耐えるんだ、ただそれだけ」

「やるしかないんですよねそれ」

「少佐、中尉も話してないで敵を撃ってください」

「すまんな軍曹」

タタタンタタタン

タタタンタタタン

タタタンタタタン

「ぐはぁ」

「中尉、大丈夫か」

「なんとかです少佐」

「そいつはよかった、にしてもどれだけの兵が此処に来てやがる」

「はぁ、どう言うことだそれは」

「どうした、大尉」

「要領を得ませんがどうにも第2街道第2防衛線が抜かれたみたいです」

「間違いじゃないのか、彼処には1個大隊と軽装警備隊が展開してるはずだろ、多数のトーチカも作られてるんじゃなかったのか」

「そのはずですが」

第1街道守備隊が困惑するのも道理であった第2街道第2陣地群は75㎜対戦車12門野砲4門に軽重各種トーチカ40個三重の塹壕線等持つ大規模な防御施設であり理論上1個師団の攻撃にも耐えれるように作られていた。この堅陣突破は容易ではない、そうその筈であったよってこの報は誤報であると第1街道守備隊及び後方の防衛隊司令部は判断していた、それが誤報で無いと判明してのは初報から4時間後16時42分防衛隊司令部直属防衛隊の最前衛に対して帝国軍第8高速戦闘旅団が突入してきたときであった。後世の軍事評論家は語る「この時決着が着いたと」17時7分第1街道防衛隊後方に帝国第2師団第6連隊と師団付属戦車連隊の内1個大隊であった。

 

第1街道同盟第1塹壕

「少佐後方に敵です」

「此処までかな」

「少佐?」

「全員武器を捨てろ」

「何を言って」

「そうですよ少佐」

「降伏する気ですか」

「そうだ、降伏する」

「なぜです、敵をここで食い止めれば」

「後方に敵がいるこれは第2街道を帝国が突破したわけだ、つまり防衛隊司令部は落ちたんだよ、ここで戦う意味もなくなったわけだ」

「「「了解」」」

「他の塹壕にも野戦電話繋げ降伏しろってな、後軍使もだ」

18時1分同盟軍第1街道防衛隊は帝国軍第2師団に降伏した第1街道戦同盟側戦死傷者615名帝国側戦死者1572名この報を受けた同盟軍ポト・ランデン本星防衛隊司令部はアゲラメル地方の放棄とパテメス地方外苑部に全軍を集結そこを絶対防衛圏として死守することを厳命した

また同日同盟軍本部はポト・ランデン星系に増援を送ることを検討決死艦隊を突撃させ少数の物資と人員を送ることを決定した

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