座礁する方舟   作:一般トランスポーター

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続いた。


繋がりがなければ人が生きていくことは難しい。

それは伝説の配達人とて同じことである。




騎兵と狩人。それと運び屋 ④

「あたし一人でやる!って言うのは簡単だけどさ。せっかくの好意をポイ捨てするわけにもいかないし……と、いうわけでサム、これからちょっとの間よろしく!」

 

サムの依頼内容を聞いたグラニは思案するように首を傾げた後、ほどなくして【いいね!】をくれた。

ここで断られたらどうしようかと思っていたサムはため息と共に胸を撫で下ろす。

 

「私は今回グラニに依頼したキャロルです。えっと、あなたも手を貸してくれるってことでよろしいんでしょうか?」

 

「その認識でいい。グラニを監督して無事ロドスに返すのが依頼だからな。……不本意ではあるが」

 

「どういう意味だいそれ?」

 

要らぬ一言を付け加えたせいでグラニがジト目を向けるが、サムは当然だろうと切り返した。

 

「そもそも俺はトランスポーターだ。荷運びならまだしも要人警護は数えるほどしかやったことがない」

 

「要人警護は、ね。でもニアールさんから頼まれるってことは相応の実績があるからじゃないの?」

 

「さぁな、どうだか。それより……村長さん、グラニに依頼した内容を教えてくれるか?」

 

「あっはい。分かりました。えっと──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、わかった。今の装備じゃ力不足だな」

 

最後まで話を聞いてサムは訳知り顔で頷いた。

完全に理解した(分かってない)ではない。今回の件に関してサムは完全に理解した(チョットデキル)だ。

 

財宝のためなら暴力を振るうことも辞さない賞金稼ぎたちをあしらうには現在のサムの装備ではかなり物足りない。

愛用しているストランド数本と梯子が二つ、そして両手にはめたパワーグラブだけだ。

 

「そのグローブと紐だけじゃちょっとねぇ……えっそれ仕込み爪なんてあるの?」

 

「電気も流せるぞ」

 

「……暗殺者?」

 

「俺はただの運び屋だ」

 

そんな取り留めのない会話の後にサムはバイクに乗せた荷物を取ってくると言って彼女たちの元を離れた。

 

村の隅の家の陰に停車したバイクには()()()()()()()()()()()()()()

サムはバイクの無事と施錠を確認してから少し離れた森の中に身をかがめ、人目を警戒しつつ地面に手をつけた。

 

「なれないな……」

 

サムが手を地面に押し込むと、手錠型通信端末が激しく明滅した後、彼を中心にタールのような黒波が発生して辺りの緑を漆黒で塗りつぶしていく。

約半径3mの円状のぬかるみができあがり、サムはタール池の下に向かって声をかけた。

 

「おーい」

 

するとぬかるみの中から漂白剤に漬けられた、もしくは小麦粉を頭から被ったように真っ白なサムが4人ほど現れて次々にサムに物資を投げ渡した。

サムはぬかるんだ大地に足を踏ん張り、その荷物を器用に受け取って背負子に載せた。

 

「ありがとな」

 

白サムはサムの言葉(【いいね!】)に満足したのか、4人揃って溶鉱炉サムズアップをキメながらタールの底に沈んでいく。

 

白サムシンクロナイズドスイミングを見届けたサムはもう一度ぬかるみに手をつける。

するとズブズブと音を立てながら干上がるようにタールは──カイラリウムは消失した。

 

 

サムはテラに来た時からこのようにカイラリウムの呼び寄せと退散ができるようになっていた。

初めはテラへのカイラル汚染を懸念してあまり使用したがらなかったサムだが、配達業務の際に必要に駆られてこの能力を使っているうちに不思議なことに気がついた。

 

()()()()()()()()()が消失しているのである。

自分の装備や身体に付着したカイラリウムは配送拠点などで洗浄しなければ落ちないはずだが、それすら跡形もなく消えているのだ。

まるでカイラリウムがこの世界から繋がりを絶たれたように。

 

サムはDOOMS(能力者)かつ帰還者であるが技術者ではないので詳しい仕組みはさっぱりわからない。

 

が、そうすることで滞りなく配達業ができるなら彼が使わない手はない。

 

 

白サムから受け取った物資を再度確認してからサムはグラニとキャロルが待つ場所へと戻った。

 

 




ミュールやディメンスをパンチだけで鎮圧して物資を強奪するようなやつが普通の運び屋なわけないんだよなぁ。


チョットデキル
→その事物に関しての習熟度が最大であることを示す言葉。

パワーグラブ
→仕込み爪があるグローブ。かさばらないしパンチの威力も上がるし大変お世話になった装備。

白サム
→決して白ゼツではない。BTのキャッチャーと戦っている時に物資を投げ渡してくれる別世界線のサム。
この世界のサムは彼らを任意で呼び出せるようだ。

カイラリウム
→BTの体を構成し、彼らからドバドバと排出される物質のこと。
黒いタールみたいなやつ。
一部の人間を除いて触れると精神汚染と肉体汚染を引き起こす。コワ〜。
結晶化すると黄金の手のような形をした人畜無害な物品になる。
カイラルプリンターを初めとした様々な事に利用可能な性質を持つ。

DOOMS
→単に能力者とも言われる。ビーチを介した超能力を扱える人間の総称。
能力の方向性や強弱は人によって異なるが、全員に共通する力はBTを感知できることだ。
ちなみにサムも能力者。北アメリカにいた時点でレベルは2。


またキャロルの会話ちゃんと書けなかった。
次こそ書くよ(フラグ)


白サム……一体何者なんだ……?
プレイヤーの私たちもよく分からないし、真面目に考えるべき存在ではないのかもしれない。


感想もらえるととっても喜ぶし、このSSが続けられる可能性が高まります(小声)

文量は今のままで大丈夫か?

  • 大丈夫だよ(現状維持)
  • 大丈夫じゃないよ(時間かけて文を増やす)
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