FATE カルデアのマスター、彼の地に来たれり 作:ダンピール
書き方が変わってたり、自分で思い出す用に態々サーヴァントのクラス名とか書いたりしているので多少読みづらいかもしれません←前の話も読みづらいだろうが!
フォルマル伯爵領イタリカは未曽有の危機に陥っている。
事の発端は数週間前にあった諸王国軍の出兵。聖地アルヌスを奪還すべく進軍した10万の大軍勢は、たった数日でアルヌスに布陣する「門」の向こう側から来た軍隊に敗北した。
帝国の皇女ピニャ・コ・ラーダは父である皇帝モルトからアルヌス偵察の命を受けてイタリカへと向かった。そこで目にしたのが盗賊に堕ちた諸王国軍の敗残兵による襲撃だった。
彼女はてっきりアルヌスの丘に進駐する異世界の軍隊が攻めているのだと思い、防衛戦の指揮官を買って出たのだが…
「こんなものが…妾の初陣か」
城塞都市と呼ばれたイタリカに兵士と呼べるほどの戦力はなく、ピニャが率いている騎士団の大半も別の場所にいた。対する盗賊は敗残兵とはいえ実戦経験もあり、数が揃っている。
攻防戦が行われる度に防衛側は疲弊し、ピニャも内心焦り苛立っていた。
「もし其方のしている事が
「ッ………!」
眠りについた彼女の夢に現れたのはつい数日前に謁見した父モルトの姿。
ピニャ率いる薔薇騎士団は多くが貴族子女であり実務を行うことは滅多にない。
侍従武官であり教官役も務めた身分の低いグレイのような人物が身を置くことで老兵の隠居所等と揶揄されていることも彼女の耳に届いていた。
その評価を覆したいと意気込んだ矢先、待ち受けていたのは厳しい現実である。
「――――――ピニャ殿下、起きて下さい」
冷たい水を全身に浴びて、ピニャは寝台から跳ね起きる。「敵襲か!?」と周囲を見回すと副官のグレイとフォルマル伯爵家のメイド長カイネが桶を手に立っていた。
それを見てピニャは眠る前、カイネに対し「妾が起きる事を拒んだらどうする?」と問い「水をぶっかけてでも起こします」と返された事を思い出す。
(まさか本当にぶっかけられるとは…いや大したものだ…)
口だけかと思いきや帝国皇女に対し遠慮なく実行するその豪胆さ。
ピニャの中でカイネに対する印象が好ましいものへと変わった瞬間だった。
「…何事か」
「敵か味方か、殿下に確認して頂くのが先でしょうな」
どうやら只の盗賊の襲撃という訳ではないようだった。
グレイを先にいかせてピニャは濡れた肌着を着替えて鎧と剣を身に纏い、報告のあったアルヌス丘陵に続く門の方へと駆けていった。
*
「今走っているのがテッサリア街道…」
「んで、此処が目的のイタリカ」
第三偵察隊の車両が三台、緩やかな高低差のある草原の中に引かれた砂利の道を走っていた。先頭車両の中で副長の桑原ことおやっさんとランサー・ヘクトールが地図を片手に現在位置の確認をしている。
「………」
「ん?これが気になるのか」
そこへひょこっと顔を覘かせたのはレレイ。彼女はおやっさんの地図を持たないもう片方の手に握られている方位磁石を珍しそうに眺めていた。
「………」コクコクコク
「これはな、こうやって地図と照らし合わせて方角を調べるもので―――」
絵面が親戚の叔父さんと姪っ子みたいだと車内の全員が思った。
運転席に座る倉田がミラー越しにそれを眺めて笑みを零す。
「鬼軍曹と呼ばれたおやっさんも、子供には優しいんですねえ」
横でそれを聞いていた伊丹も思わず笑みを零してミラーに視線を向け…
後部座席の一番後ろに座る黒川とアーチャー・藤乃…をじっと見つめるテュカに気づいた。
「えっと…二人が気になるの?」
「っ!!」
テュカの向かい側に座っていたリツカが問いかけると、彼女はかぁっと頬を赤く染めて視線を逸らし…また少し経ってから二人の方に目を向ける。
チラチラ見られている当の本人達はきょとんとした表情で首を傾げた。
(――――――えっと、これはどういう意味なんだろう?)
(わ、分かんないっス!乙女心は複雑っていいますし―――)
黒川の向かい側、隅っこで空気と化していたライダー・マンドリカルドに視線で尋ねるリツカだったが、首を横に振られてますます頭を捻る。
そんな中、彼とテュカの間に座っていたロゥリィがニヤリと笑う。
「…あの二人、気になるのぉ?」
「ふぇっ!?」
どういう意味で気になるのか、テュカが頬を染めていた時点で察しはついていた。
後に判明する事だが彼女はバイセクシュアルである。
黒川や藤乃、栗林といった日本人女性は好みのタイプらしい。
「うふっ♪ああいう娘達が好きなのねぇ」
「あ、あぅ……」
((あ、そういう……))
マンドリカルド、マスターはこの時、まったく同じ事を心で呟いたという。
ロゥリィが小声で喋っていたのと車の出すエンジンの音で、黒川には聞こえていなかったが藤乃には二人の会話が聞こえていたようで「…困りました、どう返せばいいんでしょう」と頬を朱に染めて小首を傾げていた。
この場に召喚されてはいないが、もしライダー・黒ひげがいたら「金髪エルフ×黒髪大和撫子、夢のカップリングキマシタワー!!」と歓声を上げていただろう。
「……何やってんだか」
呆れた表情を浮かべる伊丹だが、ふと鏡の中から向けられる視線に気づいた。
先ほどまで地図を見ていたヘクトール只一人が鏡に向かって笑みを浮かべている。
(……敵じゃないけど、味方と呼ぶには些か……)
出会って話した時から感じる僅かな警戒心は間違いなく彼から向けられていた。
彼がマスターと呼ぶリツカにその気がない以上は何もない筈なのだが…
(油断は出来ねえな……)
一瞬でも隙を見せたら、どこからともなく取り出した槍で貫かれそうだ。
そんな事を考えていた伊丹に、倉田が声を掛ける。
伊丹が視線を外したのと同時にヘクトールとマンドリカルド。後ろの車両に乗っていたセイバー・村正の三人が異変に気付いた。
「隊長」
「ん、どうした」
(((マスター)))
(…何かあったの?)
「右前方で煙が上がっています」
(…目的地の街で何かあったみたいだな)
(後輩、少しだけ警戒レベル上げといてくれよ)
(ウッス。…千代女さん達には俺から伝えておくっス)
(うん、お願い)
各々が異変を感じた方角は全く同じ…フォルマル伯爵領イタリカのある場所だった。
伊丹の号令で三台の車両は一度止まり、車内から様子を窺う。
火の手が上がっているのは明白、問題はその原因が何なのか…
「まさか、あの龍がまた……」
「あの物騒な神官の嬢ちゃんが片翼に深手を負わせて、アンタらの持ってる火器で片腕を、黒桐の嬢ちゃんが片足をぶっ壊してやがるんだ。伝説の龍でも、あれだけの傷を負って他で暴れる力が残ってるたぁ考えられねえけどな」
真ん中の車両で富田の呟きに対し村正が前の方へと身を乗り出しながら言い返した。
また凄惨な場面を見る事になるのではないかと、フォーリナー・アビゲイルが小刻みに体を震わせていた。隣に座るバーサーカー・謎のヒロインX[オルタ]が無言でそっと寄り添って彼女を落ち着かせる。
「アスクレピオス殿はどう思われる」
「……フン、化け物にせよ人間にせよ争っている事には変わりないのだろう。ならば僕は医者として現地へ赴き、珍しい傷病がないか確かめて治療法を確立させて治す。それだけの事だ」
「……で、ござるか」
一番後ろの車両で物騒な会話をするアサシン・千代女とキャスター・アスクレピオス。二人の会話を耳にした笹川と勝本がドン引きする中、栗林はいつでも戦闘に突入してもいいようにと装備の確認を行っていた。
そして前方車両でただ一人、特殊な体質故にイタリカの状況を把握出来るものが居た。
ずいっと身を乗り出して運転席と助手席の間から顔を出したロゥリィが笑みを浮かべて舌なめずりと共に発した一言。
「うふっ、ふふふ♪――――――血の臭い」
「―――全車、周囲の警戒をしつつ前進する。特に対空警戒は怠るなよ」
皆さんはFGO夏イベきっちり回れましたか?
私は二万ぶち込んで水着キャストリアが出なかったのでやる気を失い放置してたらイベ鯖も取り逃してコロナに罹って仕事休んでいまだに咳が止まらなかったりと踏んだり蹴ったりでした(初天井がトネリコだったのは此処だけの話)
FGO本編もペーパームーンの途中で止まってたり…
次の更新は見たいアニメとかやりたいゲームが増えずにやる気が残っていれば9月以内に多分、メイビー、もしかしたら更新します。
次回「皇女やらかす」