FATE カルデアのマスター、彼の地に来たれり 作:ダンピール
片やトロイア戦争の大英雄
誰も考えられないような言葉の駆け引きが……書けませんでした(全力土下座)
作者の脳みそだと、それっぽい言い回しで説明するが限界ですorz
「伊丹二等陸尉から話は聞いている。私は陸上自衛隊特地方面派遣部隊指揮官の狭間浩一郎だ」
「藤丸リツカです」
アルヌス駐屯地の一番大きな建物、その中でも特に警備が厳重な一室にて。
特地の自衛隊最高権力者である狭間と、カルデアのマスターは握手を交わす。
部屋の中にはリツカ達カルデアのサーヴァント達以外に、自衛隊側は第三偵察隊の隊長である伊丹と、眼鏡をかけた繊細そうな男の自衛官が狭間の後ろに控えていた。
笑顔を浮かべて握手を求めてきた狭間に、リツカは人としての好印象を抱く。
―――が、その瞳は
自分ではうっかり口を滑らせて、彼に必要ないことまで喋ってしまうだろう。
(いざという時は頼んだよ、ヘクトール……!)
(ほいほい、任せなさいマスター。大船に乗ったつもりでな)
「報告にあった炎龍との戦いから、休みなく此処まで来て疲れているだろうが……君達の事情というものを改めて聞いておきたいのだよ」
「分かりました。―――――それじゃあまずは……」
ソファーに腰かけて、紙とペンを伊丹に用意して貰ったリツカは説明する。
カルデア、リツカ達の目的である聖杯…という名前を出すとややこしくなるので”危険なもの”という中身の説明だけして、それらを悪用している者達がいるということを。
説明の最中、顎に手を当てて考える素振りを見せた狭間は、ある疑問を口にする。
「君も伊丹から聞いていると思うが、日本に突如として現れた特地に通じる”門”――――世界中の科学者、研究者、歴史家があらゆる方面から、どういった原理で門が日本に出現したのかを調べてきた。…しかし、その結果は未だに仮説や憶測の域を出ない―――それで、だ」
「門が出現したのは、俺達の探す”危険なもの”が原因である可能性…ですか?」
「……そうだ」
狭間の後ろで眼鏡の自衛官が息を呑む。
リツカも軽く俯いて、自分で紙に書いたものの縮図を見つめる。
特地のような、汎人類史から完全に逸脱している異世界というのは観測史上初だが、万能の願望器である聖杯の力を使えば、異なる世界同士を繋ぐことは可能である。
「話をしている君と後ろにいる君達の落ち着いた様子を見ていると、私達が知らないだけで…
(――――ッ!!)
リツカが伊丹や狭間に説明したのは簡単なカルデアの行動指針だけ。
七つの特異点を回った聖杯探索、終局特異点、亜種特異点―――まだ何も教えていない。
狭間はリツカ達の話よりも。話しているリツカ達の動きからそれを予測して言い当てた。
内心ひやひやしながら、リツカはヘクトールに視線を送る。
彼は朗らかに笑みを浮かべているが、視線だけは鋭く狭間を捉えていた。
(兵の上に立つ者ってのは、どうしていつの時代も曲者揃いなのかねぇ~)
(アンタがそれを言うのか?トロイアの将軍であり、政治家としても名高いアンタが)
ヘクトールの隣に立つアスクレピオスがジト目で彼を睨む。
リツカからのヘルプの視線に対して、ヘクトールは軽く頷いた。
狭間へと視線を戻して、リツカは真剣な表情でゆっくり首を縦に振る。
「―――はい。カルデアの守秘義務に関わりますので、正確な数字をお教えすることは出来ませんが、我々の回収せんとしている危険なものを第三者が悪用した結果、常識では予測もつかない超常現象を引き起こした例は過去に何度かあります」
「……具体的な内容としては?」
「一言で完結してしまえば――――――
今度ばかりは流石の狭間でも面食らったのだろう。
言葉を失い、リツカが机に置き直した紙に書かれた内容と報告書の内容を見比べて、自分の頭の中で整理をつける為に俯いて沈黙を貫いている。
リツカとしてはその時間だけでも僅かにリラックスできるのでありがたいのだが……。
狭間の後ろに控えていた眼鏡の自衛官が一歩進み出て口を開いた。
「陸将、自分から彼らに質問をしても宜しいでしょうか?」
「ん――――あぁ……構わんかね?」
「大丈夫ですよ。えっと―――」
「柳田
「うーん……なんて説明したらいいんでしょう……?」
「そこは声に出さず、オジさんに助けを求めて欲しかったかなぁマスター……」
困った笑みを浮かべて、再びヘクトールに振り返るリツカ。
実はそろそろ頭の回転が許容範囲の限界を迎えつつあった。
苦笑いするヘクトールは狭間に視線で同意を得て、柳田の質問に答える。
「過去に遡るってのは正解だ。死んだ人間を蘇らせることも、”危険なもの”なら可能だぜ?―――だが、歴史の改竄はもっと性質が悪い。そもそもその人間が、その時代・その日・その時間・その場所で死んだという事実すら前提から捻じ曲げちまうのさ」
「―――――マジかよ……」
「マジもマジ、大マジさ。…だから、オジさん達は必死こいてソイツを探してるわけ」
予想を上回る答えに、柳田は汗を浮かべて素の口調で呟いてしまう。
その呟きに同意しながら、ヘクトールはリツカの肩に手をポンと置いて言葉を続ける。
「まっ、オジさん達もこの特地に来たばっかりで情報が手探りでしか得られなかったんでね。其方さんから色々と話を聞けて感謝してるよ。――――まぁ、大事なのは
「―――――仰る通り」
顔を上げた狭間の真剣な表情に加え、見えない圧に委縮するリツカ。
ヘクトールが肩に手を置いてなければ…彼のプレッシャーに押し潰されていた。
時間をかけて話し合うのは不利になると考えたヘクトールは賭けに打って出る。
「小賢しい事は抜きにして、今度はこっちから質問させて貰うが。――――其方さん的にゃ、オジさん達が特地で好き勝手に動き回られるのは困るんじゃないかね?」
「………そうだ。出来る事なら、我々の目が届く範囲だけで、活動にも此方が幾つか制限をかけたうえで、君達の目的を達成するまで動いて貰いたい……それがこちら側の意思だ」
「ほうほう?
「それを私が言うのは簡単だ。しかしそうしたら君達は
狭間が言った君というのはリツカでなく、ヘクトールただ1人に向けられていた。
どうやら彼の中でカルデア側の力関係が何となく分かってきたようだ。
形式上はリーダーであるリツカよりも、ヘクトールを警戒して、彼から信用を得るべきだと。
手の内に仕込んだ
次回「現地協力者…?」