FATE カルデアのマスター、彼の地に来たれり   作:ダンピール

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 GATE原作にてFateっぽい作品のネタが使われた話の解釈。
伊丹的に「あーなんか似たような作品あったなー」くらいの感覚。
陸将とかがカルデアの話を聞いて?な中、伊丹はなんとなく「あの作品の設定に似てるけど、実際どうなんだろうなー?」と思ってます。




現地協力者…?

 カルデアの扱いは表向きコダ村の住人と変わりなくとの連絡がアルヌスの自衛官達に回った。

彼らがアルヌス駐屯地を離れて特地内を探索する際には第三偵察隊から二名以上の隊員が同行することを義務付けられている。

 

「なんでウチの部隊だけなんでしょうか?」

 

 基地に戻って夕食を終えた第三偵察隊の隊員の一人、衛生担当の黒川が暢気に食後のお茶を啜っている伊丹に尋ねた。彼はふぅと一息ついてから―――

 

「同じ質問を上司にしたら 「陸将から第一接触者が最も適任だと判断したからだ」って眉間に青筋寄せられながら答えて貰ったよ。おぉ、怖い怖い」

 

 おどけた様子で質問に答える伊丹に、ムッとした表情になる黒川。

両者の間でゆっくりと食事を取っている倉田が気まずそうに乾いた笑いを零す。

食器を片してきた富田がふと思い出したように問いかける。

 

「そういえば、彼らは今―――」

「今日は草臥れたからもう寝るって。―――まぁ当然だよな。俺達もだが、あいつ等も突然異世界に飛ばされてきて、ドラゴンやらゴーストやらと一戦交えた後なんだから」

 

 自衛官である伊丹達は時間厳守で行動をしなければならないのが常だが、隊長である伊丹は避難民の今後(持ってきた厄介ごと)に関して書類を纏める必要があった。

今こうして伊丹が茶を啜って和んでいるのは、この後の徹夜業務に備えてのこと。

彼の言葉でヒクついた笑みを浮かべた倉田が一言呟く。

 

「……今まで突っ込もうか迷ってたんスけど。異世界に居ましたね幽霊」

「その話は止めような倉田?みんな寝れなくなっちゃうから」

 

 周りの自衛官達(特に幽霊などを怖がる者)がギョッとした表情で足を止める。

申し訳なさそうに視線を送った倉田、時すでに遅し。

今夜は枕を抱きかかえて頭から布団を被る者が続出するだろう。

ワイバーンやゴブリンよりも、半透明でふわふわ浮かぶ人擬きが怖いのであるのは何故か?

答えは単純明快、そういう相手には決まって物理攻撃が効かないのである。

 

「……特地にはお祓いしてくれる人とかいないんでしょうか?」

 

 青褪めた表情で伊丹に問いかける不安そうな富田の声。

黒川は意外に耐性があるのか「やれやれ」といった様子で席を立つ。

どうしたもんかと伊丹は首を傾げ……ゴスロリ少女の後姿を思い浮かべた。

 

「―――人の背くらいデカい斧をブン回す娘になら心当たりが」

「……勘弁してくださいよ」

 

 

 

 

 

 

 場所は変わってアルヌス駐屯地、避難民達に用意されたプレハブ小屋にて。

既にカトー老師、レレイと子供達は柔らかいベッドでグッスリと眠りについている。

炎龍との戦いの最中に目を覚ましたテュカも今は眠っていた。

 

 狭間陸将との今後の打ち合わせを終わらせたリツカとサーヴァント達。

部屋を出る際には再び笑顔で握手を交わしたが、お互いに含みのある笑顔だった。

緊張の糸が解けたリツカは与えられた自室で、つい素をさらけ出す。

 

「つーかーれーたーぞー……」

 

 部屋の灯りは全てつけていると周りの迷惑になると思い、サイドテーブルに置かれたスタンドライトだけを点灯させて、ベッドの上に飛び込んでうぅ~と唸るリツカ。

そこへ霊体化したままのヘクトールが現れて彼を労う。

 

「お疲れさんマスター。これから先も交渉事とかぁオジさんに任せて、お前さんは治りきってない自分の体を治すことに集中しなさいな。――――――()()()()()()()()()()?」

 

「――――――ん……!」

 

 ヘクトールに言われて、リツカは首筋を伝う脂汗をそっと手で拭った。

唇は小刻みに震え、脇腹の治りきってない傷が熱を帯び始めている。

レイシフト直後の戦闘から休みなしで動き回っていたリツカの体が、ついに我慢の限界を迎えて各所から悲鳴を上げ始めていたのだ。

 

「今夜中に他のサーヴァント連中と話を纏めておく。カルデアからの魔力支援供給用のサークル設置と交信魔術の発動に必要な霊脈の捜索は明日から行えばいい、ゆっくりと休みな―――――って、ありゃりゃ……もう寝てるか?」

「――――――ぐぅ」

 

「ハッハッハッ~流石マスター。今夜くらい風呂と歯磨きくらいは見逃してやるよ」

 

 カルデアの衛生担当(ナイチンゲール)お母さん(エミヤ)が聞いたら怒りそうな一言だ。

前者の場合は問答無用で殺菌用のエタノールか沸騰したお湯の張られたドラム缶に頭から力づくで入れられそうだが、後者はなるべく優しく……かなりの皮肉を込めたお小言を言ってくるだろう。

誰も見てないことを確認して、霊体化を解除したヘクトールはそっとリツカの頭を撫でる。

 

「よく頑張ったぜ、愛しのマスター(俺のトロイア)。―――後は任せな」

 

 再び霊体化してヘクトールが向かった先は他のサーヴァントに与えられた個室。

その中でも特に人の行き来が少ない端の個室に入った、アスクレピオスの部屋だ。

彼は治癒などの支援に特化したキャスターのサーヴァントではあるが、キャスターとしてだけでなく、賢者として名高い英霊ケイローンから生前にあらゆる教育を叩き込まれた者の一人として陣地作成には多少の心得がある。

 

 手持ちの道具を使って人払いの魔術と、外界と音を遮断する魔術を部屋全体に張り巡らせた。

既にアスクレピオスの部屋周辺で魔術の使用時に反応・敵対する者がいないかアサシン・パライソが気配遮断を用いて偵察に出ている。

霊体化したままヘクトールは目を閉じて周囲の音を拾うことに集中しているパライソに声をかけた。

 

「待たせたねぇアサシンの嬢ちゃん」

「ヘクトール殿。……今のところ異常はありませぬ……皆様、室内にて」

「あいよ」

 

 ヘクトールが千代女と一緒に部屋の中に入る。

村正、藤乃、マンドリカルド、アスクレピオス、ヒロインX[オルタ]、アビゲイルが既に部屋の中で待機しており、二人の登場に全員が同時に顔を上げた。

 

「マスターはもう寝たかい、ヘクトールの旦那」

「あぁ……皆の前じゃ平静を装ってたが、体は限界だったらしい」

 

「――――――」

「………ッ」

 

 村正とヘクトールの会話に、藤乃とアビゲイルは悲しそうに目を瞑って胸の前で両手を合わせて、一日も早く(リツカ)の傷が治るようにと祈っていた。

アスクレピオスは忌々しげに舌打ち一つしてぼそりと呟く。

 

「愚患者が……。身体に不調があれば直ぐに僕の所に来いと言っただろうが……!」

「……けど、マスターはそういうのを大概平気そうにして誤魔化しちまうっスから」

 

「だから愚かだと言っている。悪化してから治療では後手に回るだろう」

「マスターも既に幾度となく死線を潜り抜けた方ですし。そこらへんの我慢の限界とか、言うべきタイミングっていうのは心得ているんじゃないでしょうか?……根拠はありませんけど」

 

「………」

 

 マンドリカルドが自分から見たリツカの振舞いを口にして、更にアスクレピオスが厳しい指摘をする。ヒロインX[オルタ]は彼女なりのマスターのフォローをして、千代女は無言で外への警戒を怠らずに会話だけを耳に入れていた。

 

 各々がリツカへの思いを募らせる中、ヘクトールは軽く手を叩いて空気を変える。

今は暢気にリツカの怪我の心配をしている余裕がない。

いち早くこの特地についての情報収集を行わなければならない。

 

 まずヘクトールは狭間陸将との話し合いで得た情報を全員に説明した。

特地という世界と日本が繋がった、銀座事件の始まりから今へ至るまで。

ヘクトールの話が終わると、各々が疑問を抱いて話し合いを始める。

 

「……世界と世界を繋ぐ門……ねェ。医師先生よ、何か心当たりは?」

「ない。神代ならともなく、神秘の薄れた現代では難しいだろうな」

 

「以前、ある人が口にしていた魔法なら或いは可能なのでしょうか」

「魔法使い絡みってなると事態の異常(ヤバ)さが変わってくる。こっちの世界にも魔術協会と聖堂教会が存在しているのなら、俺らがレイシフトしてくる前から既に動き始めてもおかしくない」

 

「第一に、門はどうやって日本と特地を繋いだんでしょう?」

「そりゃあ……やっぱ聖杯の―――」

「万能の願望器だけに前提を絞るには、あまりに情報が少なすぎると思います。………あの葉巻と講義が大好きな軍師さんの言葉を借りるならWhy done it(ホワイダニット)。そこから突き詰めていくのが良いかもしれません。……特に理由はありませんが」

 

 意見を交わし合っていく中で、アビゲイルは恐る恐る挙手をする。

目敏くそれに気づいたヘクトールが周りに目配せをして、彼女の発言を促す。

 

「ええっと……私ね、特地に来てからずっと思っていたのだけれど……。私達は、普段カルデアとマスターの両方から魔力を供給されて戦っているでしょう?……けど、カルデアとの連絡が途絶えている筈なのに……()()()()()()()()()()()()……気がするの」

 

「「「「「「「―――ッ!!!」」」」」」」

 

「き、気のせいかもしれないのよ?でも―――」

「いいや、気のせいじゃないぜアビゲイルの嬢ちゃん。いい指摘だ」

「ずっと戦うか、別の事を考えるかで気にも留めませんでした……」

 

「マスターが魔術礼装の補助機能を発動せず普通に動けているから、その可能性を除外していたが……。フム、特地にはサーヴァントが召喚されて単独で霊基を維持するだけの魔力が―――」

 

「……神秘の薄れた世界に住む人間と、未だ神秘の存在している世界が繋がっている……」

 

 第七特異点のように、神代のエーテルが濃い土地であれば現代人は動くのも辛い筈。

しかし特地ではリツカや自衛官達も普通に過ごしており、サーヴァント達は慣れない筈の土地のエーテルが身体に馴染んで戦いをスムーズに勧められた。

新たな疑問が沸き上がる中、不意に外から声が聞こえた――――――

 

 

 

「あらぁ?随分と楽しそうに話してるのねぇ~……私も混ぜてくれないかしらぁ?」

 

 

 

 斧を手にしたゴスロリ神官、ロゥリィが窓の外に立っていた。

その瞳は怪しく爛々と煌き、口元は裂けんばかりの笑みを浮かべて……

 

 





 特地ってバビロニア程じゃないけどガチ神代に近いですね。
特地の神vs地球の神(鯖規格)vs外宇宙の神(アビーの中身)、ファイッ!
せかい、こわれる(確信)

次回「現在を生きる亜神」
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