仮面ライダーの紛い物 作:最低最悪最小最弱民
——ゴロゴロと、遠くの空から雷鳴が聴こえる。
降り続ける雨の中、二つの影が路上にあった。
一人は地に伏せた少年……体の至る場所から血を流し、水溜まりを紅く染め上げている。
もう一人は異形のナニカ……右手にある奇妙な形をした剣からは、少年のものと思しき血が滴り落ちており、蒼い複眼が妖しく輝いている。
「……ぁ、っ……」
「こんなにボロボロになっても、まだ立ち上がろうとするなんてな」
「流石は主人公ってとこか」と皮肉を込めた言葉を口にしながら、異形はわざとらしく肩を竦ませる。
「どちらにしろお前の
淡々と、しかし何処か哀しげに、奇妙な形の剣を少年へ振りかざし——
「ソイツから離れろ!」
「……っ」
——ズギャアアアアンッ!!
凄まじい轟音を伴って、衝撃波が二人の周辺を襲う。
寸前でその場から飛び退いたことで直撃を避けた異形は、新たに現れた少女に目を向ける。
「無法地帯にまで出張とはな……随分とご執心みたいだな?」
「うるさいっ!
少女の体から電撃が迸り、異形に向かって放たれる。
「ふん……」
しかし異形は、向けられた電撃をただの一振りで霧散させた。
「このっ……!」
少女は何度も電撃を放つが、その度に霧散させられる。
「……ぃび、に……ろ……!」
「ふざけたこと言ってんじゃないわよ!」
「——そろそろ遊びには飽きた……痴話喧嘩は向こう側でやってもらおうか」
異形の死刑宣告に息を呑む二人。
先ほどまで異形が持っていた剣は一冊の本の様な物に変わり、そこから一枚のカードを取り出す。
「安心しろ、下手に動かなければ一瞬で終わ『ヒュン』……ん?」
風切り音が聞こえた瞬間、異形の頭上から切断された鉄骨が何十本と降り注いだ。
「たくっ、あの転移ストーカーも容赦無ねえな……この姿じゃなかったらミンチになってたわ」
積み重ねられた鉄骨の山から、ガラガラと音を立てて無傷の異形が現れる。
「鉄矢を体内から生やされないよりはマシ……いや、流石にこの姿には干渉できないか」
少し離れた場所に残った血溜まりから、すでに敵対していた相手がこの場から去っていることを把握すると、異形は地面へ倒れ込み……ごく普通の青年の姿へ変わる。
「流石に、
異形だった青年は自身の手を目の前に出すが、その殆どが向こう側の雨空が見えるくらい透き通っていた。
「この世界の奴らにもかなり迷惑をかけた……あいつが俺を触れば、このクソッたれな
悪態をつく青年。
次第に体全体が薄れて……
「全く……いつまで続くんだろうな、この旅は——」
そして、青年は世界から消えた。
世■の■■者 ■ィ■■ド
その■■■————