特異災害対策機動部二課本部
奏、翼が所属している組織。特異災害対策機動部二課、通称とっきぶつと呼ばれる組織の本部の中で、突然現れた怪獣とウルトラマンについて議論されていた。
「あの怪物はいったい?」
「それにあの巨人もね」
オペレータである藤尭朔也が怪獣について疑問を口にし。それに続くように友里あおいがウルトラマンについて赤髪の男性へ言う。
赤髪の男性は、こことっきぶつの司令官であり。風鳴翼の叔父でもある名を風鳴弦十郎と言う。
普通の男性では考えられないほど鍛え抜かれた肉体。まるでU40のウルトラマンタイタスを地球人のサイズに縮めたのではないか?と思われるほどの浮き出た筋肉は彼の強さを物語っていった。
「そうだな・・・了子くん。いや、フィーネとしての君に聞きたい」
「君はあの怪物と巨人を知っているか?」
弦十郎は自身の隣に立つ女性櫻井了子へと疑問を投げかける。
弦十郎がなぜ了子をフィーネと言ったのか。彼女、櫻井了子は先史文明時代から転生を繰り返して生き続けているフィーネであるからだ。
「知っているわ」
「本当か!?」
了子の返答に弦十郎は身を乗り出して了子の顔を見つめる。
「弦十郎君・・・顔が・・・近いわ///」
了子は顔を赤らめ半歩下がる。
「すまない了子くん」
「別に・・・いやじゃないわ///」
二人のそんな甘々な空間に耐え切れなかった朔也が了子に問う。
「・・・すみませんが話の続きを」
「コホンッ!ごめんなさい」
「あの怪物。いえ、怪獣の名は宇宙怪獣ベムラーよ」
「怪獣?」
「ええ、あの生物たちは一部を除いて怪獣と呼ばれているわ」
「了子くん、ならばあの巨人は?」
「あの方の名はウルトラマン。ここから遠い星、いいえ世界すらも超えてきた。
英雄と呼ばれる存在よ」
「英雄?」
弦十郎は了子にウルトラマンについて聞く。
「あの方は違う世界の地球で、たった一人で怪獣と戦い続けて守り切ったお方なのよ」
「そして、先史文明時代にあの方はこの世界に来てくださり。私達に大切な物を教えてくださったわ」
「では、彼は味方ということでいいのか?」
「ええ、なぜこの世界にまた来てくださったのかは分からないけれど」
「ウルトラマン様が他の星を侵略することは決して無いわ」
「そうか・・・彼が居れば今後怪獣が出てきたとき心強いな」
「それともう一つ嬉しいことがあるわよ」
了子は微笑むとモニターを操作して、あるシーンを再生する。
「これは!?」
その映像に映っていたのは。ベムラーの尻尾に潰される直前に、奏が消えていたのだ。
「どういうことなんだ?了子くん」
「ウルトラマン様は一体化することにより、治療や生き返らせることが出来るの」
「では奏くんは」
「ええ、ウルトラマン様と一体化しているわ」
弦十郎は奏が助かった事を知り、満面の笑みでモニターに映るウルトラマンを見る。
「では彼に会ったら感謝をつたえなければな!!」
「このことは翼ちゃんには?」
朔也は翼に伝えるべきか問いかける
「やめたほうがいいわ。」
「なぜ?」
「残酷なことだとは思うけど。今後のことを考えて、今この場にいる人間だけが知っている状態にしておいたほうが良いわ」
「あの人か?」
「あいつに知られればウルトラマン様の邪魔になるだけではなく、奏ちゃんを危険にさらすことにもなるわ」
「兵器として運用。最悪は実験動物か」
「本当に忌々しい!!本腰を入れてあの男を潰すわよ弦十郎!!」
「そうだな、了子」
二人が決意を新たにしたところで。今まで黙って聞いていた緒川慎次が、弦十郎に指示を仰ぐ。
「では、秘密裏に奏さんが動きやすいようにサポートするという方針でいいですか?」
「ああ、頼んだぞ慎次」
「はい」
???
「何故ウルトラマンがここに!!」
空間に映し出されたウルトラマンとベムラーの戦いを見ていた謎の存在は、怒りに震える。
「何年もかけて練ってきたのだぞ!!」
「関係ないわ、奴が居ようと居なかろうと変わらない。そうでしょう?」
謎の存在に話しかけるは、少女を連れた一人の女性。
「まだ私たちの存在は知られていないはず。なら、今は冷静に準備を進めるべきでしょう?」
女の言葉を聞き落ち着きを取り戻す。
「そうだな、こちらにはイチイバルと騒動の間に奪取したネフシュタンにソロモンの杖がある」
「しばらくは定期的にノイズを出して注意をそらすか」
女と少女の肩に手を置き語り掛ける
「期待しているぞ・・・クリス・・・フィーネ」
2年後
バイクに乗るは赤い髪の女性、天羽奏だった。
「ふう~ここに帰ってくるのも久しぶりだなー」
奏はそういうと、バイクを停止させバイト募集雑誌を開く。
『奏、この二年間は定期的にノイズが出てきただけだったが、ここ最近の出現数を考えると』
「ああ、おそらく本格的に敵が動き出すな」
『2年間君の治療に専念できたことであと少しのところまで持ってくることが出来たが』
「敵の準備も進んでいやがる」
『そうだ』
「けどまぁ、今は考えてもしょうがない」
奏はポケットから財布を取り出して、中を見て泣きそうな顔をする。
「金がねー」
「どこかにいいバイト無いかなー。ん?フラワー?住み込みで家賃いらずの時給1000円!?」
『すごくいいな』
「行くしかねー!!」
奏はバイト採用枠を取られないよう急いでバイクを走らせる。
駄文読んでくれてありがとうございましたー。
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