人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!!   作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)

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人はもふもふには抗えない。


狐、現在睡眠中ッ!

 お風呂をあがって、ドライヤーで自分の体を乾かしてもらった後……俺はソファで寝転がっていた。

 流石にお風呂で大きい大福に理性を耐え続けるのは男にしか分からない幸福感と罪悪感、そして圧倒的な疲れが共に出てきてしまっていた。

 

「キュウ〜……」(疲れた……)

 

「さて、お風呂にも入ったことだしご飯にしましょうか」

 

 すると、マリアさんは晩御飯の支度を始める。

 こうして見ると、マリアさんのトップアーティストとしての姿と今の姿ではかなり違って見えてとても新鮮だった。

 ……こうして見ると、改めてマリアさんがどのような人物かが大体分かってきたように思える。

 人は見た目の8割でその人の印象が残り続けると聞いたことがあるが、それは本当だと俺は思う。

 何故なら──

 

「〜〜……この味ならいいわね♪」

 

「キュー」(カリスマのカの文字すら見えてこない……これが素のマリアさんの姿か)

 

 人はその人の本当の姿を知らない限り、その人の内面までの事を知ることが出来ないと思ったからだ。

 ニュースでしか見た事がない俺でも、ライブでの姿と家での姿……これを知ったら誰でもマリアさんのことをより好きに慣れるだろうな。

 

「これで完全ね。今日は軽い食事で作ってみたけどそんなに悪くないわね」

 

「キュー……」(言ってることがお母さんだ……)

 

「あら?もしかして気になったの?ダメよわたあめ。貴方の晩御飯はこっちよ」

 

 そう言ってマリアさんが取り出したのはキャットフードだった。

 マリアさんはそのキャットフードの袋からキャットフードを多分俺用のお皿に入れた後に、隣には水が入ったのお皿を一緒に置いた。

 

「……キュウ」(……キャットフード)

 

「わたあめ、お腹が空いたでしょ?食べてもいいわよ」

 

「キュ、キュウ……キュー」(あ、はい……よくよく考えたらあの時は空腹だったから食えただけで、いざキャットフードと分かってしまうと些か食べるのに抵抗が──)

 

 俺はどうしても、キャットフードだと分かってしまうと抵抗感が邪魔をしてなかなか食べることが出来ない状態が出来てしまった。

 とりあえず、ゆっくりちょっとずつ食べよう……そう思っていたのだが──

 

「あら?わたあめ、お腹が空いてないの?もしかして、まだ調子が悪いのかしら?」

 

「……キュー」(……いただきます)

 

 食べるしかなかった。

 

 

 しばらくして、俺は晩御飯(キャットフード)を食べ終わった後、またソファの上で同じようにゴロゴロしていた。

 晩御飯の件なのだが、やはりこの体のせいかキャットフードが美味しいと感じてしまって、あれだけあったキャットフードをぺろりと食べ終わってしまったことに対して自分自身とても驚いていた。

 

「キュ、キュー……」(キャットフードは美味かった。けど、段々人としての何かが失った気分だ……)

 

「〜〜〜……ふぅ、30秒3セット終わりね、ってもうこんな時間じゃない」

 

 マリアさんは晩御飯を食べた後、少しだけゆっくりしていて、途中からストレッチを始めた。

 やっぱり、トップアーティストで体のスタイルを維持しているのはこうした努力の積み重ねをしているからマリアさんはあんなにも綺麗なのだろう。

 ……俺はソファでその様子を見ることしかしてなかったが、人間に戻ったら俺もストレッチを始めたようとそう思った。

 

「キュー、キュッ!?」(ゴロゴロしてたら眠くなってきたな、ってうぉッ!?)

 

「わたあめ、そろそろ寝ましょうか」

 

「キュ、キュー……」(りょ、了解致しました……)

 

 すると、マリアさんが急に俺を持ち上げて抱っこしたまま何処かに連れて行き始めた。

 俺は本来ならマリアさんが作った簡易的な寝床で寝る筈だったのだが、これは──

 

「今日は一応わたあめの寝床を作ったのだけど……あれじゃきっと眠れないと思うから私と寝ましょうか♪」

 

「キュッ!?」(マリアさんッ!?)

 

「この時期は寒いし、わたあめの体が暖かいし……わ、わたあめの飼い主は私だからいいわよねッ!」

 

「キュ……」(あ、これ無理っぽい)

 

 どうやらマリアさんはもふもふの魔力に囚われてしまったようだ。

 ……いや、ただマリアさんが狐の俺と寝たいだけだと思うのだが、これはまずい。

 流石にあのマリアさんと一緒に寝るなんてことをすれば、俺の理性もかなりガリガリと削れ、寝不足になってしまうのは確実だろう。

 俺は何とか打開策をすぐに考えようとしたのだが、時既に遅くマリアさんの寝室に着いてしまって、マリアさんは俺と一緒に布団にダイブして俺のことをギューっと抱きしめた。

 

「はぁ〜……わたあめ暖かいわよ。それに、このもふもふ……たまらないわっ♡」

 

「キュー、キュー……」(ちょ、ちょっとマリアさんッ!?や、やめ……たわわがやわわでもちもちでいい匂いであばばばばばばばばばば……)

 

「なんか、眠たくなってきたわね……おやすみ、わたあめ」

 

(ばばばっ、ばばばばばばばば──)

 

 

 

 

 

 




次回狐、現在防人中ッ!
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