人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!! 作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)
「……ここが稲荷神社。あれから3週間は経過してるけど、ここを荒らされた形跡はないわね」
私はわたあめをあの2人に預けた後、緒川さんに車を借りて稲荷神の鳥居の前にいた。
今回、私はこの稲荷神社にやって来た理由は、3週間前の錬金術師の件のこともあるのだけど、私のスマホに検索されていた稲荷神についての情報を知る為だ。
……そして、わたあめが3週間前の事件に関与しているかもしれない……だから私は──
「……これ以上考えるとわたあめを疑うことにつながるわね。ダメよ私、わたあめを信じる為にここに来たんだから」
そうして、私は鳥居をくぐって本殿の稲荷神社に向かう。
私は稲荷神社に向かう途中の道をよく見ながら進んでいると、所々錬金術師達のアルカノイズの影響によって至る所がボロボロになっていた。
「やっぱり、私達が錬金術師達と戦闘を行った場所は本殿の場所だったけど……これは酷いわね。……でも、1番酷いのはこの獣の足跡と焼け跡かしら」
錬金術師達は一体何をしていたのかはまだ司令からは何も聞かされてはいないが、ここで何かはあったことだけは分かる。
これだけの焼け跡や獣の足跡があるにも関わらず、何故か私達はその獣を見つけられなかった……そんなことを考えているうちに、どうやら稲荷神社に着いたようだった。
「……今は修繕中だけど、形だけ何とか保っていただけまだマシだったのかもしれないわね」
「おや、こんな時間に参拝客……ではなさそうですな」
「あら?ごめんなさい。実はちょっと調べたいことが……って貴方は?」
「私はここの神主です。調べたいことがあると言いましたが、当時は私が留守の間にこのような事態になってしまいまして……話せる程度なら協力致しますよ」
私が稲荷神社のことを調べようとすると、近くに現れたのはこの稲荷神社の神主だった。
1度、私は場所が違うが別の神主と会ったことがあったので、分からないとまではいかないが、それなりに知っていることは知っていた。
……正直、背後から現れてびっくりしたのだけど。
「なら、少しだけいいかしら?まず、この稲荷神社の稲荷神について教えて欲しいのだけど」
「稲荷神様……ですか。元々、稲荷神様は稲を象徴する穀霊神や農耕神で、穀物と農業の神と言える存在でした。代々私達神主も稲荷神様のお陰で年貢が絶えることはありませんでしたよ」
「年、貢?ね、年貢が何なのかは知らないけど、とにかくお米や野菜の神みたいなものであってるかしら?」
「大体はあってますよ。そして、私達は代々稲荷神様の神主としてこの本殿を守ってきたのですが、稲荷神様の生き血が奪われてしまいまして……」
私は神主の話を聞きながら、その神主が気になる言葉を発していたのを見逃さなかった。
「稲荷神の生き血……その話を詳しくお願い」
「1週間前のことですが、私はボロボロにされた本殿を整理しようとしていた時のことです。その時に、この神社に祀られていた稲荷神様の生き血が空の状態で発見されたので、多分3週間前に起きた事件と関係があると思うのですが、これを誰かが飲んだとすれば……」
「その生き血を飲んだ場合は……どうなるのかしら?」
「それは分かりません。私も代々の神主からは決して口にするなと言われていたので……ただ、言い伝えによれば女が飲めば神の子と、男が飲めば──」
神主が大事な所を話している途中で私のスマホから着信がかかってきた。
どうやら、近くでアルカノイズが現れたので、近くにいた私が至急現場に向かうこととなった。
「ごめんなさい。少し用事が出来てしまったのでこれで失礼するわ」
「おや、そうですか。なら、お気を付けてください」
「えぇ。あ、それとこの子はどう見えるかしら?」
私は急いでアルカノイズが現れた場所に向かおうとしたのだが、今回の大事なことを聞いていなかったので、急いで写真のライブラリを開いてわたあめの写真を見せる。
「この子を飼っているのだけど、貴方にはどう見えるかしら?」
「白い狐……そうですね、私は見たことはないですが、随分可愛いらしい狐ですね」
「……そう、ありがとう」
そして、私は急いでアルカノイズが発生した場所に向かう為に車まで走る。
稲荷神社の神主からは色々聞いたけど、わたあめに関することは話してなさそうだし、わたあめを見ても疑問に思ってなかったから大丈夫よね。
「ッ──こちらマリア。至急現場に向かいますッ!」
「……若いっていいねえ。だが、あの白い狐。この神社の石像の狐と似ていたような……いや、しかし──」
「…………歌姫か……アイツが我らの神の子を……しばらく監視を続けろ」
次回狐、現在練習中ッ!