人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!! 作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)
──ムニィ……
「……キュ」(……何してんの)
「ふわふわでもちもち。この忙しい時期の唯一の楽しみ……癒されるわぁ〜」
「……ま、マリア。その……私も」
「あら、翼も触りたかったの?ならもっと早く言えば良かったのに……わたあめは今日はここから動きたくなさそうだから、そのまま触っても大丈夫よ」
「あぁ、分かった。……では」
──ムニィ……
「キュ」(あの、だからそんはフニフニされても困るんですが……)
「わたあめ辛くはないか?」
「……翼?」
「キュ……」(出来ればもう少し優しく……)
「ッ!ま、マリアッ!わたあめが私の手をスリスリってッ!」
「……えぇ。よかったわね」(何故、わたあめと一緒にいる時は翼はこんなにも可愛いくなるのかしら……流石、わたあめね)
マリアさんに飼われ始めてから4週間が過ぎた頃、俺はライブの予行練習を終えたマリアさんと翼さんに触られながら、その場で座っていた。
翼さんはこの前の切歌さんや調さんとは違って、優しく触ってくれるので、俺はそんな優しく触ってくる翼さんのことを、俺はかなり良く思っていた。
「わたあめ、このサラミを食べるか?」
「キュッ!」(えッ!くれるのッ!)
「ダメよ翼。あげるならこの市販のサラミよりも、このペットショップに売ってあるサラミならいいわよ」
「市販のサラミはダメなのか……しかし、暁や月読はわたあめに色々食べさせていたが、あれは大丈夫なのか?」
「……ちょっと切歌に連絡してみるわ。……もしもし切歌?──」
「……わたあめ、少し耳を塞ぐぞ」
(あ、切歌さんバレたな……南無)
マリアさんが切歌さんに電話している間に、俺は翼さんに色々撫でられながら、この前のあの2人に預けられた記憶を思い出した。
あの時は、切歌さんがまた俺のことを怪しんで、調さんはなんだかんだで俺を甘やかしてきて、最終的には3人でご飯食べたり一緒に寝たりしたのだが……色々と大変だったよ……うん。
「いい切歌。調ならあまり問題はないと思うけど、貴方はちゃんとペットについてしっかり勉強してから与えなさい。わたあめにお菓子とかあげたい気持ちは分かるけど、わたあめがそれで体調を崩したら大変なの。分かった?」
『ご、ごめんなさいデス。気をつけるデス……』
──ピッ
「……翼、そろそろ時間じゃないかしら?」
「あ、あぁ……そうだな。……フッ」
「……な、何よ」
「いや、マリアも可愛いらしいと私も思ってな。わたあめもそう思うだろ?」
「キュ」(マリアさんはお母さんです。俺はそういう風に見えた)
「……い、いくわよ翼ッ!」
すると、マリアさんは立ち上がってそのまま部屋を出る。
翼さんも俺に一言「じゃあね」っと言って、マリアさんの後を追うように走って行ってしまった。
(バイバーイ……さて、俺も練習を始めるか)
俺はマリアさんと翼さんを見送ると、そのまま部屋にある机の上によじ登ってある準備を進める……それは、動物にはなかなか出来なくて人間には当たり前に出来ることだった。
(まずは二本足で立って……っと、よしよし大分コツが掴めてきたからなー。それじゃあ、よいしょっと)
♬
「まさか、私がスマホを忘れるなんて……失敗したわ」
私はそう言いながらわたあめがいる部屋に走って向かう。
今まで、物を忘れることは少なかったのだが、今回は翼があんなこと言ったせいで恥ずかしい思いをしたからから逃げ出したくて早めに向かったのだけど、失敗したわ。
「着いたわね……ってあら?扉から何から音が──」
「キュ、キュ」(あ〜、い〜……ってダメだ。全く文字になんねぇ……)
「わた、あ……め?」
私はわたあめがいる部屋の扉から少しだけ顔を覗かせると、なんとわたあめが絵を書いている姿が見えた。
※彼は文字の練習をしているのをマリアは絵を書いていると勘違いしています。
私にはわたあめが一体何を書いているのかが分からなかったが、私はそのわたあめの一生懸命書く姿に──
「わ、わたあめ……なんで私がスマホを持ってない時にそんな可愛いらしい行動をするのよッ!人間みたいで可愛いじゃないッ!」
ただ、可愛いく思えて仕方なかった。
(あ〜……もし、この姿を見られたらバレるだろうなぁ〜。でも、文字になってるどころか読めないから分かりにくい筈だけど、これでバレなかったら相当普段の冷静さがなくなってる状態しかないとか……いや、無いな)
(こ、このままだとわたあめが可愛い姿が撮れないわッ!……なら、そ、そーっとスマホを取れば大丈夫よね……)
その後、マリアさんは何とか動画を撮って満足したが、逆にわたあめが書く練習をしている姿に全く疑問を抱かなかったとか……
次回狐、現在散歩中ッ!