人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!!   作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)

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やはり、わたあめは変化する。


幼狐、現在会話中ッ!

「……また、久しぶりに外に出た」

 

「久しぶりにって……そう言えばわたあめが外に出たのは移動する時以外は出たことなかったわね」

 

「うん……でも、マリアさんはなんで私を外に出したの?私、用事なんて何もないよ」

 

「確かにそうね。でも、ずっと外に出ないのは体にも悪いし……外に出たかったでしょ?だから今日は私と一緒に散歩をしましょう。きっと、楽しいわよ」

 

 私が女の子になってから2週間半が過ぎた頃、この日私はマリアさんと一緒に散歩に出かけていた。

 私の服装は何故かこの前のマリアさんとエルフナインが選んだ服を着ていて、理由は「せっかく買ったんだからもったいないじゃない」っと言われたので再び着ている。

 ちなみにマリアさんはサングラスと帽子を被って変装をしているが……どう見ても歌姫特有のカリスマ的なオーラが周囲の人の目を集めていた。

 

「……これでも抑えた方なんだけど、なかなか目立つわね……ってわたあめ、貴方しっぽと耳が無くなってるじゃない」

 

「耳としっぽ?……あぁ、私一生懸命練習して何とか耳やしっぽを隠せるようになったの。ついでに言ったら狐にも戻れるようになったよ」

 

「へぇー……って、私の知らない間にそんな練習してたのね。道理でたまに耳やしっぽがピクピク動いてた訳なのね」

 

「えッ!?わ、私……練習してた時そんなピクピクしてた?」

 

「えぇ。あれが練習かは知らなかったけど……わたあめが可愛いかったのは確かよ」

 

 私はこの2週間半の間に変身を完璧にマスターし、人間から狐へ……狐から人間へと、変身することが可能になった。

 もちろん半獣化も可能で、手足だけや耳としっぽだけと色々な変身が可能になっていた。

 

「凄いわね、わたあめ」

 

「そう?でも、私も色々試してみたら出来ちゃって……」

 

「それでも凄いわよ。貴方が本当に一般人だったのか疑問に思ってきたわ」

 

「一般人……そう言えば私、一般人だった」

 

「自分で説明してた時に言ってたでしょ?さぁ、一緒に散歩しましょうか♪」

 

 そうして、私はマリアさんと一緒に散歩を始めた。

 

 

 しばらくして、私はマリアさんと一緒に散歩をして楽しい時間を過ごす予定だったのだが──

 

「……はぐれちゃった」

 

 私は現在マリアさんとはぐれてしまっていた。

 そもそも、本来ならば私はマリアさんと一緒に散歩を普通に楽しんでいたのだが、歩いている途中でマリアさんの帽子が強風で飛び、マリアさんの変装がサングラスだけになってしまった。

 ……これだけ言えばもう分かるだろう。

 その時にマリアさんは歩いている一般人に偶然バレてしまい、そこから連鎖的にマリアさんを囲む集団が出来てしまい、私はじき飛ばされたのだった。

 私は急いでマリアさんがいる場所に向かおうとしてその集団の中に入って必死になりながらマリアさんを探したのだが……解散した頃にはマリアさんはいなくなったていたのだ。

 

「多分マリアさんは集団を撒こうと何処かに行ったんだろうけど……私はどうしよう。時間はさっきのカフェの奥にある時計がたまたま見えて3時ってことは分かったけど……」

 

 私はこの辺りの道を全く知らないので、様々な道をフラフラと歩きながらマリアさんを探していた。

 ……ただ、私はその中で私自身にある変化が起きていたことに気がついた。

 それは──

 

「カァ」(最近のゴミはあんまり食い物がねぇな)

 

「カァカァ」(そりゃおめぇ住宅街しか狙ってねぇからだろ。普通はな?ゴミ処理場か飲食店の生ゴミが狙い目なんだよ)

 

「カァーッ!」(マジでッ!?俺、行ってくるわッ!)

 

 ……あれ?

 

「パトラッシュ。お前は最高に可愛いなぁ〜」

 

「ワンッ!」(ああ゛?てめぇ誰に可愛いつってんだ?こちとらチワワだぞゴルァッ!)

 

 ……おかしいな、聞き間違いかな?

 

「あ、猫じゃん」

 

「え、マジかわなんだけど。ちょ、写メよろ」

 

「ニャー」(何人間様がこの僕の姿を撮ろうとしているのだ?ハッ!サーモンでも持ってきて出直してきな──)

 

「あ、逃げないようにこのサラミあげちゃお。あッ!食べてんじゃんッ!」

 

「ニャッ!」(飯だッ!3日ぶりの飯だぁッ!マジ人間神ですッ!最高ですッ!)

 

「……い、いやいやまさか他の動物の声が聞こえるなんてそんな──」

 

「痛……ちょっとハム助ッ!この前も私の指とひまわりの種ごと噛んじゃダメって言ったでしょッ!」

 

(うぐっ…ごめんなのだ…ぶたないで…ぶたないで欲しいのだ…)

 

「……もう、ハム助ったら」

 

「……へけっ」(……へけっ☆)

 

「ッ!?」

 

 どうやら、私は狐の時は聞こえなかった筈の動物声が、知らない間に何故か聞こえるようになっていた。

 しかし、私はその聞こえてくる動物達の声に対して私はただ耳を傾けないようにしていた。

 何故、私だけが動物達の声を聞こえるようになったのかは分からないが、私はそれよりもマリアさんと合流する為に必死にマリアさんを探し続けた。

 

「なんで、今動物達の声が聞こえるようになったのかは知らないけど、今はマリアさんを探さなくちゃ……はぁ、はぁ……熱い……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニャア」(はぁ……今日は満月だよ)

 

「ニャ?」(満月がどうかしたのかよ?)

 

「ニャアニャア」(知らないのか?満月はな……獲物を捕まえにくいんだよ)

 

「……ニャ」(……俺、ネズミ取れたぞ?)

 

「……ニャア」(……くれ)




次回幼狐、現在逃走中ッ!
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