人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!! 作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)
──カシャ
俺はそのカメラの音で目を覚ます。
目を開けると、そこには美しい女性が俺のことをスマホで写真を撮っていた。
「……キュー?」(……どうして人がいるんだ?)
「勝手に写真を撮ってごめんなさいね……じゃあね」
その女性は、俺を撮り終えるとそのまま車の方に向かう。
……あの女性は何処かで見たことある気がするのだが、今はそれよりもお腹が空いているのと、このパーキングエリアから離れてあの謎のローブの人達を見つけなければならない。
「キュー……キュッ!」(今の女性……多分トイレか喉が渇いてこのパーキングエリアに寄ったんだよな。なら、その車に乗り込めばッ!)
俺は急いでスクッと立ち上がると、その女性が黒い車に乗り込む姿が見えた。
や、やばいッ!これ走らないともう手遅れな奴だッ!
「キューーーーッ!!」(うおおおおおぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!間に合えええええぇぇぇぇぇッッッッッ!!!!!)
とにかく、俺はその車に乗り込む為に全力で走る。
ただひたすらに前だけを見て、その車に向かう……が、その車は遂に動き始めたのだった。
後一歩なんだッ!間に合ってくれッ!
「キュ、キュ、キュ、キューーッ!!」(はぁ、はぁ、はぁ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっぐッ!)
車が走り出す瞬間、俺は全力で走った後に思いっきりジャンプする。
そして、そのジャンプは何とか車のナンバープレートまで近づけたのだが、今の俺の手では握ることも掴むことも出来なかったので……噛んだ。
「ギュ……ギュー……」(こ……これで何とか街に行けるぞ……)
そして、その車は高速に入ったと同時に俺も必死に食らいついていたナンバープレートから離れて必死によじ登る。
実際、俺もまさかこの車に乗り込むことが出来たことにびっくりしていた。
正直俺はもう体力的にもかなりキツいと思っていたのだが、流石狐の体である。
狐は走ると時速50kmは出ると言われていて、木登りも泳ぐことも可能で言わば森のハンターと言っても過言ではないだろう……だが。
「ギュ〜〜〜〜……」(はえええええぇぇぇぇぇッッッッッ……)
やはり、全力で走ったせいかかなり疲れていて、車のアンテナらしきものに捕まって休憩していた……のだが、高速道路は時速80〜100kmを出す車も多いし、トラックも多い。
なので、高速道路では顔を出すとか危ないのでダメなのだか、よくよく考えたら1番危ないのは俺自身が車の屋根の上いること自体が危ないのは今更である。
確かに街に行く為には仕方ないと言えば仕方ないのだが、こんな危機感と緊張感が続くのなら、ゆっくりパーキングエリアから歩いて街の方に行った方がよかったのかもしれない。
「ギュ、ギュウ……」(な、長い道のりだ……)
♬
あれから、約1時間半程度の時間で街には着いた。
しかし、それと同時にいくら狐の体でも疲れと空腹に耐えるのはかなりキツいのだ。
あぁ……やっぱりゆっくり歩いて街にくれば、よか──
──コロコロコロ、ベタッ
「ッ!?な、なんだッ!敵かッ!」
「キュ、キュー……キュー……」(お、お腹空いた……疲れた……)
「落ち着いてください翼さん。すぐに車を端に寄せますから」
「翼、一体何を騒いで……ってあの子さっきのッ!」
「……んぅ…なんだよ。さっきから騒がしいな……ってき、狐ッ!?なんで狐がフロントガラスに貼りついてんだよッ!」
俺はなんだか前の車の中にいる人達を驚かせてしまったような気がしたが、意識が朦朧としている中でそんなことを考える暇がなかったので、そのまま目を閉じることにした。
次回狐、現在保護中ッ!