人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!! 作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)
「早く重傷者を医療室に向かわせろッ!」
「おいッ!輸血パックが足りないぞッ!早く持って来いッ!」
「包帯はまだあるかッ!ある?なら骨折用のギプスを持って来いッ!無いなら長細い木材でもパイプでもいい。固定出来る物をを早く持って来るんだッ!」
「何ッ!ガイが重傷だとッ!?なら早く医務室に向かわせろッ!体がボロボロなら錬金術で何とか補強だッ!死にそうだったら小学生の(自主規制)でも聞かせたら意識だけでも復活するッ!急げッ!」
「シンフォギア装者だけって聞いていたのにたった2人の男にこれだけの被害を受けたなんて……有り得ないだろ」
「お、俺は見た、んだ……ガハッ!」
「これ以上は喋るなッ!傷が悪化するぞッ!」
「い、言わせてくれ……さ、いごに……ガチ、恋の……あの顔は、卑怯だ……ガクッ」
「ッ!おいッ!お前はあの現場で何を見たんだッ!おいッ!」
「やめるんだ……」
「だがッ!ハッ……何故、泣いているんだ」
「……いや、気にするな」
「……んぅ……うるさい」
私は周りのあまりの五月蝿さに目が覚めて、周りを見るとそこは様々な錬金術師達がベッドの上で悲痛な叫びが絶えない状態で、まさに戦場と言っていいほどの状態だった。
そんな姿を見て、私は少しだけその光景に恐怖してベッドの下のシーツをギュッと握った。
「な、何……これ……」
「……起きたか神の子よ」
「ッ!貴方はッ!私を誘拐した……そう、ボス」
「……そう覚えているのか。別にそれでもいいが、ボスばかりだと分かりにくいだろう。俺はロッツだ……分かったな?」
「…………えぇ」
私を攫ったボスは自分のことをロッツと名乗ると、近くにあった紙とペンを持ちながら仕事をおこなっていた。
ただ、ロッツの姿は何故か体の半分が包帯でグルグル巻きになっており、酷く痛々しい姿をしていた。
「私は……なんで、ここにいるの。儀式はどうしたの」
「儀式……か。見れば分かるだろう?儀式は失敗して、ほとんどの錬金術師達はシンフォギア装者達とその加勢してきた2人にやられてこの有り様だ。……鏡だ。自分の姿を確かめるといい……」
私はロッツに渡された鏡で、自分の姿をよく確認する……その自分の姿はまるで男のような顔立ちをしており、私はその姿に驚きが隠せなかった。
「わ、私……大人になってる」
「正確には推定20歳……ぐらいだろう。最初は、俺達も儀式が失敗した後に何とか回収して、それが男だと思ってガッカリしたが……服を着替えさせようとしたら立派な物が膨らんで──」
「ッ!み、見たなッ!エッチッ!変態ッ!」
「はぁ……着替えさせようとしたのは俺ではない。ロンだ……だからその枕で俺を殴るんじゃない」
私はしばらくロッツを枕で何度もアタックをしていたのだが、だんだんと疲れてきたので、すぐにやめて布団で自分の体を覆った。
「ボス。今回の被害状況なんだけどぉ〜……ってあら?もうこの子起きちゃったのねぇ」
「……ロンか。今回はかなり助かった。お陰で俺達の仲間はほとんど捕まらずに済んだ……ありがとう」
「もぅ〜本当に大変だったんだから〜。最初は3人のシンフォギア装者の足止めをしてたんだけど〜……まさかあんな化け物が来るなんて聞いてなかったから持ってたテレポートジェム全て使う羽目になったわよぉ〜。あ、私ロンって言いま〜す。よろしくね、コンちゃん♡」
「…………」
「あら?嫌われちゃった?そんなに怖いかしら私……ねぇ、ボス」
「……さぁな」
ロッツはそう言って、ロンから目を逸らすとロンは少し困った様子でため息をついた。
……私が見間違えしていなければ、私の目にはロンがオカマに見えるのだが、ロッツが目を逸らす辺りそう言うことなのだろう。
しかも、私は確かロンに着替えさせられたと聞かされたので、なんて言えばいいのか分からないが……とても複雑な気分だった。
「しかし、あのガイとルックが重傷なんて……あの装者達、そんなに強かったの?ガイとルックは哲学兵装も持っていたはずでしょ?」
「……確かにシンフォギア装者は短期決戦ならば確実にやられていただろうが……今回は不運に見舞われてしまったから仕方ないだろう。今回の儀式も失敗したのがそれが理由だ。本来ならば成功していたはず……だったんだ」
「ボスの性格と性癖を知ってる私から予想するけど……多分、ルックが持ってた切断短剣がコンちゃんに刺さったからでしょ〜……合ってる?」
「……あぁ」
2人が何やら重要な話をしているので、私はその話を静かに聞いておく。
最初は、私はすぐに今の現状を説明して欲しくて質問したかったのだが、あまり話に入り込める空気ではなかったので、とりあえず黙って聞くことに専念した。
「まさかルックが開発したあの切断短剣がねぇ……確か、あの剣って切ればそれが半分になって、刺せば分裂する哲学兵装だったわよね?あれ、何か逸話とか神話から作ったのかしら?」
「いや、ルックはその哲学兵装は逸話や神話で作ったとは言っていなかったな。ルックは元々科学者だったから科学の力と錬金術で奇跡的に作り出した副産物と言っていたが……」
「……何よ、焦れったいわね。早く言いなさいよ」
「いや、ルックが哲学兵装を作るのに実験していたプラナリアを思い出してな……何故プラナリアを調べようと思ったのか今にしてようやく分かったがな」
「プラナリアって……あの切っても死なない生物のことね。そう考えるとルックは凄いわね……まぁ、今回はそれで儀式が失敗しちゃったんだけど」
「そうだな……だが、今更それを後悔しても仕方ない。まずは今を考えなければな」
私はこの2人の話を聞いていたが、話のほとんどが難しかったのであまりよく分からなかったのだが、1つ言えることはその短剣のお陰で今の私がある……それだけがよく分かった。
「……さて、これからどうしましょうか?」
「しばらくはアジトで生活だ。儀式は1回限りだったからな……また新しいことを考えなければならない」
「そうねぇ……あ、コンちゃんはどうするの?連れてきたのはボス……貴方よ?」
「……確かに連れてきたのは私だ。だが……いや、待てよ。神の子よ」
「……私、神の子じゃない。私はわたあめ」
「……いや、流石にペットにつけるような名前ではダメだろう。……ミラ。ミラでいいだろう。それでいいか、ロン」
「私はコンちゃんって呼ぶけど……何か嫌そうな顔してるわよ?」
「……絶対に嫌よ。私の名前はわたあめだから」
「……なら、俺は好きに呼ばして貰う……ミラ、錬金術師として働かないか?」
「……馬鹿じゃないの」
次回俺、現在把握中ッ!