人間に戻りたい狐。現在、奮闘中ッ!!   作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)

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動物を触った後は手洗いを心がけましょう。


狐、現在名前決め中ッ!

──わしゃわしゃわしゃ

 

「これで体の汚れやウイルスは大丈夫ですね。後はドライヤーで貴方の毛を乾かしましょう」

 

「キュ」(あ、はい)

 

 あの後、俺は最終的にピンク髪の女性に飼われることになったのだが、その前に体を洗うことになった。

 まぁ、実際にこの人……確か緒川さんだったけ?その人が的確な判断で俺をシャワーで体を洗って、ピンク髪の女性に手を洗うことを言い出した時にはちゃんと動物に対しての知識があるのだと正直驚いた。

 あの時、ピンク髪の女性……もとい、これから飼い主になる人がそのまま手で触る行為については、すぐにウイルスが伝染する訳ではないのだが、健康上危ないってことは分かっていたので、なるべく触られないように俺も気をつけていたのだが……触ってしまったから仕方ないと言えば仕方ないだろう。

 

「キュ〜〜」(あーー……)

 

「どうですか?熱くないですか?」

 

「キュウ〜」(大丈夫ですー……)

 

 しかし……この緒川さんって人は何者なんだろうか?急に増えたと思えば、次は有り得ない速度で色々な準備を始めるし……現代の忍者なのか?

 

「……終わりましたよ。では、皆さんのいる場所に向かいましょうか」

 

「キュー」(分かりました)

 

 

 しばらくして、俺は体を洗い終えた後にそのまま緒川さんに抱っこされたまま連れて行かれていた。

 ……しかし、こうやって抱っこされながら移動も今の所悪くない……実際、相手が男性だからなのかまだ落ち着くのだが、これから俺の新しい飼い主は女性でスタイルも良いのだ……絶対に落ち着けない自信がある。

 

「皆さんお待たせしました」

 

 ……っと、そんなことを考えている内にどうやら着いたようだ。

 すると、緒川さんは俺を机の上に置いて仕事があると言ってフッと消えてしまった。

 やっぱりあの人忍者じゃね?……さて。

 

「流石緒川さん……仕上がりが完璧だ」

 

「てか、なんか最初見た時よりもふわふわしてねぇか?」

 

「2人共、その子が気になるのも分かるけどそれよりもやることがあるでしょ……う、ってちょっとッ!話を聞きなさいッ!」

 

 緒川さんが消えた後から俺は机上でちょこんと座っている予定だったのだが、現在2人の女性に色々な所を触られながらお話タイム中状態にあった。

 いや、まぁ触りたいのは分かるけどそんな全員で触るのはなんかくすぐったいんですが……

 

「しかしだなマリア……この狐は触り心地がとてもいいんだ」

 

「いや、知ってるわよ。……はぁ、もうその子に触わったままでいいから早く名前を決めましょう」

 

 今の話を聞いて、俺が2人の女性に撫でられ続けている間にどうやら俺の名前を決めようとしていたようだ。

 確かに俺の名前は一応あるにはあるのだが、狐の状態で伝えられるはずもなく、とりあえずは黙ってようと決意した。

 ……でも、こっちの女性は撫で方がぎこちないが一生懸命で、あっちの女性は少しだけ荒いが顔が緩んでいるからもっと触りたいのだろう。

 

「早速だけど翼、貴方はこの子の名前はなんて名前がいいと思う?」

 

「そうだな……ごんはどうだろうか」

 

「ごん?確かにこの子は緒川さんから聞いたらオスだって聞いたけど……どうしてゴンなの?」

 

「昔、あまり記憶にないが小学生の時、教科書にごん〇つねと言うのがあっ──」

 

「キューッ!」(いやアウトだよッ!)

 

「……?ごんぎつねって本は私は知らないけど、このこの子が嫌がってるからダメね」

 

「そうか」

 

 あ、危ない……このままだと本当にごん〇つねになる所だった。

 一応日本の小学校に通っていたならば、このごん〇つねを知っている人はいたと思うのだが、多分俺が思うに青髪の女性以外はマリアやクリスって名前なので多分日本人ではないからツッコまなかったのだろう。

 ……ごん〇つねの最後はアレだから絶対それで付けたら撃たれて死んじゃうパターンだよ。

 

「クリス、貴方は何かないかしら?貴方の意見も聞きたいのだけど……」

 

「あたしが飼うなら自分で名前をつけるけどよ……話し合いで名前を決めるってなると中々出てこねぇな」

 

「そう?でも何か1つだけ何かないかしら?私もまだ決めてなくて」

 

「……なら、うたず──」

 

「キュッ!」(いや、それもダメだろッ!)

 

「……さっきよりも嫌がってるわね」

 

 当たり前だ。

 今、この銀髪の女性は俺の名前にあの可愛いアニメであるうたずきんって主人公の名前にしようとしていたのだ。

 しかも、その主人公は……女性である。

 もし、うたずきんにするならばさっきのごん〇つねの方がまだマシである。

 

「名前が決まらないわね」

 

「マリア」

 

「何かしら?」

 

「やはり、名前は飼う人が名前をつけるのが正しいと思うのだが」

 

「あたしも先輩の意見に賛成だ。それに、あたし達よりもマリアに懐いてんだからマリアが名前を決めた方がいいだろ」

 

「……そうね。確かに2人の言ったことの方が正しいわよね」

 

「それでマリア、この狐の名前は何にするんだ?」

 

「この子の名前ね。そうね……なら──」

 

 すると、新しい飼い主は俺の脇を持ち上げて、そのまま抱っこをする。

 せめてまともな名前であって欲しいのだが、果たして──

 

「この子の名前はわたあめ……なんてどうかしら?」

 

「わたあめ……悪くないな」

 

「マリアがつけたんだからあたしはそれでいいと思うけどよ、なんでわたあめなんだ?」

 

「ふわふわしてるからかしら?」

 

「……意外とざっくりしてんのな」

 

「貴方はどうかしら?わたあめ」

 

 新しい飼い主が決めた名前はどうやらわたあめって名前なのだが……まぁ、悪くないだろう。

 最悪、これ以上わたあめよりも酷い名前はないと思うので、俺は新しい飼い主に向かって頷いた。

 

「……嫌がってないわね」

 

「キュー♪」(わたあめなら問題ないな)

 

「なら、これからよろしくね。わたあめ」

 

「キュー」(よろしく)

 

「マリア、一応その……わたあめだったな。わたあめに自分の自己紹介をした方がいいのではないか?」

 

「……そうね。スキンシップは大事にしないと……自己紹介をすると、私の名前はマリア・カデンツァヴナ・イヴよ。これからよろしくね」

 

 俺はその女性の名前を聞いて頷く……ん?今なんて言った?マリア・カデンツァヴナ・イヴ?……え?ちょっ、まさか……見た事あるとは思ったけどまさか……

 

「キュッ!?キュ、キューッ!」(ファッ!?ま、マリアァァァァァッッッッッ!!!!!)

 

 

 

 




次回狐、現在訪問中ッ!
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