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ではお楽しみ下さい。
相手は平和の象徴と呼ばれる程の“英雄”であり、言うなれば人類を守る守護者・・・正しくヒーローと呼ぶべき存在。
だが悲しいかな、宇宙恐竜とはヒーローを殺す者。
一番始めに地球に飛来したM78星雲人であり、地球の守護者、生命の守り神とも言える存在であり、後の後輩達から生きた伝説であり真の英雄と称えられる原点にして頂点たる者・・・栄光の初代ウルトラマンを殺す為に地球へ送り込まれた、最強の怪獣。
あの初代ウルトラマンの技の尽くを寄せ付けず破り続けて・・・果てにはかの初代ウルトラマンの必殺技であり、数々の敵をその絶対的な威力で屠ってきたスペシウム光線さえ吸収して彼の心臓とも言えるカラータイマーを破壊し、殺害して見せた最強ヒーロー殺し。
ならば
彼をスーパーマンにするつもりだった、彼の成長を志村奈菜に見せるつもりだった・・・ただそれだけの筈なのに殺意が止まらない。
あのウルトラマンには及ばずとも、地球だけを守護しているといえども・・・オールマイトは私のヒーローだ、それは否定しない。
だからこそ彼を殺したい、蹂躙したい、滅ぼしたい、根絶やしにしたい・・・止まらない、止められない、どうしようもない。
ウルトラマンは例え彼が殺されようともゾフィー隊長が後に控えていた・・・そして私は人間の防衛組織であり、初代ウルトラマンの盟友であり戦友でもある科学特捜隊の者達の手によって殺された。
第二、第三と策と仲間を揃えていてこその地球の勝利と言う結果だった。
・・・ならば?オールマイトは誰が助ける?手を貸すと?彼だけが戦って来た場合は彼が倒れたらどうすれば良い?打つ手無しそれが彼の運命だ。
「人一人ではやれる事に限界があるし、人間は種としては弱すぎる。・・・それ故に人間は群れる、知恵を集める、力を合わせる、共に戦う」
「・・・クッ」
オールマイトが血反吐を吐きながら、傷だらけの身体で立ち上がろうとするがまた崩れ落ちる。
「だが、貴様は一人だオールマイト・・・結局貴様はそこまでなのだ平和の象徴よ。貴様一人ではここまでなのだ」
険しい顔しているエンデヴァーは先程全力を出し切り動けず、息子に支えられている。
・・・あぁ、殺したく無い。やっぱり私は憧れるべきでは無かったのかな、彼らに────
「・・・科学特捜隊にそれに続く者達に、私もなりたいと思っては駄目だったのかな・・・私はヒーローを殺す者だった、でも今世ではなれると思っていた」
・・・止めたくても口が勝手に動いてしまう、弱音が漏れてしまう。
「でも、オールマイトよ。
それは仕方が無いけど、私も────
「──私も
・・・何だ?突然オールマイトから光が漏れた気がしたが、気のせい──
「それが君の本音かい?ゼットン少女。君は私と戦っている時・・・そして今も泣いている」
言われて目に手を当て、確認すると・・・確かに手が濡れている。
「君が私に何を伝えたいか、分からなかった。何故泣いているのかも分からなかった」
・・・傷だらけで戦う力すら無い筈の男が今立ち上がろうとしている。
「・・・君はヒーローになりたいと願っているのか?でも無理だと諦めているのか?私が君のあり方は変えられると信じてくれているのか?」
・・・・・・そんな力は無い筈なのに彼は今、立ち上がった。
「ならば負けられない・・・私はまだ負けていないぜ、ゼットン!」
───平和の象徴が眼前にて不敵に笑い、構えている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
十分程時間を遡る。
ゼットン少女が私に勝負を挑んできた時に何者かの気配を感じたが・・・目視では確認出来ない為に気のせいと判断したのだが────
「余所見している暇があるのですか・・・なめられたものだな!」
ゼットン少女は正拳突きを仕掛けてきたのでそれを避けるが、避けた所にピンポイントに火球が迫ってきたのを紙一重で避けようとするが、火球が私を掠める時に本能的に危険を感じたので物凄く距離をとる。
「正解ですよ、オールマイト」
彼女の言葉通り私が距離をとって直ぐに後方の壁が少し溶けてしまった。
この廃工場は250年以上前に英国政府と日本政府が共同で開発した特殊な工場らしいのだが、そんな古くからあるとは信憑性がたりないと(まぁ、個人的には宇宙生命体と接触した身としてはあり得ない話では無いと思ってしまう)思う。
・・・超常黎明期時日本政府がこの工場を買い取って、以前作り出した事のある新たなエネルギーを使った製品を数多く作っていたらしい(本当かどうか分からないが、人工太陽の実験も行っていたと書いてあった)30年前に機械の故障で天井に大きな穴が空いてしまい安全上の理由で閉鎖され、廃工場となったとエンデヴァーのサイドキックがくれた資料に書いてあった。
・・・仮に資料を作ったのが瀬居さんならば、彼が嘘を書くとは思えない。
それに事実なのだとしたら高温に耐えられる設計の壁が人一人の個性ごときで傷付く訳が無い・・・しかし、彼女がウルトラマンさんが話してくれたあの『
「・・・何か?」
気付けば私はゼットン少女を見詰めていた、気まずいな。
弁明しなければ、私が変態だと誤解されてしまう。
「君の個性は何か気になってね。・・・そしてこの工場跡地の壁は物凄い熱体制がある。それを溶かしてみせた炎をどう言った物なのかと」
「私の個性は“宇宙恐竜”で、私の火球は一兆度と高温です。言っておきますが加減したのを放ちましたよ、今のはね」
・・・・強い、強いぞゼットン!
私が聞いたゼットンと同じ強さじゃないか!
「HAHAHA、宇宙恐竜!聞いた事が無いけど、何とも強い気配のする個性じゃないか!」
私の言葉を聞いた少女はキョトンとした顔をしてから真剣な顔になってから、
「確かに私の個性は強力無比です・・・しかし、大きすぎる力には必ず責任が付きまとう物です。だからこそ悔いのない、自分だけの為ではなく自分が守りたいと思った者の為に使用しなければならないと考えています」
とこう続けた。
正直少女からこんな話が聞けるとは思わなかったので、少々面食らってしまったが・・・コホン、気分を切り替えて私をどう思っているか聞いてみた。
すると、
「・・・強いて言うならば、貴方はヒーローとしては私の中ではまだまだ足りないと感じています」
こんな答えが返ってきた。
・・・私が
「・・・さて、こちらから仕掛けさせて貰いましょうかね?」
「・・・」
彼女の余裕な表情は崩れない。
彼女の実力は未知数・・・故に手加減など考えるだけでも愚策、どう動かれても反応できる様にしなければならない。
私がそんな事を考えていた時────彼女は不意に姿を消した。
私はただの高速移動等の個性ならばそれを追い越す事など造作もない程の力はあるし、それを使いこなせる実力も持ち合わせている・・・でなければ平和の象徴などと呼ばれるまでのヒーローに成れないのだが、そんな私が瞬間移動を使用する時の彼女を捉えられなかった。
背後に気配を感じて私は拳を振り絞り、気配が消えた後に次に現れると予測した場所に拳を放つ準備をして待ち構えた・・・果たして彼女は現れた。
タイムログを出来る限りなくして拳を振るったのだが、またしても捉える事無く空を切り・・・私が宙を舞う。
それは何故か?・・・ゼットン少女が私の腕にテレポートして降り立った後に私の顔面目掛けて蹴りを入れてきたのを首を傾けて回避したかと思いきや──彼女は私の真正面に現れて私の腕を掴み、私を投げ飛ばした。
急いで床に向けて拳を振るって体勢を整え床に着地して、彼女を探すと・・・羽を生やして空を飛び私に向かって迫っていた。
「────ッ!」
驚くと同時に何とか迎撃しようと構えて地上に降り立ったゼットンを待ち構えるが・・・また不意に消える。
しかし消える前に何とか見ることができた足の動かし方は今は亡き師匠に教わり見せて貰った、
『これは滑る様に移動する「活歩」の歩法と言う。私以上の熟練の域になれば脚捌きも無く私の十歩以上の距離を詰めれる。この「活歩」の歩法の対処法は相手の脚捌きを注目して見て、相手がどこに現れるかを出来るだけ正確に予測してそいつに拳を振るってしまえば解決だ!うん、なんだ?
────こちらが技術で圧倒的に劣っている!
ゼットン少女の個性は強力無比だ、それは間違いないのだが・・・彼女の身体捌きは個性を使う事を前提とした動きでは無い、つまり個性に頼らずともこれだけの身のこなしが恐らく可能と言う事だ。
テレポートばかりを使っていたのは、恐らく私にテレポートを使った戦法を先入観として植え付ける目的があったものと思われるな・・・師匠に教わっていなければ私はテレポートだと誤解して、攻撃を無防備に受けていた事だろう。
「・・・侮れませんね平和の象徴」
彼女は私が想定していた所から1m誤差がある場所へ現れたが・・・こちらとしては好都合!
「
これは両腕を十字に組んで突進して、左右の手刀でクロスチョップを放つ技で威力調節を行えば物を切り裂く事も出来る強力な技なのだが・・・。
「なめるな!」
両腕を掴まれて技を途中で受け止められてしまったが、畳み掛けるまで・・・ック!ゼットン少女は足を上げ、私の腹に蹴りを入れようとしていたのを何とかこちらが足を勢い良く出す事で相殺する事が出来たが、更に彼女は額から炎を放つ準備をしている!オマケに私はまだ拘束されたままときた!
────ならば!
「
これは空中で体を急速回転させて複数人の敵に拘束されていたとしても、遠心力で相手を振り飛ばす事で拘束を解く技だ!
良し、外れて彼女が遠くに飛んで行った────この隙に畳みかける!
「
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《貴様は初代宇宙恐竜ゼットンであり、唯一栄光の初代ウルトラマンを殺した存在・・・即ち
突然脳内に声が響き、私がウルトラマンと戦っている時の光景が映し出された。
初代ウルトラマンが私の動きを止める為に金縛り光線を発射したが、私はいとも簡単にそれを打ち破り、瞬間移動でウルトラマンを翻弄し八つ裂き光輪をバリアで防ぎ・・・ウルトラマンのあらゆる攻撃は全く寄せ付けず初代ウルトラマンは格闘戦でも私に敵わず追いつめられる。
起死回生に放ったスペシウム光線も吸収され、逆に増幅されてカラータイマー目掛けて反射されて、その光線の直撃を受け・・・私の手によって初代ウルトラマンは敗北した。
・・・コレは何だ?何故、私はコレを前前世の私のオリジンの記憶を見ていると言うのだ。
《更に良い、面白い物を見せてやろう》
この声の後に視界が一瞬暗転し、その後新たな記憶が目覚めた・・・。
『この美しき姿。コレが、コレが、コレが完全体ハイパーゼットン!私はついに全ての宇宙に死をもたらす神となったのだ!』
・・・黙れ。
『命は誕生した時から必ず消滅へと向かう。そうだ、全ての物は滅び去るのみ』
黙れ。
『ゼットンこそが宇宙を支配する法則、滅亡その物なのだよ!その力で全ての宇宙の命を根絶やしにし、私が全宇宙の神として君臨してやる!ウハハハハ!ウハハハハハハハ!・・・さぁ、絶望の前にひれ伏せぇ!』
黙れぇ!
私は人間だ!怪物じゃ無い、ちゃんとした人間だ!化物じゃ無い、私は・・・・。
《貴様は本当にヒーローに、命を救う者になれると思っているのか?・・・貴様の本質は全てを滅ぼす滅亡その物だ。守るのではなく殺し、蹂躙し、滅ぼし、根絶やしにする存在こそが貴様だ》
・・・違う・・・私は・・・ヒーローに・・・なりたいんだ。
《憧れた?自分を倒した者達の決意に恋い焦がれたとでも?・・・それを常に奪う側だった貴様が言うか?貴様には次があるのか?数々の物を奪い、怖し、葬り去ってきた貴様がか?では、貴様に奪われた者には?滅ぼされた者には次はあるのか?・・・そう今まで自分で考えていたのだろう?》
あ、あぁ・・・私は、わ、た・・・し・・・。
《さぁオールマイトを殺せ、平和の象徴を殺せ。貴様の本分を思い出すが良い》
平和の象徴を・・・い・・・や・・・殺すそれが私、宇宙恐竜だ。
《ヤプール、貴様の企みを利用させてもらう。宇宙恐竜ゼットンよ、所詮自らを肯定出来ぬ強者の末路は悲惨な物となる定めだ。・・・恨むのならば自らの存在やあり方を相応しい物だと考えられずに迷い続け、果てには自らを否定する事を考えで続けた貴様自身を恨むがいい》
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私がゼットン少女を殴り飛ばした後に彼女の気配が突如として変化した。
彼女の気配は優しいく、強い物だった・・・それが今はどうだ?物凄く殺気だっている・・・まさか、あの謎の気配が関係しているのか?
「・・・オールマイト」
「────ッ!」
なんと言う殺気だ。だが、しかし・・・何故、何故彼女は───
「・・・何か悲しい事でもあったのかい?ゼットン少女よ」
「・・・何を言っているのです?」
────泣いているのだろうか。
ウルトラマンさんが言うにはゼットンと言う存在は数多くの悪意を持つ宇宙人達に利用される兵器だったらしい。
その理由は何故か?・・・ゼットンが想像を絶する強さを秘めた最強の怪獣だからだそうだ。
目の前の姿を変えた彼女は・・・どうしようも無い程の絶望をはらんだ気配を感じる。
「知っていますか、オールマイト?
彼女は本当にそう思っているのだろうか?
「それが私と言う存在の本質・・・ですのでオールマイト、貴方には死んでもらいます」
そう言うと姿を変えた彼女は先程とは比べ物にならないスピードで瞬間移動を行い、私の眼前に立った。
「死なないで下さいね?オールマイト」
私は本能的に迎撃の為に本気で拳を振るったが彼女が消え、直ぐに強力な衝撃が私を襲った。
今まで感じた事が無い攻撃の重さに思わず、思わず込み上げてきた血反吐を無理やり飲み込む。
彼女は先程までは全力では無かったのだろう。姿を変えてからのテレポートは私の目では追えず、攻撃の重さも増した・・・だからこそ何故自分が死んでいないかが疑問だ。
コレだけの実力があれば私など一思いに殺す事など造作も無いだろうに先程から私への攻撃は私を死に至らしめていないのだ。・・・まぁ、一瞬でも気を抜けば気絶してしまいそうな状況ではあるが。
────そんな時だ。
「赫灼熱拳ジェットバーン!」
後方からエンデヴァーの叫び声が聞こえ、後方から熱線が飛んできた。
状況を見たエンデヴァーが後方支援すべきと判断したからだろうが、その攻撃をゼットン少女はバリヤを張って防いでしまった。
「──それは想定済みだ!さぁ、食らえプロミネンスバーン!」
攻撃が防がれた後もエンデヴァーは間髪を容れずに更に畳み掛けた。
・・・確かあれはエンデヴァーの必殺技の中でも最高火力を誇る物だったと記憶している・・・しかし、それが迫って来ていると言うのにゼットン少女は余裕の表情を浮かべ、腕を眼前に構える。
すると腕の正面に孔の様な何かが出現した。
・・・ゼットン少女がウルトラマンさんから聞いた本物の宇宙恐竜だった場合────
「フフフフ、残念。宇宙恐竜は光線を吸収・増幅して波状光線として撃ち返す事が出来るんです、エンデヴァー?」
────光線を打ち返す事が出来る!
ゼットン少女が腕を前に伸ばし、同時に両腕の間から彼女の言う通り波状光線として私に迫ってきた。
それを急いで全力で回避し、距離を取る。
そして、私は先程まで自身が居た場所が大きく抉れ、深い穴となっているのを目撃する。
もしコレが自分に当たってまっていたらとそんな事を考えながら地面に着地すると腹に重すぎる衝撃に食らってしまう。
衝撃で血反吐を吐きながら地面に転がり、さっきまで居た場所を眺めると・・・ゼットン少女がそこに立っていた。
彼女は生気の無い、虚ろな目から涙を溢れんばかりに流しながら言葉を綴る。
「人一人ではやれる事に限界があるし、人間は種としては弱すぎる。・・・それ故に人間は群れる、知恵を集める、力を合わせる、共に戦う」
「・・・クッ」
私は血反吐を吐きながら、傷だらけの身体で立ち上がろうとするが崩れ落ちてしまう。
それを見ながら、彼女は話を続ける。
「だが、貴様は一人だオールマイト・・・結局貴様はそこまでなのだ平和の象徴よ。貴様一人ではここまでなのだ」
エンデヴァーに助力を頼もうとしても彼は元から重症をおっていて、しかも先程全力を出し切り動けず、息子に支えられている。
あぁ、彼女の言う通りだ。私は自らの力を過信してしまった。・・・・私ならば彼女を止められると確かな証拠も根拠も無く、自分が平和の象徴と言う大変おこがましい理由で────
「・・・科学特捜隊にそれに続く者達に、私もなりたいと思っては駄目だったのかな・・・私はヒーローを殺す者だった、でも今世ではなれると思っていた」
・・・雰囲気が、話の流れが変わった。
「でも、オールマイトよ。貴様は私に破れた。私と言う存在に敗北したんだよ・・・それはつまり私のあり方は変われないと言う事に他ならない」
「・・・」
「────私も
そうか、彼女の本心かコレは。
少女の言葉を聞きながら、私は自身のオリジン足る出来事を思い出していた──────
────────────────────────
「私は何とか生き返る事が出来たのさ。・・・さて、八木俊典君。君はヒーローが必要だと思うかい?」
と私を試すかの様に言葉を続けた。
正直な話し私なんぞが答えて良い話かは疑問に思ってしまったが・・・・私は自分で考えた考えを自分で話すべきだと結論ずけた。
「・・・この国には“柱”が、象徴的存在がいないと思っています。ですので、“柱”足るヒーローは必要だと考えています」
コレを聞いた少女は飽きれ、彼は困った様に笑った。
「うん、そうだな・・・君達この地球の人類が直面しているこの個性による超人社会問題を一つの壺と例えてみるとしよう」
そう言って彼は少し考えてた後に言葉を続けた。
「君の言う“柱”とはその壺の中身の頂点に立つ者と言う考え方で良いのだろうか?・・・ならば私は賛同しかねる」
「・・・何故ですか、ウルトラマンさん」
コレは素朴な疑問だった。
私はこの考え方が正しいと今でも思っている・・・しかし、この後に続く言葉の意味を理解しかねていたんだ。
「人一人には限界があるし、勿論それは私にそう。誰かを救うと言う事は誰かを救わ無いと言う事・・・誰かを守ると言うはその分誰かを見捨てる行為と言えるし、それに守れなかったら『どうして助けに来てくれなかった!』『俺達を見捨てたのか!』『どうしてもっと早く来てくれないんだ!』etc.etc.・・・地球人類はこう言う言葉を良く浴びせてくる」
コレは当時子供だった私には衝撃的な内容で、思わず身動きが取れない。
彼は関係無い星で義理も見返りも、報酬すら無いと言うのに命を掛けて戦った真の英雄だ。
・・・それなのにこんな言葉を浴びせる何て信じられなかった。
そんな時、
「そんなの事は無いし、お門違いだと思うけど」
と彼女は口にした。
ウルトラマンさんは驚いた様な顔をして彼女の顔を凝視した。
「・・・何故お門違いなのかね」
「さっき自分で言ったでしょ?───
「────!」
「貴方は関係無い星で義理も見返りも、報酬すら無いと言うのに命を掛けて戦った真の英雄と言うべき存在だと思うわ・・・少なくとも私はね。それに神にだってやれる事とやれない事があると思う。なら神でさえそうなのだから神でもない貴方が気に病む必要はこれっぽちもないと思うけど、どうかしら?」
こう語った後に彼女は渾身のドヤ顔を披露したが、私はノーコメントとさせて頂こう。
因みにコレを見たウルトラマンさんはポカーンとした後に、笑い出してしまった。
それは当時子供だった私から見ても『そう言う考えもあるのか!と驚いている所に小さい少女のドヤ顔を見て、思わずツボってしまった』と言う事を言外に語っている様に思えたし、その笑いを受けて霊夢のドヤ顔はうーんとなぁ・・・凄さを増したとだけ言わせて貰おう。
ウルトラマンさんは笑いまくった後に呼吸を整えて、頷いた。
「そう言う考えもあるのか、勉強になる・・・だが私が救えなかった命は実際多いし、的外れな言葉と私は否定したくない」
先程よりも真剣な表情で言葉を続ける、
「第一地球人類は私の知るなかで最も弱く脆弱な種族で、それと同時に最も勇気ある種族だと私は考えているんだ・・・限界と言う名の壁を仲間と力を合わせて乗り越えるられる強く、勇気ある者達だと」
ここまで言った後に彼の体が輝き、また巨人の姿になって更に言葉を続ける。
《確かに象徴は大事だろう・・・しかし、真に大切なのは誰かと力を合わせて困難に立ち向かう地球人一人一人の勇気だと私は思う》
そこまで言うと彼は手を私達に向ける・・・すると赤く優しい光を放ちながら私の眼前に何が飛来してきた。
それを掴むと・・・私の手の中に丸い赤い石が握られていた。
《今の物は『ウルトラの星』と言う物で、私と君達の友情の証しとして受け取って欲しい。例え宇宙を隔絶していたとしても、君達と私との友情は不滅だ────その『ウルトラの星』に誓って》
それに私達はその言葉に頷き、ウルトラの星を眺る。
《ヒーローが必要なんだ、八木俊典君。多くの者達の勇気と希望となるヒーローが・・・。君ならば自分なりの象徴を見つける事が出来ると私は信じている・・・では去らばだ、勇気ある者達よ》
その言葉を最後にウルトラマンさんは空へ飛び立った。
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では次回またお会いしましょう。