ウルトラ怪獣ゼットンヒーロー化計画   作:ミッチェール

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 コレは回想&過去編4:英雄とはの後編です。
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回想&過去編3:英雄とは後編

 気を取り直し、どうすれば良いかそう悩むオールマイトはOFA(ワン・フォー・オール)で垣間見たオール・フォー・ワンと今は亡き志村奈菜とのやり取りを思い出す。

「人の内面を救う力はOFA(ワン・フォー・オール)にはあるのかてっね。私はヒーローになってからコレが気になるんだよ、AFO(オール・フォー・ワン)・・・人は救われたいと願っている人しか救えないから、その気にさせる力はあるのかなって」

 確か直前の記憶では救われる気が無い人物が(ヴィラン)に傷付けられて本当は自分は死にたくないと思っていたのに気付き今更助けてくれと死ぬ間際に言っていた筈だとオールマイトは思った。

 それは当然と思った時

「可能だ」

 とAFO(オール・フォー・ワン)言った。

 彼はニコニコと笑いながら志村奈菜と言う『ヒーローと言う役職につく者』を眺め、彼女の瞳を眺めて目が死んでいない(ヒーローを止めようとしない)盟友を確認してまた一層深くなった笑顔でブラックコーヒーを飲んでいる。

 ・・・するとと志村奈菜は、

「ありがとう」

 と何故か礼を述べた。

「ミルク入りでは無いと言う事はそう言う事だろ?」

 それを聞いたAFO(オール・フォー・ワン)は詰まらなさそうな顔をした後にフンと鼻を鳴らして話を続けた。

「・・・OFA(ワン・フォー・オール)は嘗て言った通りエネルギーをストックする力がある。ストックと言う事は()()()()()()()()()()()()()()()

「────!」

 コレにはオールマイトも驚いた。

 力をストックするそれは分かる・・・しかし与えられると言う事は分からなかった。

「僕の持論だけど()()()()()()()()()()()()()()()のさ。超常黎明期に個性が世界中で無差別に発現した。コレは本当に無差別で僕みたいな当時五十歳のおじさんや生まれたばかりの赤子まで幅広く発現した・・・架空(ゆめ)は現実に、非現実(フィクション)現実(日常)になってしまった。・・・だからこそ僕はあり得ない事は()()()()()と思うんだ」

 オールマイトも志村奈菜も・・・オール・フォー・ワン(全てを見てきた者)の言葉を真剣に聞いていた。

 真剣な表情で悪の帝王たる者(志村奈菜の盟友)は志村奈菜の瞳を眺めながら、言葉を続ける。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。僕の先生である『サー・ナイトメア』て言う人が言っていた言葉で、先生は変わった人だった・・・さて、一旦話をOFA(ワン・フォー・オール)に戻そうか」

 自らが入れたブラックコーヒーを飲み干し、向かい合いながら続ける。

「僕の個性は僕の(ヴィラン)ネームであるAFO(オール・フォー・ワン)で、力は知っての通り『個性を奪い、個性を与える』だ。OFA(ワン・フォー・オール)も同じでやろうと思えば『力をストック』を『力を解き放す』と言う行為に変換出来ると思わないかな?・・・その様子だと考えていなかった様だね──ヒーローは常に命懸けだ。他者を救うと言っているのだから自分の手で救える様に、生きて帰還出来るよう頭を働かせるんだ」

(────ッ)

『ヒーローは常に命懸けだ。他者を救うと言っているのだから自分の手で救える様に頭を働かせ。自分も五体満足で生還しなきゃヒーローじゃないだろ?』

「ヒーローとはピンチを乗り越えて、先へ進む者だと僕は思うよ」

『ヒーローとはピンチを乗り越えて、先へ進む者だと私は思う・・・だからOFA(ワン・フォー・オール)を私以上に使いこなせよ俊典!』

「だから笑っている方が良い、ピンチな時に笑える奴が僕の経験上一番強いよ・・・最も内面はどうか知らないけどね」

『どんだけ恐くても、自分は大丈夫だっつって笑うんだ。世の中笑ってるやつが一番強いからな!』

(師匠はAFO(オール・フォー・ワン)の言葉を受け、自分なりの言葉で私に伝えたのか・・・)

 衝撃はやって来ない。

 これだけ昔からの付き合いだと影響されても不思議では無いからだ。

「それじゃあAFO(オール・フォー・ワン)!その続きを──」 

 その言葉をAFO(オール・フォー・ワン)は手で制して、チッチッチッと指を交互に振り立ち上がった。

 それを見て啞然としている志村菜奈を横目にAFO(オール・フォー・ワン)は言葉を発した。

「僕は堅気の仕事をして金を稼いで、好きな小説の最新巻を買うのさ♪」

「それは余りにも理不尽d────」

「答えを教えるだけじゃ意味がない。至らぬ点を自身に考えさせる!成長を促す!『教育』とはそういうものだ!」

 急にオール・フォー・ワンが声を張り上げた。 

 突然の事に動けない志村菜奈を優しく眺めながら、AFO(オール・フォー・ワン)は帽子を被って出口へ向かうと・・・ふと動きを止めて優しく背中越しに声を発した。

「常に考えを巡らせろ、奈菜。君なら、或いは君の意思を継ぐものなら必ず出来る──要はPlus Ultra(プルスウルトラ)だ」

 そう言うとAFO(オール・フォー・ワン)は何処かへと去っていってしまった。

(つまりはOFA(ワン・フォー・オール)に溜めたエネルギーを相手の精神に流し込む事が出来ると言う事・・・しかし、これは賭けでもある。ゼットン少女に生きる気合を与えた場合吹っ切れて私を殺しに来るかもしれない)

 そうOFA(ワン・フォー・オール)がストックした力を相手に精神エネルギーとして送り込んだ際に送り込んだ自らがゼットンに殺されかねない。

(・・・・しかし!) 

「ハハハ!オールマイト面白い、面白いぞ!」

 ゼットンは楽しいと一目見て分かる顔でオールマイト向かって暗黒火球を放つに。

 それをオールマイトは志村菜奈(しむらなな)の記憶を頼りに暗黒火球を回避し、テレポートでオールマイトの真横に来たゼットンが放った拳を自らの拳で相殺する。

 続けてオールマイトに向かって攻撃を放とうとするゼットンだが────

「フレイム・ケルベロス!」 

 ────炎で作られたケロベロスがゼットン目掛けて襲い掛る・・・ゼットンはそれを握りつぶしその隙をオールマイトに付け入られそうになり、エンデヴァーの近くへ弾き飛ばす。

「大丈夫か?」

 大して心配していなさそうな様子のエンデヴァーに苦笑いしながらも立ち上がる。

「あぁ、ノープログレムさ!」

 一方その頃二人のヒーローを眺めながら志村奈菜とオール・フォー・ワンが談笑していた(最も二人共念話とテレパシーのため談笑と言って良いのか疑問に残るが・・・まぁ些細な事だ)。

《・・・AFO(オール・フォー・ワン)、流石の私もあんな個性を持っているとは予想外だぞ》

《ドラッグクッキングの事かい?それはそうだろうよ。あれは僕にとって奥の手中の奥の手だ・・・しかしあんなに自信満々だった癖に最終的には僕に頼るのかい》

 個性:ドラッグクッキング

 触れた食べ物を任意の薬に変えられる個性で、自分が触れたあらゆる食べ物を触れた瞬間に誤差なく変化させる事が出来る*1

《仕方ないだろう!お前が無理をするなと言ったんじゃないか・・・良く私がその薬を操る事で傷付いた精神を治す事を直ぐに思い付くとはな》

《逆にそれしかないだろうと思ったんだけどね》

 ここで「何故AFO(オール・フォー・ワン)がその薬の成分や調合の仕方について完全に理解しているのか?」と疑問に思う者も居るかも知れないが、実はオール・フォー・ワンは個性が世界中で発現する前からオール・フォー・ワンの師(サー・ナイトメア)や書物、した後もヤプールやゼットン星人エド等を始めとした協力者から教えて貰った為に超一流薬剤師と言えるかも知れない*2

《・・・そう言えばガイアメモリ関連の個性まだ持っているか?》

 ガイアメモリ

 “個性”が発現した五年後*3に発見されたアーティファクト。

 その正体は「正体は地球の記憶」とそれにまつわる力を内包しているメモリで、何らかの手段で内包された力を取り込んだ者は超常の力を持つ怪人『ドーパント』に変身するのだが・・・やはりと言うべきか人間にとって過剰すぎる力であり、使用の度に内包する「毒素」によって変身者の心身を蝕み、最悪の場合は使用者の人格を歪め、肉体に重度の後遺症を残す事もある。

 最初はオカルトだと誰も信じなかったが、使用した韓国人が起こした暴走事件*4をきっかけとして裏社会や表社会共々危険視され当時のAFO(悪の象徴)や各界隈の大物達の手によって闇に消された。

《・・・持っているよ。あの時は本当に驚いたし、急に挿入してきた君に殺意が沸いたね》

 ここで過去のやり取りを少し見ていただこう。

『これがお前が押収したガイアメモリかAFO(オール・フォー・ワン)?』

『そうさ、これがガイアメモリさ・・・しかしこれが中々面倒な代物でね。この内包された「記憶」を個性として抽出出来ないかなと』

『方法は分かっているのか?』

『・・・個性:遺伝子操作で「記憶」に合う個性因子を新たに作り出して混ぜ合わせればどうにかなるんだが、先程それをやった韓国人が爆破しちゃてね』

『つまり再生系個性さえあれば問題ないんだな?』

『うん、そうd──』

『えい☆』

『・・・は?』

 かつての光景を思い出したAFO(オール・フォー・ワン)軽く身震いする。確証はないと言うのに唐突にTのイニシャルが付いたメモリ──『テラーメモリ』を挿入してきたので急いで個性:遺伝子操作をもちいて内包された「記憶」と合う個性因子を新たに作り出して混ぜ合わせ、反動をUNDEAD(アンデッド)-不死-で抑え込む事で何とかガイアメモリを摘出しながらに『テラーメモリ』の力を個性として得る事が出来たのだが・・・あの時はオール・フォー・ワンは生きた心地がしなかったし、間髪入れずにWのイニシャルが付いたメモリ──『ウェザーメモリ』を入れて来た時は全ての工程を一瞬で終らせてキリエルの巫女(当時の志村奈菜)の顎にアッパーカットを打ち込み浮き上がった身体を掴んでバックドロップを食らわせた。

《あれは痛かったぞ、最高の魔王(最高のバカ)

 当時を思い出して愚痴る志村菜奈に殺意を思わず高めるAFO(オール・フォー・ワン)・・・なお、高め過ぎて滅火羽織(ほろびはおり)が冷や汗をダラダラ掻きながら動きを止め、オールマイト(平和の象徴)が記憶で見たAFO(オール・フォー・ワン)の殺気を思い出し身構えてしまう事態となってしまったが直ぐ殺気を収めた為に大事には至らなかった。

 ・・・訳では無かった。

 否、殺気は第三者(志村菜奈とAFO(オール・フォー・ワン)以外)には感じられないが、は殺気を出し続けている・・・それも先程以上の強さで。

 それでも志村菜奈とAFO(オール・フォー・ワン)以外には感じられないのだ・・・では理由は何なのだろうか?

《・・・それはなんの個性だ?》

UNCHANGE(アンチェンジ)-不変–さ》

 UNCHANGE(アンチェンジ)-不変– 

 素手もしくは素足で触れる事で物体の変化を強制的に封じる個性。

 他にも固定した空気を操り不可視のバリアを発現させていかなる攻撃も防ぐ事も出来て、また空気の「形」を固定して任意の状態にして操る事も出来る。

 ・・・つまりは自らが発した殺気に滅火羽織(ゼットン)が反応してしまったので志村奈菜(キリエルの巫女)個人に殺気をあてる為(志村奈菜(キリエルの巫女)を守ろうと言う意思もあるのだが・・・まぁ彼女の態度が悪すぎたと言うのもある)に隔離したのである。

《・・・そんな事より、何か言うべき事は?》

《ごめんなさい》

《分かれば良し・・・そう言えば特異点の友人が『お前は否定者にでもなるつもりか?』なんて言っていたんだけど君は何か知っているかい?》

 話をしている途中でAFO(オール・フォー・ワン)は殺気を解きながら個性を使っての防御を更に強化しているようだった。

《否定者・・・すまないが私も分からないな》

(まさかオール・フォー・ワン(コイツ)が否定者について知っているとは思わなかったが、彼女と敵対している『神』について教えたらまず叩き潰すのに協力した後に能力集めし始めそうだよなぁ・・・面倒臭い事になりそうだから黙っておこう)

 そんな事を思いながら、志村菜奈は思考を巡らしふと今の状態は過剰戦力では無いかと感じた。

 ヤプールにAFO(オール・フォー・ワン)等この場面では明らかな過剰戦力だと感じる・・・まるでこんな事態になる事が予め分かっていたかの様な違和感を感じ、戸惑ってしまう。

 ・・・何か無いかと記憶を探ってみると嘗て聞いたとある存在が頭を過る。それを含めて考えて見ると全てに置いて納得出来るが────

《・・・200年以上前に蒸発した筈なのにも関わらず、今もなお暗躍が疑われている『悪夢』──サー・ナイトメアとは一体何者だ?》

 ────そうサー・ナイトメアは200年以上前の西暦2000年前半に姿を消した筈なのだ。

《それでも暗躍が疑われる位にサー・ナイトメア(先生)と言う存在は大物なのさ・・・抑止力や僕等を出し抜き、自らが描いたシナリオ(他者に取っての悪夢)通りに誰も操られている事(シナリオに忠実)である事に気付かず、()()()()()()()()()()()()()()()()()してしまう怪物が僕の先生なんだ》

 辺りを注意深く探りながら自慢げにそして誇らしそうに胸を張って語るAFO(オール・フォー・ワン)

《・・・・だから『悪夢』と言う別名を付けられたのか》

《うん、後ね確証は今の所無いけれど今思えば2020年に博麗霊夢(はくれいれいむ)伊吹萃香(いぶきすいか)・・・この両名がこの世界に死後やって来たのも先生の計画通りだとしたら納得がいく》

《────》

 どの様に言葉を発言すれば良いか分からない・・・否、声が出ない。その件は擬似的な特異点の様な何か(他世界の概念を吸い取る穴)の暴走だと言う結論が出ただろうと、それ以外の真実など見つかりはしなかったと、志村菜奈が何を言うべきか分からずに唸っているとAFO(オール・フォー・ワン)志村菜奈(キリエルの巫女)の頭を優しく撫でながら話を続けた。

《まぁ、特異点(あれ)に関しては君も関わっているのは知っているから仕方の無い事だと思うけれども、縦と横(時間と異世界)を自由に移動できる存在に擬似的な特異点の様な何か(他世界の概念を吸い取る穴)の事と約800年前の出来事を教え、下準備さえしていれば可能だと僕は考えている・・・と言うよりも悪夢と呼ばれし者(僕の師匠)ならやりかねない》

 それを聞きながら志村菜奈(キリエルの巫女)は深呼吸して気持ちを落ち着かせて、情報を整理していく・・・すると疑問に思う事が出てきた。

《じゃあ()()はどうなんだ?》

《・・・()()?──あぁ、個性:不死鳥(ふしちょう)の事か》

 個性:不死鳥(ふしちょう)

 超高温な炎を操る事が可能で、その他にもUNDEAD(アンデッド)-不死-と同等かそれ以上の再生能力を持つ・・・しかし不老と言う訳では無く年をとってしまうがUNDEAD(アンデッド)-不死-を持つAFO(オール・フォー・ワン)には関係無い話だ(不老では無い事の解説は『オール・フォー・ワン保有個性』を参照して頂ければ幸いです)。

《あの個性に関しては先生も把握していないと言うべきか、想定すらしてないんじゃないかな?・・・何せ発現した経緯があれだからねぇ》 

《確かにな》

 そんなこんなで話をしていると・・・オールマイト(英雄)滅火羽織(ゼットン)の戦いに動きがあったのだ。

 オールマイトに向けてエンデヴァーが炎を放ちそれをオールマイトが纏う・・・否、エンデヴァーの炎をOFA(ワン・フォー・オール)を使用する事で己が力へと変換しているのだ。

『まぁ発電所から電力を供給してもらうイメージでありますよぉ~・・・使い方次第では本当に化ける力でありますから伸ばす事を進めるでありますよ、奈菜』

(オール・フォー・ワンはお師匠にそう言っていた・・・成程制御は難しいが、出来ない訳ではない)

 そう思いながらオールマイトは自らの身体を確かめ、拳を力強く握りしてる。

 そして意気よい良くゼットンに向かって突進をした。

 それを見た滅火羽織(ゼットン)はしっかりとオールマイト()見据え、迎え撃つように飛び出し拳を叩き付ける。

 その時二つの力が衝突した。

 滅火羽織(ゼットン)はとある事実に驚愕した。

(私に何かが送り込まれてくる!)

 そうオールマイトは自分のストックしたエネルギーを滅火羽織(ゼットン)に送り込んでいるのだ。

 OFA(ワン・フォー・オール)にはエネルギーをストックすると言う権能があり、それを利用して滅火羽織(ゼットン)に生きる為の活力を流し込んでいる・・・しかしオールマイト()が懸念した通り活性化した瞬間にオールマイトを殺しかねない。

(・・・それでも私は言わねばならない)

『限界だーって感じたら思い出せ、何の為に拳を握るのかを。それが原点、オリジンってやつさ!そいつがおまえを限界の少し先まで連れてってくれる』

 嘗ての師が残した言葉、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 宿敵たるオール・フォー・ワン(師の盟友)の師匠が残した言葉。

 ・・・そして、

『・・・科学特捜隊にそれに続く者達に、私もなりたいと思っては駄目だったのかな・・・私はヒーローを殺す者だった、でも今世ではなれると思っていた』

『でも、オールマイトよ。貴様(私の憧れ)は私に破れた。私と言う存在に敗北したんだよ・・・それはつまり私のあり方は変われないと言う事に他ならない』

『──私もヒーロー(人間)になりたかったなぁ』

 ・・・彼女が望んでいるであろう『言葉』言う為にオールマイトは加速した。

「────ッ!」

 滅火羽織(ゼットン)は驚愕した。

 その理由は何か?・・・そんな物は決まっている。

 オールマイトが自らを殺すどころか救おうとしているからだ。

 滅火羽織(ゼットン)は前世で数多くの死線や場数を潜り向けてきた・・・それもオール・フォー・ワンやそれよりも前の裏社会の支配者達に並び立てる程の数を何度も何度も乗り越えて来た。

 だからこそ彼女はオールマイトが自分を殺戮兵器(化物)として見ていないと言うのが分かる。

「お前は何だ!・・・何故私を殺そうとしない!何度も何度も殺しかけただろう」

 オールマイト(平和の象徴)の攻撃を捌き時にくらいながら、彼女は内に流れ込んでくるエネルギーに・・・暖かな気持ちになるのを必死に抑えながら吠える。

「だが、私は死んでいない!」

 それをオールマイトは否定した。

「君がもし本当に殺戮兵器だとしたらここに居る全員が皆殺しにされている筈だ!それなのに私達は生きている、それが答えじゃないのか!」

「────!」

「他の者達を見捨てて逃げれたのに逃げなかった、見捨てなかった・・・それが答えだろう!」

 滅火羽織(ゼットン)の動きが鈍る、それと比例してオールマイトは更に加速する。 

 オールマイトから逃げ出すようにテレポートし、バリアを張りながら滅火羽織(ゼットン)はエネルギーを腕に集中させる。

「綺麗事だ」

 そして彼女が出せる最強の技ゼットンブレイカーを放った。

「嗚呼、そうさ」

 それでも平和の象徴は止まらない。

「ヒーローは!命を賭して、キレイ事を実践するお仕事だ!」

 オールマイトはその言葉を叫びながらゼットンブレイカーを紙一重で避け、彼女のバリアに拳を打ち付けた。

(・・・有り得ない私のバリアが────)

 徐々にひび割れる。

HELLFLAMEOFSMASH(ヘルフレイムオブスマッシュ)!!」

 拳に炎のエネルギーを纏わせて、拳を振り抜く。

 核爆発。

 そうとしか言いようの無い一撃がバリアを破る。

 その時滅火羽織(ゼットン)の頭が急にクリアになる。

『君は、ヒーローになれる』

 言われたかったセリフが浮かび上がる。

「私はヒーローになれるか?」

「あぁ、勿論!」

 遂にバリアを突き破り拳が彼女に突き刺さる・・・かと思われたが、

「────ッ!」

 オールマイトのエネルギーが滅火羽織(ゼットン)に吸収される。

「私の奥の手だ」 

 高速でオールマイトの眼前にテレポートして、彼を後方に思いっ切り蹴飛ばした。

 その直後、

「アブソリュート・デストラクション!!」

 稲妻状の強力な攻撃が滅火羽織(ゼットン)の背後から襲いかかったが・・・彼女は最強の怪獣、宇宙恐竜足る者故に防ぐ事など造作もない。

 オールマイトから奪ったエネルギーを上乗せしたゼットンブレイカーで全てを相殺する。 

「一応聞くがお前は?」

 ウルトラマンとよく似ている・・・しかし彼らの銀色の身体とは対照的に黄金の体、手の甲には赤い宝玉らしきものが埋め込まれている人物が姿を表した。

「我は究極生命体、アブソリューティアンの戦士。アブソリュートタルタロス!」

 アブソリュートタルタロスと名乗る存在は両腕を上げ、敵意が無い事を表した。

「攻撃してきて、それか?」

「それはそれ、これはこれだ・・・この世界の法則では有り得ない別世界の記憶を保ちながら転生したイレギュラー(異物)であるお前に興味を持ち支配下に加えようとしたがそれが不可能ならせめて力を見極めようとしても良いだろう?」

 それを聞いても警戒を解く者は居なかった。

 それを見てアブソリュートタルタロスは頭を振りながら、

「不意打ち気味に襲撃を仕掛けて来た存在を信用する事など無いという事か」

 と納得した。

「さて私は先程も述べたようにアブソリューティアンの戦士であり、特異点でもある・・・その反応は特異点についての知識が無いな」

 特異点と言う言葉を聞いた者達が疑問に思ったのを一瞬で悟り、アブソリュートタルタロスは言葉を続ける(オール・フォー・ワンが反応したのには気付いた模様)。

多元宇宙論(マルチバース)他にも平行世界(パラレルワールド)とも言われる考え方がある」

 静かにアブソリュートタルタロスは言葉を選びながら話を進める。

多次元宇宙論(マルチバース)は世界においてある時点から分岐し、分岐前の世界と並行に連なる別の世界の事だ。詳しい説明は省くが、要はもしもIFの可能性を実現化した世界が、自分が生きているところとは別に存在するかもしれないと言う考えだ」

 更に言葉は続く。

「世界と世界とを隔てている壁を突破し、別の宇宙に行くことは、基本的には不可能に近い・・・しかし時折、その事を可能にする存在がまた広い宇宙には存在する事がある──それらを称して、特異点と呼ぶ」

 一度言葉を区切りながら話を再開する。

「また特異点の形状は様々で、私の様に人型をしている者もあれば、怪獣墓場のように特定の場所を示すこともあるが、次元を超えることができる存在は限られており、特異点は皆すさまじい力を持っている物だと言う事も覚えておけば良い」 

「じゃあそんな凄い存在が何故この宇宙にやって来た?」

「それはそこのヒーローにでも聞けばよいのだが、まぁ良いだろう」 

 アブソリュートタルタロスはオールマイトを指し示しながら話を始める。 

「この世界には『悪しき異界の呪術者の手で墓場より蘇りし怪しき獣、ここに封じん』と言う言い伝えがある」

 ここで話を一時終わらせ、ため息を吐きながら思い出したく無いトラウマを思い出すかの如く話を続けた。

「・・・私はその伝承となった擬似的な特異点の様な何か(他世界の概念を吸い取る穴)の事と約800年前の出来事を小耳に挟みその怪獣を手に入れる為に逆算して問題無いだろうと判断した時間軸に移動して、結界を破壊したのだが・・・明らかな過剰すぎる強度とエネルギーを兼ね備えた怪獣レッドキングと異空間化した山の中で死闘を繰り広げる羽目になった」

 そして彼は項垂れた。

「・・・想像出来るか?放置していれば世界を崩壊させかねない擬似的な特異点の様な何か(他世界の概念を吸い取る穴)を見た私の気持ちが・・・明らかな世界にとっての自殺行為だ。その歪みを吸収したレッドキングと永遠とも一瞬とも言える時間死闘を繰り広げ、隙を見て脱出したと思いきや(地球)がブラックホールのコアを利用して私を転生させると宣言してきた」

「・・・」

 その場には何とも言えない雰囲気が広がった。 

 キリエロイド(志村菜奈)は気まずそうに顔をそらし、オールマイトはそんな危機的状況だったのかと驚愕し、AFO(オール・フォー・ワン)は自らの推測が当たっていたのに対して苦笑いを浮かベる。

 それ以外の者達は同情する様な視線をアブソリュートタルタロスに向ける。

「・・・それは今すぐか?」

 滅火羽織(ゼットン)が空気をあえて読まずに質問する。 

「いや、今すぐでは無く私が死んだ後に擬似的な特異点の様な何か(他世界の概念を吸い取る穴)つまりはブラックホールのコアを利用して私をデメリット無しで転生させるつもりだそうだ・・・最も死んだ直後の記憶は忘れるらしいが、些細な事だ」

「私達に手を出したのは?」

「珍しい者を手に入れたいから・・・もしくは君が良く知っているのでは無いだろうか?」

「・・・・」

 ゼットンは言葉を詰まらせ、俯く。 

「成程、私の懸念は当たっていた様だな・・・まぁ、転生するその時までしっかり生きて見よう」

 そう言った後頭を下げ、

「それでは、さらばだ」 

 アブソリュートタルタロスは姿を消した。

*1
 しかし、成分や調合について完全に理解していなければ変化させる事は不可能と言う欠点も存在する

*2
 因みに医学的知識と技術も同じレベルである。

*3
 西暦2015年での出来事である。

*4
 この韓国人は日本首都でのテロを企んでいたが暴走を引き起こし、自らと同じ思想を持つテロリスト団体(国際個性反対団体)の幹部達と自らの家族をまとめて殺害した後AFO(オール・フォー・ワン)に鎮圧されたのだが・・・ガイアメモリ共々AFO(オール・フォー・ワン)のモルモットになった




 と言う訳で第一章の山場はクリア致しました。
 ゼットンさんに襲いかかる運命はいかに!・・・まぁ、それは次章からですがね。 
 これからはぼちぼち日常や外伝何かを書きながら次章に持っていきたいと思っております。
 では、ありがとうございました。

────────────────────────
アブソリュートタルタロス
ゼットンさんを洗脳してオールマイトを殺害させようとした元凶にして、結界を破壊した張本人・・・なのだが呪術者魔頭鬼十朗(まとうきじゅうろう)をこの世界に連れ出した何者が余計な工作をしでかしてしまい、その結果魔頭鬼十朗(まとうきじゅうろう)とこの世界陣営(地球意思と協力者達❰カレイドスコープ・地獄の女神・キリエルの巫女❱)が必要以上に術の制度を上げねばならなかったと言う事実を歴史に影響を及ぼすのを避けるのと、こう言う抑止力について必要以上に熟知し過ぎた事が災い(地球意思の行動は本来自殺行為であり、何らかの対策を練ると考えるのが常識的なのだが・・・普通は未来に博麗の巫女である博麗霊夢(はくれいれいむ)が転生する事を予期できる訳が無い)し、歪みの力で強制再生能力&本人が強固体のレッドキングと周りの歪みが博麗の巫女が一瞬で浄化出来る濃さになるまで戦闘をする羽目になった苦労人。
ゼットンさんを洗脳したのは彼女が精神的歪みを持っていたのと強力な戦力になると判断した為で、この世界に死後転生する事は肯定的。
https://twitter.com/kinkuri_/status/1355685609717682178?s=09
↑究極生命体アブソリュートタルタロスイメージ
(地球)がブラックホールのコアを利用して転生させた究極生命体アブソリュートタルタロス御本人。
個性は“アブソリュート”で前世で出来た事は全て出来る。
自分が死んだ時の記憶は全て失ったが気にせずに第二の人生をエンジョイしている。
趣味は読書と人間観察でタルタルソースが大好物。
戦闘スタイルは前世と同じ戦い方をしているが、格闘術の研究等にもはまっているので技術はかなり上がっている。
将来的にはヒーローになろうと考えている。
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