ウルトラ怪獣ゼットンヒーロー化計画   作:ミッチェール

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 これは悪党達の語らい前編です。
 感想を送っていただいたり、誤字報告していただくと励みにります。
 では、お楽しみ頂けたら幸いです。


悪党達の決闘

「フフ、ハハハ、ハハハハハハハハハ!」

「何じゃ?何か良い事でもあったのかの、先生」

 殻木球大(がらき きゅうだい)

 悪の支配者AFO(オール・フォー・ワン)に心酔しているマッドサイエンティスト。

 容姿は小太りな体型、禿頭で口髭を生やし、歯車型のゴーグルを装着している。

 本来の顔では児童養護施設や個人病院などを全国に所有し、自身の研究に利用できる優秀な被験体を探し集めている等している正真正銘の悪党の一人。

 蛇腔総合病院(じゃくうそうごうびょういん)の創設者にして理事長。

 表向きの彼は気まぐれとも思えるくらいに様々な慈善事業に手を出しており、かなり広範囲で行っおり一般的には優しく信用できる人物として、多くの人物に慕われているらしく、原作ではエンデヴァーに追い詰められた際は周囲の医師、看護師が彼を守ろうとした*1。 

 彼は脳無*2を作る事に喜びや生き甲斐を感じており、お気に入りの個体に名前をつけたり、完成度の高いハイエンドと呼び、脳無に対しては愛着を持ってる・・・まぁ、とどの詰まりどうしようもないクズ兼小悪党である(今作のAFO(オール・フォー・ワン)が達観していて、独自の美学を持っている為、実は原作程の大規模活動はしていない・・・と言うかAFO(オール・フォー・ワン)がT−ウイルスを始めとしたのヤバい薬を使ってヤバイ実験をしようとしたりしている*3)。

閑話休題

「フフ、その通りさ」

「ワシにも教えてくれんか先生?・・・無論無理なら構わない」

 殻木球大(がらき きゅうだい)がこの様に下手に出ているのには勿論配下である以外にも理由がある。

 それはAFO(オール・フォー・ワン)が秘密主義な所があるからだが*4・・・今それをする必要があるのかと言われれば、今現在の悪党達はAFO(オール・フォー・ワン)から言わせれば小悪党であり最も警戒しているのは日本国天皇家や英国王家の秘密部隊、イギリス諜報機関MI6やICPO(インターポール)等の世界的に活動している組織を驚異と考えている。 

 特にICPO(インターポール)はルパン七世(ルパン三世の玄孫(やしゃご)とされる女性)専任捜査官としてまた銭形警部の玄孫(やしゃご)が付いたので警戒しているのだが・・・実はプロヒーローあきつ丸として銭形警部の子孫に協力した際、どちらとも彼女等の先祖に当たるルパン三世と銭形警部の技術と同等かそれ以上の事をやってのけたので物凄く警戒している。

 それ以外にも容姿と服装、射撃技術がかつて見た次元大介(じげん だいすけ)本人と思わしき人物を目撃しており、その際ルパン七世が彼の事を『()()』と呼んでいたので子孫か何かだと普通は考えるが・・・AFO(オール・フォー・ワン)が記憶していた通りならば彼に妻や子供に当たる人物は居ないので、かつてイタリアでMI6が浦賀航(うらが こう)*5が作り出した解読不能の奇書「イタリアの夢」*6を利用し作り出したクローン──「偉大なるスター」レオナルド・ダ・ヴィンチ*7と同じく再現または作り出された人物では無いかと睨んでいる。

「いいや?聞いて大丈夫さ・・・と言うか聞いちゃ駄目だったらこんなに笑わないよ」

「確かになぁ。それでは先生何があったんじゃ?先生が人目を憚らずに大笑いする様な話題は無かったと思うのじゃが、どうじゃ?」

 それを聞いたAFO(オール・フォー・ワン)は苦笑いを浮かべながら頭を掻く。

「そんなに大笑いしていたのか。ちょっと恥ずかしいなぁ、ハハハ・・・ところでドクターはスリーメイソン*8と言う組織を知っているかい?」

「スリーメイソン?フリーメイソンの間違いではないのか?」

「じゃあ無いんだよ。かつて絶大な力を持つ古い世界的な秘密結社だったが、十年前に突然幹部全員が殺害されると言う事件が起こって組織は自然消滅してしまったのさ・・・まぁ200年以上前に壊滅状態に陥っているんだけどね」

 それを聞いたドクターこと殻木(がらき)は目をパチクリさせて首を傾げる。

 知っているかと訪ね十年前に突然幹部全員が殺害されると言う事件が起こって組織は自然消滅したと言っておいて200年以上前に壊滅状態に陥っているとは、はっきり言って矛盾している。

 壊滅状態に陥っているなら組織としてはもう終わっていると考えられるし、そもそも話に出す理由が無い。

「まぁ、無理も無いね。まず200年以上前に壊滅状態に陥っている理由はルパン三世を敵に回した結果叩き潰されたと言うのが現状さ・・・まぁそれ以外にも勝手にトップ3同士で潰し合って、世界を滅ぼそうとする始末だからね」

「と言うと?」

「スリーメイソンのNo.3がアメリカ合衆国やソビエト社会主義共和国連邦の核兵器プログラムをハッキングして世界中に発射しようとしたのさ」

「・・・・・・・は?」

 殻木(がらき)はあまりの事の重大性に絶句する。

 もしこれが本当ならば今までのありとあらゆる国際犯罪が子供の悪戯程度になってしまうし、死者数は天文学的な数になるであろうからだ。

「そんなに驚く事かい?ルパンと絡んでいるとこれと同じかこれ以上ヤバイ事件ほぼ高確率で巻き込まれてしまうから印象低いんだよなぁ」

 殻木(がらき)は再び絶句したのだが、AFO(オール・フォー・ワン)はそれに気付かずに昔を懐かしみながら話を続ける。

「当時僕は自由の女神像の内部でアメリカ合衆国政府に正式に調査をして欲しいと依頼されて調査を行っていたんだ・・・あぁ、何故アメリカ政府から依頼が来るのかというとね中央情報局(ちゅうおうじょうほうきょく)通称CIA(シーアイエー)から自由の女神像内部にスリーメイソン関連の宝が隠されている疑惑があるから調査してほしいと言われたからなんだ」

「そ、それはどう言う内容での依頼なんじゃ?」

 話のスケールに置いてけぼりになりそうになりながら、殻木(がらき)は質問する・・・内心個性が無い時代にこれだけの事がポンポン起こるなら今の方が天国なんじゃねと考えている。

「それはねスリーメイソンがニューウイルスと言う史上最悪のコンピューターウイルスを開発したと情報を掴んでね。それを制御するのに必要な物が自由の女神像に隠されているから調査して欲しいと頼まれたんだ」

「そのニューウイルスとは何じゃ・・・と言うか当時は世界的な大組織だったのじゃろう?何故そんな物が必要になったのじゃ?」

「確かにスリーメイソンは当時絶大な力を持つ古い組織だが、情報化技術の発達により衰退すると予測し、これをコントロールするウイルスを開発したのさ」

 ここでAFO(オール・フォー・ワン)は一旦言葉を切り、少し考えた様子を見せながら話を続ける。

「そのニューウイルスはその名に恥じない性能で、全世界のあらゆるコンピュータ上のデータを、使用者の望むままに改竄・消去できる優れ物なのさ。実際、アメリカとソ連の核施設を一瞬にしてハッキングして核ミサイルの発射準備を完了させているくらいだからね。相当ヤバイ物だって事は間違いない」

 これを聞いてドクター殻木(がらき)はそんな物があったら自分は何に使えるのだろうかと自分の世界に入りかけてAFO(オール・フォー・ワン)がニヤニヤしているのを目撃し咳払いしてから質問する(尚考え付くニューウイルスの利用方法が全てAFO(オール・フォー・ワン)の為だった模様)。

「何故先生はそんな事件に巻き込まれたんじゃ?先生の身体能力なら即トンズラ出来ただろうに」

「まぁそうなんだけどね。ルパンがニューウイルスの起動に必要なスーパーエッグと言うアメフトボール程の大きさを誇る巨大なタマゴ状の形をした世界最大のダイヤモンドを隠し場所である自由の女神像ごと盗んじゃてね」

「はい?」

「バカデカイ風船で女神像ごとお空への旅と洒落込んじゃてね、そのままルパンの口八丁に乗せられてスリーメイソンとやり合う羽になったんだ・・・そうそうCIA(シーアイエー)が探している物もこのスーパーエッグだったんだよね。ニューウイルスが破壊されたならどうでも良いって言ってたから峰不二子(みね ふじこ)にあげたけど」

「・・・」

 さっきから話についてこれないと言うのが殻木(がらき)の本心だった。

 個性がない時代にどうやって自由の女神像程の巨大な建造物を浮かせられるのか・・・今の状態を簡単に説明すると思考停止状態である。

 このままでは話な続かないと思った殻木(がらき)は思考停止状態から必死に今喋れる話題を必死に探し、何故AFO(オール・フォー・ワン)がスリーメイソンと言うかなり昔の組織を話題に出したのか気になった。

「・・・そう言えば何故今になってそのスリーメイソンとやらが出て来たんじゃ?」

「忍び込んだからさ、連中のアジト跡地にね」

 ────────────────────────

「さてっと」

 そう言いながら白髪の女性──AFO(オール・フォー・ワン)の並列存在はスリーメイソン基地跡地に潜入した。

「マモー*9か・・・前スリーメイソンの基地に潜入した時*10にスリーメイソンがフリーメイソンから独立した理由がマモーと接触し、様々な援助があったからだと知ったのは懐かしいけども・・・何故今になって僕が生まれる前*11に死んだ悪党の名前が今になって出てくるのかね」

 愚痴を言いながらICPO(インターポール)CIA(シーアイエー)、MI6等の警備を掻い潜りながら先へと進むAFO(オール・フォー・ワン)

 こんなに警備が厳重な理由はかつてルパン三世と対峙したロンバッハ博士*12が作り出した超小型の原子力爆弾がスリーメイソン基地跡地で発見されたからである。幸い発火プラグは抜かれており、爆発の心配は無かったが誰がどの様な目的でそれを設置したか不明な為、各政府は暗黙の了解の元厳重体制を敷いているという訳である。

 ・・・何故AFO(オール・フォー・ワン)がこんな所に潜入捜査しているのかと言うと安針塚財閥(あんしんずかざいばつ)*13経由で50年程前に手に入れたシルバーマン*14が所有していた地図とマモーが残した科学的遺物の研究を個人的興味からに一ヶ月程前にセラエノ・コレクション*15に依頼し、その結果今現在の場所にマモーとシルバーマンが共同で作り上げた基地であると言う研究結果が出たのでほっとく訳にも行かず・・・と言った状況だ。

 因みにセラエノ・コレクションが保有しているアーティファクト*16にもマモー関連の物品が今回の件で30点以上見つかっており、マモーが関わっているこの件にAFO(オール・フォー・ワン)は内心途轍もなく警戒している。

閑話休題

「さて、と。侵入には成功したね」

 色々と考え事をしながら表の警戒を掻い潜り基地内部に侵入し、あたり一面を眺めながら奥に進んでいく。

 基地内部にはレーザー発射装置がそこら中に設置されていおり、その先も毒ガス発射装置やブービートラップ等数多くの罠とおまけとばかりに脳波センサー等様々な罠が設置されていた。

 全ての罠を苦労して掻い潜り、辿り着いた部屋は何も無い小部屋だった。

「何かある様に見せ掛けといて小部屋には何も無い。正に骨折り損のくたびれ儲け・・・最近の(チンピラ)達ならそう思うだろうねー」

 そう言いながら徐ろに壁を軽く叩き少し軽い音が出た所を指で小突くとカードスキャナーか付いたパネルが出てきた。

「これは用意したカードでっと」

 カードをスキャン後上に新たな2つのスキャナーが出てきたので観察すると、どうやら網膜と指紋をスキャンするらしい。 

「結構前に仕掛けた僕のデータがまだ生きているなら行けると思うけど・・・良し、行けた」

 空いた扉からひんやりした空気がした出てくるが・・・30年前が最後に開いたいしてはやけに流れてくる空気が少ない様に感じる。

「扉を開けた跡をよく見ると案外最近に開けた痕跡があるね、こりゃ・・・およそ1、2時間前ってとこかな」

 それを言いながら持っている拳銃等の武器の確認をしながら奥へ進むAFO(オール・フォー・ワン)

 暫く先へ進むと幾何学的な扉があり、前に近づくと自動的に扉が開く。

 そこには────

「何んだ、これ」

 ────基地の内部か疑いたくなる様な大きな空間が広がっていた。

 絵画を模様した部屋や機械だらけの部屋等その他にも様々な部屋が存在していた。

 その中でもAFO(オール・フォー・ワン)が興味を持ったのが操作パネルと大きな画面設置してある部屋だった。

「こんなに厳重に隠されている場所にある情報はどれほどの物かな〜」

 ククククと怪しく笑いながらAFO(オール・フォー・ワン)はパネルを操作し、中にあるスリーメイソンの機密データや他基地の場所、ナチスドイツの隠し財産の在処等色々な情報を閲覧したがAFO(オール・フォー・ワン)の目的はそれでは無い。

 マモーとシルバーマンが共同で作り上げ、更に200年以上の月日を掛け成熟された技術もしくは物品を完膚無きまでに叩き潰しあわよくば手に入れるのが今回の目的だ。

 因みにAFO(オール・フォー・ワン)は個性が使えない状態でも何とか出来る様に愛用拳銃DESERT EAGLE(デザート イーグル) .50AEと同型の物*17を闇ルートで入手し、それ以外にも仕込みナイフや警棒に手榴弾等臨戦態勢装備(りんせんたいせいそうび)でこの基地に潜入している。

閑話休題

 AFO(オール・フォー・ワン)が探している物は果たしてあった。

「死者を蘇生する方法?何じゃそりゃ?」

 題名だけでは意味がわからないので内容を確認してみるとイタリアの夢とマモーのクローン技術そして境界記録帯(ゴーストライナー)*18等3つの技術を同時に使い過去死んだ存在そのものを蘇らせると言うとんでもない技術がそこに記録されていた。

「思っていたよりもヤバいのが出てきたな。さてとこれを僕の基地に送信は出来無いのか・・・いや、外部に情報を送れない様に()()()()()()かな?この状態だと。──それじゃあ出てきたらどうだい?」

 そう言いながら振り向き際に懐からDESERT EAGLE(デザート イーグル) .50AEを抜き、構た。

 しかし、声に返答する者は居ないがそれでもAFO(オール・フォー・ワン)は発言を続ける。

「この死者蘇生を見る前に確認した情報だけど此処って対AFO(オール・フォー・ワン)、つまりは僕対策が施されているんだろう?道理でここに入ってから個性が使えない*19と思ったら、なるほどね~。・・・因みに名付けて個性無効化装置は常時発動では無くて()()()()()()()()()()()()()()()()らしいくてね」

 ここでAFO(オール・フォー・ワン)は懐から煙草を取り出しライターで火を付けようとしてライターを探すが、見つからない。

「つまり何者が僕が来る前に潜入し、死者蘇生の情報を外部に流した後にもう外部に情報を送る事が出来無い様に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う事だろうね」

 言葉を一旦区切りながら煙草を不機嫌そうに上下にユラユラ揺らし、不貞腐れながら話しを続ける。

「そう言えば最近おかしな奴が現れたそうで、そのおかしな奴は八卦白法乾手の使い手らしくね。おまけに生身で空を飛び、銃弾を避け、外法裏技にも通じる殺し屋で、更に抹消ヒーローイレイザーヘッドこと相澤消太(あいざわ しょうた)の個性:抹消を食らっているのに()()()()()()()()()()()()()()らしいんだよね──と言う訳で出てきな魔術師と言われた男、白乾児(パイカル)*20さんよ」

 その呼び掛けに答える様に本来風が吹かない密室であるこの部屋に風が吹き、そこから男──白乾児(パイカル)が姿を表した。

「ククク、全部お見通しと言う訳かリキュール、それともAFO(オール・フォー・ワン)と呼ぶべきか?」

「どっちでもいいよ白乾児(パイカル)。久しぶり、いや始めましてと言うべきだね。何せ本物はもう死んでいるし」

「フフフ、ではこの俺は誰だと言うのかね?」

 白乾児(パイカル)は発言とは裏腹に楽しそうに腕を組みながらAFO(オール・フォー・ワン)に続きを促す。

 この問いに答える前にAFO(オール・フォー・ワン)は加えている煙草を上下に揺らし、またライターを探すがどうやら忘れてしまったらしい。

「・・・この個性:並列存在*21は持ち物は反映されない癖に服装は完璧だからそこは不便だ・・・まぁそれ以外はチートだし良いか」

 AFO(オール・フォー・ワン)がライターを探していると徐に白乾児(パイカル)が人差し指を向けた。

「ほれ」 

 すると白乾児(パイカル)AFO(オール・フォー・ワン)に向けた指から炎が噴き出し、煙草に火を付けた。

「あぁ悪いね」

 一言礼言った後に勢い良く息を吸い、吸った煙を勢い良く吐き出し終えてから話を続ける。 

「それは簡単さ。かつてマモーがルパン三世のクローン*22を作ったのと同じく君も白乾児(パイカル)のクローンだと思うよ・・・尤もルパンとは違って本人合意の上でフリーメイソン*23によって作られたと僕は見ているけど、どうだい?」

「ククク、正解だ」

 白乾児(パイカル)は腕を組んだ状態で愉快そうに笑っている。

「因みに超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)*24は持っていないのかい?イレイザーヘッドの個性:抹消が効果が無いと見た警官隊の銃撃からトンズラしたらしいけど、超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)あったら逃げずに済んだと思うだけどなぁ」

 この指摘に白乾児(パイカル)は不愉快そうに眉をひそめて、不機嫌そうに舌打ちをし、AFO(オールフォーワン)を睨めつける。

「全ては貴様のせいだぞAFO(オールフォーワン)

「・・・フリーメイソンに喧嘩を売った覚えも無いし、小競り合いをした覚えも無いよ?」

「そう言う意味では無い、話は最後まで聞け・・・相変わらずだな、お前は」

 ハァーとため息をつく白乾児(パイカル)

「フリーメイソンの協力の下超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)をグレードアップしようとした時に安針塚財閥(あんしんずかざいばつ)がマモーが遺したアーティファクトの研究を終え、それを元にお前が動き出したと情報を得たから・・・つまりは間接的にお前のせいで超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)を作り、更にグレートアップされると言う話も無くなっと言う訳だ」

「・・・この状況じゃ僕にとっては有り難い事だね」

「だろうな」

 真顔でAFO(オールフォーワン)がそう言えば、白乾児(パイカル)は愉快そうに笑う。

「しかし記憶はバックアップでも取ってあったとして、ここに来た理由は何だい?」

 AFO(オールフォーワン)がそう問えば白乾児(パイカル)はつまらなそうに「お前と同じだ」と答える。

「スリーメイソンが何をしていたかが未知数かつ危険だったから、潜入したと言う事だ・・・こんな情報を持って────」

「────そうじゃ無いだろう?」

 白乾児(パイカル)の発言を遮り、AFO(オール・フォー・ワン)が低い声でその発言を否定する。

「本当はもっと早く知っていたけれど、()()()()()()()()()()()と言うことだろう?」

「・・・」

「その沈黙は肯定か?それとも否定か?・・・まぁ、個性:遺伝子操作*25をフリーメイソンが作り出したんだ、新たな個性を作り出す事が出来るなら()()()()()()()()()()()()()()()()()()だろう?──だってこの個性:遺伝子操作は()()()()()()()()()()()()()()()()()し、()()()()()()()()()()()()()()も出来るからね」 

 ───パチパチパチ

「クク、アーハッハハハ!!」

 この緊張感包まれた場に似合わぬ拍手と笑い声が響き渡る。

「ブラボー、ブラボー・・・流石は魔王と言われしAFO(オールフォーワン)。正解だよ、あぁ正解だ。我々フリーメイソンの目的は個性:AFO(オールフォーワン)を手に入れる事だ」

 白乾児(パイカル)の発言に何か反応を示すことなく残り少なくなった煙草を勢いよく吸い込み、煙を吐き出す。

「僕の個性であるAFO(オールフォーワン)を僕の血液を元に複製して手に入れると言ったところかな?・・・確かに並列存在の死殻でも個性因子を取り出す事は可能だし、個性:遺伝子操作なんて言う物を作り出すくらいだ。今更驚かないね」

 AFO(オールフォーワン)は吸い終えた煙草の吸殻を床に捨てて踏み潰し、信念や誇りが籠もった強い眼差しを白乾児(パイカル)に向ける。

「例えスキマ妖怪の、先生の目的が()()()()()()()()──それでも僕の答えは変わらない。僕は最後のその時まで理想の僕(最高の魔王)で居たいんだよ」

「本当に変わらんな、お前は」

 白乾児(パイカル)は笑いながら腕を解き、構える。

「結果は変えられないと言うに・・・理想を追い求めるか」

 白乾児(パイカル)に合わせてAFO(オール・フォー・ワン)も構えて、ふてぶてしく笑う。

「じゃなきゃ魔王になりたいと思はないし、ここまで長生きしないよ」 

 その答えに白乾児(パイカル)は愉快そうに笑った後に懐から百円玉を取り出すと、指で弾いた。

 弾かれた百円玉はクルクル回転しながら上昇し、一定の高さまで上がった後重力に従って落下を始め地面に落下した。

 百円玉が落下して音を立てると同時に二人が動き、両者がぶつかり合った。

 白乾児(パイカル)が放った顔面を狙った右フックをAFO(オール・フォー・ワン)が首を傾ける事で避け、右足を使ったハイキックで白乾児(パイカル)の頭部を狙うも腕で防がれてしまう。

 白乾児(パイカル)が腕でハイキックを防いだ後に人差し指をAFO(オール・フォー・ワン)に向け、指から炎を放つもAFO(オール・フォー・ワン)はそれを読んでいたかの如く後方に大きく飛びながら予め抜いていたDESERT EAGLE(デザート イーグル) .50AEを構え、白乾児(パイカル)に向けて弾丸をDESERT EAGLE(デザート イーグル).50AEから発砲した。

「やはり俺を殺す気の様だな、AFO(オール・フォー・ワン)

 AFO(オール・フォー・ワン)が放った弾丸を横に飛ぶ事で避け、自分も愛銃であるベレッタM1934からAFO(オール・フォー・ワン)目掛けてニ回発砲する。

 一発目はAFO(オール・フォー・ワン)の頭部目掛けて、2発目は胴体に向かって放たれた。

 一発目は躱す首を傾ける事で避けるも頬を掠め、ニ発目は横にずれる事で避ける。

「殺す気なのはお互い様だろう?」

 そう言いながら頬から唇に流れてくる血を舐め取りながら愉快そうに発言する。

「全く本当に変わらんな、お前は・・・ところで今此処に居るお前は個性:並列存在の分離体なのだろう?AFO(オール・フォー・ワン)とは違う存在で居たいとか思わんのか?」

 ベレッタM1934を構えながらまるで世間話をしているかの様に問いかける白乾児(パイカル)

 白乾児(パイカル)の問いに「いや、考えた事は無いね」と答えるAFO(オール・フォー・ワン)

 続けて。

「まぁやろうと思えば成り代わる事も出来るし、分離体を新たな本体にする事も出来るけど・・・正直どうでも良いね」

 AFO(オール・フォー・ワン)の発言に何か思う事でもあったのか、白乾児(パイカル)は一瞬思案した後に口角を吊り上げた。

「ほう、哲学か」

「そうでも無いけど・・・君が白乾児(パイカル)のクローンなのにフリーメイソンに従っているのと同じだと言えば分かりやすいだろう?」

 そう返された白乾児(パイカル)は少し驚いた表情を浮かべた後に、面白そうに笑った。

 ────────────────────────

「して、その後は?」

 ドクターは気になったのかソワソワしながらAFO(オール・フォー・ワン)に先を促す。

「フフ、楽しみは取っておく物さ」

 と不敵に笑うのであった。

*1
 ・・・裏の顔を考えると数々の慈善事業についても、善意ではなく様々な場所から、自らの役に立つ個性の情報収集や実験材料を集めるための行動だと思われる。

*2
 AFO(オール・フォー・ワン)の個性の力である個性を奪い、与えるとDNAの混成や薬物などによる改造で無理矢理複数の個性を与え、人工的に作り出した「改造人間」。   

 本来、馴染み浸透する個性でもない限り一人の人間が複数の個性を宿すことは不可能に近いが、AFO(オール・フォー・ワン)の個性と人体改造によってそれを無理矢理可能としている。しかし、ごく一部の例を除いて生きた人間ではその負荷に耐えられず物言わぬ人形のようになってしまう為、一定の行動(誰かの命令に従う、尋問された際は気絶するなど)をプログラミングした人間の遺体を使うという悍ましい方法でこれを解決した。

*3
 尚赤アンブレラとは違い刑務所内の終身刑や死刑の判決が出た極悪人達を秘密裏に攫って山奥の地下や海底に作った秘密研究所等何があってもバイオテロ状態にはならない様にしており、更に1分以内に爆発する自爆装置まで付けていると言う徹底ぶりであるのだが・・・徹底している分ヤバイ事を平気でするのがAFO(オール・フォー・ワン)クオリティー。その危険度は殻木球大(がらき きゅうだい)が必死に止めて再考を全力で促した程。

*4
 その理由は世界に個性が発現する前は悪党同士での勢力争いや競争が激しすぎて情報を漏らしてしまったら直ぐに付け込まれて消されるか死ぬより酷い目にあわされてしまう為。

*5
 あらゆる分野に秀でた天才科学者で、その中でも脳科学のエキスパートであったが、研究内容の秘密を記した解読不能の奇書「イタリアの夢」を遺したまま謎の自殺を遂げる。

*6
 遠い昔から人々に脈々と受け継がれて来た偉大なる記憶─「偉大な偉人達」の人格は時に人々の潜在意識に夢として現れる事がある。

 この「イタリアの夢」はその偉大なる記憶─「偉大な偉人達」の人格データを人々の潜在意識に干渉し、それを意図して出現させてしまうと言う高等技術である。

 実はイギリス諜報機関MI6は浦賀航(うらが こう)の研究内容を模倣し「世界最高のエージェント育成プログラム」を進めており、それを完遂する障害となる浦賀航(うらが こう)を自殺に見せかけて暗殺してしまったのが事の真相である(これを知っているのはイタリアの夢の中で浦賀航(うらが こう)と遭遇したルパン三世と浦賀航(うらが こう)の後ろ盾兼友人として協力していたAFO(オール・フォー・ワン)のみ)。

*7
 「世界最高のエージェント育成プログラム」を実行する為にMI6に協力しているマッドサイエンティスト達が過去に存在していた「偉大な偉人達」の人格を抽出し、それを脳に植え付けたクローン人間の名前である。

*8
 ルパン三世TVスペシャル バイバイ・リバティー・危機一発!に登場する世界的な秘密結社で、本作における敵組織。

 ニューヨークの巨大ビルを本拠地とし、表向きは大企業としている。組織内部はオカルトめいており、構成員たちはフード付きのローブと仮面をつけている。

*9
 ルパン三世初の映画であるルパンVS複製人間(クローン)での敵であり、クローンとは言え唯一ルパン三世を死に至らしめた強敵。

 表向きは世界一の謎の大富豪「ハワード・ロックウッド」として、鉄鉱、造船、運輸、報道の多国籍企業によって世界の富の3分の1を支配していた・・・その実態はクローン技術によって不老不死を実現し、己自身を生み出して育むことで1万年を生き抜き、歴史を影から動かしてきたと自称する天才科学者。

 容姿は子供のような低い頭身、薄灰色の肌、カールを巻いた頭髪と人間離れした不気味な姿が特徴。

 念動力等特殊な力を使用することが可能で、拳銃も使用出来る。

 性格は極めて傲慢かつ独善的で、自身を「預言者」「神」と言って憚らず、例え相手が大国の大統領であろうと尊大に振る舞い、加えて優れたものや美しいものなど自分が選んだ者のみ生きていれば良いという強い選民思想の持ち主。

*10
 ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!での出来事。

*11
 今作でのAFO(オール・フォー・ワン)の生まれ年は1960年。

*12
 死の翼アルバトロスに登場する敵。航空博物館「ロンバッハ航空ミュージアム」の所有者。

 裏の顔は死の商人で、超小型の原子力爆弾を開発し、機内に原爆プラントを備える超大型飛行艇アルバトロス号に載せて闇ルートで世界中に販売しようとするが、その原爆の発火プラグを不二子(ふじこ)が盗み出したのがきっかけでルパン達と対決する事になる。

*13
 セラエノ・コレクションクトゥルフ神話TRPGリプレイ及びその続編に登場する日本最後の財閥。

*14
  バイバイ・リバティー・危機一発!に登場する秘密結社スリーメイソンの総帥。

 バイバイ・リバティー・危機一発!ではNo.3に射殺されているが、今作では射殺されたのは彼の影武者で本人は存命だったと言う設定。

*15
 安針塚財閥(あんしんずかざいばつ)が運営しているアーティファクト収集機関であり第二次世界大戦前から存在している事が確認されている。 

 このセラエノ・コレクションの設立を安針塚財閥(あんしんずかざいばつ)に進言し、今現在『セラエノ・コレクション』の最高責任者を努めているのはラバン・シュリュズベリィ博士で彼の死が確認されるまで彼が最高指導者を続投するのが安針塚財閥(あんしんずかざいばつ)の意向である。

*16
 人類の常識からかけ離れた物品全てを指す用語で、明らかに科学技術で作られたと分かる物でも現代科学で解明できない物全てアーティファクトに分類される。

*17
 尚AFO(オール・フォー・ワン)が所有するDESERT EAGLE(デザート イーグル) .50AEは自ら手を加えた特別製で200年以上使っているのにも関わらずまだまだ現役である。

*18
 別名サーヴァント。

 人類史に英雄として記録された人物または存在が死後に魔術師が聖杯の莫大な魔力によって使い魔として現世に召喚した存在。

 本体は英霊の座にありそれ自体を呼び出す事は出来ない為、クラスと言う容れ物に英霊の座に存在する情報の一側面を切り取ったコピーがサーヴァント。

 尚境界記録帯(ゴーストライナー)と呼称する理由は魔術師が自分の手で作った使い魔ではなく、人類史そのものから呼び出す使い魔の為『かつて記録された現象を呼び出す』と言う意味。

*19
 基地に潜入した段階で個性が使えなくなっていた。

*20
  魔術師と言われれた男に登場する敵で、愛用拳銃はベレッタM1934、愛車はメッサーシュミットKR200。

 暗黒街の魔術師として恐れられている男。実在する酒と同じ名前である事からルパン三世に「酔っぱらっちまいそうな名前」と言われる。

 容貌は前髪が顔の右半分を隠すほどに伸びている。服装は白いスーツとモスグリーンのシャツ、紫のネクタイを着こなす。

 超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)の製法を記してあるマイクロフィルムを奪った峰不二子(みね ふじこ)を襲撃し、マイクロフィルムがルパン三世の手に渡った為、標的をルパン三世に変更し決闘を繰り広げ一度はルパン三世と次元大介(じげん だいすけ)を追い詰めた。

 しかしフィルムに記された超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)の製法を解読されてルパン三世と次元大介(じげん だいすけ)超硬質液体(ちょうこうしつえきたい)を使用して不死身の体を得てしまい追い詰められる。

 最後には液体の効き目が切れて火炎放射器で焼かれ、自らのアジト付近にあるエンマの滝の滝壺に転落して死亡したと思われたが・・・

*21
 今此処に居るAFO(オール・フォー・ワン)がこれに当たる。

 個性:並列存在(この力)の効果は完全に自分の意識を分割させた存在を創り出すと言うもので、 強さも本体と同じ強さである。

*22
 ルパンVS複製人間(クローン)でマモーがルパン三世のクローンを作り、それが処刑されると言う出来事が起こった事がある。その複製人間(クローン)の精度は厳密かつ厳正な解剖の結果の末にルパン三世本人であると断定される程である。

*23
 今作では過去フリーメイソン幹部を助けた縁でエンマの滝の滝壺に転落した時にフリーメイソンに救われ、以後フリーメイソン直属の用心棒になったと言う設定。

*24
 白乾児(パイカル)が製造した薬品。

 特殊な皮を作る薬品でその効果は弾丸はおろか、大砲の弾をも跳ね返す程の硬度を得る事が出来る。

 この薬を物の表面に塗ることで高度な耐熱・防弾効果を得る。ただし薬の効力期間は極めて短い。

*25
 遺伝子操作に長けた特殊能力を持つ個性で有機物や無機物等多くの遺伝子を組み換え別の物体に変化させる以外にも、有機物を遺伝子組み換えをして姿形を自由自在に変化させる以外にも、個性因子同士を混ぜ合わせて、全く新しい個性に組み替える事が出来るが・・・




 どうでしたか?
 お楽しみ頂けたのなら幸いです。
 次回またお会いしましょう。
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