ではお楽しみ下さい。
私はメトロン星人。
と言っても、我が故郷にもう久しく行っていない。
私は宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人だ。自分で言うのも何だが狡猾な戦略で人間同士の信頼関係を壊し、地球を手に入れんとした。
当時は地球上では北川町のとある安アパートを拠点として黒スーツの人間男性に変身して駅前の自動販売機に後述のたばこを補充するなど、暗躍していた。
具体的には北川町の駅前に吸った人間を凶暴化(周囲が全て敵に見え、見境なしに襲い掛かる殺人鬼と化す)させる宇宙芥子の実を混入したタバコの入った自販機を置き、地球人類を自滅させようと目論んだ。ただしこれについては同胞は「実験」と述べており、地球人に効果があるか調べるためにやった事だとしたが・・・・私は本当に地球を欲していた。
それは何故か?
・・・・美しいと感じたからだ、青きこの地球が。だがらこそ私はこの星を侵略せんと暗躍し人間に企みがバレ、ウルトラセブンに真っ二つに切り裂かれ敗北。
正直死んだと思った。
我々宇宙人はなかなか死なないが、真っ二つにされてしまってはもう生き残る可能性は無いに等しい。
だが優しい地球人の少年に助けられ、一刀両断された部分は着ぐるみの修繕の要領で治療されて一命を取りとめて瀕死の重症から復活した私は、普段は円谷プロの怪獣倉庫(着ぐるみ倉庫)に潜伏している。そこで私は人間として五十年過ごした。
その内私はとある事に気付た。どうやら私は別の宇宙にやって来た様だった。
聞いた事もない防衛軍、聞いたこともない地名、旅した時にあった聞いた事もない地底人達(この不思議な人物達とは友好的な関係を築けた)。
・・・その事についてあまり気にしなかった。
可笑しいだと?いや、そうでも無かろうよ。
非常識とは我々の考えの及ばない事を非常識だと言うのだから、非常識に限りなど無いのだ・・・まぁ何にでも限度はあって欲しいと思うがね。
とにかく私は五十年前にまた暗躍し、案の定またウルトラセブン・・・ではなく人間達に邪魔された。
邪魔したのは日本に昔から存在していたヤクザ共に邪魔されたのだ。
彼等は言ったよ、
《何故こんな事をするのか?》
とね。
そこで私はこう答えた、
『私は何故ここに来たのか分からない。しかし、私はこの美しい星が欲しいと感じたのだ。青いこの星が』
《では何故人間に危害を加える?》
『この星の霊長類は君達人間だろう?・・・なんだ? あぁ、霊長類と言う言葉が分からないのか。霊長類とはその星の生命体の頂点に立っている生物の事だ。ならば、先ず初めに人間を支配しなくてはな』
《お前は人間を美しいと言うのか?》
『?全体はどうか知らないが、悪い者は悪い、良い者は良い。善が悪をなす事もあれば、悪が善をなす事もある。そう言う者だと考えているが、どうだ?』
《人間をどう思っている?》
『?』
《・・・分からないか、なら人間としてこの星で生きてみてはどうだ?この星を綺麗だと、美しいだと考えているのならばコレで答えを得られると思うぞ》
『・・・何を言いたいのか分からないが、まぁそう言うのも悪くない。私はどうせ故郷への帰り方が分からないからな』
・・・今、思えばコレは間違った答えだと感じている。
人間が嫌いになったと言う事では無い。
むしろ好きになった。私を新たなる従業員として受け入れてくれた喫茶店の年老いた店主、気の良い常連客、ご近所さんとして野菜をくれた実家に農家を構えている両親を持っている男、いつも通学路を通る時に挨拶をしてくれる小学生達・・・・・本当に良かったよ、ここの生活は。本当に良かった。
しかし光もあれば闇もあるのが世の中で、ある日喫茶店の店主が倒れ長期入院する羽目になった。それは問題ないのだ命に別状は無かったからだ。
しかし、予断を許さない状況なのは間違いない。
・・・・だが、事態はここから最悪な事が起こった。
それは喫茶店の土地が大家の手によって売りに出され取り壊される事となった。
何でも年寄りより若い者達の方が金払いが良くて都合が良いだとか。
そして老人の答えを待つこと無くそこは取り壊され、その最期までまた喫茶店で仕事をする時に出す、今思い付いた珈琲のレシピについて話していた。
それを笑った看護師や医者なんかを見たな。何でもボケた愚かな年寄りだとか。
私はこの老人をバカにした存在を皆殺しにしようとしたよ。
いざ行動に移そうとすると、
『ダメよ、メタセトちゃん。うんん、宇宙人さん』
コレには驚かされた・・・・・何て思わなかった。長い付き合いだったし、彼女は言葉にしなくてもある程度人の考えている事が分かる不思議な人物だったからと言うのもある。
『・・・分かっていたのか、ならば何が悪い?いつも君達人間がやっている事だろう?同族を殺すと言う行為でな。ならば、宇宙人である私がやっても問題はない』
『・・・・・違うわよ、貴方は優しい子だものそんな事して欲しくないわよ』
『宇宙人に優しいなどと・・・・・』
内心呆れ果てたよ、この人に対してね。
・・・・・だとしても、何故か悪きはしなかった。
だからこそ、
『私の姿を使ってくれないかな?人間として過ごしているときだけで良いからね。だめ?』
コレは許せなかった。コレだけはなんとしても許せかった。
『そんなの出来る訳無いだろうが!!!考えてみろ、私が悪事を働いて万が一君の姿を使っていたら君がやった事になり君が化物呼ばわりされてしまう!!それに、問題なく完璧に君の姿形になるには、貴方の身遺伝子を取り込み私を改造する必要がある!その為には君の身体の一部、具体的には片腕を貰わなければならない!そんなの君を冒涜する事になる!』
『だから?』
『だから、簡単な話では・・・』
『私は良いよ?貴方の事を愛しているもの、優しい愛しい宇宙人のメタセトちゃん。どうせ、私は身寄りの無い孤独な老人よ、なのに貴方は私と一緒に過ごしてくれた。・・・だから、その為の恩返しがしたいのよ。それに、冒涜何て大袈裟な・・ゴホ、ゴホ・・・・・・貴方は・・・私の我が儘を聞く為に私の身体の一部が必要なのでしょう?なら、問題ないは無いわ、それにお願いよ、私を忘れないでね・・・・・』
この言葉を最後に彼女は死んだ、死んでしまった。
恐らく、問題ない無い様に見えたのは彼女のやせ我慢だったのだろう・・・・・彼女の遺体には自らが付けたであろう引っ掻き傷が沢山あったからそれは裏付けられている。
私は彼女の遺体から片腕を奪った後に火葬し、私が作った墓に埋めた。
・・・・・そして彼女の遺伝子を取り込み、私の身体を改造した。
その時彼女の記憶を血液を媒介として見た物は・・・決して誉められる人生では無かった、ただただ人に恵まれなかっただけの不幸な人生だった。
だからこそ、私が彼女にとって、どれだけ大きい存在だったのか知った。それは嬉しい事だった・・・最後の記憶は私に本当に愛していると言うメッセージだった。あの人らしい事だと思ったよ。
それからは私は“人間”としての姿と、メトロン星人とし活動する人間の二つの姿を持つようになった。
“人間”としての私は
・・・・・・・何故か物凄く若返っていたが、私はこの美貌が好きだ、大好きだ。何故なら彼女が内面だけでなく、外見も美しいと言う証明だからだ。そして、私は彼女の様に優しくないから、風俗の申し出は相手を叩きのめす事で許してやった(勿論殺さずに警察に叩き出した。彼女の姿形で人殺しなどあまりしたくないからな)。
旅をしていた時に私の故郷足る宇宙*1では聞いた事もない地底人達、地底文明デロス人達と出会った。
その時に宇宙の壁を越える技術について教えて貰った。
なんで、と思ったがキリエル人と名乗る人物から物々交換で貰った技術だと言う・・・・・深く考えない様にしよう。
そして私は二つの姿を使って五十年過ごし、宇宙船を新たに作りながら、ウルトラマンマックスがやって来た時を潮時にして、同胞の迎えを偽造しながら私は元の宇宙に帰った筈だったのだが・・・・
「やぁ、はじめまして。僕の名字は
何だコイツ?
はい、また移行させて頂きました。
ご覧頂きありがとうございます。