リライブダンガンロンパ 絶望の南国修学旅行   作:ユキミス

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学級裁判 後編

羽川「ふふふ、あはははははははっ!!」

 

 

柏「羽……川……さん?」

 

 前に一華が豹変した時とは違う、作ったような笑い声。

 

 

 

羽川「大正解だよ。あたしが黒幕だよ!」

 

柏「そんな……」

 

霊山「羽川さん……」

 

曲原「羽川の線が1番怪しかったが、いまいち貫禄がないな。本当の意味で黒幕か?」

 

神道「違うわ。このゲーム、『ダンガンロンパ』は毎回、事件の犯人も被害者も黒幕も違う。特に黒幕はゲームシステムが勝手に決めた黒幕ってだけ。人狼で言う、人狼の役を彼女は当てられたのよ」

 

羽川「もー重要なことまで言わないでよ」

 

柏「羽川……さん?」

 

羽川「あたしプレイヤーキャラだし?オリジナルの羽川渚じゃないしーって。もう良いか、うぷぷぷぷ」

 

曲原「どう言うことだ?」

 

羽川「この世界はゲームって知ってるでしょ?つまりこのゲームをプレイしてる人がいるの、今回はあたしが黒幕として選んだ奴がいるの!」

 

囲井「は?じゃあ私は……」

 

羽川「ああ、心配しないで『今回は』は違うから」

 

柏「今回って……」

 

安藤「しかし君たちは私たちがハッキングした!もうこんなゲームはやらせない」

 

羽川「でもさー、外ではこのコロシアイを望んでいる人がいる。それは知ってるでしょ?」

 

安藤「……」

 

 コロシアイを望んでいる人?どういうことだ。

 

羽川「コロシアイはもう一大イベント!みんなこのゲームをしたがっているし、見たがってる!」

 

囲井「どういうこと!?」

 

羽川「このゲームはネットで観戦出来ちゃうの!ファンもたくさんいるし」

 

柏「そんなはずない!こんなこと、家族や国だって……」

 

羽川「だってこれは『ゲーム』だもん。やり直せばまた復活するゲームだもん。ね、神道ちゃん?」

 

神道「くっ……」

 

羽川「またやり直せばみんなまた全員で生き残れるかもしれない」

 

柏「え?どういうこと?」

 

神道「私はずっと、ずっとみんなを生き残らせるために繰り返してきた。でもその度に殺人が起きた。あなたみたいなイレギュラーを持ってしても」

 

柏「僕が……イレギュラー……?」

 

安藤「超高校級のメンバーの中に君だけの資料が無かった。君こそが最も黒幕に近しいとは考えでいたこともあった。君は、一体……?」

 

羽川「あー、それねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「バグだよ」

 

 

 

 

 

柏「は?」

 

曲原「バグ?」

 

 

羽川「安藤ちゃんや神道ちゃんは知ってると思うけど、この世に柏祐一なんて存在しないんだよ?文字通り瑕疵……虫だよ、バグなんだよ!言うなれば、『超高校級のバグ』って奴!きゃははははは!おもしろーーーい!」

 

柏「え?そんなわけない!僕は存在してるよ!」

 

羽川「繰り返しゲームするから不具合が出るよね、おかげで霊山拓也ちゃんの席か無くなっちゃって、仕方ないから拓也ちゃんは死んだってことにして席を確保したんだから感謝してよね!」

 

拓也「はぁ!?」

 

羽川「おかげで兄の超高校級の霊媒師って才能が活かせてるし」

 

霊山「え?じゃあ拓也は……」

 

羽川「生きてまーす!」

 

拓也「はぁ!?な、なんだよ、それ」

 

曲原「なんなんだ、これは……」

 

柏「僕が……存在しない?」

 

 

 そんな、そんなそんなそんな。僕はここから出られるってそのために頑張ってきた。死んだみんなの分も生きるためにずっと。

 

 

羽川「確かにあたしが黒幕ってバレたら処刑されるって言っけど、もう一回やり直した方が良いよ?どーせ出ても世間から人殺し扱いだし、何よりみーんなコロシアイを楽しみにてるから、外に出たら叩かれるって」

 

囲井「そんな、じゃあ一華を殺した私は……」

 

曲原「惑わされるな!黒幕の罠だ!」

 

安藤「私の開発者は私に協力してくれたんだ、諦めるな」

 

羽川「でもやり直した方が良いって全員で脱出を目指そう?」

 

 

柏「僕は、僕はどうなるの?」

 

羽川「さぁね、バグがどうなるからは……」

 

神道「また、また繰り返さないといけない、また」

 

柏「……」

 

 また、繰り返し?またコロシアイ?

 

柏「……」

 

 神道さんはずっと繰り返して来た?僕はバグ?

 

安藤「そんなこと言ってまたコロシアイを繰り返させるだけだ!」

 

霊山「でも、……みんなで脱出できるかもしれないんでしょ?なら」

 

神道「そう、私は何度も繰り返してその可能性に賭けて来たわ」

 

 ……何度も。

 

曲原「それで同じことになったんだろ!?もうやめろ!」

 

拓也「よくわかんねぇ脱出するメリットと繰り返すメリットが」

 

羽川「だから脱出のメリットなんかないよ」

 

囲井「兄さんがまだ兄さんや囲碁協会の人が……」

 

羽川「あー、君たちさぁ、今、何年経ってると思う?」

 

柏「何年って……1ヶ月にすらならないんじゃないの?」

 

羽川「バカだねぇ、そもそもこんなゲームシステムが開発されてるの、あの時代からだとおかしいと思わないの?」

 

安藤「……っ」

 

羽川「10年!10年経ってるんだよ」

 

霊山「10年!?そ、そんなはずは……」

 

安藤「……いや、確かに10年は経過している」

 

曲原「何?」

 

安藤「私がネットに繋いできたのも驚いていたし、家族も我々が死んだものだと思っているという可能性が妥当だ」

 

囲井「そんな……」

 

曲原「だとしてもここから出ない理由にはならないだろ?」

 

囲井「……」

 

霊山「……でも10年なんて……僕らはどうしたら良いんだ」

 

拓也「スケボー大会や学校どころじゃねぇ…10年なんて……」

 

神道「やり直しましょう、もう一度」

 

 

 

 

 

 

柏「いや、ダメだよ」

 

 

神道「柏……祐一?何を考えているの?」

 

柏「やり直してもまた同じことを繰り返すだけ、君はずっとそうだったんでしょ?」

 

神道「そもそも私は『段々と記憶を取り戻して行く』だからいつかは早めに記憶を取り戻して……」

 

柏「それをずっと繰り返したんじゃないの?」

 

神道「え?」

 

曲原「お前はそうやってみんなを救うつもりだろうが、それはみんなを殺し続けるってことだ」

 

神道「そんなつもりは!」

 

柏「神道さん、イレギュラーの僕に期待してたって言ったよね?なら、終わりにしよう、断ち切るんだ、このコロシアイを。このコロシアイの連鎖を」

 

神道「待って!他のみんなを見殺しにするの!?」

 

柏「このゲームを続けること自体が、外の世界にコロシアイという『希望』を与えてしまうんじゃないか?」

 

神道「何?繰り返すのをやめろって?」

 

柏「……そうだよ」

 

囲井「でも、このままだと、私たちは……」

 

霊山「10年ってことは26歳?……僕はまだ、何も学んでないし、霊山家の後継のことだって……」

 

羽川「あらあら?意見対立しちゃったね!」

 

 

 

 

 

意見対立

 

 

繰り返すべきか?

 

 

 

繰り返す

羽川、神道、囲井、霊山

 

 

繰り返さない

柏、曲原、安藤

 

 

 

議論スクラム 開始

 

 

 

『生き残る』

『絶望』

『生きて』

『帰れる』

『10年』

 

 

羽川「繰り返せば、全員生きて帰れるかもよ」

 

柏「繰り返してもまたコロシアイが起きるだけだ!全員生きて『帰れる』保証はない!」

 

神道「繰り返せばはきっと全員生き残る方法がある!」

 

曲原「どうせ黒幕がまたコロシアイを強制してくる。その前に『生き残る』のは不可能だ」

 

霊山「10年経ってる世界でやっていける自信ないよ」

 

安藤「『10年』経ってるからなんなんだ?我々は生きているんだ、生きていこうじゃないか!」

 

囲井「そもそも生きて脱出できるの?」

 

柏「それなら繰り返してもみんな『生きて』るとは限らないよ」

 

羽川「諦めなよ、絶望しちゃないなよ!」

 

柏「諦めたりしない!『絶望』なんかするもんか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺たちの答えだ」安藤「これが私たちの答えだ!」

 

 

 

 

 

 

柏「みんな!こんなコロシアイを続けちゃいけない!この負の連鎖を『断ち切る』んだ!」

 

神道「……」

 

柏「神道さん!」

 

神道「ふふふ、あははははははは」

 

柏「神道さん?」

 

神道「そうね、それがあなたが生まれた理由ね。この全てのコロシアイを終わらせる、この悪夢の連鎖を断ち切る…ふふふ。分かったわ、繰り返さない」

 

柏「良かった。霊山クン!囲井さん!」

 

霊山「えっ……あ……」

 

囲井「……」

 

曲原「このまま繰り返してもコロシアイが継続するだけ。それは黒幕の思う壺。いやじゃないのか?黒幕の思う壺になるのが」

 

霊山「だって、そんな……」

 

柏「みんな、頑張ろうよ、外に出ても」

 

 

 

 

羽川「あー、でもさ君、消えるかもね」

 

柏「え?」

 

羽川「言ったでしょ、君はバグ。君はゲームの世界にしかいられない。そんな君がこのコロシアイを終わらせたら、消えちゃうよ」

 

柏「良いよ、それでも」

 

羽川「……なんで絶望しないの?消えるんだよ」

 

柏「絶望しないよ、みんなに希望を託すから」

 

羽川「はーあ、あたしには黒幕向いてないや。運営さーーーん!あたしってやっぱ黒幕向いてませんでしたーーー!」

 

曲原「囲井!霊山!こんな奴の言いなりで良いのか!?」

 

拓也「よくねーよ!」

 

囲井「…確かに癪に触るし……」

 

霊山「……みんな……なら僕も」

 

羽川「はぁ、ま、そうなるか。じゃあいつも通り投票ターイム!」

 

羽川「その結果は正解か不正解かー……ドキがムネムネしないね」

 

 

 

 

 

 

 

羽川 7人

 

 

 

 

 『正解』と表示された。

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「まあ、時間も押してるし、おしおきターイム!」

 

柏「待って!羽川さん!僕は別に君に死んで欲しいわけじゃない!」

 

羽川「やめてやめて!それくらいやらせてよ!黒幕のとしての矜持だよ」

 

神道「他の時間軸の羽川渚は黒幕ではなかった。あなたは羽川渚じゃない!羽川渚の運命をあなたに決めてもらったら困るわ」

 

羽川「でもあたしが死なない限り、脱出は出来ないよ」

 

柏「そんな……」

 

曲原「良い。お前も処刑だ」

 

柏「曲原クン!」

 

羽川「うふ、ありがとう。では張り切って行きましょう!おしおきターイム!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ハネカワさんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

 

 

 シャトル飛んだ 超高校級のバドミントン選手羽川渚処刑執行

 

 巨大なモノクマが巨大なラケットで羽川をまるでシャトルのように打つ。羽川の身体はもう1人のモノクマにまで届き、さらに打ち返した。

 それを何度も続け、屋根まで飛んだ。屋根まで飛んで壊れて消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「終わったんだ……」

 

 投票するボタンは脱出ボタンに変わっていた。

 

柏「終わらせよう」

 

神道「柏、祐一……!」

 

曲原「お前は消えるかもしれないんだぞ?良いのか?」

 

柏「良いんだよ、それでも」

 

霊山「柏クン……」

 

囲井「でも脱出した後は?このコロシアイはネットで配信されてるんでしょ?」

 

安藤「その保護は私たちの団体がしよう」

 

柏「だから心配しないで」

 

神道「あなたは!あなたは!消えるのよ!それで良いの?怖くないの!?」

 

柏「僕、とにかく自分が何者かが知りたかったんだ。もし、僕に何もなかったらって不安にも思うことがあった。だから僕にこんなことが出来るのは嬉しいんだ」

 

神道「柏祐一!みんなも止めて!彼がいなかったら学級裁判を乗り越えられなかったんだよ!?」

 

曲原「柏……、良いのか、俺たちは脱出してお前は消えるんだ」

 

柏「うん」

 

霊山「消えるってことは……君と話すことはおろか、霊気すら感じられなくなる。そんなの……」

 

柏「うん、でも大丈夫だよ」

 

囲井「…柏…」

 

安藤「君の覚悟はわかった。脱出しよう」

 

神道「安藤!」

 

安藤「それがこのコロシアイで死んだ者たちの鎮魂歌だ」

 

柏「さ、早く!」

 

神道「……っ…!」

 

柏「お願い、神道さん!」

 

神道「……」

 

柏「負けちゃいけないんだ!このコロシアイなんかに!」

 

神道「……」

 

 

 

神道「分かったわ」

 

柏「ありがとう、神道さん」

 

 

 

 

 僕らは押した。脱出のボタンを。

 

 

 

 

 

 

 

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