2日目
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!こーやって食べて寝るだけの牛にならないように毎日放送しますからねーーー!!」
あれは全て夢。そんな淡い期待を打ち砕くような絶望的な放送と共に目が覚めた。
柏「……」
ピンポーンとインターホンが鳴る。
踊場「柏クン」
柏「踊場さん?」
踊場「レストランに来てくれない?全員集合よ」
柏「わかった」
僕がレストランを訪れた時、既に騒がしかった。
飛龍院「こんなものをわたくしに食べろって言うの!?」
羽川「え、でも栄養バランスを考えた食事だよ?だよ?」
飛龍院「こんな貧乏臭い食べ物!」
目の前の料理を飛龍院さんは薙ぎ払ってしまった。
羽川「あ……」
安藤「何ということを!せっかく羽川さんが作っていただいたのに!」
佐藤「お前ぇ!!」
歌浦「酷いよ」
飛龍院「早くまともなものを持って来て!」
闘山「ふざけるな!!羽川はお前の召使いじゃない!!」
踊場「何!?何?なんなの!?」
囲井「飛龍院がわがまましてるの」
一華「困りましたわねぇ」
釣谷「あのザマじゃあ協力もクソもないね」
演川「こうなるんじゃないかと思ったわ」
別技「あぁ怖い。やっぱり人間は怖い怖い」
霊山「ど、どうしよう」
神道「……」
これだけいたら合わない人も出てくるよね。でも2日目にしてこれか。
闘山「羽川に謝れ!!」
飛龍院「嫌よ。なんでわたくしが謝らなければいけないの?」
佐藤「ふざけるな!!」
羽川「みんな良いって!あたしがちゃんとしたものを作れなかったのが悪いんだよぉ」
踊場「もう、喧嘩しちゃダメだよ。みんな魅才学園の生徒、仲間なんだよ?」
曲原「仲間?仲間なんて信頼できるのか?」
歌浦「曲原クン……!」
曲原「今の俺たちは知らない人間同士。それを簡単に仲間なんてよく言えるな」
佐藤「なんだよ!」
曲原「すぐに信じる方が薄っぺらいんだ」
佐藤「何が薄っぺらいだ!!こんな時だからこそ……っ!!」
演川「帰る」
歌浦「演川さん?」
演川「有力な情報がないなら関係ないわ。帰る」
柏「演川さん、どうして……」
演川「私は女優なの!仲良しこよしなんて演技で十分よ!」
囲井「私も帰る」
飛龍院「わたくしはお家に帰りたいのっ!!」
別技「僕も帰るよ。怖いし」
釣谷「どうしよ、僕も帰ろうかな」
柏「みんな!」
どうしよう、バラバラだ。
結局、残ったのは僕、佐藤クン、安藤クン、霊山クン、闘山クン、歌浦さん、羽川さん、踊場さん、一華さん、神道さんだけだった。
佐藤「みんなどうして……なんで協力しないんだ!」
一華「でもこれで静かになりましたね」
安藤「しかし、このままではあまり良くないな。こうバラバラだと誰かが殺人計画をしてもおかしくはない」
佐藤「冗談でもそんなこと言うな!!」
安藤「あくまで可能性の話だよ。ないとは言いきれない」
結局、それか。
闘山「難しいこと考えても仕方ない!苦しい時は身体を動かせ!!」
羽川「さすが闘山ちゃん!わかってるぅ!」
踊場「そうね、ここにいてもしょうがないし、みんなで探索してみよう。そうすれば脱出の方法だって……」
モノクマ「そんなんあるわけないじゃん!」
またどこからともなくモノクマが現れた。
佐藤「またお前!」
モノクマ「そんなこと考えないで、殺した方が賢いよ」
佐藤「黙れ!!」
モノクマ「ま、いーけどね。ずっとここで疑心暗鬼になりながら一生を過ごすならさ!」
そう言ってまたモノクマは消えた。
安藤「しかしモノクマはどういう原理で動いてるんだ」
霊山「監視カメラもあるし、モノクマはずっと見張ってるのかな」
佐藤「見張ってるから万が一脱出の方法を見つけても無駄って言いたいのか」
柏「じゃあ僕らはどうしたら……」
踊場「平気よ。警察が助けてくれるし、親やメディアだって大騒ぎよ。ココネちゃんや演川さんみたいな有名人がずっと行方不明から世間が黙ってないはずだもの」
歌浦「そうだよね!」
踊場「本当の修学旅行だと思って南国を楽しみましょ!」
こうして僕らは残ったメンバーと共に南国生活を楽しむことになった。
闘山「うおおお!!」
闘山クンの拳がココナッツを真っ二つにした。
羽川「さっすが闘山ちゃん!」
柏「ココナッツミルク、おいしい」
佐藤「みんなー!チョコクッキー作ったぞ!」
歌浦「やったぁ!」
踊場「中のチョコがトロトロで最高っ!」
霊山「すごい!美味しいさすが超高校級のショコラティエだね!」
一華「これを食べないなんて飛龍院さんたちはもったいないことしましたね」
柏「……こんな、美味しいもの……初めてだ」
記憶がないということを差し引いても美味すぎる。
こうして2日目が終わった。
モノクマ「このままにはしないよ。だって視聴者がいるんだからね」