デジタルモンスターウォリアーズ   作:マガガマオウ

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序章2 赤き幼獣

フリーガーデンは大きく三つのブロックに別れている、多種多様なデジモンが共存する最大面積のセントラルエリア、セントラルエリアは南北で其々大山脈が連なり上陸が出来ずと東西にも大河川が横切る為フリーエデンに上陸するには、対岸から船で渡るか山脈を歩くか飛んでいくしかない、そしてその対岸には二つの守備隊が存在する。

二つの守備隊、一つは東を守るキャバルリーガーディアンでありもう一つは西を守るのは屈強且つ頑健な武士たち刀鬼隊だった。

 

「「「よぉ!はぁ!」」」

 

寺社の敷地の中の一画の修練場にムシャモン達の鍛錬に励む声が聞こえる。

 

「今日も皆はよく励んでいるなザンバモン。」

「うむ、覇気の籠った良い声だなムソウレオモン。」

 

刀鬼隊の二大巨頭、剣鬼ザンバモンと武王ムソウレオモン成長期より切磋琢磨し二体が肩を並べ鍛錬に励む大志達の様子を満足そう人に眺める。

 

「行くぞベニガブモン!」

「おう来いコテモン!」

 

そんな一団から少し離れた場所で、二体の成長期デジモンが此方も仲良さそうに鍛錬をしていた、一方は胴着一式を着けた様な見た目のコテモン、もう一方は通常個体より大柄で背丈ならギルモンにも届く高さを持つ紅色の毛皮を被ったガブモン種のベニガブモン、二体は所謂幼馴染の関係であり常に競い合う良き好敵手であった。

 

「あの二人はいつも仲がいいな、まるで昔の私達の様だ。」

「うん、あの頃は何かと張り合っては競り合ったな……今じゃお互い局長と副長だ、あの頃の様には出来ん。」

 

何処か懐かし気に微笑ましく幼い二人のじゃれ合いを温かく見守っていた時、複数の成長期デジモンが二人を取り囲んだ。

 

「ベニガブモンこれは。」

「あぁ、アイツだなコテモン。」

「ははは!恐れていったかコテモンベニガブモン!」

 

自分達を遠巻きに囲うデジモン達を見て何かを悟った二人、その予想が肯定であるかの様に威勢だけは立派な間抜け声が響く。

 

「またお前かゴブリモン、一人で勝てないからって仲間を連れて来るとはな。」

「何度、何人で来ても結果は同じだぞ。」

「うるせー!今日こそはお前等を倒して俺様が最強だと証明してやる!やっちまえ!」

「「「おう!」」」

 

緑の肌にモヒカンが特徴の小鬼型デジモンゴブリモン、彼は二人に何度も挑み返り討ちあっては攻め手を変えてはまた挑む事を繰り返していた、祖いて今回は仲間を引き連れ挑む様だ。

それでも、数に囲まれて二人にはどうと言う事は無い、日々の鍛錬で切磋琢磨し合う二人には互いに適うのは互いのみと自負し合っていた、だからこそ数で責められようと動じる事は無い。

 

「全員で十人、多く倒した方が勝ちで良いな。」

「あぁ、問題ない。」

 

背合わせでゴブリモン達と向かい合う二人はこの状況も競争のネタにして、迫りくるゴブリモンを二人で捌く。

 

「ダメだアニキ、コイツら強ぇ~よ!」

「全然歯が立たねぇ~!」

「クソッ!諦めんなお前等、攻め続けろ!」

 

かかって来る端からちぎっては投げちげっては投げ、ベニガブモンの通常より恵まれた体躯に準ずる力に掴まれては投げられ、コテモンの鋭い竹刀捌きが的確に力を往なし要点に当てる、加減はしているから投げられても叩かれても再び立ち上がり挑んでいる。

 

「今日はしつこいなゴブリモン、数が揃って気が多きなったか?」

「はん!そんなんじゃねぇ、ただ子分の前で簡単に引き下がれねぇだけだ!」

 

数度目の対敵の最中、いつもより粘るゴブリモンにベニガブモンは意外そうに軽口を聞く。

 

「己の沽券の為かそれも悪くないだろう、おかげでいつもより楽しめそうだ!」

「その軽口、二度と叩けねぇようにしてやる!」

 

ベニガブモンの拳とゴブリモンのハンマーが幾重も衝突して、激しく熱く両者の戦いを盛り上げる。

 

「ベニガブモンの奴、燃えてるな!俺も負けられんな、おいお前達ドンドン来い!」

「い、言われるまでもねぇ!」

「兄貴が気張ってんだ、子分の俺達が臆してられるか!」

「目に物見せてやる!」

 

子ども同士の小さな小競り合いと思うなかれウエストサイドの住人は血気盛んなのだ、ベニガブモンも元はフロントエリアの住人だったが血の気に魅かれて此方に移り住んだ、そして瞬く間にウエストサイドの成長期の中で頭角を現し挑まれる側となった。

 

「あの小童が来てから、成長期の童達も鍛錬に身を入れる様になったな、まるで伝説に出て来る紅蓮の大狼の様だ。」

「あぁ、私も思っていたあの紅い毛皮はまるでな。」

 

激しくぶつかり合う両陣の手勢の様子を眺めつつ、刀鬼隊のトップ二人は語り合う古くより伝わる伝承のデジモンの事を。

 

「イーストサイドの方にも伝承に準えるアグモンがいるらしい……ザンバモン、私は最近若しやと思う事がある。」

「ムソウレオモン、それは儂も思うっておった……フリーガーデンの外は大きくうねり荒れておる、そして今伝承を真実と示すように二体の特異な容姿を持つガブモンとアグモンが揃うっている。」

 

この異相エルドゾーンに伝わる伝承、それは世界が荒れし時に現れる二体の救世主の存在を語り継いだもの、一体は青き竜そしてもう一体が赤き獣として。

 

「伝説の始まりはいつも破滅から始まる……備えよう、これより先の騒乱に。」

「うむ、先ずはキャバルリーガーディアンとの連携を密にせねばな。」

 

西の二大巨頭、ザンバモンとムソウレオモンは世のうねりが迫るの感じ取っていた、そして騒ぎを沈めれるのは今目の前で騒がしくも愉快そうにじゃれ合うベニガブモンと東に居るブルーアグモンだけだと確信して。

 

 

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