CV丹●にTS転生したので魔法少女になります   作:おーり

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あけましておめでとうございます
新年なので初投稿です


第1話「イメージカラーは大事!」

「先ずは銀髪が定番よね」

「待って」

 

 虚ろう微睡みの中で、私が最初に思い出したのはそんな遣り取りだった。

 次第に思い出すのは前世の記憶——。

 

 享年14の男子中学生だった彼は程よくイジメに遭いつつも平穏な日々を過ごしており、ある日モヘンジョ・ダロの地下より発掘されたとされる古代兵器の影響で第4氷河期へと突入した地球は極寒の地獄に覆われ、それは真夏の日本でも例外は無く全面氷張りの大地へと変貌し、氷雪地帯に慣れ親しめない静岡県民であったイジメを敢行していたリーダー格の少年がスリップ事故で怪我を負いそうな状況下へサマーソルトキックで防止に成功した被害者少年は代替えの様に脳天から落ちて脳震盪を引き起こし、直後通過した10tトラック30台分の玉突き事故に巻き込まれてミンチも残さず轢殺され、そんな友人の死に直面した加害者少年はこの世界を変えてやると正義の心に目覚めたが被害者少年の残骸から培養再生された改造人間が悪の組織に所属したことで葛藤に苛まれることとなる。

 件のクローン怪人こそが私である。

 再生改造の際に記憶装置とやらでカラーテ5段・アイキドー8段・バリツ1337段の物理的実力を配備された私は、程よく正義の味方を名乗っていた加害者少年と世界各地で対峙した。

 何気に前々世足る被害者少年の記憶も他人事ながら引き継いでいたので、顔もクリソツな私は加害者少年が葛藤に苛まれるのを良いことに事程優位に悪の組織の世界征服活動にそこそこ従事していたわけである。

 まあ最終的には巨大ロボとスーパーヒーロー18ダース分VS私Only(戦闘員)という大戦争の果てに焼却殲滅されたわけであるが。悪の組織どうなったのだろうか。あと最初のモヘンジョ・ダロのくだり要る?

 

 自身の記憶にマイルドなツッコミを入れつつ、私の視点は思い…出した…ッ的な冒頭の会話に繋がる。

 私の、恐らくはキャラクターカスタムを敢行し始めた妙齢の女性。

 彼女はお決まり(テンプレ)の如くに外見を取り決めたわけだが、前世日本人であった私が気になるのは何よりも世相であった。

 

「転生先はどういう場所なのでしょう。其処が剣と魔法の異世界的な場所ならば問題は無いのでしょうけども、最悪江戸の頃の日本で銀髪などと言われると困ります」

 

 そうなったら万事屋で糖尿に苛まれつつ木刀片手にメガネとチャイナを引き連れるしか未来が無い。

 そうなったら問題点が更に追加され、私に剣技の習練は無いのである。

 初動習熟チートも無いのでは転生の意味合いとは何ぞや?

 

「ああ、大丈夫よ。現代日本だから」

 

「なおさら待って」

 

 現代日本で銀髪とか地雷の匂いしかしないわ。

 ブームが到来して違和感ない可能性もワンチャン在るが、俳優でも余程のイケメンにしか似合わないのがそれである。

 尚、この時の私は己が少女になるとは微塵も想定していなかった。

 出来ていたら出来ていたで、銀髪美少女といったらあの花の娘とか這い拠る混沌系ヒロインとかのアニメキャラくらいしか需要を計り知れなかったので、まあ益体も無い話題にしかならなかったのであろうが。

 

「ちなみに能力的な特典の方は使い方をなんとなく把握できるようにしてるし、自意識は享年と同じ時期にじんわり再生する手筈ね。そうしておけば前世の記憶との齟齬も無しに、人格がいきなり変貌して人間関係に軋轢を生む必要も無くなるわ」

 

「あ、それは素直に嬉しい…」

 

 何せ前々世でイジメに遭っていた少年(私?)に最も足りなかったのはコミュ能力だ。

 下手な設定ブッコミ入れて無駄につんけんと壁を隔てる必要が無くなるのは非情に有難い。

 

 まあそんなわけで、私【座散乱木(さざらき)キャロル】はこの世に生を受けたわけである。

 

 幸いなことに、私を転生させた何某か、まあ例に肖って存在Xとしておこう。

 件の彼女が指し示した通りに現代日本へ生じることを承ったわけだから、錚々世に悪徳の蔓延ることも無し。

 飛翔の名を冠する週刊少年誌の如き特殊な社会に転じても居なければ、日曜日売りから水曜日に発売日が換わったのに名が転じなかった週刊少年誌代表作の如き事件事故が小刻みに起こる社会でもなかった。

 

 ヒーローは居ない、じっちゃんの名に賭けない、至極平々凡々な毎日は凡庸に過ぎて、私が己を自覚するまでに悲劇的な世相へ転じたことも無く、特に持って生まれたとされる転生特典とやらに自覚することも無く自身を再起と相成った私は、その日のゴミ出しの際にゴミ捨て場で野生のカラスを食すタスマニアデビルに遭遇した。

 

「――僕の姿が見えるのかい」

 

 声きった()な、と思わずツッコミを入れてしまいそうに何故かなったのだがそんなことは無く。

 思いの外、無駄にキレイなソプラノで話しかけられた私は、平凡な日々を送ることだろうと思い返したその日にカラス獲ったタスマニアデビルに声掛け事案喰らうとは思っても見なかったので普通に驚愕した。

 というか、クラスの学天即ちゃんと似通った声音なのが若干嫌だ。

 学天即あいちゃんはなぁ! 私と同じ銀髪同盟だぞォ!

 

 まあそんな葛藤諸々をなんやかんや乗り越えて、私は魔法少女をやることとなった。

 そもそもタイトルに在る通り、私CVが丹●だからね!

 己を自覚するのが4年ほど早ければ妥当にコスプレ出来たのだが、まあこれくらいなら許容範囲だろう。コラテラルダメージみたいなものだ。違うか? 違うか。

 

 そんなわけで、次回から美少女魔法少女恐竜天使戦士プリマエンジェルのプリマブラッドレッドへと変身した私改めハートキャプタージャクラちゃんの華麗なる日々が始まるのであるこうご期待終わり!

 




ややリハビリ感あります
連載としてますけどぶっちゃけこれ単騎切りも在り得るかも…

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