ダンジョンに呻く渾沌は力を欲す   作:熾天使の従者

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思い至ったからかいた。ただそれだけ。


1.始まり

 

 

 

「何故ですか?」

 

 

わからない。

 

 

「何故お怒りなのですか?」

 

 

理由が思い当たらない。

 

 

「僕が何かに気に障るを事をしましたか?」

 

 

 

 

ここは天空山の一角に存在する禁足地。人々はそう呼ぶ。普段なら日の光が差し込み、夜なれば星が顔をみせる。だが今の現状は違う。周囲は暗く…日の光もなく星も顔を隠す。目の間には神々しくも純白の輝きを放つ龍。まるで途方もない暗闇の中に浮かぶただ一つの希望のように……咆哮が響わたる…この世の物全てを破壊すると言わんばかりに…

 

 

 

「■■■■■■■■■!!!!!」

 

 

 

純白の龍は怒り狂っていた。

 

 

 

青年は立ち尽くしていた。純白の鱗に包まれた龍を前にして…己の非力さを実感していた。力の差は歴然。止める術は何もない。

 

 

 

 

「姉上……。僕は何も出来ないのか……。」

 

 

 

 

その時、辺りが光輝く。純白の龍が何かをした様子はない。そもそもそんな事が出来る筈がない。地面に広がる見た事のない模様。自分の姉が出来る事は自分も知っている。制御こそ姉程ではないが…だからこそ何者かが姉に何かにしたのは間違いない 。仲間たちはせめて殺すべきだと言っていた。理解はできる。だけど許される訳がない。

 

 

 

 

「姉上…」

 

 

 

誰にも殺させはしない。その為に一人でここに来た。が力が足りない。考える時間もない。原因は何かにあるはずだ。こんな事を姉上がする筈がない。だって困っている者がいれば誰であろうと手を指しのべる事の出来る。見返りを求めない。報酬を求めない。助けるだけ助けて何も求めない。何回目だろうか。一度だけ助ける理由を訪ねた事があった。

 

『何故そうまでして助けるのですか?姉上にメリットは無いのですよ?』

 

『メリットもデメリットも関係ないよ。困っていたら助ける。当然でしょう?そしてその助けた者の喜んでいる顔が見たいから。』

とその言葉を口にしていた。

それが僕の知っている。気高く、美しく、優しい、姉上。

 

 

見た事のない模様は更に広がる。辺りが光輝く。意識が遠のく…純白の龍の瞳はどこか苦しさを訴えるように此方をみていた。

 

 

「どうか…もうしばらく…辛抱してください。絶対に…助けますから…」

 

 

遂には意識が途切れた…

 

 

 

・・・・・

 

 

 

僕には力がない。

 

 

 

 

 

何故なら半人前だから。

 

 

 

 

 

僕は姉上のように美しく気高くない。

 

 

 

 

 

何故なら汚れているから。

 

 

 

 

僕には覚悟なんてない。

 

 

 

 

 

 

何故なら僕は…姉上を失いたくないから……

 

 

 

 

・・・

 

目が覚めると見た事のない場所にいた。これでも姉と一緒に世界を回ったからある程度は知っている。がここはどこにも当てはまらない。

 

「ここはどこだ?」

 

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