「へぇ、カオスかい、やっぱり聞いたことないねぇ」
店主は思った。あからさまに偽名だろう。それにあの角。角を生やした種族なんぞ聞いた事もない。それにかなりの手練れだね。
「カオス、あんた何者だい?相当な手練だろ?」
少し睨みながら聞いてくる店主。僕は少し驚いた。今までばれた事などなかったのだから。どうやら僕の事は知らないようだから良しとしよう。
「店主さん、わかるのですか?結構頑張ってかくしいたのですけど。」
少し笑みを浮かべて返答した。
「おや、そういやぁあたしも名乗ってなかったねぇ、あたしはここの豊饒の女主人の店主ミア・グランドだ。好きなように呼びな!でカオスあんた何をもてめてきたんだい?」
そんなの決まっている。
「そうですね、ミアさんと呼ばせてもらいましょう。僕の目的は姉上を探しだす事です。」
それを聞いたミアは、
「姉ねぇ、ギルドに頼んで捜索願いでも出せばいいだろう。」
とミアさん言う。ギルドか。僕がギルドに依頼だすなんてその様な事は出来ない。姉上の話をギルドに話をしたら真っ先に討伐対象になってしまう。
「姉上のはどう思っているか解りかねますが、僕はギルドを良く思っていないもので…」
「そうかい、カオスも色々あるだろうしね。それにしても一人で探すのかい?あんた位強いならファミリアに直ぐに入団できるどおもうがね。」
聞き覚えのない言葉だ。ミアさんが言うにはファミリア。『神の眷属』の意で下界に降りて来た神が恩恵を与えた人々を集めた組織の事らしい。ファミリアの主である神は主神と呼ばれ、主神の名を冠して呼ばれる。主神か、仮で入団出来るならしておいてもいいだろう。我々が崇拝する神は何処に行こうとも変わらない。我々の頂点に君臨するあの方だけなのだから。
「仮入団が出来るなら良いかもしれませんね。私も崇拝している神が居るものですからこちらの神の眷属にはなれませんね。」
と答えたら驚いた顔をされた。恐らく僕の崇拝する神について気になったのだろう。でも我が神の事を許可なく喋る訳にもいかない。喋れば躍起になってさがし始めるだろう。
「まぁ、あんたの崇拝する神って言うのはきになるが、そろそろ注文してくれないかい?まさかただで色々教えたのに何もないって訳には行かないだろう?」
まぁごもっともな話ではあるが正直な所、こちらの通貨を持っていない為に何も注文出来ない。
「ミアさん、通貨を持っていませんのでダンジョンにいってスコシばかり稼いできます。戻ってきたら沢山注文させていただきますのでもう暫くまって頂けませんか?」
とてもご都合のいい話である。でもミアさんは了承してくれたのはいいけど不適に笑って居る。生まれてこの方この様な感情に駈られたのは何回かあるけどそれとはまた違った意味で不気味である。そして僕は挨拶をして店をでるのだった。
「ミア母さん、大丈夫なのですか?どうやら初めて来たばかりのようでしたけど…」
とエルフの少女が答える。彼女は訳ありで此処で働いている。リュー・リオン元冒険者である。そんな彼女は先程までいた男から強さを微塵も感じ取れなかった。
「あれは強いから夜にでもひょっこり戻ってくるさ。それより人の事気にするより手を動かしなリュー!」
リューカオスの力量を見定められていない用だ。どんなに隠しても隠しきれないものもある。「とんでもないのが来たね」と思うミアグランドであった。