ヤンデレなあの娘と過ごす日常はどうなるのか 作:アライグマ318号
趣味である仮面ライダーネタも入れました。それで夕護くんがどれだけ怯えているかわかるかと思います。
それではどうぞ~
「……ねぇ夕護、その装備何?」
私こと氷月夕乃は現在、我が兄こと氷月夕護の醜態を目にしている。
「何って……火星を滅ぼした地球外生命体とか、残機が99もある神とか、通りすがりの世界の破壊者から譲ってもらった装備を身に纏ってるだけだけど……見てわかんないのか?」
「…………(^ω^♯ビキビキ」
何故だろう。普段は怒らない私も今回ばっかりはイラッとした。
夕護の腰には全体的に赤と青を基調とした禍々しさを感じさせるベルトに白黒のトリガーが付いたもの、右手には紫と黒を基調としたカセットのようなアイテム、そして左手には某有名な通りすがりの世界の破壊者が使うバーコードの記されてるカードが握られていた。
ここが自分の部屋じゃなくてリビングだって分かってるのかな?
「何? 夕護は世界を滅ぼしたいの?」
「うん」
「マジかよブラザー、そこまで闇堕ちしてたんか」
ふと、世界滅亡ラスボス装備フルセットの夕護が遠い目をしながら語る
「自分で言うのもなんだけど、俺料理得意やん?」
「まぁ、私の朝昼晩は作ってくれてるね。ついでにむにちゃんのお昼も」
「その中でも特にお菓子作りが得意じゃないっすか俺」
「夕護が作ったお菓子をリリリリのみんなで食べてたら春奈ちゃんが『体重が……っ!?』って健康診断で嘆いてたけど、まぁ、得意だね。あ、春奈ちゃんが次会ったら覚悟して下さいって言ってたよ」
「減糖したお菓子作るんで勘弁してください……」
夕護は顔を引き攣らせながらも壁に掛けられたカレンダーを指さす。
「今日、何日?」
「10月31日」
「つまり……分かるだろ?」
「はっ!? ……そうか……」
今、全てを理解した……つまり夕護は、今日この日をずっと恐れていたんだ……
「ようやく分かったか……今日がなんの日か……」
「うん……最近忙しすぎてすっかり忘れてたよ……」
「「今日は……」」
私たちはお互いに目を見て、今日がなんの日かを叫ぶ
「ハロウィンの日だ!」「宗教改革記念日だ!」
私たちの全く息の合っていない叫び声が我が家に轟く
「「…………え?」」
お互いのなんとも言えない空気が部屋いっぱいに広がる。
「なんだよ宗教改革記念日って……」
「あー、そっか、今日ハロウィンか」
一瞬お互いのすれ違いがあった気がするが、まぁとにかく、夕護の完全武装の理由は納得する。
「つまり、りんくちゃん達が来るのが怖いから、そんなラスボスフルセットの装備をしていると」
「その通り。これ借りるの苦労したんだぞ。だから俺は世界を破壊してでも今日を乗り切るんだ……っ!」
そんなことを言いながら夕護は2階に向かって歩き始める。
「あ、お前用のお菓子なら冷蔵庫に入ってるから勝手に食え。りんく達が来たら冷蔵庫の中にあるパイやらケーキを使ってパイ投げでもしてろ」
「パイ投げはともかく、お菓子はありがたく貰うね♪」
そうして、夕護は2階の部屋に戻る。
「さーて、私は夕護のお菓子でも食べよ〜♪」
軽い足取りで私は夕護特製のお菓子を食べる為に冷蔵庫に向かうのだった。
『来客その1 愛本りんく』
「ゆーくん! トリックオアトリート!」
扉を壊す勢いで吸血鬼を模した衣装を着たりんくが夕護の部屋に侵入する。
「き、来たなりんく!」
夕護はラスボスフル装備のままりんくから距離を取り、全力で警戒する。
「ゆーくん、お菓子はどこ?」
「お、お前のお菓子なら下の冷蔵庫に入ってる! だから俺がイタズラを受ける必要はないはずだ!」
完全に怯える夕護に対して、りんくは笑顔で一歩、また一歩と近づく。
「な、なんで近づいてくるんだよ……っ! なんで笑ってるんだよ!」
「ゆーくん、
夕護はりんくのその一言に戦意喪失してしまい、完全に逃げ腰になってしまっている。
「トリックオアトリート♡」
「や、やめろ! まだ死にたくない! い、嫌だ! 嫌だあああああ!!!!!!!」
その後、ラスボス装備を全て剥ぎ取られ、ボロ雑巾のようになった夕護がいたとかいなかったとか。
『来客その2 山手響子』
「夕護、遊びに来たよ」
ガチャリ、と扉が開けられると同時に魔女の衣装を着た響子の視界に目の前でボロボロになりながらも土下座をしている夕護が目に入る。
「お菓子あるんで勘弁して下さい。いやほんと、これ響子の為に作ったやつなんでこれで今回は勘弁してください」
よく見ると、響子の足元より少し離れた位置に、夕護が作ったであろうチョコレートケーキが一切れ、皿の上に乗っている。
どうやら既に先客がいたようで、その対策の一環として既にお菓子を用意しているらしい。
既に先客がいたという事実に、響子の瞳から光が消える。
「夕護、トリックオアトリートだよ……お菓子はどこ?」
「え? い、いや……お菓子はお前の前に置いて……」
「夕護? お菓子は無いってことでいいよね?」
そう言うと、響子はりんくと同じように
「お、おいっ! なんでお菓子を無視してこっちに来るんだよ! や、やめろ! こっちに来るんじゃねぇ!」
「お菓子が無いなら、イタズラを受けてもらうしか無いね?」
壁際まで後退した夕護にドンッ! と勢いよく壁ドンをし、逃げ場を完全に無くす。
「知ってる? 魔女の中には子供を食べる人もいるんだよ?」
「ひっ!?」
響子は夕護の耳の付近で、囁く。
「トリックorトリート♡ イタダキマス♡」
「嫌だあああああ!!!!!!!」
その後、衣服の所々が破けシクシクと泣く夕護と空のお皿が残されていたとか。
『来客その3 出雲咲姫』
「お邪魔します」
夕護の部屋の扉を猫のコスプレをした咲姫が開けると、そこにはまるで身代わりとでも言うかのようにイチゴのショートケーキが一切れ、部屋の中央に添い手紙と共に置かれていた。
「あ、これって夕護くんの字だ……」
手紙の筆跡から夕護のものだと判断した咲姫は手紙に目を通す。
『咲姫へ
心が折れそうなので先にお菓子を渡しておきます。なので悪戯は勘弁してください。
夕護より』
手紙の内容から咲姫は、夕護がなにかしらの理由で逃げたのだと悟った。
そこで、咲姫はお菓子を見つめたまま考え始める。
「…………」
(な、なんだ……? なんで咲姫はお菓子を取らないで立ってんだ……?)
そして、夕護はその状況に困惑を覚えていた。
現在、夕護は咲姫の位置からは死角になるであろう場所……自身が普段から使っているベッドの下に潜り込んでいるのだ。
夕護がベッドの下に潜り込んだことで見えるのは咲姫の足首だけ。だが、動向を探るにはこれで十分だと考え、夕護はベッドの下に隠れたのだが、どう言う訳か咲姫はその場から動かない。
「……っ!」
(!?)
咲姫が何かに気が付いたのか、突然お菓子を無視して動き出し、夕護の部屋を漁り始める。
「……いない……どこにいるの?」
(……ひっ!?」
ふと、クローゼットを開けた咲姫が小さく言葉を漏らす。しかし、その言葉はしっかりと夕護の耳に届いていた。
そして、夕護本人は気が付いていないだろうが、今の一瞬で夕護は小さく声を漏らしてしまった。
「…………そこ?」
(な、み、見つかった!?)
僅かな声の漏れ。咲姫は自身の共感覚で夕護の居場所を見つけたのだ。
ゆっくりと一歩、また一歩と夕護の隠れたベッドへと近寄り、ベッドの前で膝を落とし、ゆっくりと下を覗き込む。
「やっとみつけた♡」
「……………………お菓子ならそこにありますよ?」
もはや夕護は涙目で咲姫の後ろのお菓子を指さすが、咲姫はニコニコと笑顔を浮かべたまま夕護と同じベッドの下に潜り込もうと侵略を開始する。
「や、やめろ! 来るんじゃねぇ! ここは俺のプライベートスペースなんだ! 誰も招き入れた覚えはねぇ!」
「…………♡」
ベッドの下がプライベートスペースと言うのもどうかと思うが、咲姫は無言で侵略をする。
「な、なんで何も言わずにこっちに来るんだよ!? なんか言えよ!? 無言でこっちに来るんじゃねぇ!」
「trick or treat♡」
「嫌だあああああ!!!!!!!」
その後、とても言葉では表現できないような状態の夕護と、空のお皿が(以下略)。
みなさんは、友達にいたずらをせず、しっかりとお菓子を巻き上げましょう←オイ言い方考えろby夕護
『元ネタ解説』
仮面ライダービルドより、火星を滅ぼした地球外生命体
仮面ライダーエグゼイドより、残機が99もある神
仮面ライダーディケイドより、通りすがりの世界の破壊者
ついったー→@araiguma_0318
次回、今度こそ特別編。3日以内に投稿します。
どの話みたい?(番外編の類)
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新キャラ登場回
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全然関係ない組が訳あって攻める回
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純愛組が一致団結して攻める回
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ヤンデレ達が一致団結して攻める回
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パロディ回