ヤンデレなあの娘と過ごす日常はどうなるのか 作:アライグマ318号
今回は少し短いです。
それでは、どうぞ〜
「はぁ……はぁ……」
俺はどこかの砂漠のような場所の岩陰に隠れながら息を潜め、呼吸を整えながら周囲に人の気配がないか、必死に感覚を巡らせる。
「クソッ!どうしてこんな事に……俺は……ただこのイベントに参加していただけなのに……っ!!」
思わずそんな悪態をついてしまう。
(っ!?殺気!?)
ふと、背筋に悪寒が走り、反射的に寄りかかっていた岩を蹴り、転げ落ちるような形で日陰から飛び出す。
「へぇ〜、やるじゃん夕護……」
「げっ、響子!?」
先ほどまで寄りかかっていた岩場の上を見ると、響子が立っており、もしもあのまま岩場に俺が寄りかかっていたら上から奇襲され、そのまま……ぐっ、考えるな、今は逃げる事が先決だ……っ!
「このまま捕まってたまるかっ!!」
俺は足の悪い砂場を必死に駆け抜け、その場から逃げ出す。
「逃がさないよ」
逃亡する俺の後を全力疾走で追いかける響子。
(このままあの角を曲がって別ステージに移動すれば……っ!!)
目に入った別のステージに移動するための道へ繋がる曲がり角へ向かって走り、曲がろうとした瞬間だった。
「えいっ!」
「うおっ!?」
白い毛皮のような衣装を着た人物が中腰で曲がり角から飛び出し、俺の腹に抱きついて拘束しようとしてくるが、直前で察知した為、上に全力でジャンプして空中で一回転しながら飛び出してきた人物の上を通り過ぎて避ける。
「うげっ、響子の次は咲姫かよ!」
「捕まえ損ねた……でも次は捕まえる……っ!」
必死な表情で俺を追い詰めようとする咲姫。このまま捕まってやる気はサラサラ無い。
「クッソォォォ!!!絵空ぁ!!覚えてろよぉぉぉ!!!!」
ここにはいない、黒幕の名を叫びながら
「逃がさないよ夕護っ!!」
「逃げないで夕護くんっ!!」
「そんな肉食獣みたいな目を向けられたら誰だって逃げるだろうがぁぁぁ!!!」
今日この日。俺は必死の思いでヤンデレ達から逃げていた……
「「「「「「「「一狩りいこーぜ!!!」」」」」」」」
「…………」
Peaky P-keyとPhoton Meidenの8人は、それぞれがハンターの装備を身に纏い、笑顔で集合写真を撮る。俺はそんなみんなを
「ほらほら夕護くんっ!落ち込んでないで元気出しなって!」
撮影を終えた乙和先輩が双剣のハンターの衣装を着て俺のところに駆け寄ってくる。
「夕護、アンタのそれも似合ってるんだし良いじゃん。」
ランスのハンター衣装を着たしのぶも同じように俺の所に来ては励ましてくる。
「はは……みんなは
俺は下を向いたまま柄にも無く落ち込んだまま声を出す。
「ねぇ、夕護。今の私はハンターで夕護はリオレウスだから、私は夕護を合法的に襲えると思うの……いいよね?」
「私も……山手さんの意見に賛成。捕まえた
「良い訳ねぇだろぉが!!!」
響子と咲姫の言い方に、思わず全力でツッコミを入れてしまう。
さて、ここで今の俺の装備……もとい服装について説明しておこう……
それは、イベント特設の男子更衣室でのことだった……
「お、これが今回の俺の衣装か……試着室の箱の中に置いてあるって言ったけど、これかな?」
俺は事前に絵空から男子更衣室の一角に俺専用の部屋があると聞いてその個室に来ていたのだ。
そんな事を考えながら男子更衣室に置いてあった衣装箱を開き、装備の着用を始める……しかし、ここで違和感を覚えたのだ。
まず頭部の装備についてだが、ハンターっぽい甲冑……という訳ではなく、どういう訳かリオレウスという竜の頭部が模された被り物だった。こんな装備あったっけ?と思いつつも特に疑問に思わず被る。
次に胴装備だ。…………なんか羽が生えてたの。うん……新作の装備かなーって思って自分をごまかしながら着る。意外と着心地が良いのがなんともイラッときたけれども。
次は腕装備ね。…………なーんで爪が生えてんの?え、ハンターの武器に爪なんてないよね?なに、新作のモンハンは格闘要素でもあんの?そんな訳ないよね……
次は腰装備だ。…………なんで尻尾が生えてんだよ……これじゃあリオレウスみたいじゃん……そんな訳ないよね?
最後に脚装備。…………思いっきり腕装備と同じように爪があんだけど?え、ちょっと待って、冗談だよね?着心地は良いのに嫌な予感は止まらないんけど……
そして、一通りの装備を着て、鏡を見て気が付く。
「……これ、ハンターの衣装やないやん……リオレウスのコスプレやん……」
そう……俺はどういう訳か、ハンターの衣装ではなく、リオレウスを模したコスプレをさせられていたのだった……
「なんで俺がリオレウスなんだよっ!!普通にハンターの衣装が良かったのに!!」
「あらぁ、でもそれ大分コストが掛かってるのよ♪頭装備はゾウに踏まれても大丈夫なくらい頑丈だし、腕と脚の爪も大分頑丈に作ってあるから折れることはまず無いし、腰装備の尻尾もAIを搭載して装着者の意図を汲んで動いてくれたり、胴装備の羽だってパラグライダーの要領で尻尾と連動して擬似的な滑空が可能なのよ☆」
「マジで!?」
あまりの高性能な説明に驚愕の声を上げてしまう。それじゃあ下手なハンターの衣装より豪華だな……ん?ちょっと待てよ……?
「ねぇ絵空、なんでハンターたちの衣装より俺の衣装のほうが豪華なの?」
ふと嫌な予感を覚え、冷や汗をダラダラと流しながら絵空に真相を問いただす。
「ふふっ……気が付いたようね♡」
絵空は蠱惑的な笑みを浮かべると、どこからかマイクを取り出し、イベント会場全体に響くように放送を始める。
『ではでは〜、只今より“緊急クエスト”を開催いたしまーす!』
「っ!?」
絵空の突然の発言に、周囲の人間は一斉に絵空の方へと視線を向け、夕護は本能的に身体を硬直させる。
『さて、只今会場内には、1匹のリオレウスが迷い込んでいます♪』
「え!?」
スポットライトが夕護に向き、会場のハンター達(絵空を除く7人だけだが)の視線が一斉に夕護に向けられる。
「今から50分以内にリオレウスを“捕獲”してもらいます☆……題して!“会場内に迷い込んだ
自信満々の笑顔で宣言する絵空に、夕護は思わずその場から後ずさる。
『ちなみに、捕まえたリオレウスは捕まえたハンターが好きにしていいわよ☆』
「みんな、全力で狩るよっ!!!」
「「「うんっ!!!!」」」
響子の合図に、咲姫、しのぶ、乙和の3人が勢い良く返事をし、夕護に飢えた獣のような目を向ける。
夕護はたまらず由香と衣舞紀の2人に助けを求めるべく視線を向ける。
「あ〜あ、みんなの闘争心に火を付けちゃったか〜」
「まぁ、陰ながら応援してるわよ、夕護くん。」
「そんな他人事みたいに言わないでもらえます!?」
夕護がたまらず悲鳴をあげたその時だった。
「ちなみに参加者には回復薬グレート風味のプロテインをプレゼント!さらに順位に応じて数もアップ☆」
「由香!全力で狩るわよ!」
「えぇ!腕がなるわっ!」
「ウッソだろオイ!?」
絵空の追加発言に、衣舞紀と由香の2人は敵に回り、夕護は絶望しきった顔でノアに目を向ける。
「あ、私は参加しないよ?だって面倒くさいし。」
「の、ノア先輩……ッ!」
夕護が感動の余り涙しそうになった瞬間だった。
『優勝者には、このゆるキャラ風可愛さ1000%のリオレウスのぬいぐるみを贈呈します!』
「夕護くん、ちょっと一狩りさせてもらうね?」
「いやぁぁぁぁぁあ!!!!!」
絵空の手には、ゆるキャラ風に作られたとても愛らしいリオレウスのぬいぐるみが握られている。
『それでは、緊急クエスト!“会場内に迷い込んだ
絵空の開始宣言と同時に、俺は走り出す。
こうして、モンスターとハンターの熾烈な争いが幕を開けたのだった。
次回、雌火竜、登場。
それでは、また次回〜
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