ヤンデレなあの娘と過ごす日常はどうなるのか 作:アライグマ318号
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さて、今回は番外編の響子の誕生日回です。
それではどうぞ〜
【4月27日】山手家
「ねぇ、夕護。私は夕護のものだし、夕護は私のものだよね?それに間違いはないよね?」
「お、おう……?いきなりどうしたんだ響子?」
ある日の休日。夕護は恋人である山手響子の自宅に呼ばれ、響子の部屋に来ていたのだが……入った瞬間、勢いよく扉を閉められた上にいきなり正座しろと言われたのだ。それにより夕護は現在進行形で正座中である。
「昨日……というより、ここ最近夕護は何をしてたの?」
「!?」
虚な瞳で問いかける響子に思わず肩をビクリと震わせ、視線を逸らしながら夕護は言葉を続ける。
「いや……その……部屋でゲームしてました……」
「へぇ〜……」
響子は虚な瞳のまま夕護を見下ろし、夕護の発言に対して意味ありげな相槌を打つだけだった。
「それ、嘘でしょ?」
「えっ!?」
自分の発言がアッサリと嘘と見抜かれ、夕護は思わず声を漏らしてしまう。
「昨日見たんだよね……夕護がしのぶや由香、絵空達と一緒にデパートに出掛けてるのを……ドウイウコトナノ?」
「い、いや……それは……うわっ!?」
必死に言葉を探そうと声を絞り出すが、夕護は言い訳をする前に響子に押し倒される。
「夕護、正直に言って……なんで私以外の女と一緒にいるの?なんで私以外の女と関わるの?私の何が不満なの?私は夕護のためだったらなんだってするよ?だって私は夕護の彼女だし、夕護は私の彼氏だもんね?それなのにどうしてここ最近私の事をほったらかしにしてたの?もう一週間近くはユウゴニウムを摂取してないから私は気がどうにかなっちゃいそうだったのに、なんで夕護は私以外の女とつるんでたの?夕護が私が離れるって言うんなら、今ここで夕護を襲って離れられないようにするしか……っ!!」
「ちょっ、ユウゴニウムって何!?てかちょっと待てって、しのぶ達とつるんでたのには理由が……んぐっ!?」
夕護が何かを言う直前で響子は夕護の顔をがっしりと掴み、そのまま自身の唇を夕護の唇に強引に押し付ける。
「んんっ……ちょ、待って、少し息が……んぐうっ!?」
必死に響子から逃れようと抵抗する夕護だが、舌まで口の中に入れられ、息継ぎも許さずそのまま口内を貪られる。
「はぁ♡夕護♡こうなったらキスの続きを♡……って、何これ?」
暴れていた夕護のパーカーのポケットから、四角い箱型の物体が落ちた事に気が付いた響子は、地面からそれを拾い上げる。
「けほっ……少しは加減してくれよ響子……」
夕護は響子に押し倒された状態で悪態を吐きながら、拾った四角い箱を響子の手から取り上げて、パカリと響子の目の前で押し倒されていながらも見せつけるように箱を開ける。
「その……本当はもっと良い雰囲気の時に言いたかったんだけど……誕生日おめでとう、響子。」
「夕護……これって……っ!」
夕護が箱を開くと、中にはシンプルながら、お洒落な銀色の光を放つ指輪が入っていた。
「しのぶ達に、『響子は何をもらったら喜ぶと思う?』って聞いたら皆が口を揃えて『夕護からの指輪』って言うからさ……まぁ、それでしのぶ達に協力してもらってデパートの貴金属店に行ってた……それで寂しい思いしてたって言うんなら悪い事したよ。ごめんな。」
「夕護……」
頭を掻きながら照れ臭そうに視線を逸らす夕護。良い事を言っているのに現在進行形で響子に押し倒されているせいで第三者から見ればいろいろと台無しだが、生憎この部屋にいるのは夕護と響子の2人だけであり、この2人だけの世界に入っている以上そのことを指摘する者は誰一人としていない。
「嬉しい……嬉しいよ、夕護……っ」
「ちょっ、泣くほどか!?」
夕護に跨った状態で思わず涙ぐむ響子。
「これ、大切にするね……っ!」
「……おう。」
割れ物を触るかのように大切に指輪を受け取った響子は、自身の左手の薬指に愛おしそうに指輪を嵌める。
「ところで響子さんや、そろそろ俺の上から退いてくれると大変嬉しいのですが……?」
「え?」
「え?」
夕護の発言に対して、響子は素っ頓狂な声を出し、夕護も響子の反応に嫌な汗を滲ませながら声を漏らす。
「何言ってるの?約1週間私と会ってくれなかった分の罰がまだ済んでないよ?」
これ以上ないほど晴れやかな笑みを浮かべながら夕護の手足を流れるように拘束する響子。力を込め、無理やり床に押さえつける。
「……なぁ響子。俺、この後夕乃に勉強教えてもらう約束してるから帰らないといけないんだけど。」
「もしもし夕乃ちゃん、突然電話してごめんね?夕護を今から24時間くらい襲いたいんだけど、ちょっと良いかな?」
『オッケー、夕飯はむにちゃんの家に行って食べてくるから夕護にお楽しみにって伝えといてね〜☆』
「だってさ♡」
「夕乃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
夕乃のスマホに電話をして響子が許可をもらうまでのこの間約10秒。とんでもない早業である。2人の息のあった応答に思わず叫ぶ夕護。
「それじゃあ夕護、今から24時間、私と楽しもっか♡」
「ちょっ、俺初めてだから優しくあああぁぁぁああああ!!??」
夕護の悲鳴が合図とでも言うかのように、夕護の服を一瞬で剥ぎ取り、自身の服にも手をかけた響子はそのまま………………
【4月27日】陽葉学園教室
「って内容の夢を見たんだけど、これはもう付き合うしかないと思うんだ。」
「ばっっっかじゃねぇの?てかユウゴニウムってなんだよ。」
「何言ってるの?ユウゴニウムはユウゴニウムだよ。」
「……さいですか……」
これ以上話しても無駄だと悟り、俺はため息を吐く。
4月27日のこの日。俺は学校の教室にて響子に今日見た夢の内容を聞かされていた。てか、なんかプレゼントの話をされた時は普通にばれたかと思った……
「だから夕護、私の今日の誕生日プレゼントは指輪をちょうだい?それで可能なら夢の続きをしたいんだけど……」
「襲うのは承諾しかねるけど、指輪ならやるよ。」
「やっぱり指輪はくれないよね。やっぱり今すぐ襲うしか…………え?」
俺の発言に響子は素っ頓狂な声を上げる。
「いや、ちょうどその夢の内容みたいにしのぶ達に聞いたら指輪が喜ばれるって言ってたからさ……まぁ、流石に指に嵌めるタイプの指輪は主にりんく達の暴動が起きるだろうからアクセの類じゃなくて置物の類の指輪だけど。」
そう言いながら俺はポケットから四角い箱に入った置物タイプの指輪を取り出す。
「誕生日おめでとう、響子。とりあえず、年齢が一個上がったって事で少しは落ち着いた行動を…………響子さん?その片手に持ってるロープは何?ついでにもう片方の手に持ってる怪しい色をした薬品はなんですか?」
「ごめんね夕護……夕護は私に指輪をくれたんだし、これはもう結婚しようって認めていいよね?このまま夢の続きをしてもいいよってゴーサインとして考えるよ?だから襲うね?いいよね?」
「良い訳ねぇだろ馬鹿野郎!!!」
俺はたまらず教室から駆け出す。響子も同じように俺の後を追って教室を出る。
「やっぱり指輪なんて買うんじゃなかったああああああ!!!!!!」
俺はたまらず叫びながら学校の廊下を走り出す。
今度から誰かに誕生日プレゼントを渡す時は、地雷にならないようにと決意を固める俺だった。
……余談だが、俺が置物タイプとはいえ、響子に指輪を渡したことがヤンデレ達にバレてしまい、監禁騒動が月に数回だったのが、月に2桁ほど誘拐される事になるのだが、この時の俺はまだ知る由もなかった……
Q.ユウゴニウムって何ですか?
A.ユウゴニウムはゆーくんから摂取できる成分だよ♡byりんく
Q.ユウゴニウムなんて初めて聞いたんですが?
A.ユウゴニウムは最早、私たちにとっての……宇宙(謎)by咲姫
結論。夕護、強く生きろ。
あ、ついでに新しいアンケートとります。
それでは、また次回〜
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