ヤンデレなあの娘と過ごす日常はどうなるのか   作:アライグマ318号

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 皆さんはじめましての方ははじめまして。ぞえまるです。

 今回は、D4DJで最初のヤンデレ作品……になるんですかね?現在検索の時点で見る限りは。


 この話は、基本的にアニメの話やゲームでの話に加え、オリジナルの話を混ぜる形で進行しようかと思います。

 それでは第1話、どうぞ〜。


第1話 ヤンデレが帰ってくるとどうなるのか

「私ね!大きくなったらゆーくんと“けっこん”する!」

 

 突然、少女は立ち上がり、僕の目の前で宣言をする。

 

「?……ねぇねぇ、“けっこん”ってなーに?」

 

「えっとねー……あれ?何だっけ?」

 

 僕の目の前にいる少女は首を傾げる。

 

「たしかー、とってもいいことだったと思う!」

 

「うーん、よくわかんないや。」

 

「ねーねー、良いでしょ?」

 

 まるで焦っているかのように少女は僕に問いかける、

 

「まぁ、良いよ。」

 

「やったー!約束だよ!」

 

 そう言って、彼女は僕の小指と自身の小指を絡み合わせ、『ゆびきりげんまん』をする。

 その時の少女の顔は、とても幸せそうで、嬉しそうで、一点の曇もない笑顔だった。

 

 


 

 

 そんな約束をしたのが今から10年近く前の話。あの時、俺の幼馴染みだった少女は外国へと引っ越しをした。

 

「ね、眠い……」

 

 重くなった身体を布団から起こしながら愚痴を呟きつつも俺こと氷月(ひづき)夕護(ゆうご)は、部屋から出てリビングへと向かう。

 

「今は……朝の5時か。まぁ、ちょうど良い時間かな。」

 

 リビングの壁にかけてある時計で時刻を確認し、机の上に畳んでおいたエプロンを着用して朝食と学校で食べる分の弁当を作り始める。

 

(にしても、久しぶりにあの夢を見たな……あいつ、今何してるんだろ。)

 

 ふと、夢で見た幼いままの少女を思い浮かべる。

 いやぁ、当時はホント俺もあの子も言葉の意味も知らずに“ケッコン”なんて一丁前に言ってさ。一種の黒歴史だよあれは。

 まぁ、外国に行ったあの子も、こんな10年も前の事なんて覚えてないだろうし、もしまた再会できたとして、こんなこと言ったら今時の女子は普通に「え、キモい。」の一言で済ませるだろうからな……しかも当時“ケッコン”とは言ったものの俺もあの子も付き合ってすらいねぇし。

 

「さてと、そろそろ起きてくる頃合いか。」

 

 それから時間が経過した。野菜を軽く炒めて味付けをし、肉を焼き始めたあたりで2階からドタドタと慌ただしく動く音が聞こえ、すぐにその音の主が1階へと降りてくる。

 

「セェェェフッ!!!あ、夕護おはよー!」

 

 ボサボサの髪をゴムでまとめながら茶色いお嬢様のような制服を着る、()()()()()()の女が視界に入る。

 

「おはよ、夕乃(ゆの)。髪がボサボサだけど、今日は何かあるのか?」

 

「うん!今日は胡桃ちゃんとみいこちゃんと一緒に春奈ちゃんに悪戯をするの!」

 

 明るく、元気な声音と表情でとても残念なことを口にするこの少女の名は氷月(ひづき)夕乃(ゆの)。俺の双子の妹である。

 っていうか、こいつ(夕乃)等の悪戯を受ける春奈って人、可哀想だな……

 

「まぁ、とりあえず朝ご飯は出来たから先に食べててくれ。」

 

「おぉ〜っ!いっただきまーす!」

 

 簡単な野菜炒めと炊いておいた米、味噌汁を提供すると、モグモグとゆっくり食べ始める。

 

「よし、盛り付けはこんな感じでいいかな?」

 

 夕乃がご飯を食べている間に俺は野菜炒めと並行して作っていたミートボールを、()()の弁当箱に盛り付け、弁当の蓋を閉じて布で包み、そのまま夕乃の座っている席の向かい側に座り、早めのペースで食べ始める。

 

「いや〜、やっぱり朝は夕護の作るご飯じゃなきゃね〜」

 

「はいはい。学校遅刻したくないから早く食え。」

 

「はーい……って言うか、夕護は進路どうするの?料理これだけ上手ならそっちの大学とか目指すの?」

 

「高一の俺らが考える事じゃねぇだろ。」

 

 そんな何気ない会話をしながらも食事を進める。

 

「「ごちそうさま。」」

 

 そして、2人同時のタイミングで完食する。

 

「それじゃあ、私は学校行くね!お弁当持ってくよー!」

 

 完食してから夕乃は慌ただしく弁当を持ち、そのまま玄関へと向かう。

 

「いってきまーすっ!!!」

 

 元気よく挨拶をして夕乃はそのまま外へと出ていく。

 

「あ、胡桃ちゃん!みいこちゃん!おっはよー!」

 

「あ、夕乃ちゃんおっはー!」

 

「おはようなの!」

 

「夕乃ちゃん!私が提案した悪戯どうだった?」

 

「うん!バッチリだよ!昨日の夜に仕込みを終えたから後は反応を待つだけ!」

 

「夕乃ちゃん流石なの!」

 

 ちょうど友人がいたのか、元気な朝のガールズトーク(?)が聞こえる。

 

(元気だなぁ夕乃は……さてと、俺も行くか。)

 

 そんな事を考えながら自分の身支度を整え、1つ減って2つとなった弁当を綺麗な貝殻の付いた鞄に入れ、玄関のドアノブへと手をかけた瞬間だった。

 

「行ってきま………ふぁ!?」

 

ガコッ!!

 

 俺がドアノブに手をかけた瞬間、ガコッ!っと音を立てて外れた。

 

「はぁ!?なんでドアノブが外れるんだ!?」

 

 俺の手に握られたドアノブと外れた部分を交互に見比べる。

 

「って、あれ?外れた部分になんか紙が……」

 

 ドアノブが固定されていた部分には不自然な見覚えのない紙が入っており、取り出して読み上げる。

 

『夕護へ

 ドアノブ外れる悪戯したから頑張って直してね♡

 愛しい妹の夕乃より♡』

 

「夕乃おぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

 遅刻が確定した事で、俺はプリントを破り捨てながらもうここには居ない妹に対して、叫び声を上げるのだった。

 

 


 

「はぁ…夕乃の野郎……」

 

 正確には野郎ではないのだが、それはさておき……結局、俺はドアノブの修理に時間がかかり、遅刻となった。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「あ、もう休み時間なのね……」

 

 修理に手間取ったせいで2時間目の終了のチャイムが聞こえ、げんなりとする。

 だってさ、【遅刻理由:ドアノブの修理】だぜ?先生に「何言ってんだコイツ?」って目をされたんだぞ?マジで夕乃のやつは許さん。帰ったら夕飯抜きだな。

 

「あ、おはよう、夕護。遅刻してたけど、何かあったの?」

 

 ため息をつきながら1年A組の教室のど真ん中にある自分の席に座ると、仲の良い同級生の声が聞こえる。

 

「おはよ、真秀(まほ)。」

 

 俺に話しかけてきたこいつの名前は明石(あかし)真秀(まほ)。俺と夕乃が昔、空手の道場に通っていた時に会った同門……で良いのかな?いやぁ、あの道場って、“剛拳”とか“熊狩り”とか言われてる怖いねーちゃんがいたんだよね……何故か執拗に相手をされてボコボコにされてたから覚えてるし。

 

「まぁ……遅刻に関しては……ちょっと身内の恥というか……そんなとこ。」

 

「み、身内の恥?……あぁ、夕乃のことか……」

 

 俺の言った意味を即座に理解し、夕乃の名前を口にする真秀。流石、同門時代に共に夕乃の悪戯を受けた仲だな。

 

「ところで、俺が来るまでに何か先生言ってたりした?」

 

「特に何も言ってなかったよ……あ、そう言えば面白い事があったよ。」

 

「面白い事?」

 

 ポケットに手を突っ込みながら真秀は教室の教卓方面の入り口を見ながら何があったかを語る。

 

「なんか隣のクラスに転校生が来たみたいなんだけど、教室を間違えてこっちのクラスに入ってきちゃったさ。」

 

「なんじゃそりゃ。」

 

 転校初日から教室間違えて入るとか、普通に黒歴史ものだな。

 

「えっと、名前は確か……愛本りんく…だっけ?」

 

「へぇ〜…………ん?りんく?」

 

 あれ?その名前……どこかで聞いたことがあるような……って、そうか……あの子と同じ名前だ。

 

「どうしたの、夕護?」

 

「いや……なんか聞き覚えのある名前だなぁーって。」

 

「え、あの子と知り合いなの?」

 

「うーん……分かんねぇや。」

 

 そもそもあの子の苗字とか覚えてねぇし。

それにどこから転校してきたのか知らないし、たぶん名前が同じだけの子だろ。

 

「そういえば、今週の担当のDJが風邪だから、真秀が今日のランチタイム・グルーブ担当だっけ?」

 

 ランチタイムグルーブとは、この学校の昼休みに放送室にてDJが音楽を流して昼休みを盛り上げる一種のイベントのようなものである。

 

「うん、DJマッシュの腕の見せ所だよ。」

 

「おぉ、初デビューか?頑張れよ。」

 

 なんとなくの声を掛けながら、俺は貝殻の付いたカバンの中からノートパソコンを取り出し、授業の準備を進めるのだった。

 

 


 

 

『今週のランチタイム・グルーブ!今週担当のDJミサミサは残念ながら風邪でおやすみ。お大事に!』

 

 真秀が担当する放送が始まったあたりで、俺は教室を離れ、とある人物を探していた。

 

「さーてと、むにはどこに……って、なんだ、廊下にいたのか。」

 

 昼休みとなり、俺は少し離れた教室へと足を進めているとその途中で目的の人物を発見する。

 

「あ、夕護じゃない。」

 

 廊下にて俺は目的の人物である幼馴染み、大鳴門(おおなると)むにを見つけ、弁当を持って向かう。向こうも気がついたのか、俺の名前を呼んでお互いに合流する。

 

「ほい、これ今日の分の弁当。」

 

 そう言って俺は、手に持っていた弁当の2つの内1つをむにに渡す、

 

「もう……別に良いって言ってるじゃないの……」

 

 むには文句を言いながらも俺の弁当を嬉しそうに受け取る。

 

「あのなぁ……俺がお前の分の弁当持ってこないと、お前夕乃みたいな食生活になるだろ……」

 

 ちなみに、俺が用事などでいない場合の夕乃の食生活は、朝はカップラーメン、昼はコンビニスイーツ含めたおにぎりのみ、夜は冷凍食品の餃子とまぁ、不健康な食生活だったわけで…‥

 むにの両親は帰るのが遅いから自炊する必要があるのだが……

 

「前にお前の家に俺が行った時、お菓子のゴミ袋ばっかりだったのを俺は覚えてるからな?」

 

「うっ…」

 

 苦い顔をしながら呻き声をあげるむにに呆れた目を向ける。

 

「まぁ、アンタがどうしてもって言うから私も食べてるんだからね!」

 

「はいはい。栄養偏って幼馴染みに倒れられる方が困るからな。どうしてもだ。」

 

「うっ……でも、そこらへんのご飯より夕護のご飯の方がずっと美味しいのよね……

 

 そんな適当な話題で盛り上がりながらも、俺とむには中庭に向けて歩きだす。

 

「そういえば夕護、りんくの事って覚えてる?」

 

「ん、どうしたんだ突然?」

 

 突然、もう1人の幼馴染のりんくの話題が出て、思わず聞き返してしまう。

 

「まぁ、覚えてるけど……あいつ今アフリカだろ?それがどうした?」

 

「そ、そうよね!りんくは今アフリカよね!」

 

「……なんかあった?」

 

 むにの態度に、長年の勘が働き何かを隠していることが分かる。

 

「実は……さっき廊下の曲がり角ですっごく見覚えのある子とぶつかって……」

 

「それがりんくだと?」

 

「えぇ。」

 

 そういえば……今日転校してきた奴が確か……

 

「……なぁ、むに。お前、りんくの苗字覚えてる?」

 

「え?何よ突然……えっと……()()でしょ?」

 

「……マ?」※マジ?

 

「マ」※マジ。

 

 ここまで条件が揃ったとなるともう……

 

「それってさ、やっぱりーー」

 

 りんくが帰ってきたんじゃないか。

 そう言おうとした瞬間、だった。

 

『あの!あの!これってあの曲だよね!?』

 

『うわぁ!?な、何なのアンタ!?』

 

 突然、校内で流れていた音楽に混じって大音量で放送事故のように真秀と誰かの声が聞こえる。

 

「……とりあえず、飯でも食うか。」

 

「……そうね。」

 

 突然聞こえた放送事故により、何だかどうでも良くなってしまい、俺たちはそのまま中庭へと向かうのだった。

 

 


 

【放課後】

 

「あれ、そんなに急いでどうしたの夕護?」

 

 放課後となり、何故かとても急いでいる夕護に話しかける真秀。

 

「あぁ!夕乃から今メールで卵の特売が有栖川学院の近くのスーパーでやってるって来たんだ!!急いで行くしかねぇ!売り切れる前に!!」

 

 とてつもない勢いで荷物を纏める夕護。

 

「それじゃあまた明日!!」

 

「うん、また明日。」

 

 そのまま去っていく夕護の背中を見届けた真秀。

 

「さてと、私もそろそろ……」

 

 適当に荷物をまとめて、教室に出たその時だった。

 

「あ〜〜っ!!お昼の時の!!」

 

「っ!?」

 

 突然背後から聞こえた声にビクッと肩を震わせ、即座に声の方を見る。

 

「ごめんなさい!!」

 

 声の主である少女……愛本(あいもと)りんくは、真秀の元に凄まじい速度で移動し、頭を下げる。

 

「なんだろ?」

 

「どうしたんだろ?」

 

 そんな2人のやり取りに、周囲の生徒がヒソヒソ話を始める。

 

「あっ…いや…もういいって…」

 

 真秀の方も恥ずかしさのあまり、たじろいでしまう。

 

「と、とりあえず場所変えよ!」

 

「?」

 

 真秀は慌ててりんくの腕を掴み、そのまま中庭へと駆けていくのだった。

 

 

 

 

 

 それから数時間後。

 

 真秀は訳あってDJパフォーマンスについて説明するために、この陽葉学園で不動の人気を誇るDJユニット、『Peaky(ピーキー) P-key(ピーキー)』のライブ会場を後にしていた。

 そしてライブが終了し、2人は帰路についていた。

 

「すごいすごい!すごかったよ―!!」

 

 りんくは真秀によって連れられたライブ会場の入り口にて、とても興奮した様子ではしゃぎまわっていた。

 

「なんなの?なんなのアレ!」

 

「近い近い近いってっ!」

 

 よほど興奮しているのか、真秀に至近距離まで詰め寄るりんく。

 

「あれがあたしらの言う所謂パフォーマンス。」

 

 りんくに押され気味の真秀だが、説明だけはしっかりとする。

 

「今見てきたのは、『Peaky(ピーキー) P-key(ピーキー)』ってユニットで、みんなは略して『ピキピキ』って呼んでる。」

 

「わたしやりたい……」

 

「え?」

 

「ううん……やる!!」

 

 何かを決意した様子でりんくは真秀に向き直る。

 

「やるって、パフォーマンスを?」

 

「うん!どうやったら出来るの?真秀ちゃん詳しいんでしょ?教えて!」

 

「きゅ、急にそんな事言われても……」

 

「お願い!教えてくれたらこれ上げるから!」

 

 そう言うと、りんくはポケットから綺麗な色をした貝殻を取り出し、自信満々に真秀に見せつける。

 

「えっと…………って、あれ?この貝殻どこかで…?」

 

 一瞬、りんくの貝殻を渡すという謎行動に呆れる真秀だったが、その貝殻を見て違和感を覚える。

 

(あ、思い出した……たしかこれって、夕護の鞄に付いてる貝殻と同じ……)

 

 そこまで思考が至ったその時だった。

 

「すんすん……ねぇ、真秀ちゃん?」

 

「え?えっと……なに?」

 

 なぜか、真秀にただでさえ近い距離から更に近づいたりんくが真秀の匂いを嗅ぎ、言葉を紡ぐ。

 

「ナンデ真秀チャンから“ゆーくん”のニオイがするの?」

 

「……え?」

 

 そのときの彼女(りんく)は、とても虚ろな瞳をしていて、とても恐ろしかったと、後に真秀は語る。

 

 

 

〜おまけ〜

 

夕護「夕乃!!お前騙しやがったな!!」

 

 何故か首だけになって公園の砂場に埋まっている夕護

 

夕乃「ふっふっふっ!胡桃ちゃん達と協力して夕護をこの落とし穴までおびき寄せたのです!」

 

 この状況を分かりやすく説明しよう。

 スーパーの特売という夕乃の偽情報に踊らされた夕護が、夕乃の仕掛けた罠である落とし穴に掛かったのである。

 

夕護「はぁ……走って損したよ……うっ……それに変な寒気までしてきた……」

 

夕乃「それって、誰かが夕護の事を噂してるんじゃないの?」

 

夕護「んなこと言ってないで早く引き上げてくれ。割とマジで出られない。」

 

夕乃「はいはーい。」

 

 ちなみに、この落とし穴から夕護が引き上げられた直後、夕乃はお叱りを受けたのは言うまでもない。

 

夕護「はぁ…まったく……あれ、なんかまだ寒気が止まらない……何なんだ?」

 

 この寒気の正体など、知る由もない夕護。

 すぐそこにまで脅威(ヤンデレ)が迫っていることに気がつくはずもなかった。





 長い文でしたが、次回はもっと短くなるはずです。

 メインヒロインが今回の話は全然出てきませんでした……すみませんORZ

 次回からりんくちゃん、本格始動です。

 活動報告の『リクエスト箱2』にて、D4DJのリクエストを受け付けております。

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ダイナマイトとクノイチは?

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