ヤンデレなあの娘と過ごす日常はどうなるのか   作:アライグマ318号

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 はい、第3話です。一応、りんく編は今回で最終回です。

 2人の間に何があったのか……そして夕護はどうなるのか……

 それでは第3話、どうぞ〜


第3話 ヤンデレが迫るとどうなるのか

 わたしがゆーくんを大好きになったのは、もう覚えてないくらいずっと前のこと。

 

「だ、大丈夫……りんく……?」

 

 昔、わたしとむにちゃん、ゆーくんや夕乃ちゃんの4人で幼稚園の遠足に行った時のこと。

 

「ゆ、ゆーくんっ……血が……っ!」

 

 遠足先はとても広い山。アスレチックなども沢山あって、とっても楽しい遠足になるはずだったんだけど、わたしが山の崖から落ちちゃって、その時にゆーくんはわたしを助ける為に一緒に落ちた。

 ゆーくんはわたしに抱きつく形で崖からの転落で大きな怪我をするのを防いでくれた。

 でもゆーくんはそのせいで石に体をぶつけたり、木の破片が身体に刺さったりで、大きな怪我をしちゃった。骨も折れていたみたいで、本当に苦しいはずなのに、涙を流してもわたしに「大丈夫だよ」って言ってくれた。

 

「大丈夫か!?君たち!」

 

 今にも死にそうなゆーくんの様子を見て泣きじゃくっていたわたしの声を聞きつけた人がやって来た。登山客と言うには、格好は少し違っていて、どこかに移動しているような女の人たちだった。

 

「酷い怪我だ……救急車を呼べ!それからこの子供達の応急手当てだ!」

 

 女の人は焦った様子で周りの人たちに指示を出していて、私たちを必死に助けようとしてくれた。

 

「ほら、君もこっちに……」

 

 そんな中、指示を出していた女の人と親しそうな茶髪の女の人がわたしを連れて行こうとした。

 

「いやっ!」

 

 でもわたしは、ゆーくんから離れたくなくて、ワガママを言ってゆーくんのそばから離れなかった。

 

紗乃(しゃの)……どうするの?」

 

「そろそろ救急車が来るみたいだ。愛梨(あいり)はその子を見ておいて。私が救急隊員に説明をする。」

 

「分かったわ」

 

 それからしばらくして、わたしはゆーくんと一緒に病院に運ばれた。

 

 そしてゆーくんは一命を取り留めた。お医者さんの話では、急所は避けられてたらしいから簡単な手術で助かったらしい。

 ゆーくんが無事に助かってわたしは安心した。

 

「あはは……みんな心配性だなぁ、僕は大丈夫だって」

 

「でも……わたしのせいでゆーくんが……」

 

「大丈夫だって……死んでないんだから……」

 

 ゆーくんがわたしの事を庇ってくれたおかげで、わたしは軽症、ゆーくんは完治数ヶ月の大怪我。しかも、身体にもう消せない痕も残るらしい。

 

 

 

 

でも、本当に酷いのはこれからだった

 

 

 

 

「おまえが怪我したせいで遠足なくなっちゃったじゃん!」

 

「ふざけんなよー!」

 

 そう…ゆーくんが大怪我を負ったせいで、遠足はなんと中止になっていたのだ。

 違う。ゆーくんが責められるのは、間違ってる。本当はわたしが落ちちゃったのが原因なのに……

 それなのに、ゆーくんはまるで()()()()()()()で遠足が中止になったかのように振る舞った。そのせいでみんなのゆーくんに対するイジメが始まった。わたしやむにちゃん、夕乃ちゃんはそんな事はないって分かってたけど、みんなはそうじゃなかった……

 殴ったり蹴ったりとか、そういう事は少なくても、給食に細工をされたり、持ち物を隠されたり……

 

 ある日、わたしはゆーくんが泣いているのを見た。だれもいない、幼稚園の倉庫の中で、1人だけで苦しそうに泣いていた。

 だからわたしは決めた。もう2度と、ゆーくんを悲しませないって。わたしがゆーくんを幸せにするんだ。

 

 でも、わたしはパパとママの仕事の関係で、引っ越すことになった。

 

 だから、わたしはゆーくんと“ケッコン”の約束をした……わたしとゆーくんの繋がりを守るために。たとえそれが、どんなカタチになったとしても。

 

 

 

 

 


 

 

「あれ……俺は……何を……」

 

 沈んだ意識が次第に浮かび上がり、俺は目を開ける。

 

「ここは……どこだ?」

 

 目を開けると見慣れない部屋が視界に映る。ただ、カメレオンのぬいぐるみや、明るい部屋の色合いからここが女子の部屋だと分かる。

 俺の状態は……腕を後ろに組んだ上で縄で縛られ、布団の上で寝かされていた。完全な誘拐だなこりゃ……

 

「あ、起きたんだね!ゆーくん♪」

 

 ふと、声のした方向を見る。

 

「り、りんく!?どうしてここに……って、まさか……っ!?」

 

 何故俺がここにいるのか、どうしてここにりんくがいて、ニコニコと笑顔を浮かべているのか……どうにも嫌な予感が止まらない。

 

「あ、分かっちゃった?……わたしの家だよ♪」

 

「やっぱりか……」

 

 まさかの嫌な予感が的中した。

 

「りんく……なんで俺を誘拐した?俺を解放しないと大変なことになるぞ…………夕乃のせいで家が。」

 

 事実である。家の家事を夕乃に任せると……家が大変なことになる。そりゃもう、目も当てられないほどに。

 

「わぁ、夕乃ちゃんかぁ……懐かしいね!わたしの義妹(いもうと)になるんだし、後で挨拶に行かないとだね♪」

 

「い、義妹(いもうと)!?」

 

「ゆーくん……約束、覚えてるよね?」

 

 りんくは、縄で縛られて布団の上で動けない俺の近くに寄り、詰め寄る。

 

「や、約束?」

 

 約束ってまさか……10年近く前にしたあの“ケッコン”の約束か?いや、そんな昔の話をりんくが覚えている訳……いや、まさか…

 

「それって……結婚の……ことか?」

 

 単語を繋ぐように言葉を絞り、確認を取る。

 

「ふふっ…覚えててくれたんだ♪」

 

(マジかよ……)

 

 俺の出した答えに嬉しそうな表情をするりんく。

 

「それじゃあ、結婚…しよっか♪」

 

「はぁ!?」

 

 りんくの発言に俺が驚いているのもつかの間、りんくは俺の服にすばやく手を伸ばし、ボタンに手を掛ける。

 

「ちょっ、りりりりりりんく!?なにやってんだ!?」

 

「大丈夫♪わたし達は夫婦なんだし、やることは決まってでしょ♪」

 

「ふぁっ!?」

 

 俺の服を脱がせようとするりんくに対抗して暴れるが、縄でまともに動けないために簡単に制服のシャツのボタンを全て外される。

 

「……大丈夫なの?このキズ。」

 

「……べ、別に……」

 

 りんくは、ずっと昔に付いた俺の古傷をなぞるように指を這わせる。

 

「ゆ、ゆーくん……もう、何年も待ったんだし、良いよね?」

 

「ちょっ、待っ……んぐっ!?」

 

 次の瞬間、りんくは顔を赤らめながらも、今日の朝の続きだとでも言うかのように、俺の顔を両手で固定し、唇を強引に押し付ける。

 

「わたし……ずっと待ってたんだよ。こうやってゆーくんと一緒になれるのを…‥」

 

 唇を一度離し、俺の目を見つめながら話しかける。

 

「会いたくても会いたくても、ずっと会えなかった……だから、わたしね……もうゆーくんを逃したくないの。」

 

 りんくの瞳は…今までの彼女からは想像できないほど濁っていた。

 

「もう……ニガサナイカラ♡」

 

(ぐっ……もう…ダメだ……)

 

 このままりんくに抵抗できずに襲われる……そう思ったその時だった。

 

『コラー!夕護ー!そこにいるのは分かっているー!無駄な抵抗は止めて、おとなしく出てきなさーい!あと、わたしのお昼代よこしなさーい!』

 

「「……え?」」

 

 ふと、部屋の外から妙に聞き覚えのある声がマイク越しに拡張されて聞こえる。

 

ガチャ

 

「あ、夕護いた。……あ!?もしかしてりんくちゃん?久しぶりー!」

 

「「ゆ、夕乃(ちゃん)!?」」

 

 部屋の扉を開けて入ってきたのは、俺の双子の妹……夕乃だった。

 

「ゆ、夕乃!?なんでお前がここに!?」

 

 何故夕乃がこの場所に現れたのか……大して無い胸を張りながら自信満々に語る。

 

「そんなの、響子(きょうこ)ちゃんのお願いで夕護の脊髄に仕込んだGPSを辿って……じゃなくって、兄妹の絆だよっ!」

 

「おいちょっと待て、そんな話聞いてないぞ!?俺の脊髄にいつそんなもん埋めた!?てか響子の頼みって何!?アイツ何考えてんの!?」

 

 一気に来た情報量のせいで、りんくに押し倒されている事すら忘れてキレ気味に問いただす。

 

「響子……ちゃん……?」

 

「り、りんくさん……?」

 

 なぜかハイライトの消えた瞳で俺を睨みつける。

 

「ねぇ、それってダレなの?どこのオンナなの?ゆーくんとドウイウ関係ナノ?」

 

「ちょっっとおお!?違う違う!!俺と響子はそんな関係じゃないって!!落ち付いて!え、ちょっと待って、なんで俺の服を破ろうとするの!?なんでズボンに手を掛けるの!?」

 

既成事実……ゆーくんが盗られちゃう……既成事実を作らなきゃ……っ!

 

 何を血迷ったのか、りんくはブツブツと何かを呟きながら俺の服を再び脱がせようとしてきた。

 

「あはは♪夕護モテモテだねー。あ、今の様子を写真で撮って由香ちゃんに現像して貰おうかな?響子ちゃんが荒れるぞー♪」

 

「この鬼があああぁぁぁ!!!!!!!」

 

 その日、俺の怒声がりんくの部屋に響くのだった……

 

 


 

 

「そ、そんな……ママは16歳になったら結婚できるって言ってたのに……っ!?」

 

「まぁ、女子の場合はねー……男は18歳からだから、今の夕護じゃりんくちゃんと結婚できないよ☆」

 

 それから数分後……俺が完全に襲われる前に夕乃がりんくを止めてくれたおかげで事なきを経た。

 と言うかりんくよ……妙にお前が結婚を迫ってきたのは、俺とお前が今すぐにでも結婚できると思ってたからなのか……

 

「その……ごめんね、ゆーくん……わたしが早とちりしちゃって……」

 

 りんくは顔を真っ赤にしながら俺の目の前で落ち込みながら正座している。

 ちなみに、俺はりんくに剥がれた服をもう一度着ている。そのため、拘束も解かれている。

 

「でもでも、りんくちゃんが夕護とくっつけば、合法的に私がりんくちゃんをお義姉ちゃんって言えるから私は良いけどねー」

 

「っ!」

 

「おい、やめろ。それは俺が死ぬやつだから。」

 

 さりげなく夕乃がとんでもない爆弾発言をし、その言葉にりんくが反応する。

 

「どういうこと?」

 

「あぁ……その……なんて言えば良いのか……」

 

「?」

 

 俺の言葉に首を傾げるりんく。

 

「夕護はいろんな女の子にモテモテだもんねー?」

 

「えぇ!?」

 

 夕乃の言葉にりんくが驚いた反応をする。

 

「いやぁ、夕護に対して監視カメラに盗聴器、発信器……終いには夕護の私物の窃盗とかだからねーあはは♪」

 

「あはは♪じゃねぇよ!!初耳だわっ!!なんなの!?俺の部屋そんな物騒なことになってたの!?てか最近俺の私物が減ったと思ってたらアイツらの仕業か!?」

 

「あ、やっべ、これ響子ちゃん達に口止めされてるんだった……」

 

 ちなみに、少し後の話になるのだが、自宅の俺の自室からは監視カメラ4台、盗聴器5台、俺の私物からボタン型発信器7台……紛失した私物(主に衣服)が8点……俺が部屋でキレながら機械類を破壊したのは言うまでもない。

 

「今は私も夕護も16歳だし、夕護が18歳になるまでに誰が夕護を堕とせるか……楽しみだね♪」

 

「俺の安全が保証できてない時点で楽しくもなんともねぇよ!!」

 

 悪魔的な笑みをみせつけながら、そんなふざけたことを喋りだす夕乃。

 

「そ、それじゃあ……まだわたしにもチャンスがあるの……?」

 

「あるある♪いっそのこと既成事実くらい作ってさっさと結婚しちゃえば良いんだよ♪」

 

 りんくが期待に満ちた眼差しを夕乃に向け、当の夕乃に至っては、笑顔でとてつもない発言をしている。

 

「まぁ、でも早くしないと本当に夕護が他の女の子に盗られちゃうかもね☆」

 

「ダメ……渡さない……ゆーくんはわたしのモノなんだから……」

 

「り、りんく……?」

 

 あっれー?りんくの様子がおっかしいぞー?

 

「ゆーくん!!」

 

「は、はいっ!?」

 

 りんくは俺の名前を呼び、力強く宣言する。

 

「わたし、絶対にゆーくんの1番になるから……絶対絶対!ゆーくんのお嫁さんになるから!!」

 

「お、おう……」

 

 決意に満ちたような表情で俺に宣言するりんくに思わず戸惑ってしまう。

 

「だからそれまで……」

 

 そう言うとりんくは俺の肩を掴み、虚で濁った瞳で告げる

 

「わたし以外の女の子に、惑わされないでね」

 

 

 

 


 

「ふふふっ♪」

 

 りんくは夕護と夕乃が帰った後、布団の上でカメレオンの人形に抱きつきながら頬を赤らめ、笑みをこぼす。

 

「ゆーくんにキスしちゃった♪」

 

 今でも夕護の驚いた時の顔を思い浮かべて笑みをこぼす。

 

「ずっとずっと……むこう(アフリカ)でも会えるのを待ってたんだよ♪」

 

 ふと、りんくは古びた写真をポケットから取り出し、愛おしそうに眺める。

 その写真には、夕護とりんくが楽しそうに、笑顔で映っている所謂ツーショット写真だ。

 

(また会おうね、ゆーくん♡)

 

 りんくは自身の想い人(夕護)を思いながら、目を閉じるのだった。

 

 

〜おまけ〜

 

夕護「本棚……机の中……天井裏……布団の中……カーテン……私服……」

 

 夕護は現在、部屋の隅から隅までを漁り、大量の機材(主に盗聴器、監視カメラ等)と向かい合っていた。

 

夕護「おい、いつこんなの仕掛けたか知らないけど、残念だったな。」

 

 最後の監視カメラを見つけ、カメラ越しにそう言葉を言い放ち、窓を開けて2階から1階の庭へと投げ落とし、破壊する。

 

 

 

 

 

夕護『おい、いつこんなの仕掛けたか知らないけど、残念だったな。』

 

??「あーあ……バレちゃったか。」

 

 一方その頃、とある家ではモニター越しに少女が残念そうに笑っていた。

 

??「ま、明日は夕護のクラスは移動教室らしいし、捕まえるタイミングならいつでもあるよね……最高のタイミングで捕まえなきゃ♪」

 

 すでに何も映らなくなり、暗くなったりヒビの入ったモニターの電源を落とし、少女は濁った瞳で笑うのだった。

 

 




 なんか細かく修正してる間にピキピキのあの人がフォトンのあの人に追い越されてましたが……前回の宣言通り、次回はピキピキのあの人です。

 なる早で更新できるよう頑張るので、それではまた次回〜

 ぞえまるのTwitter→@Zoemaru0318

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