ありふれた殺し屋が現代最強 作:クロネコ
月曜日の朝礼前。
俺は大きな辞書みたいなアドバイスブックを片手にパンを食べていた。
中学校のころの担任は細かいところがまめで、数千ページに及ぶアドバイスブックを残していたのだ。
本当におせっかいであるがいい先生だった
中学のころから俺は底辺暮らし
少しだけクラスメイトとは距離があったが、どこか達観主義な自分に初めてできた居場所であった。
「…ふぅ」
「何見ているの?ってまた前の先生のアドバイスブック?」
俺に声をかけてきたのは白崎香織という少女。女版寺坂みたいな性格だが、それでも見た目はよく、クラスで二大美人と言われるまでの見た目を持っている。
初めて会ったのは中学三年生のころ、スーパーで知り合いの、ボランティアで活動しているわかばパークの少女がからまれているところを助けて、連絡先を交換した時から話す仲だ。
「まぁ、こんなにページあるからさ。せっかく書いてくれたものだし目を通しておきたくて」
「……えっと、でも全く関係ないことも書いてない?えっと、例えばこれ。異世界に転移した時の対策とか」
「まぁ絶対にないっていうことでも書く先生だったしな。まぁ修学旅行にアコーディオン並のしおりに、金閣寺のプロモまでつける特典つきだし」
「どんな先生なのよ?」
「おっ。八重樫。おはようさん」
「おはよう。前田くん」
すると話しかけて来たのは八重樫雫という少女だ。白崎の親友で二大美人の片割れ。そして剣道をやっているものとしては、女性最強と言われるくらいの剣の腕前らしい。詳しくはよくわからんけど。
「ん〜まぁ愛ちゃんと性格は似てるな。優しいけどドジで間抜けで、それでいて大きなヘマをやらかす。まぁそれでいて、スケベで巨乳好きでゲスだし、弱点は色々あるけどな」
「それって先生としてはどうなのよ」
呆れている八重樫。でもあの先生に敵う先生は、この先も現れないだろう。
「それでも、先生としてはクラス全員から慕われていたよ。俺も、クラスメイトも大好きな先生で、多分全員が恩師って答えるだろうな」
「……そこまで?」
「あぁ。……本当に大好きだったよ」
素直に言える。ずっと我慢もしていた。
誰よりもあの教室が好きだったが、誰もが先生たちのことが好きだった。
「……そっか」
「元はわかばパークの人たちに会ったのは、その先生がきっかけっていうのもあるんだけどな」
「わかばパーク?」
「俺がボランティア活動しているところだよ。ほら双葉ちゃんとか会ったことあるだろ?」
「あぁ。なるほどね。香織がよく言っていたから」
俺たちはいつも通りの話をしながら、朝のホールムームに備えていた。
そして、事件が起こるまで残り時間はわずかであることも。
「……ってことがあってね」
「へぇ〜」
と、机の上にパンを片手に、白崎の作った弁当を摘む。
これが日課になったのはつい最近のこと。
俺は料理が苦手で、両親が海外で共働きなのもあって一人暮らしをしているので、それを知って作ってきてくれているのだ。
「そういや、あなたって前のテストって」
「ん?オール満点だけど?」
「……あなたって本当に何者なの?光輝以上に勉強も運動もできるって聞いたことがないのだけど。授業中も何か他のことをやっているのに」
実際のところ、俺は授業はまともに受けてはいない。
課題や授業は受けているものの、少し先の問題集を解いていたりするのだ。
「まぁ。中学は他県の進学校にいたしな。エスカレーター式だったから高校の範囲までやっていることは珍しくないんだよ。一応成績上位には入っていたけど、俺以上の点数を取るやつとか運動神経がいいやつなんて、俺が知っている限りでもたくさんいるさ。元より俺は、高校は将来のことを決めるために入っているし、高校三年間の勉強は全て中学時代に終わらせてある」
実際俺は将来何になりたいのか未だに見つけられていない。だから基礎学習を全て終わらせ、色々と挑戦できるように、卒業前は過ごしていた。
「……えっと?つまり?」
「高校は進路を考える時間だけ。だから進学校よりゆっくり学べる公立を選んだんだよ」
「そんなこと言えるのは前田くんくらいじゃないかな?」
そんなことを話しているとすると、二人の気配を感じ取る。
またお前らかっと思いつつ俺は呆れてしまう
「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」
そんなことを言い出すのは、天之河光輝と呼ばれるイケメンくんだ。なお、容姿では劣っていると思っている。運動も成績も優秀だが、中学の遺産により俺よりも数段落ちることは明らか。俺は残念な浅野と裏で呼んでいる
「ん?俺世話焼かれているのか?そんなつもりは全くなかったんだけど?」
「あなた毎日のように弁当作ってもらっているのだけど?」
「いや。別に。元は俺が言い出したことではないしな。日課になっているし、最悪園部の家に弁当頼めばいいしな」
「私の家お弁当屋さんじゃないんだけど?」
ジト目で見るのは園部優花と呼ばれる少女。少しギャルっぽいがすごく乙女思考の持ち主で、根はかなり強い少女だ。
「料理本当にできないからな。夕飯は毎回お邪魔させてもらっているし」
「まぁ、勉強も教えてもらっているから別にいいんだけど。それに分かりやすいし」
実際白崎が作ってくれる前はそうしていたし。元々両親が仲がよくて小学生まで付き合いがあった。このクラスで俺が椚ヶ丘3-Eに在籍したことを唯一知っている人物だ。
「それに俺は完璧超人じゃないからな。自分よりも優れた人がいるって知っているから、どうってことないんだよ。頼るところは頼る。反対に勉強やスポーツ面で活躍すればいいだけだしな。それにただの善意だけで作ってくれているわけだし、受け取っても別にいいってことだろうな」
実際友達のことはなにかと分かるのだ。
空気を読みすぎるのもかなり問題視されるけど。
「……ねぇ。あなたって本当に何者なの?どこか達観しているような気がしてならないんだけど」
「達観はしてないさ。まぁ俺よりもバケモノな人たちが俺の周りにはいたしな」
実際その例に上がるのは、勉強面では浅野とカルマ。暗殺面では渚、リーダーシップについては磯貝や片岡など、色々と俺以上のバケモノが一杯いるのだ。
「それが分かっているなら直すべきじゃないか?いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから」
「その時はその時だろ。専門的な職に進むことを除いたら、俺はなりたい物にはなれるだろうしな。お前に言われたからってこの性格を直すつもりはないからな」
と、少し険悪な雰囲気になった時だった。目の前の天之河を中心とした円環と幾何学模様が現れ、俺たちを包み込む。俺も急なことに目を見開き、その紋章をじっと見てしまう。おそらく魔法陣だろう。魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大していった
「皆教室から出て!!」
愛ちゃんこと社会科担当の愛子先生がとっさに叫ぶが、過去の経験から手遅れだと思った俺は、自分のカバンを取り、それを離さないように握る。
魔法陣の輝きが爆発したように俺たちに包み込み、その瞬間俺たちは教室から姿を消したのであった。
ユエをヒロインに加えるか
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加える
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加えない