ありふれた殺し屋が現代最強 作:クロネコ
ただ接点がないので今現在はモブキャラになっているだけです
光が薄まるとそこは見覚えのない景色だった
恐らく俺以外は今の異常にまだ気づいてはいないが、光については耐性があるので、俺はすぐに現状把握を始める
周辺を見ると大きな壁画とポンチョ、いや法衣だろうか?そんな集団が俺を包んでいる
俺は持ってきたカバンから棒状の黒いものを取り出し身構える
「八重樫、白崎、園部。無事か?」
「えっ?えぇ」
「前田くん。それって?」
「スタンガン。中学の友達に譲ってもらったやつ。首元に当てられたら、たとえ軍人でも気絶させられるからな」
「……あんた何持っているのよ」
俺はそういうと警戒心をマックスにして周辺を睨みつける。それでも明らかに異常な雰囲気に俺は警戒を怠らずにいた
そして向こうの50過ぎくらいの男性がこっちに近づいてきているのが見える
手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声で俺たちに話しかけた
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
その言葉を聞いたとき、俺はあぁ、また面倒ごとに巻き込まれたんだと頭を抱えることになった
俺たちは大広間に集められると、この世界に呼び出された理由について説明されることになった
話を聞く限りトータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族がいて、魔人族と戦争をしている状態なのだという
魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、それでも魔物が多く魔人族方面から流れており、人間族は滅びの危機を迎えているというわけらしい
「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
というが、俺はその話を聞きながら、もしものために書いてある殺せんせーのアドバイスブックを見ていた
今日朝に学校に来た時に読んでいたところを見る
異世界に転移した時の対処法なんて誰が思いつくんだよ
俺は呆れながらにため息を吐く
あの先生無駄なことを書いてあるなぁと思いつつ、その続きを見ると
異世界に転移したのであれば、まず状況を確認するのがいいでしょうと、そこから数ページのコラムが載っている
……本当に余計なことを
俺は少しだけ呆れてしまうが、そのまさかの展開に少しだけほっとしてしまう
アドバイスブック通りに行くなら、戦争に参加するリスクとリターンがある
「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっと、ご家族も心配しているはずです!あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
すると怒り始める愛ちゃん。こういうところ本当にあの二人に似ているんだよなぁと思いながらも、その続きを待つ
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
実際帰してくれる可能性はかなり低い。それくらいの出来事だろう
ただ、恐怖を煽る言葉として、そして話術に長ける先生がいたから一つだけ気づいたことがあった
「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
パニックになるクラスメイトに対して、俺は他のことについて考えていた
少しだけリスクオブリターンを考える。これにより、どのことを見捨てることが重要なのかを読み取る
この場合どうすればいい?
流されるべきか?いや。それだと死者が出る
「殺すってどういうか分かっている?」
俺が夏休みの時聞いたイリーナ先生の言葉が突き刺さる
そして、俺は一つだけ思い出してしまう
殺せんせーの正体を聞いた時、そして悩みに悩んだ冬休み中
殺さないといけないということ
命の重み。それはあの一年間俺がいや俺たちが一番学んできたんだ
命がけで教えてくれた恩師が、俺に教えてくれたこと
軽く体が震えてしまう。でも、それであるなら俺は声を上げるべきだ
そう思った矢先テーブルを叩いたバンッと音が聞こえる
俺はそっちを見ると天之河が立っている
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
その言葉に俺は体が冷える
戦争をするってことがどういうことなのか分かってない奴が何を言っているんだと
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」
「雫……」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
と天之河の幼馴染組が賛同したせいで断れない雰囲気になってきている
「……シュン大丈夫?」
「ん?って優花どうしたんだよ」
「いえ。シュンが手を掴んできたからでしょ?少し痛いのだけど」
気づかないうちに俺は優花の手を掴んでいたらしい
幼馴染ってこともあり、誰にも気づかれない時に限って名前呼びをする仲だ
なお、人前で話さないのは、優花が恥ずかしいからという理由らしい
「…悪い」
「……いいわよ。少しくらい」
そう言いながらも、俺は少しだけ震えが止まらないでいる
それはこれから先どうなるか予見していることであった
ユエをヒロインに加えるか
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加える
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加えない