アサルトリリィPRESERVED   作:(確信)

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百合思う、故に百合あり。



(四話から五話への繋ぎ、開始)


デンファレ その1

 

 

 

五月。

やっとこさ百合ヶ丘の環境に慣れてきた梨璃は、少しずつ心に余裕ができ始めた。

 

日々の訓練や勉強はキツイが、生来頑張り屋な梨璃にはあまり苦にならず、それに放課後には愛しのお姉様やお姉ちゃん、楓とのティータイムも待っている。

 

当番でヒュージ討伐に駆り出されることもあるが、今まで組んだことのないリリィ達と一緒に出撃して交友を広げたり、少しずつ自分もヒュージへの攻撃に参加できるようになって、自分の成長を実感したりしている。

たまに、出撃後のメンバーでお茶をすることもあり、ここがお嬢様学校であることを実感すると同時に、みんな優しい人だ、と梨璃は嬉しく思っていた。

 

お姉様に言われたレギオンのメンバー集めは捗っていないが、七人までは集まっていることもあり、五月に入ったばかりの現在、梨璃はそこまでレギオンについて焦ってはいない。

 

総じて、梨璃は現在の学校生活を順風満帆に過ごしていると言っても良かった。

 

 

 

そんな中で、少しだけ不満に思うことがあるとするならば………

 

 

 

 

 

「最近、お姉様の付き合いが悪くありません?」

 

「お姉ちゃんもきっと忙しいんだよ……」

 

「そうは言っても、確かに気にはなるわね。無理をしてないといいのだけど……」

 

大好きなお姉ちゃんと慕う流瑠が、放課後どこかにふらっと行ってしまうことが多くなったことだ。

 

 

「放課後にラウンジでお茶をしましょう」と夢結から連絡を貰って来た梨璃と楓であるが、同じく連絡をしたという流瑠は、「ごめん!今日はちょっと……」と断ってしまったらしい。

 

それが今日だけならいい。しかし、最近は何度かそういうことがあった。

あの流瑠のことだ、何か一人で抱え込んだり無茶をしていないか、梨璃達は心配していた。

せっかくのお茶会も、流瑠がいないとソワソワして盛り上がらない。というか、ずっと三人で流瑠のことを話してしまう。そういう意味では盛り上がっていると言えないでもないのだろうが。

 

「別に仕事があるわけでは無いんですのよね?」

「ええ。生徒会にもちゃんと確認は取ってるわ。今日は特に仕事を頼んでいないって」

 

それを聞いて、「はぁ〜」と楓はテーブルに突っ伏す。夢結も少し浮かない顔で、最近流瑠がいなくて寂しいからか着けるようになった、流瑠からのプレゼントのノンホールピアスをいじいじと弄っている。

二人とも、どうやらルルニウムが足りていないらしい。

 

かく言う梨璃も、流瑠への想いを自覚してから、流瑠が側にいない時間が増えるとソワソワしたり、不安になってしまうようになった。

「可愛い恋人達を放っておいてどこにいってますの、お姉様……?」という楓の呟きに、梨璃も深く同意する。

 

「とはいえ、お姉様に直接聞いても、あの様子じゃ教えてくれるかどうか……」

「そうですわね……」

 

ティータイムにも関わらず浮かない顔が晴れない夢結と楓を見て、梨璃はガタッと立ち上がる。流瑠のことも好きだが、梨璃は夢結のことも楓のことも好きだ。その二人がこうして落ち込んでいる。なら、自分の心を落ち着かせ、二人を元気付けるためにも、自分が何かしなければ、と思った。

 

「……私、お姉ちゃんに聞いてみます!」

「り、梨璃さん?お姉様にも知られたく無いことだって……」

「でも、聞いてみなきゃわかりません!私……私、お姉ちゃんがいないと不安なんです、おかしくなっちゃいそうなんです!お姉ちゃんに会いたい!ギュ〜ってしてもらいたいですよぉ!!」

「梨璃さん……すっかり梨璃さんもルルニウムの虜ですわね……」

 

悲痛な叫びをあげる梨璃に、楓は同情の眼差しを送る。

夢結も楓も、梨璃と思いは同じだ。もっとお姉様と一緒に居たいし、ギュッとしてほしい。できればそれ以上のことも。

 

「そうね……梨璃はルルニウム摂取初心者だものね。わかったわ。

なら明日、もう一度お姉様をお誘いして断られたら……梨璃。お姉様にどこに行っているのか聞いてみて欲しいの。大勢で行ってもお姉様だって責められてる感じがするでしょうし……。お願いしていいかしら?」

 

夢結の頼みに、梨璃は顔に生気を漲らせて頷いた。

 

「はい!任せてください、お姉様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デンファレ その1

Cooktown orchid

charm

   魅力的なあなた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの、すいません。お姉ちゃ……流瑠様を見てませんか?」

「ああ、流瑠様ならさっきあっちを     

「ありがとうございます!」

 

次の日。

案の定流瑠がお茶会の誘いを断った、と連絡を受け、梨璃は流瑠を探していた。

 

「……あ、お姉ちゃん!」

 

他のリリィ達からの目撃証言も使いながら、流瑠を探した梨璃は、ついに流瑠の姿を見つけた。どこかへ歩いていく流瑠の背中を、梨璃は追う。

 

流瑠は、上級生の寮舎である旧館のさらに向こう側に歩いていき……そして、梨璃が知らない建物の前で止まった。

追いかけていた梨璃は、何となく流瑠に声を掛けづらくて、自然と隠れてしまう。

隠れて様子を見ていると……流瑠は梨璃の方を振り向いた。

 

「出ておいで、梨璃。大丈夫、何もしないから」

 

明らかに、流瑠は梨璃の方を向いて声を掛けている。

声を掛けられてビクッとした梨璃は、もう隠れていられないと悟って、おずおずと流瑠の前に姿を表した。

 

「な、なんでわかったんですか……?」

 

梨璃が尋ねると、流瑠は苦笑いした。

 

「なんでって……梨璃の可愛いしっぽが見えてたからねー」

 

「しっぽ?」と梨璃が首を傾げると、流瑠は梨璃のサイドテールを優しく撫でた。

「あっ……」と梨璃もそれで気付き、顔が赤くなる。自分の身体は隠していたつもりだったが、どうやらサイドテールが見えていたようだ。

 

「どうしたの?私を追いかけてたんでしょ?」

 

梨璃にそう聞く流瑠の声は優しく、怒っている様子はない。梨璃も流瑠の様子に安心して、話し始めた。

 

「最近、お姉ちゃんと中々お茶できないから……お姉ちゃん、何してるんだろって、それで……」

 

寂しげな顔で言う梨璃に、流瑠は「そっか、心配かけちゃったね」とギュッと抱きしめた。

 

「あぅ……お姉ちゃん、あったかい……」

「ごめんね、梨璃……。夢結と楓にも心配かけちゃったなぁ。最近はこうやってギュッとしてあげられてなかったもんね」

 

久しぶりの、じんわりとした暖かさと、気持ちのいい圧迫感に包まれる。これをされる度に、梨璃は「自分はお姉ちゃんのことが好きなんだ」と自覚する。その愛しい思いのまま、梨璃は流瑠を抱きしめ返した。

 

抱きしめられた状態で顔を上げた梨璃は、「お姉ちゃんは何をしてるんですか?」と尋ねた。尋ねられた流瑠は、少し困った顔をする。

 

「んー、そうだね……。梨璃はここ、どこかわかる?」

「え?ここって……」

 

そう問われて、梨璃は改めて周囲を見渡す。

旧館のその先。そこに梨璃は来たことが無かったし、興味も無かった。

そこには寮舎のような建物があり、今自分たちが話しているのはその目の前だ。

 

「ここはね、特別寮。色んな事情があるリリィが暮らす場所だよ。例えば……何らかの事情で普通の寮に住めなくなった子とか、あとは強化リリィとかね」

「強化リリィ……」

 

梨璃は、流瑠の言葉を反芻する。

強化リリィ。「ブーステッドスキル」と呼ばれるスキルを、後天的な手術によって付与されたリリィ達のことだ。百合ヶ丘では、そういったリリィ達を保護していると、講義でも習った。

強化リリィ達は後遺症に苦しむ。その苦痛を少しでも和らげようと、精神的にも肉体的にも保護し、回復を測っているのだ、と。

 

つまり、流瑠が言う「特別寮」というのは、そうやって保護されたリリィ達が暮らす場所ということだろう、と梨璃は当たりをつける。

 

「強化リリィが、後遺症に苦しむっていうのは習ったよね?私は、それを抑えたり、治療したりするのを手伝ってるんだよ。強化リリィの問題はかなりデリケートだから、みんなには言ってなかったけど……」

「そうだったんですか……」

 

梨璃は、流瑠の手の広さを改めて実感する。そんな様子の梨璃の手を、流瑠は特別寮の方へ引いた。

 

「中、入ろっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃は流瑠に連れられて、特別寮の中を歩いて行く。

そこには、沢山のリリィ達がいた。梨璃の目を引いたのは、そのリリィ達が皆、肌の色も髪の色も、かなり色素が薄いということだった。

リリィ達はみんな、流瑠の姿を見ると笑顔になって、そして隣を歩く梨璃の姿を見て胡乱げな顔をする。

 

「……強化リリィが珍しい?」

 

隣を歩く梨璃に、流瑠はコソッと聞く。

「は、はい……」と素直に頷く梨璃に、流瑠は「正直だねぇ」と笑った。

 

「強化リリィはね、みんな髪の色とか、肌の色が薄くなっちゃうんだ。ほら、私も」

 

そう言って流瑠は、自分の髪を見せる。

確かに、流瑠の髪は白に近い灰色だ。白磁の肌も、深紅の瞳と対比されているようで美しい。

改めて流瑠の顔を正面から見た梨璃は、「きれい……」という呟きが口を突いて出てしまった。

 

「あはは、ありがと……。でも、私は梨璃みたいな可愛い髪も羨ましいなぁ」

 

少し寂しげな顔になってしまった流瑠に、梨璃は不謹慎なことを言ってしまったかと思い、「ご、ごめんなさい……」と謝った。

それに流瑠も「いやいや、いいんだよ」と首を振る。

 

「あの、お姉ちゃん。今はどこに向かってるんですか?」

 

話題を変えた梨璃に、流瑠は「ああ、それね」と頷いた。

 

「今向かってるのは療養室。後遺症がまだ残ってるリリィ達の部屋だよ。今入ってるのは四月の頭に保護されたリリィ達で、もうほとんどの子達は後遺症も治ってるんだけど……一人だけ、まだちょっと見てなきゃいけない子がいてね」

「もしかして、お姉ちゃんが最近お茶会に来れなかったのって……」

 

梨璃の言葉に、流瑠は再度頷いた。

 

「うん。その子を診てほしいってお願いされてねー」

 

そう言って、流瑠はある部屋の前で立ち止まる。

 

「ここだよ。この部屋が、その子のいるところ」

「わ、私が入って大丈夫なんですか?」

 

梨璃が不安な表情を見せると、流瑠はニコリと微笑んだ。

 

「大丈夫だよ。優しい子だから」

 

流瑠は扉を開ける。そこにいたのは      

 

 

ベッドで横になる、幼い少女だった。

 

 

薄幸の美少女、とでも表現すればいいだろうか。他の強化リリィの例に漏れず、その少女の髪や肌も色素が薄い。

腕も身体も細く、恐らく、この百合ヶ丘でもかなり小さめな二水よりももう少し小さいだろう、と梨璃は感じた。白髪混じりの燻んだ金髪は長く伸びており、さらに幼さを際立たせているようにも見える。

 

少女は、ドアが開いたのがわかると、ベッド上からこちらに顔を向ける。

そして、くりくりとした真っ赤な瞳で流瑠の姿を見つけると、パァッと顔を輝かせた。

 

「あ……!るるおねーちゃん!」

「今日も来たよ、瑠璃(るり)ちゃん」

 

ルリ、と呼ばれた少女は身体を起こそうとするが、上手く起きることができずに、ボフッとベッドに倒れてしまった。

「だ、大丈夫?」と心配する流瑠に、少女は「えへへ。だいじょーぶだよ」とはにかんだ。

 

そして、ようやく梨璃の姿を見つけたのか、真っ赤な瞳を流瑠の横にずらした。

 

「……だあれ?」

 

少女は、梨璃を警戒するように身をすくめる。

そんな少女に、梨璃は努めて優しく自己紹介をした。

 

「あ、ご、ごきげんよう……!私、一柳梨璃です!一つの柳の木に、梨、それから瑠璃色の璃で、一柳梨璃!」

 

その名前を聞いて、少女は目をパチクリと瞬かせた。

 

「るりいろの、り……瑠璃色の璃!」

「そ、そうだよ?」

 

確認するかのように何度か口に出す少女に、梨璃は頷く。すると、少女は流瑠に向けるのと同じような、輝くような笑顔を梨璃に向けた。

 

「わたし、ヨツヤルリ!よっつのたにに、るりいろのるりで、四ツ谷瑠璃!」

「四つの谷に、るりいろの……瑠璃、ちゃん?」

 

梨璃が呟くと、瑠璃は大きく頷いた。

 

「そう!るる(流瑠)おねーちゃんの「()」に、りり(梨璃)おねーちゃんの「()」!そうでしょ?るるおねーちゃん!」

 

瑠璃に顔を向けられた流瑠は、「そうだよ」と微笑む。

その答えが嬉しかったのか、瑠璃はさらに笑顔になった。

 

「りりおねーちゃん!よろしくね!」

 

少女の可憐で天真爛漫な笑顔に、強化リリィと聞いて少し警戒していた梨璃も毒気を抜かれる。

「おねーちゃん」。そう呼ばれて、この少女が、まだ幼かった頃の弟と重なって見える気がして、思わず顔が綻んだ。

 

「……うん!よろしくね、瑠璃ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……瑠璃ちゃんはね、四つのブーステッドスキルの施術をしてるの」

 

流瑠は、瑠璃の事情を話し始める。その手は、持ってきたご飯を瑠璃に食べさせてあげることで忙しそうだ。

梨璃は預かり知らぬことだが、瑠璃はかなりトラウマも回復したようで、流瑠から差し出された固形の食べ物を普通に食べられるようになっていた。

 

「ドレイン、マギリフレクター、リジェネレーター、そして………ノスフェラトゥ。効果はわかるよね?」

「は、はい。……でも、ノスフェラトゥ、ですか……」

 

ノスフェラトゥ。不老化のブーステッドスキルだ。このスキルの施術を受けた者は、それ以降歳を取れなくなる。

こんな幼い子が……そう思った梨璃に、流瑠は話を続ける。

 

「ルリちゃんがノスフェラトゥの施術を受けたのは、中等部二年生……つまり、14歳の時。それから二年経ってることになるけど、やっぱり身体の成長はないみたいだね」

 

流瑠の言葉に違和感を持った梨璃は、「14歳?」と聞き返す。

人の精神がどうの、という難しい話は梨璃の専門外だが、そんな梨璃でも瑠璃の精神年齢はもっと低いように見えた。

 

「……梨璃の言いたいこともわかるよ。瑠璃ちゃんは、14歳にしてはあまりにも幼すぎる。多分……G.E.H.E.N.Aの実験で、心がやられちゃったんだと思う。そもそも、本来なら年齢は梨璃と同じはずだしね」

「あ、そっか……」

 

二年前に14歳にだったのなら、確かに今は16歳で、梨璃と同じ年齢のはず。

それが、ここまで幼児退行するほどのトラウマ……そんなものを植え付けられるほど、G.E.H.E.N.Aの実験とは過酷なのか、と梨璃は慄いた。

 

「るるおねーちゃん?なんのはなししてるの?」

「気にしなくていいよー、瑠璃ちゃん。ちょっとお仕事の話をね。次はどれが食べたい?」

「うんとねー……パン!るるおねーちゃんのくちからたべたい!」

 

瑠璃から出た衝撃の言葉に、梨璃は「ブッ!」と飲んでいたスポーツ飲料を吐き出した。

 

「る、瑠璃ちゃん!?今なんて!?」

「……?るるおねーちゃんにくちうつしでパンをたべさせてもらいたいっていった」

 

首を傾げ、さも当たり前のように繰り返す瑠璃に、梨璃は頭を抱えた。

 

「お、お姉ちゃん……?どういうことですか……?」

「いやぁ、あはは……。瑠璃ちゃん、最初はトラウマのせいで固形物を飲み込めなくてさ。だから私が、「これはちゃんと食べれるものだよ」って見せながら食べてもらうために……」

「るるおねーちゃん、まだー?」

 

流瑠が説明している間にも、瑠璃は恍惚とした表情で口を開け、赤い舌を見せて待っている。その顔は、母鳥からの餌を待つ雛というよりも、恋人にキスをねだっている、と言った方が合っていそうな様子だった。

 

「ちょっと待ってね、瑠璃ちゃん。今出して……」

「お、お姉ちゃん!私が!私がやります!」

 

その表情に危機感を覚えた梨璃は、「え?」と困惑する流瑠の手からパンを奪い取り、少しちぎって、瑠璃の前に差し出した。

 

「はい、瑠璃ちゃん。このまま食べてみて?」

 

しかし、瑠璃は頬を膨らませて首を横に振る。

 

「や。くちからがいい」

「さっきまで食べられてたでしょ?ちゃんと自分で食べなきゃ」

 

梨璃が嗜めるも、瑠璃はさらに激しく首を横に振る。

 

「やー!るるおねーちゃんのおくちからのがおいしいの!」

 

駄々を捏ねる瑠璃に、梨璃は「もう、我儘ばっかり言っちゃダメだよ」と口では言うものの、内心では動揺を隠せずにいた。

 

(お、お姉ちゃんからの口移し……私だってしてもらったことないのに!そんなの、美味しいに決まってる!)

 

「梨璃、瑠璃ちゃんのお母さんみたいだね」と微笑ましいものを見る顔をしていた流瑠は、「飲み物をとってくるね」と部屋を後にする。

 

梨璃は流瑠に「は、はーい!」と返事をするが、流瑠が出ていくと、「ぐぬぬ……」と歯を噛む。その梨璃に、さっきまで頬を膨らませていた瑠璃は突然言った。

 

 

「りりおねーちゃんも、やってもらったら?」

「え?な、何を」

「くちうつし!るるおねーちゃんにしてもらいたいんでしょ?」

 

純真無垢な笑顔でそう言う瑠璃に、梨璃は顔を赤くして「へぇっ!?」と動揺してしまう。

『お姉ちゃんに口移し』……魅力的な言葉だ。なんせ、自分は単にお姉ちゃんを慕っているのではなく、恋愛的な意味で好きなのだから。

 

(お姉ちゃんに口移し……お姉ちゃんに口移し……!)

 

そう思う度、梨璃の顔は赤くなっていく。それを見て瑠璃は「りりおねーちゃんあかくなってるー!」と笑った。

 

「りりおねーちゃん、るるおねーちゃんのことがすきなんでしょ?わたしもすき!でもね、わたしりりおねーちゃんのこともすきだよ!だからおてつだいしてあげる!」

「お、お手伝い……?」

「うん!わたしがるるおねーちゃんをせっとくしてあげる!」

 

流瑠への思いも見透かされ、梨璃は、この無垢な少女に掌の上で転がされているような感覚を覚える。

「で、でもそれは……」と躊躇う梨璃を見て、瑠璃は表情に艶を混ぜ、耳元で囁いた。

 

「しってる?るるおねーちゃんのくちうつしってね……とーってもおいしくて、きもちいーんだよ?」

「んなっ……!?」

「りりおねーちゃんもやってもらおうよ。わたしといっしょに……ね?」

 

瑠璃の表情や声は、熱に浮かされる恋する乙女の可愛らしさと、悪意など全くない純真無垢さがありながら、美女が恋人を誘惑するかのような妖艶さも混在している。

 

幼い可憐さと成熟した艶麗さが同居する、不思議な魅力を持つ瑠璃の言葉と表情に、梨璃は心臓のバクバクが止まらない。

 

「あ、あぅあぅ……」と梨璃が動揺して答えかねている間に、療養室の扉が開かれる。「持ってきたよー」と、流瑠が飲み物を手に入れて帰ってきたのだ。

 

「……?どうしたの?二人とも」

 

流瑠は、梨璃が顔を赤らめていることに首を傾げる。瑠璃の妖艶さは鳴りを潜め、いつの間にか元の天真爛漫な笑顔に戻っていた。

瑠璃は「ううん、なんでもないよ」と言った後、梨璃の方を少し向いて、『いいよね?』と口だけ動かす。

 

『お姉ちゃんに口移ししてもらう』     その為にどういう言い訳をするのか梨璃にはわからなかったが、その魅力には抗えない。梨璃は、流瑠にわからないように小さく頷いた。

瑠璃はそれを見て哂い、流瑠に話し始める。

 

「るるおねーちゃん。りりおねーちゃんがね、『くちうつしってどんなかんかくなのか知っておかないと、するほうもされるほうもふあんかも』っていってたよ?のどにつまりそうじゃないかとか、たべにくくないかとか」

「梨璃が?……そうなの?」

 

流瑠は、瑠璃の言葉に梨璃を見る。特段疑っている様子はなく、単に確認しているだけのようだった。梨璃は戸惑いながらも、流瑠に頷く。

 

「わたしはだいじょうぶだけど、それならりりおねーちゃんがるるおねーちゃんにやってみてもらったらいいんじゃない?ってはなしてたの。だって、いやなひとどうしならいやだけど、るるおねーちゃんとりりおねーちゃんならなかよしだから、やってもいやじゃないでしょ?」

「つまり、体験しておいたほうがいいってことだよね?……うん、他人のお世話をする人間として、一理あると思う。なら、梨璃。梨璃が嫌じゃなければ、やってみよっか?それで、どうだったか感想を聞かせて?」

 

遂に、この時が来た。上手いこと流瑠を丸め込んだ瑠璃は、梨璃のほうにウインクを飛ばす。流瑠の性格も考慮し、かなり自然な流れで口移しまでのルートを構築した瑠璃に戦慄しながらも、梨璃は感謝した。

 

「は、はい!お願いします、お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このパンでいいかな?」

 

そう言ってパンを少し千切る流瑠に、梨璃は「は、はい!」と返事をする。その顔には、期待と緊張が隠しきれていない。

 

「じゃあ、やるよ?」

 

流瑠は、パンを口に咥える。梨璃は少しずつ、それに顔を近づける。

目の前に、愛しいお姉ちゃんの顔が迫ってくる。この前お姉ちゃんに耳を舐めてもらった時は後ろからだったから、こんなにお姉ちゃんの顔が近くなるのは新鮮で、恥ずかしい。深紅の瞳に見つめられていると、梨璃はぼーっとしてしまう。その浮いたような感覚の中で、梨璃は自然に口を近づけていった。

 

やがて、自分の口が流瑠の咥えたパンに当たる。

パンではなくお姉ちゃんを見つめながら、「あ、これを食べるんだ」と思い、口に咥える。

すると、梨璃の唇は、パンのものとは違うふにっとした感触と触れ合った。

 

(これって、お姉ちゃんの唇     )

 

それに気付いてはっとするも、既に流瑠はパンを口から離していた。

もう少しその感触を堪能していたかった、と思うと同時に、また別の思いが梨璃の中で別の思いが大きくなっていく。

 

(こ、これが、お姉ちゃんの口の中に     !)

 

「これが今まで、流瑠の口に入っていた」     そう考えると、梨璃はパンを口に咥えたまま、緊張で息が荒くなる。

そんな梨璃を見て、流瑠は心配になりはじめた。

 

「り、梨璃?大丈夫?食べられそう?」

 

流瑠の声にも、梨璃は答えられない。少しずつ、流瑠を味わうかのように咥えたパンを咀嚼していく。

正直、緊張と興奮で味なんてわからない。でも、いつの間にか口の中から無くなっていたから、多分美味しかったのだろう、と思う。

梨璃は食べ終えた後、「はぁ……」と恍惚とした吐息を吐いた。

 

「えっと、どうだった?梨璃」

「……はい、凄く良かったです……」

 

興奮冷めやらぬ、というか、熱に浮かされたような様子で答える梨璃に、流瑠は「そ、そう?」と苦笑いする。

 

「食べにくいとか、喉に詰まりそうとか、そういうのはなかった?」

 

流瑠の言葉で、梨璃ははっとする。そういえば、自分はあくまでも「医療行為の一環」という体でこれをやっていたのだった。

梨璃は、「は、はい!大丈夫でした!」と慌てて答える。

 

「ほんと?なんか息が荒くなってたけど、大丈夫だった?」

「だ、大丈夫です!全然!いつもより美味しかったくらいです!」

 

本当は味なんてこれっぽっちもわからなかったが、梨璃は流瑠の心配を無くすために、少し大仰に首を振った。

それを聞いて、瑠璃はニヤっと哂った。

 

「じゃあ、わたしもしてもらっていーよね?るるおねーちゃん、わたしもちょーだい!」

「なっ……!?」

 

梨璃は瑠璃の言葉に戦慄を禁じ得ない。何せ、自分が「何も問題はなく、むしろ美味しい」と肯定してしまったせいで、瑠璃が流瑠に口移ししてもらうことを止める理由は何も無くなったのだ。特に、瑠璃は今手がうまく動かせない。そんな少女のお願いを、流瑠が無碍にするわけがない。それは、梨璃もよくわかっている。

もしかして自分は、この無垢な少女に嵌められたのだろうか?とすら思ってしまった。

 

「しょうがないなー」と流瑠はまたしてもパンを口に咥える。

瑠璃は口移しをしてもらう直前、一瞬梨璃の耳元まで口を持ってきて、愉しそうに囁いた。

 

「おてほん、みせてあげるね。りりおねーちゃん♪」

 

「え?」と瑠璃の方を向いた梨璃は、瑠璃が流瑠の咥えたパンに食いつくのを見る。そして、そこから目が離せなくなった。

 

瑠璃は、流瑠が咥えたパンを自分の口で咥えるのでは無く、少しずつ齧っていく。まるで、ポッキーゲームのように。

そして、瑠璃の口が流瑠の唇までたどり着くくらいパンが短くなると、瑠璃は流瑠の口の中のパンを根こそぎ自分の口に取り込むと共に、唇をしっかりとくっつけて、流瑠の口の中に舌を入れた。

 

「んむっ……ちょ、瑠璃ちゃ……!?」

 

瑠璃は舌を使って、流瑠の口の中のパンの残滓を根こそぎ取っていく。それはまるで、パン屑一欠片も残してやらない、と言っているようだった。

その光景から、梨璃は目を離すことができない。まるで、さっきの自分がやった口移しが児戯だと言わんばかり……いや、実際そうなのだろうと思えるほど、その口移しは濃厚だった。

 

「はむっ……んふふ、おいひ……♪」

 

……違う。これは口移しではない。()()()。この瑠璃という少女は、そのついでに、そしてその言い訳としてパンを食べさせてもらっているに過ぎない。明らかに、パンどころか、「口移し」という行為すらメインではない。キスをしたがっていたのだ。

 

 

やがて、口の中のパンの一欠片も無くなってしまったのか、瑠璃は名残惜しそうに流瑠から口を離す。時間にすれば1分も無かったのだろうが、見ていた梨璃にはそれがやたら長かったように思えた。

 

「ぷあっ……ふふっ。るるおねーちゃん、ごちそうさまでした!」

「こ、これはちょっと恥ずかしいんだけどなー……」

 

流石の流瑠すらも赤くなる口移しを終えた瑠璃は、満足した様子でベッドに横たわる。

そんなものを見せられていた梨璃は、心臓がドキドキバクバクすると共に、瑠璃を見る目がすっかり変わっていた。

 

流瑠を説得する文言や、梨璃に口移しを勧めた時の様子など、明らかにただ幼いだけではない。挙句にはあんな激しいキスまでして、アレをただの少女と思え、というのは無理があった。

しかし、彼女が梨璃に流瑠との口移しを勧めたのは、「りりおねーちゃんもすきだから」だし、そして今も「自分の方がすごい口移しだった!」みたいなドヤ顔で梨璃の方を見ている。瑠璃と梨璃が打ち解けたのも、「流瑠と梨璃の名前を組み合わせたら自分の名前になるから」だった。そして、梨璃は直感的に、この少女の梨璃への好意は嘘じゃないと思った。

 

変なところで大人びていて、変なところで幼い。不思議な少女だ。

 

 

「じゃあ、今日はそろそろ行こうか」

 

流瑠は、ぼーっと瑠璃を見る梨璃に声をかける。いつの間にか後片付けを終えており、後は梨璃と一緒に帰るだけ、といった様子だった。流瑠の言葉に、梨璃も「あ、はい!」と立ち上がる。

 

「も、もうかえるの……?」

 

すると、それまで楽しそうにしていた瑠璃の様子は一変し、オロオロソワソワとし出した。

 

「やだ……もうちょっといっしょにいよ?ね?」

「ごめんね、そろそろ帰らないと……」

 

流瑠がそう言うと、瑠璃は絶望したような顔になり、涙をポロポロと流し始めた。

 

「な、なんでもしてあげる!おねーちゃんたちがしてほしいこと、なんでもしてあげるから!だからいっしょに……」

 

それは、何も持たない少女が自分の精一杯を差し出した、ということだったのだろう。その必死さに、梨璃は心を打たれる。

きっと少女は、あまりにも孤独なのだ。実験の被験者にされ、苦しみを味わって、保護されたはいいもののそこには自分の知り合いなど一人もおらず。流瑠や梨璃というおねーちゃんに依存しなければ、不安で不安で仕方ないのだろう。

もしかしたら、さっきのように口移しとは名ばかりのキスをせがんでいたのも、いつもすぐに帰ってしまう流瑠との「繋がり」を確かめたかったからなのかもしれない。

 

そんな孤独な少女を、梨璃は      流瑠が自分にいつもしてくれるように、ギュッと抱きしめた。

 

「りり、おねーちゃん……?」

「瑠璃ちゃん。私もお姉ちゃんも、色々やらなきゃいけないことがいっぱいあるの。でも、私たちは、遠くへは行かないよ。この学校の中にいつもいるから」

「で、でも、わたしはここでひとりぼっちで、からだもうごかなくて……」

 

そう言いかける瑠璃の口に、梨璃は指を一本当て、言葉を遮る。

 

「百合ヶ丘はね、みんな良い人たちばっかりなんだよ。優しくて、暖かくて……。だからね、瑠璃ちゃん。頑張って動けるようになろ?私たちと一緒に、ここから外へ出ようよ!そしたら、瑠璃ちゃんがもう一人で寂しくなることなんてない。みんな優しい人だから。私たちも、瑠璃ちゃんが早く治るように手伝うから。だから……今はちょっとだけ我慢、できる?」

 

梨璃の説得に、抱きしめられている瑠璃は涙を流しながら、梨璃の胸に顔を埋め、ボソボソと何かを呟いた。

 

「ほかのひとなんていらない……わたしには、るるおねーちゃんとりりおねーちゃんだけいれば、それで……」

「……?どうしたの?瑠璃ちゃん」

 

聞き取れなかった梨璃が聞き返すと、瑠璃は「なんでもない……」と言って涙を拭った。

 

「わかった……がまんする……。りりおねーちゃん、また、きてくれる?」

 

健気にも泣くのを我慢する瑠璃に、梨璃は感極まって、さらに抱きしめる力を強めた。流瑠も、梨璃と瑠璃を纏めて抱きしめた。

 

「もちろん!また絶対来るから!」

「だから、待っててね?」

「まって、る……まってるからぁ……」

 

梨璃は瑠璃の顔を見て、流瑠が最近ここに通っていた理由がわかるような気がした。

 

天真爛漫な妹のような表情。

恋する乙女のような可憐な表情。

時折見せる、妖艶な艶を含んだ表情。

そして、孤独に震えるただの幼子(おさなご)の表情。

 

コロコロと変わる顔には、確かにハマってしまいそうな魅力がある。

構ってあげたい。孤独を癒してあげたい。慰めてあげたい。瑠璃を見ていると、そんな思いが溢れてくるようだった。

 

また来よう、と梨璃は心に決める。今度は、何かお菓子でも持って。

そして、いつか広い世界を見せてあげたい。私やお姉ちゃんだけじゃない、この部屋だけじゃない。もっといろんな人と、景色と、この子を会わせてあげたい。

大変なこともたくさんあるけど、世界は残酷なだけじゃないんだって、伝えたい。そう思った。

 

「じゃあ、またね?」

「また来るからねー!」

 

健気にも二人に手を振って見送る少女に、梨璃は間違いなく、ハマりつつあったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近、梨璃さんの付き合いも悪くありません?」

 

梨璃が流瑠に事情を聞きに行ってから数日。夢結と楓は放課後のお茶を楽しんでいた。

 

「そうね……。一体何があったのかしら……」

 

いや、正確には、()()()()()()()()()。その席には、流瑠も梨璃も来なかったのだ。

あれから数日が経ったが、流瑠が戻ってくるどころか今度は梨璃がお茶会に参加しなくなることが増えてしまったのだ。

 

梨璃に事情を聞いても「人助けです!」としか言わなかったし、流瑠も結局教えてくれなかった。

夢結と楓は、深刻な流瑠ロス梨璃ロスの二重苦に陥って、深いため息をつくしかなかった。

 

「これは、あれですわね……」

「ミイラ取りがミイラに……」

 

夢結の言葉に、楓は「それですわ……」と同意する。梨璃と流瑠は、間違いなく同じ場所に行っているのだろう、と楓達は察していたのだ。

 

 

「………で、ワシらはなんで集められたんじゃ?」

「さあ……?」

「私も、何も聞かされてないけど……」

「そうですねぇ。おそらく、流瑠様と梨璃さんが何をしているのか、突き止めるのに協力して欲しい、とかじゃないでしょうか?」

 

夢結と楓は、何も二人でお茶していたわけではない。梨璃に勧誘された、一柳隊(仮称)のメンバーも集めていたのだ。

突然集められたミリアム・二水・雨嘉・神琳は、二人の梨璃コン・流瑠コンっぷりに辟易していたが、話を聞いて大体の事情を察する。

神琳の言葉に、楓は「その通りですわ!」と立ち上がった。

 

「梨璃さんはわたくしたちのレギオンのリーダー……そのリーダーが、謎の行動をお姉様と一緒にとっている!これは一柳隊(仮称)として、追求すべきではないでしょうか!?」

 

楓の熱の入った演説に、ミリアムと神琳は渋い顔をする。

 

「もっともらしく言っとるが、要はレギオンを理由にプライバシーに突っ込もうとしとるんじゃろ?感心はせんがなぁ……」

「そもそも、まだレギオンは正式に発足してませんし……」

「わ、私は……良い悪いは別として、何をしてるか知りたい、とは思うかな……」

「私も、ちょっと雨嘉さん派ですかね……」

 

「そうでしょう!?」と楓は、肯定的な雨嘉と二水の言葉を拾う。

 

「だからこそ、梨璃さんとお姉様をストー……追いかけてみて、何をしているのか探ってみるべきだと思うのですわ!あくまでもレギオンのリーダーを心配して!ええ!」

「ワシらのことは無視かい!?というかお主、絶対余計な感情を挟んどるじゃろ?」

 

「ソンナコトアリマセンワー」とそっぽを向く楓を尻目に、夢結は四人に頭を下げた。

 

「楓さんの言うことはともかく、私からもお願いするわ。……ここのところ、お姉様と梨璃が心配で心配で、夜も眠れないの……。協力してもらえないかしら?」

 

夢結に頭まで下げられた四人は、流石に頷くしかない。

 

「まあ、夢結様がそこまで仰るなら……」

「仕方ないのぅ」

「はい!わかりました!」

「協力します、夢結様……!」

 

「貴方達わたくしの時と態度が違いすぎませんこと!?」と憤る楓は置いて、五人はどうすれば良いかを話し始める。

 

 

 

話し合いが進む中、楓が突然「ムムッ!」と声を上げた。

ミリアムはそれに、「まーたなんか変な電波でも拾ったんじゃあるまいな?」と胡乱げな目を向けた。

 

「あっちに流瑠様と梨璃さんの気配が!」

「本当に変な電波拾っとった!?」

 

ミリアムが呆れながらも楓の見ている方を見ると………そこには一緒に歩く流瑠と梨璃の姿があった。

 

「ま、マジか……」

「ほら、ほら!言ったでしょう!?」

「梨璃さんと流瑠様が好きすぎて変な能力を手に入れてますね……」

 

梨璃と流瑠は、どうやら旧館の向こうへ歩いて行こうとしているらしい。楓は立ち上がり、全員に呼びかけた。

 

「何をグズグズしていますの!?追いかけますわよ!」

「まだノープランなんじゃが!?」

「プランなんて必要ありませんわ!追いかけて突き止める!それで十分ですわ!」

「ならなんで私達呼ばれたんですか!?」

 

「良いから行きますわよー!」と流瑠達を追いかけて行く楓。一柳隊(仮称)のメンバー達も、呆れながらそれを追って行く。

 

 

どうやら、孤独な少女が外の世界を知るのは、そう遠い話では無いようだった。

 





・瑠璃ちゃん
キス魔。純真無垢小悪魔系ロリっ子。るるりりの愛の結晶であり既成事実。

・梨璃ちゃん
ミイラ取りがミイラに。コソコソと流瑠様と一緒に瑠璃ちゃんのところへ通っていた。自分と流瑠の名前を組み合わせたような名前を持つ瑠璃を、自分の妹か娘のように猫可愛がりしている。

・一柳隊(仮称)
まだ7人。まだ(仮称)。梨璃はまだ「白井隊」だと思っているが、そう思っているのは梨璃だけ。


そういうわけで、ここから数話はアニメ四話から五話への繋ぎの話になります。瑠璃ちゃんがある程度絡んできそうですね。

いつも感想・評価・UA・お気に入り等、ありがとうございます!
これからも頑張っていきます!
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