ユリードリヒ・ニーチェ
「ん〜〜〜っ」
カーテンと窓を開け、外の空気を目一杯吸い込む。
窓から入る日差しは眩しく、今日も穏やかな天気になることを梨璃に予見させた。
百合ヶ丘女学院に入って初めての朝。梨璃は「いつでもそばに置いておくように」と言われたチャームを抱きしめて一晩を過ごした。ルームメイトの
今日は授業が無いとは言え、ここは百合ヶ丘女学院。今日から、部屋の外で行動する時はほぼ常に百合ヶ丘の制服でなければならない。
百合ヶ丘は伝統あるお嬢様校だ。制服もかなり凝ったデザインをされており、田舎者の梨璃には着るのも一苦労だ。閑に手伝ってもらわなければ、今日一日は部屋で過ごすことになっていたかも知れない。
閑に着付けを手伝ってもらう時、昨日の怪我を「痛む?」と指摘された。
肉体的には、そこまで痛いということはない。しかし、その後の「そう。運が良かったのね」という言葉には、ズキンと胸が痛んだ。
その通りだと思う。昨日はただ、「運が良かった」。夢結様や楓さんが歴戦のリリィで、私をサポートしながら戦ってくれて、たまたまヒュージの動きを目で追えて、極め付けは、流瑠様が私を助けてくれた。
次からは、こうは行かないかも知れない。
自分が傷つくだけならまだいい。でも、昨日のように足を引っ張り続けていたら、弱い自分のせいで楓さんや夢結様が
そう考えて、梨璃はブルリと身体を震わせた。
アサルトリリィPRESERVED
第二話 ブーゲンビリア
Bougainvillea
Can only see you
―目に映るのはあなただけ
梨璃は基本的に、そこまで自己肯定感が高いとは言えない。
故に、昨日の戦闘で自分がどれだけ有名になってしまったのか、正確に把握できていなかった。
というよりも、梨璃の考えていた昨日の事件の重要性と、周囲の梨璃への認知度・興味は、大きく乖離していたと言ってもいい。
そういうわけで、自分がどれほどの有名人なのかわかっていなかった梨璃は、朝食後、学院内の共用の化粧室で、早速絡まれていたのだった。
「あら、おはよう梨璃さん」
「あ、どうも……じゃなかった。ご、ごきげんよう?」
梨璃に絡んだ少女の言葉は、それ自体は穏やかで何の変哲もないものだが、何故か妖艶な雰囲気を醸し出している。
「ごきげんよう、ね……そんなありきたりなのじゃなくて、もっと
「ほ、本質的…?」
梨璃には、その「本質的な挨拶」が何を指すのか検討もつかない。しかし、「本質的」というからには、百合ヶ丘では必要なことなのだろうか そう思い、ロクな抵抗もせずに接近を許してしまう。
あれ?何かおかしいな?と思い始めたのは、洗面台近くで逃げないように身体を密着させられ、親指と人差し指で顎を上に上げられた 所謂「顎クイ」をされた後だった。
(あれ?私このままじゃもしかしてマズいのかな?)
顔を近づけられ、危機感を感じ始めた梨璃に救世主が訪れたのは、その時だった。
「あ〜ら〜や〜ちゃ〜ん?」
「!?そ、その声は……!」
「流瑠様!?」
化粧室の入り口に立っていたのは、昨日も梨璃を命の危機から救ってくれた救世主 三巴流瑠だった。
「ごきげんよう、梨璃ちゃん。昨日はよく眠れたかな?」
「は、はい。あ!昨日はありがとうございました、流瑠様!」
「いいのいいのー。可愛い
流瑠はジトッとした目を、アラヤと呼ばれた少女に向ける。
「いけないんだー亜羅椰ちゃん。私と言うものがありながら、他の
「そ、そそそそんなことは……」
アラヤが動揺していると、今度は「ヨヨヨ……」と泣き真似をする流瑠。
「私をお姉様って言ってくれていたのは嘘だったんだね……」
「い、いえそんな!嘘なんかじゃ……!」
「ほんと?じゃあ教えてほしいんだけど……」
泣き真似をやめた流瑠は、今度はアラヤに顔を近付け、耳元でドスの効いた声を囁いた。
「私が留守の間、
「ひっ……」
「ひ?100人くらい?」
「………」
梨璃にはアラヤと流瑠の会話は聞き取れなかったが、梨璃にわかったのは、梨璃との会話ではあんなに自信満々だったアラヤが、流瑠と話している間は怖がっているような それでいて、
「わ、わたしが悪かったですぅ♡アラヤは、流瑠お姉様のアラヤでした♡」
しばらく梨璃に聞こえないくらいの声で流瑠とアラヤが話していると、アラヤは身体に力が入らないのか
「ごめんねー梨璃ちゃん。この子は『
「おそ…え?私、襲われるところだったんですか!?」
未だに状況を理解していなかった梨璃に、流瑠は苦笑する。
「そうだよ。まあこの子、名の知れたリリィだし、慕ってくれる子は多い筈なんだけど……
「かわっ!?わ、私なんてそんな……」
「よいしょっと」と、流瑠は亜羅椰をお姫様抱っこに持ち変えると、「あ、そうだ」と言葉を続けた。
「夢結ちゃんに会いたいなら、多分旧館にいるんじゃないかな?行ってみたらいいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!私、皆さんにお礼が言いたくて……」
そう言う梨璃に、「あはは」と笑顔を向け、流瑠は亜羅椰と共に化粧室から去っていった。
「そっか。がんばってね。……さて、亜羅椰ちゃん。亜羅椰ちゃんには、『オシオキ』が必要みたいだね」
「ひっ…♡ご、ごめんなさい!許してくださいお姉様ぁ♡」
「だーめ。足腰立たなくなるまでやるよー」
去っていく二人を尻目に、梨璃は夢結に会うため、旧館に向けて歩き出した。
「……結局、襲われるってどう言う意味なんだろ」
「……はぁ」
「なるほど、そんなことがありましたのね……」
「亜羅椰さんに襲われかけ、さらに夢結様には完全に無視、と……なかなか踏んだり蹴ったりですね」
百合ヶ丘女学院のラウンジ。
同じ一年生の二人を前に、梨璃は肩を落としていた。
亜羅椰と流瑠との邂逅の後、梨璃は流瑠に言われた通り、夢結を探して旧館へ向かい、無事に夢結を見つけることができた……のだが。
肝心の夢結は背を向けたまま、梨璃の言葉を全て無視。
最後に叫んだ、渾身の「ごきげんよう!」すらも不発に終わり、梨璃はトボトボと旧館を後にしたのであった。
その後、落ち込んでいるところにクラス分けを見ていた二水・楓と出会い、一緒に足湯に浸かった後、ラウンジで紅茶を楽しみながら、梨璃はさっきまであったことを二人に話していたのである。
「私、夢結様にシュッツエンゲルになって欲しくて…」
「……それは、少し難しいですわね。シュッツエンゲルの契りは普通、上級生からお声が掛かるものですから」
(あれ?でも楓さんも昨日は夢結様に申し出ようとしていたような…)
難易度の高い願いを吐露する梨璃に、楓は現実を突きつける。
百合ヶ丘女学院に伝わる伝統の一つだ。
基本的に、上級生と下級生の1対1で結ばれる、『姉妹の契り』。それがシュッツエンゲルの契りである。
上級生は
シルトはシュッツエンゲルに導かれて成長し、シュッツエンゲルはシルトを見守り導くことでまた成長する。シュッツエンゲル制度は、生徒同士で成長を補完させる、生徒たちの自主決定権が強い百合ヶ丘ならではの制度と言えるだろう。
「で、夢結様にシュッツエンゲルを申し込もうとしたけど、それを切り出すどころか話を聞いてすらくれなかった、と。昨日はいい雰囲気だったって聞きましたけど」
「うん……私、嫌われちゃったのかな」
「(あぁ〜、落ち込んでいる梨璃さんも可愛らしいですわぁ〜)まあ、元々気難しいことで有名なお方ですから……それに」
「それに……何ですか?」
楓は「今の夢結様は苦手ですわ」と言おうとして やめた。
「……いえ、なんでもありませんわ。事情を知らないわたくし達が、印象だけで夢結様を決めつけるのは一番
楓は夢結の流瑠への態度を思い出したが、それを根拠に夢結を否定するのは思いとどまった。自分がそう言うことで、夢結を慕っている目の前の二人の、夢結への印象を変えてしまうかも知れないと思ったからだ。それは、夢結と流瑠の事情を詳しく知らない自分がやっていいことではない。
「とは言え、梨璃さんも見たでしょう?夢結様の、流瑠様への態度を」
「あ、うん。流瑠様の話題が出た時、夢結様、怒ってたし、悲しそうだった……。流瑠様はみんなのことを妹だって言って守ってくれる人で、夢結様を怒らせるような人じゃないと思うんだけど……」
「今の夢結様は、シュッツエンゲルどころかどのレギオンにも属さず、常にたったお一人でヒュージと戦っているそうです。……それが、流瑠様との不仲と何か関係があるのでしょうか?そう言えば、流瑠様もレギオンやシルトを持たず、一人で戦っていらっしゃるみたいですけど」
3人して夢結と流瑠のことについて考えるも、答えは出ない。
とはいえ、それは道理だ。圧倒的に情報が足りない。自分たちは、まだ何も知らない新入生に過ぎないのだから。
袋小路に陥って静かになってしまった3人の空間を壊したのは、梨璃の一声だった。
「……私、流瑠様にチャームの使い方を教えてもらいたいです!」
「!?ゲホッゲホッ!いきなり何を言い出すんですの、梨璃さん!?」
「る、流瑠様ですか!?」
唐突に梨璃から発せられた言葉に、二人は驚愕する。
「私、早く一人前のリリィになりたいんです。流瑠様は学院最強のリリィって呼ばれてるんだし、教えて貰えば、きっと早く強くなれる。そうすれば 」
続く言葉は、楓にも二水にも容易に理解できた。「そうすれば夢結に認めて貰えるかもしれない」 しかし。
「梨璃さん。お気持ちはお察ししますが、流瑠様に個人的に手解きを受けるのは少々……いえ、かなり難しいと思いますわよ」
「え、そうなんですか?」
梨璃の疑問に、二水が応える。
「流瑠様はこの学校で、リリィとして戦うだけでなく、戦闘訓練の実習などの教官を務められたり、さらにはリリィ達のメンタルケアも担当されているみたいですね。加えて、外部のガーデンに遠征されて、そこでも教官を務められたりしているそうです。その遠征から帰ってきたのが、つい昨日だったみたいですね」
「えっと、それって……」
「とっても忙しいってことですわ。最強と呼ばれるが故の多忙さ、ということなのでしょうね」
楓の言葉に、二水は首肯する。
「そうですね。……というか、明日から実習が始まるんですし、そこで流瑠様からの手解きも受けるチャンスはあると思いますよ?」
「でも、私じっとしていられなくて……断られてもいいから、頼むだけ頼んでみたいんです!」
頑として譲らない梨璃に、楓は呆れ半分、感心半分でため息をついた。
「はぁ……。流瑠様に手解きをしていただいて、夢結様とシュッツエンゲルですか……。中々壮大な夢ですわね」
しかし、一度ため息をついた楓は、今度は情熱を宿した目で立ち上がった。
「とはいえ、梨璃さんの覚悟はよくわかりました!ダメで元々、当たって砕けろですわ!!わたくしも協力致しますわよ、梨璃さん!」
「ほんと!?ありがとう楓さん!」
そして、と、楓は自分の野望も語り出す。
「こうなったらついでに、わたくしも流瑠様にシュッツエンゲルになっていただけるよう、お誘いしてみますわ!」
「る、流瑠様とシュッツエンゲルですか!?」
楓の発言に、二水が驚く。
「わたくし、昨日の出会いを経て、シュッツエンゲルにするとしたらもう流瑠様しかいないと心に決めていましたの!それに、シュッツエンゲルということなら抱きつかれようがそれ以上のことをしようがされようが咎められることはありませんし」
「いや、昨日朝イチで夢結様に申し込んでませんでした?っていうかなんか今不穏なこと言いませんでした?」
「過去には囚われない主義ですの」
楓の変わり身の早さに、二水は呆れる。
「というか流瑠様、もしかしたら夢結様よりも難易度高いかもしれませんよ?確か流瑠様は、シュッツエンゲルの契りを結ぶ時、かなり難しい試験を課されるらしいですし、そもそも競争率が……」
「知ったこっちゃありませんわ!虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言いますし、やってみなければ結果は得られないものですわ!!」
(しかもこれが上手くいけば、流瑠様をシュッツエンゲルとしてキープしつつ、玉砕して傷ついた梨璃さんをわたくしが慰めることで一丁上がり、と。……我ながらなんて策士なのでしょうか、楓・J・ヌーベル!これはなんとしてもやり遂げなければ……!)
「ですわよね、梨璃さん!」と下心からか妙にハイテンションで梨璃に同意を求める楓。
梨璃も梨璃で、「頑張りましょう楓さん!」とか張り切っているので、二水にはもう止められそうもない。
(……とは言え、もしお二人が流瑠様と夢結様のシルトになったら……これって快挙ですよね。今までその試験の難しさからシルトがいなかった流瑠様と、気難しい孤高の一匹狼である夢結様のお二人が同時にシルトを、という話になれば……良い記事が書けるかもしれません!ついでに昨日気絶して会いそびれた流瑠様に、これをきっかけに取材しちゃったりとか!)
「こうなれば私もお手伝いしますよ!梨璃さん、楓さん!」
「ありがとう二水ちゃん!」
(この
無邪気に喜ぶ梨璃の横で、急にやる気になった二水に楓は一瞬首を傾げたが、「まあいいか」と気にしないことにした。下心に関しては人のことを言えないので。
「ではまずは、流瑠様を探さないといけませんわね」
「そうですね。梨璃さんの特訓の件と、ついでに勝ち目薄の楓さんのシュッツエンゲルの件を聞いてみないといけませんし」
「ついでとか勝ち目薄とか、なんなんですのちびっ子!わたくしのシュッツエンゲルの件は紛れもなく本命の用件でしょう!?」
「ちびっ子!?っていうかさっきは自分で「ついでに」って言ってたじゃないですかぁ!」
「過去には囚われませんの!!」
「あはは…」
そんなこんなで一年生の仲良し三人組が歩いていると、緑の髪の少女に声を掛けられた。
「ごきげんよう。貴女、一柳梨璃さんよね?貴女達、もしかして流瑠姉様を探してるの?」
「あ、ごきげんよう。私が梨璃です。えっと……」
梨璃が戸惑っていると、少女は苦笑して自己紹介を始める……より先に、二水が解説を始めた。鼻血を抑えながら。
「壱盤隊…現アールヴへイムの隊長、
「あ、うん、ありがと。なんか恥ずかしいからそれくらいで……。で、流瑠姉様を探してるんだよね?」
二水の解説を遮って壱は本題に入る。
「はい、そうなんです。どこにいるのかご存知なんですか?」
「うん……っていうか、多分っていうか。この時間だと、亜羅椰と一緒に訓練室にいるんじゃないかな?」
その名前を聞いて、梨璃は「うっ」と声を上げる。
「あ、亜羅椰さんですか…」
「…?一柳さん、亜羅椰と知り合い?」
壱は、梨璃の「亜羅椰」という名前に対する反応に疑問を覚える。
「いや、知り合いというか…」
「梨璃さん、先程亜羅椰さんに襲われかけたらしいんですの。それでちょっと苦手意識ができているのではなくて?」
「はい……」
それを聞いた壱は、「あちゃー」と手を額に付ける。
「またあいつ……ごめんね一柳さん、うちの亜羅椰が。亜羅椰自身は優秀なリリィなんだけど、あのクセのせいで問題児扱いでね……。
流瑠姉様と訓練室っていうのも、その関係なんだよ」
壱の言葉に、「というと?」と二水は先を促す。
「亜羅椰、中等部時代からずっとあんな感じなんだけど、学院から流瑠姉様に「どうにかしてー」ってお願いしたらしくてさ。メンタルケアも兼ねて流瑠姉様が訓練室で叩き直してくれたり、一緒にいて抑えてくれてたりして、暫くは大人しくしてたんだよ……。流瑠姉様の遠征の間も結構我慢してたんだけど、かなり長かったから、多分ストレスが溜まってたんだと思う。出発直前まで、『私も連れて行ってくださいお姉様ぁ〜〜〜〜っ!』って言ってたし」
壱の話を聞いた楓は、ため息を漏らした。
「なるほど、はた迷惑な人ですわね」
「返す言葉もない……ほんと、流瑠姉様にはお世話になりっぱなしだよ。まあそんなわけで、今の時間帯は亜羅椰と訓練してることも多いから、流瑠姉様なら訓練室にいるかもしれないよ」
「ありがとうございます、壱さん!」
梨璃からのお礼に、手を振りながら去っていく壱。
去り際に、壱は三人の方を振り返った。
「あ、そうだ。もし流瑠姉様とシュッツエンゲルになろうって思ってるなら、相当難易度高いから覚悟した方がいいよ。手強いライバルもいるしね」
「ライバル?どなたのことですの?」
楓が聞き返すと、壱は笑って言った。
「 亜羅椰だよ。亜羅椰が一番、流瑠姉様のシルトに近いリリィだって言われてる」
「じゃあがんばってー」と、壱は今度こそ去って行った。
「亜羅椰さん……遠藤亜羅椰さんですか。これは強敵ですね」
二水のその言葉に、「そうなの?」と言葉を返す梨璃。梨璃の中で亜羅椰は、「女の子なのに私に襲いかかってきた変な人」という印象でしかないようだ。
「そうですよ!遠藤亜羅椰さんは先程の壱さんと同じアールヴへイムに所属していて、
「つ、つまりすごい人ってことだよね!」
二水と梨璃の評価に、楓は「フッ」と鼻を鳴らして笑う。
「ご心配なく。この楓・J・ヌーベル、これでも戦闘力にも自信がありましてよ?あんな下心マシマシの尻軽女には負けませんわ!」
「楓さんには下心、無いんですか?」
二水の言葉に、楓は一瞬「うっ」と動揺する。
「あ、あるわけないじゃありませんか〜。わたくしは純粋に、流瑠様をお慕いして 」
「本当ですかー?なんか今日、ちょくちょく梨璃さんに向ける視線も怪しい感じでしたし」
それを聞いて、梨璃は流瑠の言葉を思い出した。
『……ここ、年季の入った女子校だから、割と度々こういうことがあるんだよね。梨璃ちゃん可愛いんだし、襲われないように気をつけてるんだよ?』
「か、楓さんも、私を襲うんですか……?」
「見損ないました楓さん……」
二人からの責めに、楓はついに声を上げた。
「お、襲いません!襲いませんからぁ〜〜〜〜っ!」
ラウンジに楓の絶叫が響き渡った。
・梨璃ちゃん
今回の被害者。「襲われそうになっていた」ことを自覚したため、亜羅椰への好感度がアニメよりもかなり低い。というかファーストコンタクトが最悪レベル。そらそうだ。でもまだイマイチ「襲う」の意味が分かってない。かわいい。
・楓さん
今回も下心マシマシ。楓さんが楽しそうで何よりです。
「キープ」とかいう言葉を使い始めた。淑女とは一体……。
下心はあれど、他人のために怒って他人を気遣うことのできる優しい人。ほんといい子。すき。
・二水ちゃん
なんかアニメよりも若干黒くて毒舌。原作の二水ちゃんはいいこですよ?
オタク特有の早口トークは健在。二水ちゃんかわいいよ二水ちゃん。
・亜羅椰さん
筆者のイチ推し。百合の無限の可能性。
機械チックなネコミミがいい味出してる。戦闘狂かつ色ボケだが……。
多分この小説で♡とかつけて話すのはこの人だけ。
・壱さん
なんやかんや濃いメンツの集まった壱盤隊を纏めるすごい人。
流瑠のおかげで原作ほど樟美ちゃんとの仲もぶっ壊れてない他、亜羅椰の面倒を見てもらったりしているので、流瑠には頭が上がらない。
・流瑠
戦闘訓練の教官をしたり、生徒達のメンタルケアまでしていることが発覚した。負担でかすぎない?
彼女のメンタルケアを受けたリリィ達は、次の日からお肌ツヤッツヤでめっちゃ調子良くなるとかもっぱらの噂。
感想・沢山のUA・お気に入り等ありがとうございます!メッチャ励みになります!この小説が全ての百合好きに一時の癒しを与えることができるものになるよう、精一杯頑張ります!