アサルトリリィPRESERVED   作:(確信)

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大いなる百合には、(他人の性癖を壊す)大いなる責任が伴う。
   ユリ・パーカー


(本当はその2で終わるはずだったけど、長くなりそうなので分割しました)


ブーゲンビリア その2

「じゃあ亜羅椰ちゃん、どこからでもかかっておいでー」

 

訓練場での激戦は、そんな流瑠の気の抜けた声から始まった。

 

「……不肖、遠藤亜羅椰。行きますっ!『フェイズトランセンデンス』!」

 

「お、初っ端から飛ばすねー」

 

「貴女から教わったんです…よっ!」

 

 

『フェイズトランセンデンス』。瞬間的に使用者のマギが無限大になる、見た目も能力も派手なレアスキルだ。

 

マギとはリリィの力の源。故に、潤沢であればあるほど攻撃・防御両面での飛躍的な戦闘能力向上が実現できる。

フェイズトランセンデンスは、瞬間的とはいえそのマギを「無限大」にまで大きくするので、マギを大きく消費するはずの行動を、実質無制限に行うことができる。

例えば     

 

 

「はあっ!」

 

 

ドンッ!という爆音とともに、亜羅椰は数十メートルあった流瑠との距離を一瞬で縮めた。

流瑠は顔を驚かせながらも、叩き込まれる亜羅椰の斬撃を即座に訓練用チャームで抑えた。

 

 

「足と背中からマギを大量放出して()()()()()来るなんて……力技だけどいい奇襲戦法だね。姿勢制御もできてる……相当練習したんだね、亜羅椰ちゃん」

 

「お褒めに預かり光栄……ですっ!」

 

 

そのまま繰り出される、無限大のマギを込めた連撃に次ぐ連撃。流瑠は難なくそれを捌いていく。

埒があかない    そう考えた亜羅椰は、さらに奥の手を出す。

 

 

「これなら…どうです!?」

 

 

亜羅椰はチャームを振り翳し斬撃を繰り出す   と同時に。

チャームのブレード部分に、さらに()()()が形成される。

 

 

「っ!?あぶなっ   

 

「はぁああっ!」

 

 

輝く刃……マギによって形成されたそれは、チャームの一薙ぎを広範囲攻撃に変える。

自分からの攻撃は届かない距離からの連撃に、流瑠は防戦一方になる。

 

 

「マギの物質化……しかもかなりの練度!亜羅椰ちゃん、いっぱい練習したんだねぇ!いやあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ところだったよ!」

 

「ちっ、外れましたか……。当たり前です!貴女のいない半年間、寂しさを紛らわせるために……!それこそ、他の人を食っちまうことなんて考えられないくらい訓練させていただきました!」

 

 

亜羅椰の連撃は続く。なんとかそれを躱し、いなし、防御しながら、流瑠は口を開く。

 

 

「じゃあなんで、今日は梨璃ちゃんを襲おうとしちゃったのかな!?」

 

 

その言葉に、亜羅椰は目に見えて動揺する。

 

 

「あ、あれはその……お姉様が帰ってきたから気が抜けてしまったというか、身体が勝手に動いてしまって……」

 

「全くもう、そういうところが可愛いんだから……!」

 

 

喋りながらも、互いの攻撃は止まらない。もはや二人の間に防御はなく、攻撃に攻撃で応える。

ガキン!ガキン!と強くぶつかる二つのチャームの間からは、激しく火花が飛ぶ。

 

 

「じゃあ、ちゃんと梨璃ちゃんに謝らないと、ねっ!」

 

「あっ!」

 

 

亜羅椰の攻撃が弾かれると同時に、フェイズトランセンデンスが解除される。

 

 

「記録は……10分42秒!亜羅椰ちゃん、フェイズトランセンデンスをかなり維持できるようになったね!すごいすごい!」

 

「あ、ありがとうございます、お姉様」

 

 

へたり込む亜羅椰に、流瑠はさらに追い討ちをかける。

 

 

 

 

「うん、無事にフェイズトランセンデンスも解除されたし……始めよっか?」

 

 

その言葉に、亜羅椰はびくっと反応する。

 

 

「や、やっぱりやるんですか…?」

 

「当たり前でしょー?これは『オシオキ』。亜羅椰ちゃんがいっぱい我慢していっぱい練習してたのはよくわかったけど、梨璃ちゃんを襲おうとしたのは変わらないからね」

 

 

   ところで、強力なレアスキルであるフェイズトランセンデンスだが、このレアスキルにも欠点がある。

それが、枯渇(ディプリーション)と呼ばれる状態。フェイズトランセンデンスが終了すると、一時的に使用者のマギが急速に減ってしまい、まともに戦闘行動ができなくなるのだ。この間は、フェイズトランセンデンスの再使用もできない。

 

 

 

「じゃあ、いつもの『オシオキ』   枯渇(ディプリーション)状態での戦闘訓練、始めるよー」

 

「ひいっ!?」

 

 

とは言え、フェイズトランセンデンスを極めたリリィなら、枯渇状態でも通常戦闘できるレベルまでマギ減少を抑えることができる。   その、極めるまでが大変なのだが。

流瑠の言う『オシオキ』というのは、()()だ。フェイズトランセンデンスを極めるために、ぶっ通しで「フェイズトランセンデンス」状態での戦闘と枯渇(ディプリーション)状態での戦闘を繰り返す。文字通り、()()()()()()()()()()()

 

 

 

「今日の訓練が終わったら、頑張ってきた亜羅椰ちゃんを目一杯褒めて可愛がってあげるから、頑張ってー!」

 

「や、約束ですよ!?約束ですからね!!」

 

 

全身筋肉痛で動けなくなるであろう未来を想像しながら、亜羅椰は「お姉様に可愛がってもらう」という希望だけを胸に抱いて立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うわぁ……」」

 

 

訓練場に入ってきた天野天葉(あまのそらは)江川樟美(えがわくすみ)は、訓練場の惨状を目の当たりにして、揃って声を上げた。

 

 

「はぁっ…はぁっ…うっぷ!」

 

「ほら、がんばれがんばれー。さっきは一撃当たりそうだったよー」

 

 

壁はボロボロ、床はグチャグチャ。訓練場は、無事なところを探す方が早いというほど酷い有様になっていた。

その上には、制服に埃一つ付けることなく余裕綽々で立っている流瑠と、ボロ雑巾のようにズタボロになりながらも、チャームを支えにして何とか立っている亜羅椰がいた。

 

 

二人が様子を見ていると、天葉と樟美に気付いたのか、流瑠が声をかけてきた。

 

 

「あ、天葉ちゃんに樟美ちゃん!今から特訓?」

 

「え、ええ。そちらも訓練……いや、『オシオキ』ですか?」

 

「そうそう。亜羅椰ちゃんったら、梨璃ちゃんに目をつけて襲いかけちゃってね。でも、私がいない間は頑張って我慢してたんだってね?」

 

 

そう言う流瑠に、天葉は苦笑しながら答える。

 

 

「……ええ、珍しく誰も襲いませんでしたね。『食ってやろうか』も出ませんでしたし。ずっとここ(訓練場)に篭って特訓してたみたいですよ」

 

「みたいだねー。いやーよかったよかった。これで亜羅椰ちゃんも   

 

「気を逸らしちゃイヤですわよ、お姉様ァッ!」

 

 

フェイズトランセンデンス状態になった亜羅椰が、マギ放出で再度高速の不意打ちを仕掛ける。その渾身の一撃は    

 

 

 

「あはは。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

しかし、流瑠によって防がれていた。

 

 

「ッ…!」

 

「甘い甘い。そんなんじゃ、私のシルトにはまだまだ遠いよ?」

 

 

戦闘は続く。天葉から見れば、それはもう「訓練」とは呼べない。命を賭けた戦闘だ。

流瑠から攻撃することは少ないが、隙を見つけては突っつくように差し込み、亜羅椰はなんとかそれに対処する。

で、フェイズトランセンデンスが終われば、今度は流瑠が攻める番だ。

 

 

 

 

「…くぅっ!」

 

「そうそう。枯渇(ディプリーション)状態の時は防御よりも回避を重点的にね。マギはリリィもチャームも守ってくれる守りの要。マギをオーバーロードしたせいでチャームにも負担がかかってる枯渇状態の時は、なるべくチャームは守りに使わないように。空中戦闘(エアリアル)中もなるべく身体の捻りで   但し、怪我はしないように」

 

「わかって、ます!ふぅっ、はぁっ、くっ!?」

 

「よろしい、よく避けたね」

 

 

 

 

 

「フェイズトランセンデンスは、一撃必殺を期するのか、はたまた継戦能力を取るのか、意識してから使用するように。立ち回りが全然違ってくるからね。どちらで使うにせよ、フェイズトランセンデンスはチームの攻撃の要。レギオンメンバーとのコミュニケーションは忘れないようにね」

 

「聞きましたわよ……はぁっ……耳にタコができるほど…!」

 

「聞かせたねぇ。耳にタコができるくらい」

 

 

戦闘は、まだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく見ておくんだよ、樟美」

 

「…はい、天葉姉様」

 

 

二人が行なっている訓練は、間違いなく過激だ。訓練用のチャームを使っているとは言え、一歩間違えれば大きな怪我をしてもおかしくない。

 

だが    そのリスクを取って余りあるほど、実践的で効果的だ。見ているだけでも経験値になるほどに。

 

 

 

百合ヶ丘での戦闘に関する授業は、戦闘理論や戦術理論を含めた座学に加え、チャームを使用した擬似ヒュージとの戦闘が主だ。たまにリリィ同士がチャームを交えることもあるものの、それらは全て怪我しないことが大前提で、殆どのリリィは「実戦」というものを経験しないまま、ヒュージとの初戦闘に挑む。

 

それは、百合ヶ丘で教鞭を取っている流瑠であろうと同じだ。チャームの基本的なことや攻撃の仕方を教えはするものの、流瑠から攻撃してまで指導することなど、まず無いと言っていい。

 

 

     だが、こと「シュッツエンゲルの契り」が絡めば、話は全く変わってくる。

 

 

流瑠のシュッツエンゲルの条件    それは、『流瑠と戦闘訓練を行い、その中で流瑠に一撃当てること』だ。

 

流瑠はこの『シュッツエンゲルの契り』が絡んだ戦闘訓練の時のみ、相手に対して攻撃を行う。もちろん、ちゃんと手加減しているし、怪我しない程度にではあるが。

そして、この条件を満たしてシルトとなったリリィは、今まで一人しかいない。

 

 

「……。」

 

 

天葉はそのリリィのことを思い出したが、胸の内にしまった。

 

 

 

流瑠のこの戦闘訓練は、的確にリリィを導くことで有名だ。

例えば、今の亜羅椰ならば「フェイズトランセンデンス」を最大限まで活かせるように指導を行なっている。

 

『オシオキ』と称しているものの、これは『いつもよりキツくいくよ?』くらいの意味で、いつもやっているシュッツエンゲルが絡んだ戦闘訓練と内容はあまり変わらない。……まあ、『オシオキ』された日の亜羅椰は一日筋肉痛で苦しむくらいキツいらしいから、やはり違いはあるのだろうが。

 

 

この戦闘訓練を受けたリリィは、一撃を入れられずシュッツエンゲルの契りを結ぶことができなかったとしても、リリィとして大きく成長する。

何よりも、成長を実感しやすく、「()()流瑠様に認められた」というのが大きいのだろう、と天葉は考えている。

 

(あれが流瑠様なりの、(シュッツエンゲル)としての(シルト)の導き方、ということなのかな……)

 

全てのリリィを「妹」だと言う流瑠らしいやり方だと思う。

天葉もまた、一人の(シュッツエンゲル)として、どうやって(樟美)を導いていけばいいのか   そんなことを考えさせられた。

 

 

そう考えている間にも、戦闘はまだまだ続く     

 

 

 

 

 

 

「お姉様!シュッツエンゲルになってください!」

 

「一撃入れられたらねー」

 

「お姉様!結婚してください!!」

 

「んー、今は無理かなー」

 

「お姉様!!私と(ピーーーー)してください!!!」

 

「亜羅椰ちゃん!?何言ってるの!?」

 

「お姉様の(ピーーー)が私の(ピーーー)を(ピーーー)して(ピーーーーーーーーー)」

 

「ちょっと黙ろうか!!」

 

 

 

 

 

「あの、天葉姉様?何も聞こえないんですけど……」

 

「うん、樟美は聞かなくていいんだよ」

 

グルグル目を回しながら壊れたことを口走り始めた亜羅椰を見て、樟美の耳を塞ぎながら「あ、そろそろ終わるかな?」と思い始めた天葉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃達三人が訓練場に着いた時、出迎えたのは   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼっこぼこに穴だらけになった訓練場だった。

 

 

 

 

「「「……なにごとーーー!?」」」

 

 

 

 

 

「か、楓さん?もしかして、リリィの訓練場ってこんな感じなのかな……?」

 

「……そうかもしれませんわね」

 

「いやいや、何をお二人で現実逃避してるんですか!?」

 

 

三人がやんややんやと言っていると、声をかけてくる人影があった。

 

 

「お主らも見学か?じゃが、今しがた終わってしまったようじゃがな」

 

「「がな?」」

 

特徴的な言葉遣いに梨璃と二水が振り返ると、そこには、昨日梨璃に新聞を見せた銀髪の小柄な少女がいた。

 

「あら、ミリアムさん。何をしにここへ?」

 

「ワシはチャームの調整……と思っとったんじゃが、丁度『あの二人』がやり合っとったんでな。それの見学じゃな」

 

「チャームの調整…って、チャームを弄れるんですか!?」

 

驚愕する梨璃に、ミリアムは胸を張って答える。

 

「当然じゃ。ワシは工廠科じゃからな」

 

そう言うミリアムに自己紹介する隙を与えず、二水が解説する。もちろん、鼻血付きだ。

 

「工廠科に属しながらリリィでもある、ミリアムイルレガルロウォンウロリウス(ヒルデガルド・フォン・グロピウス)さんですよ梨璃さん!!」

 

「ふ、二水ちゃん鼻血が!?」

 

「お主、大丈夫か!?」

 

当のミリアムにも心配される二水。だが、これくらいでは挫けない。

 

「あ、ご心配なく!昨日から出っ放しですから!」

 

「いや、それは大丈夫ではないだろう」とは、誰も突っ込まなかった。

 

 

 

 

「……で、ミリアムさん。『あの二人』とは?というか、この訓練場の惨状は?」

 

「ん?楓は知らんかったかの?これは「戦闘の余韻」じゃ。んで、戦闘でこんなに訓練場をボコボコにする二人と言えば   

 

 

「ん?あ、梨璃ちゃん!おーい!」

 

「る、流瑠様!?と    

 

梨璃が流瑠の声のした方を向くと     

 

 

訓練場と同じくらいボッロボロになった遠藤亜羅椰が、地面にぶっ倒れていた。

 

「あ、亜羅椰さーーーーーん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっかそっか、夢結ちゃんとシュッツエンゲルに。それで私に訓練をね」

 

「はい…。お願いできませんか?」

 

訓練場の隅。そこに、他の使用者の邪魔にならないように移動した後、梨璃達は流瑠に事情を話した。

 

「いいよー」

 

「流瑠様も忙しいっていうのはわかってるんですけど、私、どうしても強くなりたくって!」

 

「うん、いいよー」

 

「だからどうか    へ?」

 

「いいよ?」

 

 

ニコニコと笑顔で、あまりにも簡単に肯定する流瑠に、梨璃達は呆気に取られる。

 

「あの……頼んだわたくしたちが言うのも何なのですが、よろしいのですか?そんな簡単に……」

 

「うん。まあ確かに忙しかったりはするけどさ    でも、私はみんなのお姉ちゃんだよ?妹が強くなろうとしてるのに、協力しないお姉ちゃんなんていないよ」

 

 

そう言って流瑠は梨璃の両手を取り、続けた。

 

「がんばろう、梨璃ちゃん!私、全力で応援するよ!」

 

「あ……はい!ありがとうございます!」

 

梨璃は何とも簡単に、流瑠との訓練の約束を取り付けてしまった。

 

(この流れでいけば、わたくしのシュッツエンゲルの件もすんなりいくのでは……?言質さえ取れればいいのですし……)

 

あくどいことを考え始めた楓は、タイミングを見て話を切り出した。

 

「あの、流瑠様!わたくしのシュッツエンゲルになってくださいませんか!?」

 

「それはごめんね。私、シュッツエンゲルの契りを結ぶ時は試験を設けてるんだ。いくら楓ちゃんでも、試験未通過でシルトにはしてあげられないかな」

 

ちっ、やっぱりダメでしたか……

 

楓の小声を聞き取った二水は、即座にメモを取り出す。

 

「楓さん意外とあくどい、と……」

 

「ちびっ子!人聞きが悪すぎますわよ!!」

 

「はぁ……」とため息をついた後、楓は質問を変えることにした。

 

「そもそも、流瑠様の試験ってなんなんですの?誰も教えてくださらなかったのですけれど」

 

「それはねー   

 

 

「流瑠様と戦闘訓練をし、一撃でも当てることよ」

 

 

答えようとする流瑠の横から、別の声が答えた。

 

「あ、亜羅椰ちゃん。もう起きて大丈夫なの?」

 

それは、流瑠の横で寝かされていた亜羅椰だった。

 

 

「はい、お姉様。こんなところで寝てはいられ……いつつ」

 

「まだ筋肉痛キツイでしょ?もうちょっと寝てていいよ」

 

「はい、どーぞ」と言いながら、流瑠は自分の膝を差し出す。

 

「お言葉に甘えますね、お姉様♡」

 

流瑠からの誘いに「寝ていられない」という自分の言葉を即座に翻し、流瑠の膝枕を堪能し始める亜羅椰。

 

「なっ……!ひ、膝枕!?ちょ、ま、う、うらやまけしからんですわ!」

 

「ほーう?大胆じゃのう」

 

そんな楓とミリアムの声を無視して、亜羅椰は梨璃に話しかける。

 

「梨璃さん……今朝はごめんなさい。私、お姉様が帰ってきて舞い上がってしまって」

 

「あ、いえ……その、びっくりしたけど……わ、私は大丈夫です!」

 

その言葉に、亜羅椰はくすりと笑った。

 

「ありがとう、梨璃さん。不肖、この遠藤亜羅椰。夢結様とのシュッツエンゲルの件、応援させてもらうわ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

その激励に、ミリアムは意外そうな声を上げる。

 

「ほう?お主、そんな殊勝な人間じゃったのじゃな」

 

「喧嘩売ってるのかしらぁ?高値で買ったげるけど」

 

「いやいや、褒めとるんじゃよ」

 

ミリアムは亜羅椰のおっかない言葉にも動じず、快活に笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…で、『戦闘訓練をして一撃でも当てること』。それがシュッツエンゲルの条件なんですわね?」

 

「そうだよ」と流瑠は答える。

 

「ではそれ、今から受けさせていただいても?」

 

やる気を見せる楓に、「うーん」と悩む流瑠。

 

「やってもいいけど……そうだなー、どうしようかな」

 

暫し考えた後、流瑠はまだ膝枕を堪能している亜羅椰に声をかけた。

 

「亜羅椰ちゃん、()()()?」

 

「……はぁ。お姉様、シルト使いが荒いのでは?」

 

「まだシルトじゃないけどね」

 

「まあ、お姉様のためですからやりますけど」と筋肉痛を押して立ち上がる亜羅椰。

それに困惑するのは楓だ。

 

「?どういうことですの?流瑠様との戦闘訓練をするのでは?」

 

「その前に。この遠藤亜羅椰とお手合わせしましょう?私に勝てなければ、流瑠様に攻撃が届くわけもないのだし」

 

「なっ…それでは話が違うのでは!?私は流瑠様に   

 

抗議する楓に、流瑠はさらに条件を付け加える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝った方は……私がギュ〜〜ってしてあげます!」

 

「やりましょう今すぐに(早口)」

 

「不肖、遠藤亜羅椰。叩きのめさせていただきます(早口)」

 

そういうことになった。

 

 

 




・綺麗な亜羅椰さん
流瑠様への一途な思いでいっぱい。梨璃に謝るシーン書いてて「この子本当に亜羅椰か……?」とはちょっと思った。でも流瑠様に「謝れ」って言われたしね。
気付けばアニメよりも超絶強化されてた。流瑠様のハグで釣れる。チョロい。

・天葉姉様
常識人。アニメでの樟美ちゃんとイチャイチャするシーンめっちゃ好き。
もっと軽率にイチャついていけ。

・樟美ちゃん
公式チートリリィ。お太いおみ足を気にしてるらしい。気にしなくて良いのに…。
亜羅椰やら壱やら天葉姉様やら、やたらカプに恵まれる。もしかして主人公体質か?
もっといろんな女の子と軽率にイチャついてくださいお願いします。

・ミリアムイルレガルロウォンウロリウス
ぐろっぴ。


沢山のUA、お気に入り、評価、感想などありがとうございます!
マジで心の励みになります!これからも頑張ります!
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