例年より寒い年だった
まだ年が明けてすぐの話
君と僕が出会う、少し前からのお話
寒すぎて起きるつもりがなくても目が覚める
枕元に置いてあるスマホを見る、デジタル時計は6:30を表していた
まだ起きるつもりは無いが、2度寝するにも寝付けそうになかったので早めに起きることにした
愛猫の白猫、ウタイがゴロゴロと喉を鳴らしながら擦り寄ってくる、いつも起きた時に擦り寄ってきてくれる可愛げのある猫だ、いつもより早い時間なのにも関わらず申し訳ない
「おはよう、ウタイ」
そう声をかけてベッドから降りる、寒すぎる、早くリビングに向かおう
「おはよう蒼、早いのね、ちょうど朝ご飯できたよ」
お母さんが声をかけてくれる
「おはよう、寒すぎて起きちゃったよ」
そう挨拶を返して食卓に付く、いつも健康的な朝食を作ってくれるお母さんには感謝しかない
朝食を食べ終え、いつもより少し早めに起きたのでコーヒーを飲む時間もある、たまには早起きも悪くないな
「そう言えばリサちゃん、友希那ちゃんとバンド始めたらしいわよ、あなたもそういう趣味とか見つけたら?音楽好きなんだし、今バンド流行ってるみたいよ?」
リサは1件隣、友希那は2件隣に住んでる、幼なじみみたいなものだ
「んー、そうだね、検討しとくよ」
そう返してコーヒーを啜る、昨今バンドブーム、特にガールズバンドが流行ってるらしく、Webニュースなどでも目にすることが多い
バンドも聴くから興味はなくもないが、自分はどちらかというと表舞台に立つのは苦手だから、やらないだろうな…
「さて、そろそろ着替えるか」
「行ってらっしゃい、今日は通学??」
「うん、提出物もあるからね」
俺が通っている高校、インターナショナルスクールは通学とオンラインを好きに選べる、その新しさと珍しさから勉強を頑張って入った、まあ勉強くらいしか趣味がなかったので苦ではなかったし、このスタイルは自分に合っていてとても楽しい
「気をつけてね」
「ありがとう、行ってきます」
そう言って外に出ると冷たい風に吹かれた、暦は1月、例年より寒い年だった
「おーい!蒼ー!」
家を出てすぐ声をかけられた
「おはようリサ」
「おっはよー!今日通学なの?珍しいねぇー」
この子がさっき話してたリサ、今井リサ。一見ギャルっぽいがすごく面倒見がよく料理が上手い
「ちょっと提出物あってね」
「おはよう蒼、リサ」
「おはよー友希那!」
この子が友希那、湊友希那、めちゃくちゃ歌が上手くて中学時代から近所では有名だった、お父さんも一流の元バンドマンだ
「せっかくだからさ、途中まで一緒に行こうよ!」
「そうね、蒼がよかったら」
「じゃあ、ぜひお邪魔させてもらおうかな」
高校が離れ離れになったけど、今でもたまにこうやって交流する
「お母さんから聞いたよ、2人ともバンドやってるんだって?」
「あっ、そうなんだよー!Roseliaっていうバンドなんだけど、もしよかったら蒼も見に来てよ!私頑張っちゃうからさ!」
なんて照れくさそうに笑うリサ、ロゼリア…いい名前だなぁ
「そうね、蒼の感想も聞きたいし、今日ライブがあるからぜひ来るといいわ。」
しれっと答える友希那、よほど自信があるのか、少し興味がでてきた
「わかった、学校が終わり次第行くよ」
「おっ、天才白雪蒼くんの感想が聞けるのは貴重だな〜」
「天才なんかじゃないよ、努力のたまもの!」
「言ってくれるねー笑あ、私たちあっちだから、絶対来てよねー!」
「あいよー」
学校は午前で終わった、ライブ開始は17:00だったな、まだかなり時間はあるけど、ライブハウスが行ったことない最寄りだったから早めに行こう
ライブハウスCIRCLE、サークル…
「あった、ここか」
時間は16:00、あと1時間くらいか、まあそのくらいなら中に入ってても大丈夫だろ
「すいません、17:00のライブチケットください」
「はーい、あっ、君ー白雪くん?」
「は、はい、そうですけど…」
なんでこの人俺の名前知ってるんだ…?
「ちょっとついてきて!」
その人に言われるがままに着いていく
「いやー驚かせてごめんね!私ここ、CIRCLEのオーナー月島まりな!リサちゃんに名前聞いてて、来たら関係者席通してーって言われてたんだー」
「そうだったんですね」
「はい、じゃあここ!もうそろそろ開演だから、楽しんでね!」
言われるがままに2階席に通された、いいライブ会場だな、距離近いから音も迫力も凄そうだ…
ぞろぞろと観客が1回のスタンディングに入ってくる、女性多いなぁ…ガールズバンドで女性が多いのは珍しい気がする
ライトが暗転してメンバーがやってくると歓声が上がる、すごい人気だな…
「Roseliaです、早速1曲目行くわよ…BLACK SHOUT」
友希那らしいしれっとした挨拶から早速曲が始まる、力強い演奏とともに
「っ…」
思わず息を飲んだ、力強い演奏が、友希那の綺麗な歌声が聞こえなくなるくらいの力強い、そして美しく綺麗な、消えてしまいそうな白い肌と、触れたら壊れてしまいそうな華奢な指で楽器を引く君は
淡雪のようだった
例年より寒い年だった
まだ年が明けてすぐの話
君と僕が出会ったお話
感想お待ちしてます(豆腐メンタルなので優しめで…)