物語の1つの区切りの目撃者になってください、夏の合宿編、クライマックスに差し掛かります
それではどうぞ!!
コテージを出た時は0:00を回っていたのをはっきりと覚えている
今は0:30頃だろうか
ああ、白金さん、そんなに走れるんですねあなた
こんな時間に遠くに行ったら、危ないですよ
リサ…離してくれ…
そんなに力強く後ろから抱きつかれたら、アバラ折れちゃうよ…
…最低だな俺は
こんなにもきつく抱きしめるほど自分に好意を抱いてくれてる人を背に、別の女性の事を考えている
はっきりさせなきゃ、リサへの答えを。
それが俺にできる精一杯の事だから
「…リサ」
「言わないで」
「…」
わかってるよ、蒼が言おうとしてること
中学生の頃、アタシが勉強でわからないところをいつまでも解けなくて、悔しくていじけた時
どうしても大人気ですぐ売り切れるパンケーキが食べたかった時
アタシが無茶を言った時いつもそうやって、リサって、苦笑いしながら優しく慰めてくれた蒼
昔から変わらない、アタシだけが知っている蒼
…ごめんね
蒼とって、アタシは今無茶なお願いをしちゃってるよね
最後くらい、いい女で蒼を応援してあげなきゃ
それがアタシがしてあげられた唯一の事なんだから
「…わかってたよ」
「ごめん」
「悔しいなぁ…そんなに好きなんだ」
「…今俺、すごく楽しいんだ、やっと勉強以外の趣味とか、大切なものを見つけたんだ」
「もー、そこまで言われたら心にくるじゃん」
「ごめん…」
「もういいよ、謝らないでよ…燐子のとこ、行ってあげて」
「振り返っちゃダメだよ?絶対ダメだから、前だけ見て走っていって!」
「…ありがとう」
腕を離して、ポンっと背中を押してあげる
速いなぁ、もうあんなに遠くに行っちゃったよ
体育祭のリレーの時より速いじゃん…
誰かのためじゃないと走らなかった蒼が、今は自分のために走ってる、あんなにも速く
ああ…悔しいなぁ…
「振られたら諦める…って、決めたのになぁ…時間かかりそう…ダメだ、笑顔でいるって決めたのに…」
「泣いてもいいんじゃないですか」
「紗夜!?」
「まったく…白雪さんも今井さんも私には相談しないなんて、すこしひどくないですか…私は恋愛なんてものには厳しいと思っていたんでしょうが…」
「あはは…ごめんごめん…気づいてたんだ」
「なんとなく察しますよ…」
「…泣きたい時は泣いて、そしてまた笑えばいいんです」
「…うぅ…紗夜ー」
「はいはい」
だらしなく泣きつくアタシを、紗夜はいつまでも撫でて慰めてくれた
ーーー
「はあああ、どこに行ったんだ…」
白金さんの走っていった方向にかなり走ってきたが、どこにも人影は見当たらない
てか久々に走ったからすげえ疲れる…あと砂浜に足を取られて走りづらい…
考えろ、どこだ…この辺この時間やってるのコンビニくらいしかないけど…
今見えるのはどこまでも続いてく砂浜と閉店した海の家と悩みの岩場くらいか…あ
「あそこなんかすごい人いる!!」
「あれは悩みが解決するって言われてる岩場らしいぞ」
「…」
「白金さん…?」
「悩みの岩場か…!!」
ーー
なんで私走って逃げたんだろう
わかってたつもりだった、今井さんは告白をすると言っていたし、白雪さんもきっと今井さんの事が好き
それでもやっぱり、好きな人が抱きしめられた所を見たら、なんとも言えない気持ちになって
気づいたらここに来ていた、悩みの岩場って看板が立ってたから、夕方に話していたところだとわかった
普通、対岸に何かが見えるとか、なにかに見える岩とか、悩みに関する何かがあると思ったけど何も無い
…なにが、悩みの岩場だ
「そんなの名乗るなら…私の悩みを解決してよ…」
「白金さん…!!」
背後から声が聞こえた
とても驚いたが、私は振り返らない。絶対に
ーー
ー
「ここが悩みの岩場か…」
ご丁寧に看板がたっていたのですぐに分かった
ここにいなかったらもうどこにいるかはわからない
…いや、絶対にここにいる
辺りを見渡すが人影はない
白金さん…どこだ…
くそ…悩み解決してくれんだろ…なら
白金さんに合わせやがれ!!!
そう思った時、奥の方に脇道のようなものがあるのを見つけた
何かに導かれるように歩くと
ずっと探していた後ろ姿をみつけた
ーー
「白金さ」
「何しに…来たんですか」
「危ないから帰りましょう…」
「ほっといて下さい…私はもう少しここにいます」
「ほっとけないですよ…あなたは俺にとって」
「今井さんに言われてきたんですか」
「は?」
「今井さんと抱き合ってましたもんね。」
「あれは違うんです」
「何が違うんですか…もういいから帰ってください」
「っ…なんでそんな言い方するんですか…白金さん!!」
肩を掴みこっちを向かせると
白金さんは泣いていた
「…私だって…私だって白雪さんのこと好きなんです!!悩みを相談した時、真剣に話してくれて、いつだって気にかけてくれて…心が音を奏でるようにときめいて…でも今井さんが白雪さんの事好きだって知ってから、この気持ちは忘れなきゃいけないんだって…だから今まであまり話さないようにして…だからもういいんです、帰ってください」
「なんで忘れるんですか」
気づいたら俺は、白金さんを抱きしめていた
「…っ離してください」
「いいえ離しません…だいたい俺がいつリサと付き合ってるって言いました!?俺の話ちゃんと聞いてくださいよ!!!」
「俺だって白金さんが好きです…大好きなんです!!初めてRoseliaのライブ行った時から、あなたのピアノを弾いてる姿を見てから、あなた目当てでcircleでバイトして、あなたが好きだからめちゃくちゃNFOのクエスト周回して、気づいたらあなたと話すのが生きがいになってたんです!!引きましたか!?気持ち悪いですか!?それでもいいです!!俺はもう気持ちを抑えるのはやめます、だから白金さんもちゃんと気持ちぶつけてくださいよ!!!」
「…白金さん、いや、
「
「…私、今井さんと違って料理できないです」
「一緒に作りましょう」
「あこちゃんと違って積極的じゃないです」
「俺が引っ張っていきますから」
「友希那さんと違って、人を惹きつける特技もない」
「変な男よってこないからラッキーです」
「氷川さんと違って、頼りがいもないです」
「全然いいんですよ」
「白金さん、あなたに何もなかったとしても。俺はそんなあなたが大好きなんです」
「だから、人と比べないで自分の気持ちを、しっかり話してください、それだけでじゅうぶんですから」
「白金さん、俺と付き合ってください」
「…私も…
「よろしく、お願いします」
お互いに顔面ぐしゃぐしゃになるほど泣いて、微笑みあって、また抱きしめ合って
ようやく想いを伝えられた俺たちを、たくさんの星と月明かりが照らしていた
次回、夏の合宿=恋愛成就の法則編最終回になります!
たくさんの感想や評価、お気に入り本当に嬉しかったです
これからもよろしくお願いいたします
(めちゃくちゃ終わりそうな雰囲気出てますがまだまだ終わりません←)
(まだしばらくお付き合いいただければ幸いです←)