「あなた、中学生の頃の反省全くしてないのね」
「ん?」
「リサをいじめていた先輩たちの所に1人で突っ込んでいって、話し合いじゃ収まらず殴り合いの喧嘩して…大事になったじゃない」
「あー…」
「…負けたらどうするつもりなの」
「Roseliaは負けない、だろ。負けた時の話を負ける前からするなよ」
「…私たちは、まだ頂点に立ったつもりはないわ」
「謙虚だなぁ…俺は信じてるよ、お前らを…もし負けたとしても勝手に突っ込んでった俺のせいだ…Roseliaの看板に泥を塗ったら、ごめん」
「負けは私たちの力不足のせいよ。勝手に勝負を受けたのはあなたのせいだけど。」
「燐子さんのことああ言われたら腹立つって…反省してる…なあ友希那、もし、もし負けるような事があったら…燐子さん、頼むわ」
「…ええ、頼まれたわ…」
「まあ、負けることなんてねえけどな!!」
ーーー
「マス…キング…」
ああ、思い出したこいつ、RASのドラムのやつだ
「救世主ってどういう事だ…」
「そのまんまだよ、お前を助けてやる」
「ここから出してくれるのか?」
「いや、悪いがそこまで万能な救世主ではない…お前の可愛い彼女さん、今どうしてるか知りたいだろ」
「燐子さんが何してるのか知ってるのか?」
「知ってる、教えて欲しいか?」
「ああ」
「タダじゃ教えねえ。等価交換だ…チュチュを救ってやってほしい」
「意味がわかんねえんだが」
「そろそろチュチュが夜飯もって戻ってくるから手短に話すぞ、いいか、お前はとりあえずチュチュの言うことをできるだけ聞け、本当に嫌なことはやんわり嫌がれば無理にはしないはずだ…キスとかな」
「ある程度言うことを聞けばこのマンションの一室を自由に歩き回れるようにお願いしろ、あいつは多分お前の言うことはなんでも聞く…そうなった時に詳しく教える、後でな」
「お、おい」
「自分のせいで迷惑かけたこと、みんなに直接謝りたいだろ?言うことを聞け、信用しろ」
そう言い残すとマスキングは部屋を出ていった
…俺がまいた種とはいえ意味がわかんなくて頭がおかしくなりそうだ…救うってなんだよ
まあいい、燐子さんの情報が手に入るなら、何だってする…
「SNOW、夕食を持ってきたわ」
「ああ、ありがとうチュチュ」
手を縛られていたのでチュチュに夕食を食べさせられた
ていうかなんだこの夕食は、ジャーキーじゃねえか
「ああ、SNOW、やっと私の言うことを聞いてくれるようになったのね…」
「チュチュ、次はもうちょっとちゃんとしたものを食べたいな…」
「…私が頑張って用意したのに…パレオの力を借りずに用意したのに…それを嫌がるの?」
「い、いやじゃないよ、でも、これだけじゃ体壊しちまうよ…な?一緒に居たいんだよ、わかってくれ」
「…わかったわ、次からパレオに用意させる」
こいつはチョロい
頭がいいのかもしれんが精神年齢は子供だ(案の定)
これならなんとかやって行けるかもしれない
「なあチュチュ、これ、解いてくれよ…手が痛くてつらい」
「ダメよ。まだ逃げる可能性があるかもしれないから悪いけどそのままで」
くそ…
「さあ、一緒に寝ましょうSNOW」
「…」
あー、合宿で燐子さんと寝た時を思い出そう
気をまぎらわせろ
こんな生活を3日続けた
「なあチュチュ、そろそろ信用してさ、自由に歩かせてくれよ」
「…わかったわ」
とうとうチュチュから家の中だけは自由に歩き回れる許可を得た
「本当か!!ありがとうチュチュ」
「私はこれからパレオと買い出しに行く、他のバンドメンバーに見張るようお願いしてるから、逃げようなんて思わないでね」
そう言って縄を解きリビングへ連れていかれる
「彼女はドラム担当の
「よろしくな」
とニヤリと笑うマスキング、あの日部屋に入ったことは気づかれてないみたいだな
「彼女はボーカル&ベースの
「よろしくね」
とだけつぶやくレイヤ…すげえジロジロ見られるんだが
「彼女はギターの
「よ、よろしくお願いします…」
とロックは不安そうに頭を下げる、イントネーションがちょっと違和感ある感じだが、どこ出身なんだろう
「いい、SNOWが逃げ出さないように、ちゃんと見張っておいて、行くわよパレオ」
「かしこまりましたー」
そう言ってマンションを出るチュチュとパレオ
久々に緊張が緩む
レイヤとロックからはチュチュのようなヤバそうな雰囲気は感じない
「ようやく出てこれたなSNOWくん」
嫌味のようにニヤニヤしながらマスキングは頭をわしゃわしゃと撫でてくる
「やめろ…説明してもらおうか、救うってなんだよ、どういうことだ、あと燐子さんはなにしてる」
「まあ落ち着けよ…チュチュの過去から話さなきゃならない」
そう言ってマスキングはたんたんと語り始めた
「この家、あいつのお母さんが借りてる家なんだ、でもあいつのお母さんはいない
世界的に有名な演奏家でな、あいつも小さい頃に演奏家になるように言われ育てられた…あいつはなかなか才能が開花しなかった、練習しても練習しても、結果がついてこなかった…審査員からも親からも認められず、あいつはずっと孤独だったんだ」
「そんな時あいつは演奏家以外の方法…プロデューサーとして音楽を成功させることを思いついた、それでも認めてくれる人はいなかった、そんな時唯一夢を応援してくれたのがパレオと」
「俺だったって訳か…」
「そういう事だ。パレオはチュチュに魅了されたがお前は颯爽と去っていった、あいつは許せなかった。自分だけを見て欲しいという感情に襲われた…そして作詞作曲にもっと力を入れ、プロのサポートメンバーとして活躍していた私とレイヤに声をかけた、動画サイトで有名になっていたロックにもな」
「それでもあいつはまだ足りなかった、認めてくれる人や、自分の理想とする音楽を奏でるメンバーを手に入れても、愛されたいという感情が消えることは無かった」
「あいつは寂しいやつなんだ。本当はあんなメンヘラじみたやべえ事するような奴じゃないのは私たち全員わかってる、その呪縛から救ってあげられるのは蒼、お前しかいないんだ」
「ごめんね、蒼くん…私たちに協力して欲しい」
とレイヤは申し訳なさそうにつぶやく
「チュチュさんも、本当はこんな方法で白雪さんの事自分のものにしたいなんて思ってないと思います…きっと、誰かに止めて欲しいんだと…」
ロックは今にも泣きそうな表情でそう言った
「ぜんっぜんわかんねえ、どうすればいいか」
「でも、ここに来ちまったのも俺が原因だ…できる限りの事は…してみる」
「蒼くん…」
「協力はするから燐子さんの事を教えろ…等価交換だろ?」
「ああ、今私たちの事を探してる…多分お前のこと奪い返す気なんだろ」
「悪いけど次来たとしても手は抜けねえ、私達も本気で音楽やってるから…でももし負けたら潔く返すようにチュチュを説得する…お前も部屋に縛られてるよりマシだろ?」
「ああ、わかった…協力するよ」
「クソガキ改心同盟だ」
蒼くんはめったに怒りませんが怒った時は目の前が見れなくなるタイプで、その度に自己嫌悪する人です、悪気はないんです…わかりにくかったらすいません…
みんなでチュチュちゃん助けようの会